「学校を作ろう!」
「どうした急に!?」
起業したときからいる人事の中村に驚かれた。
まあ、突拍子のないことだから仕方ないかもしれない。
でも俺の考えは、今後の日本にとって大事なことなんだ。
特に四国は流刑地としての側面と地方という側面がある。
しかも九州と違って価値が低く、経済や物流・人口・需要や供給の面において非常に立場が低い。
むしろ無視される。
こんな状況を打破できるのは、農業・サービスだ。
そして小手先の技術。
香川県を含めた四国は、多くの発明を行ってきた。
造船・手袋・和三盆・水槽・オリーブ系の農産物が有名な香川県。
愛媛は、柑橘系やタオル・化学製品・造船。
徳島は、すだち・化学製品・乳牛。
高知県はその広さから、鶏・夏の野菜等の農産物・カツオといったものの全国生産量一位が多い。
これらすべてあらゆるヒトの智慧と不断の努力からなっている。
そしてこれらを後押しするのは、間違いのない知識と小さい時からの慣れだ。
すべての要素なくして、殖産興業はできない。
つまり、皆に勉強してもらって学を付けてもらって、豊かにしていこうということ。
「学校を作って、そこに通勤通学するものは、利用料金を半額にするんだ」
「そもそも、どうやって集めるんだ?」
「地方予算? というのが、中央で出たじゃないか。これを使うんだよ」
「はした金だろう。それに県議会が、一企業に使うわけが……」
「何言っているんだ! 学校を作るのは県議会で、俺たちは県議会に売り込みをかけて駅周辺に立ててもらうんだよ」
「なるほど、そういう」
すべて俺たちがすることはできない。お願いだって、無限にできないし。
だから他のできないことは、他の人にやってもらって移動の脚は、こっちが用意するんだ。
それに一箇所に政治機能を集中されるのは、戦略的によろしくない。
鉄道を高速化することで、政治機能分散を狙えるかも。
後は市内馬車を、自動化できればいいんだけど、馬糞も貴重な有機質肥料だ。
むやみになくすことは、今後発生する化学肥料の大量消費につながる。
これはよろしくないことだ。
夏。やっと香川実験場ができた。
この実験場は、冬に行った転生者を呼び込んで発展させようという目的の隠れ蓑だ。
平成を目指して努力するのと同時に、神様という存在からギフトや特典をもらっただけで機会のない転生者に、実験場を提供する意味合いもある。
もちろん金は惜しまないし、特許も申請してもらっているぞ。
それとこの夏、瓦町・高松築港・坂出・多度津から、三豊市まで延伸することに成功したんだ。
なお三車線敷いて、貨物・標準・特急を走らせている。
偶に多度津工場からお願いがあって、高松まで路線を誘導させることもある。
「さて、瀬戸内電鉄の社長にお願いがあるんだ」
「はい、なんでしょうか」
秋の初め、市議会と県議会から招集され上座に座らせられる。
何があったんだろう?
「鉄道を、徳島・高知・愛媛まで伸ばせないだろうか?」
「すぐにとは言いません。ですが、5年以内にでもできませんか?」
「そうですね。確約はできませんが、やってみましょう。都市計画があるのでしたら、うちの営業に企画書をお持ちください。路線計画は、全て彼に任せてあります。後はよろしければ、様々な分野の学校を我が鉄道の沿線に作っていただけますれば、生徒や先生の移動が楽になります。
少しでもお子様方には、ストレス……精神的負荷の少ない学生生活を送っていただきたいのです」
「わかりました。社長の言う通りですな。わが国は、日々進化しております。
特に医学薬学・製鉄分野に至っては他国に追従しておりますからな。
追い抜け追い越せなければ、列強に飲まれましょう」
「やはり、国力を高めるためには、市井……特に女子の活躍の場を増やさなければなりませんな」
はい。そういうわけで、高松市改造計画のはじまりだ!
微妙な三角州をすべて道路の下に隠し、なるべく平にして通行しやすいようにする。
我らが鉄道も、枕木や砂利・ロングレール化して早くつくように心がけるようにした。
まあここらへんは、最初からやってるんだけどね。
カーブのところは、曲がる方向に路線を傾けるとかしてるし。
鉄道において必要な信号や遮断器も、今は人力だけど一部はスプリング感応を使って、電鈴を鳴らしている。
「社長、今年から高松大学を電車教室で行います」
「まあ、いいんじゃない?」
多度津工場から要らなくなった客車を買い取って、それを経費で立てている大学ができるまでそこで勉強をしてもらうんだ。
黒板や机もあるけど、そこまで広くない。
でも、冷暖房完備だから、結構喜ばれてる。
多分全国で一番令和の校舎に近いだろうね。
『マスドライバーが完成しました』
『レスプロエンジンが開発されました』
『呉・倉敷・広島・岡山の4駅が開通しました』
『アルツハイマー型認知症治療薬が、開発されました』
『お願いを4つ叶えます。また、4つを保持し、5つのお願いを消費することで、
更に重いお願いを一つ叶えることができます』
ああ、それなら報告受けてるよ。
香川実験場の隣に、でかい橋?があるよね。
あとはその周辺に、レールガンがあるけれど、上位存在に言わせればまだ未完成のようだ。
さて今日はこれを見て今年はおしまいだ。
<今年最後のレース、香川記念芝2500m!
一番人気は、ディープコンパクト。二番人気、スペシャルゲスト。
三番人気、セイウンハロー。四番人気、トウテイカイオー。
五番人気、グランアレックス。六番人気、ガンボリルドルフ。
七番人気、ナリタブライガー。八番人気、ハルノウララカ。
九番人気、ミホノブルホーク。10番人気、テイエムカゲキオー。
11番人気、マンデーサイレンス。12番人気、イクノイックス
ーーー以上25頭の出走です!>
「「「わああああああ!!!」」」
すっげえ声援だなぁ。
しかもこの25頭全て母親も父親も違うんだよな。
最速のサラブレッドよりも、馬車として言う事を聞くやつを選抜している。
つまり、新馬戦の後3年以内にG1を勝ち抜いたやつが、馬車に適用されるんだ。
こういう事もあってか、香川県どころか日本中の騎馬大好きさんがこぞってやってくるようになったぞ。
なんでやろうなあ。
ちなみに事前に電話をくれれば、追加料金も含めて送迎やホテル宿泊のための企画をすべて行う事業所もあるし、そことぐるになって有名な馬で送迎することもできる。
昔の感覚でいえば、深い衝撃の曳く馬車に乗って観光名所やホテルに送迎してもらえるサービスってことだ。
まあ、夢を売っているってことで、ここは一つ。
「よし、去年の三冠馬、シャワーライスに乗って行こうか」
「はいはい。そいつは、予約が130件入ってますので、乗れませんよ」
「人気過ぎだろ。まあいい赤兎馬がいる」
「愛馬を放って他のやつに目移りするとか酷い野郎だなと不貞腐れてますので、電車で帰りましょう」
「はい」
ちなみにこの競馬場には、大型のスピーカーとマイクがある。
時代の最先端を注ぎ込むなんてなあ。
あ、そうだ。今年の秋、天皇家のおばあさんがお隠れになったらしい。
全国にラジオを普及させようと、東京に向かわせている社員からそういう電信が来たんだ。
まあ田舎にとって、皇室は遠い世界だ。歴史的に見ても、皇室とは違う思想のものを流された場所だしね。
反目するわけではないけれど、日本の時流に乗り切れていないと思う。
今だって県内開発に勤しんでいるし?
「ところで、東京でラジオはどうなの?」
「大体北豊島郡や内藤新宿区等、帝都と呼ばれるところを起点にしています。
明後日に最初の放送を行いますよ」
「そりゃよかった。一日の流れとしてはどうかな?」
「日が昇る6時から夜の9時まで、最初に君が代を流して大体その日の昨日のことを再度通達し、主に重要なことを伝えた後、日本の現状や世界の事情を話します。
また昼には、フランス語講座やドイツ語講座を行います。13時くらいに、今日のサラメシを流します。
14時から皇室の話を、14:30から政府の動向を伝えます。
16時から18時に、研究所で作られている電子音楽やギターロックを流します。
19時から最後まで、今日あった主な出来事を伝えます」
「結構細やかなダイヤグラムでいいぞ!」
「ありがとうございます。このラジオ放送は、香川県発祥とは伝えなくていいんですか?」
「東京支部といえばだいたい察しが付くんじゃないかな。まだ、地方のほうが進んでいるとは思ってほしくないよ」
「わかりました」
出る杭は打たれるものだからねぇ。だから、こうやって秘匿しながら、利益を出していくんだ。
ちなみに、電子音楽やギターロックは、モーターやスピーカーが開発されてから急ピッチで開発と整備が行われて、アンプや電子ピアノ等が完成したんだ。そして、その後世界初めてのロックバンドが、高松駅前で演奏が行われたんだぞ。
まるで前世のアニメのOP集みたいだ!
最初は冷ややかだったんだけど、転生者や彼らと一緒に働いている地元民が一緒に盛り上げると、県外から来たお客さんも何だ何だと見ていくようになっている。
『戦車の原型ができました』
『半導体が開発されました』
『真空管ができました』
お、一年の区切りの終わりにできたね。
やっぱり、新しい研究所は違うね。