東方龍白録 〜The End of Crossover Fantasy.   作:タミ

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さあ、役者は揃った

千年に一度の伝説の戦士の力、魅せてみろ。


其之七 黄金VS紅黒

外に出た2人を襲ったのは何かがぶつかり合った事による轟音だった。

 

悟空と血のオーラを纏うレミリアは凄まじい速度の攻撃を繰り出し続けている。

 

「どうしたサイヤ人!その程度なのか!?」

 

レミリアは界王拳を使用した悟空に並ぶ強さを見せている。

 

「なんか、悟空が赤くなってないか?」

 

「そういえば」

 

2人は少し離れた場所から戦いを見守る。

 

レミリアの殴打が悟空の鳩尾を捉える。

 

よろめく悟空に対し、追い討ちをかけるように蹴りを放つ。

 

が、悟空は左手でそれを防いだ。

 

「……おめえが何者なのかは知らねえが、レミリアのカラダから出て行ってもらうぞ」

 

「……やれるものならな」

 

悟空の身体から赤いオーラが消え、代わりに凄まじい熱気と黄金のオーラが吹き出し始める。

 

「はああああーーーーッ!!!」

 

悟空の目は緑色へと変わり、髪の毛が逆立ち始める。

 

悟空を中心にして爆風が吹き、遠くで見守っていた霊夢と魔理沙はそれに煽られ吹き飛ばされてしまった。

 

「……来たか、超サイヤ人」

 

悟空の放った気で紅い霧は全て吹き飛ばされ、空には美しい夜空と満月が広がっている。

 

「……悟空の髪の色が変わった……?!」

 

「……悟空のヤツ、私と闘った時は全然本気じゃなかったのかよ……」

 

魔理沙は悟空の放つ威圧感に耐えながら悔しそうに歯噛みする。

 

「いいぞ、面白くなってきた」

 

レミリア、正しくはレミリアに取り憑いている何者かは超サイヤ人のことすらも知っていたようにニヤリと口角を上げる。

 

悟空の髪は黄金に変わり、身体からは輝く黄金のオーラが放たれている。

 

「さあ、続きを始めようぜ」

 

悟空とレミリアは同時にゆっくりと飛び上がる。

 

そして互いに距離を詰めていき、激しい殴り合いを始めた。

 

衝撃波が周りに広がり、地面は大きく陥没していく。

 

そのあまりの強さに、霊夢と魔理沙は立っていることもままならない。

 

しかし次の瞬間、レミリアは一瞬にして姿を消し、悟空の背後に現れた。

 

レミリアは悟空を殴り飛ばそうとするが、悟空に見切られていたのか逆に背後に回り込まれ蹴り飛ばされてしまう。

 

さらに、悟空は間髪を容れずに追撃し、レミリアを地面に叩きつける。

 

レミリアは受け身を取りすぐに体勢を立て直すが、今度は目の前に悟空が迫っていた。

 

繰り出される拳の連打を受け止めるが、圧倒的な力の差にレミリアは押されていく。

 

レミリアは蝙蝠化し悟空と距離を取る。

 

「……この身体ではこれが限界か」

 

「紅色の幻想郷」

 

レミリアはスペルを宣言し、巨大な弾幕を放った。

 

「これで終いだ」

 

レミリアの放った弾幕は真っ直ぐに悟空の方へと飛んでいく。

 

悟空は弾幕の合間を縫ってレミリアの方へと向かっていく。

 

「かめはめ………」

 

両の手の間にエネルギーを満たし、レミリアとの距離を詰める。

 

そして悟空はレミリアの目の前まで辿り着き、溜めたエネルギーを解き放つ。

 

「波ァァーーーーッ!!!」

 

悟空の両手から放たれたかめはめ波の青い閃光は、レミリアの放った弾幕をかき消しながら突き進み、レミリアに直撃した。

 

かめはめ波はレミリアを飲み込みそのまま館に直撃し爆発を起こした。

 

爆煙が晴れると、そこには気絶したレミリアの姿があった。

 

霊夢と魔理沙は慌てて駆け寄る。

 

霊夢はレミリアの首筋に手を当て脈がある事を確認した。

 

「……生きてるみたいね、さすが吸血鬼」

 

悟空は先程まで感じていたレミリアに取り憑いた何者かの気が消失したことを感じとり、張り詰めた気を緩める。

 

「ふうっ、終わった……」

 

悟空は超サイヤ人の変身を解き黒髪に戻りゆっくりと魔理沙たちの方へ降りていく。

 

「やったわね、悟空」

 

霊夢は笑顔で迎えるが、魔理沙は不満そうな表情を浮かべている。

 

悟空は魔理沙の前に着地した。

 

魔理沙は俯き、何も言わない。

 

そんな魔理沙を見て、霊夢は首を傾げる。

 

「どうしたのよぶすくれて」

 

「……別に、なんでもねーよ」

 

魔理沙はぷいっとそっぽを向いた。

 

「……何よ、まったく」

 

その後、3人は気を失っていたレミリアたちを安全な場所に寝かせ、霊夢は異変の事後処理を始めた。

 

異変の首謀者だったレミリアは倒され、紅い霧も悟空が吹き飛ばしてしまったため、結果的に異変は完全に解決されたのである。

 

「……どうしたの、悟空まで浮かない顔して」

 

霊夢は館の外壁に寄りかかり座る。

 

「……オラが超サイヤ人になった時のレミリアはレミリアじゃなかったんだ」

 

悟空のセリフに霊夢は疑問符を浮かべる。

 

「すーぱー……なんて?」

 

「超サイヤ人だ、それも後で説明する」

 

悟空は一つ一つ説明を始めた。

 

まず、自分が他の生物、人物の気を探る事ができること。

 

そして、レミリアとの戦闘中に明らかに別人の邪悪な気がレミリアに混ざったこと。

 

最後に、かめはめ波でレミリアを倒した後にその邪悪な気は消失したこと。

 

一通り話し終えて、悟空は霊夢の顔を見る。

 

霊夢は顎に指をあて、何か考え事をしているようだ。

 

「乗っ取られていた、か」

 

霊夢は事実を噛み締めるように頷いた。

 

そして、ゆっくりと立ち上がり空を見上げる。

 

満月が輝いていた。

 

紅い霧もなくなり、美しい満月だけが夜空に浮かんでいる。

 

「ところで、魔理沙はどこ行ったのかな」

 

悟空は辺りを見回す。

 

「何かに腹立ててどっか行ったわ……まあそのうち戻ってくるでしょ」

 

霊夢はそう言いながら欠伸をする。

 

それを見た悟空は苦笑いする。

 

その時、寝かせていたレミリアたちが目を覚ました。

 

「おや、親玉様のお目覚めね」

 

レミリアは起き上がり自分の身体を確認する。

 

隣には咲夜が横たわり、その横に美鈴がいる。

 

「私は……一体何があった?」

 

レミリアは記憶が飛んでいるのか頭を抱える。

 

「どうやら悟空の言ってた事は間違ってなかったみたいね」

 

霊夢は悟空の方を見ながら言う。

 

「お嬢様、ここは……」

 

咲夜もどうやら意識がはっきりしてきたようだ。

 

「はいはい、あんたらは負けたの」

 

霊夢は2人に簡潔に告げた。

 

その言葉を聞いたレミリアと咲夜の目付きが変わる。

 

霊夢の方を睨み付けている。

 

その瞳にはまだ闘志が宿っていた。

 

「何よ、まだ闘る気?」

 

霊夢は目つきを鋭くするが、レミリアは肩を落とす。

 

「情けないが……もう身体が言うことを聞かない」

 

レミリアは諦めたように呟く。

 

「おまえたちも済まなかった、まさかこんな結果になるとは思ってもみなかった」

 

レミリアは隣にいる従者や友人に謝罪する。

 

「……お嬢様が敗北を認めるなんて」

 

レミリアの言葉に咲夜は驚愕していた。

 

しかし、すぐに冷静になり口を開く。それは、とても優しい声色だった。

 

咲夜は笑顔を浮かべている。

 

そんな様子に霊夢は拍子抜けしたような顔をした。

 

その時、悟空の腹の虫が鳴いた。

 

「はは、オラまたハラ減っちまった」

 

悟空はきまり悪そうに頭をかく。

 

そんな姿にレミリアたちも肩の力が抜けてしまう。

 

「じゃあ、今まで隠れていた情けない妖精メイドたちにでも食事を作らせよう……咲夜、動ける?」

 

レミリアは気を取り直し、いつもの調子を取り戻す。

 

咲夜は静かに首肯し、ゆっくり立ち上がる。

 

「そういえば、あんたらなんでこんなことしたのよ」

 

霊夢はふと疑問をぶつけた。

 

レミリアはびくりと肩を強張らせる。

 

「……昼間に、遊びたかったから……」

 

そして小声で答えた。

 

その回答に霊夢はあからさまに呆れ顔になってしまった。

 

「なんだ!悪いか!ええ?!」

 

レミリアは怒りに任せて叫び霊夢を指差す。

 

霊夢はため息をつき、悟空は笑っていた。




紅い霧の異変は解決した。しかし、まだこの異変にはまだ謎が残っている。レミリアを乗っ取っていた者は何者なのだろうか。次回、「謎を呼ぶ異変」をお楽しみに。

感想やお気に入り、評価、ここすき等、是非お願いします。やる気が出ます。次回投稿が早くなります。……たぶん。
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