中野家if ~アナザーエイジストーリー~   作:真樹

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四葉と風太郎が結婚してから五年後。今日も五つ子たちは仲良しだった。
だけどちょっと変わったところもあった。それは来年で三十路だというのに結婚どころかパートナーがいるのは四葉一人だけ。
残された四人は非常に焦っていた。
そんな世界の日常。

◆キャラ設定
一花(29):年下の俳優相手に告白5連敗中。一花の前で「行き遅れ」がNGワードなのは姉妹の共通認識。
二乃(29):最近合コンの楽しみが男より食事になってきている自分の変化が一番怖い。一度五月に惚れていた生徒(卒業後、成人済み)を紹介してもらったことがあるが、何故かフラれた。
三玖(29):いまだにフータローを諦めきれていない。四葉と入れ替わる作戦が段々マジになってきている。
四葉(29):アホ。姉妹唯一の成功者。風太郎が出向で海外に飛ばされたので実家に帰ってきている。風太郎ラブ。
五月(29):次の誕生日では自分だけ日付を跨いで生まれたことを活用して姉たちを煽り倒してやろうと考えている。本人は同年代の恋人がほしいのに勤務先の高校では生徒とオジサン教諭にばかりモテるのが最近の悩み。
風太郎:三年前から海外へ出向している。長期休暇には日本へ帰ろうとするが、先に実家に帰った四葉から今は姉妹に会わない方がいいと止められており不思議に思っている。
上杉楓:風太郎と四葉の娘。名前はまだ作者も決めてない。追記:やっと決まった。


29才_中野家は幸せになりたい(台本形式)
女子会


 夜9時、家の扉が開かれた。

 

五月「ただいまー。あれ、みんな何してるの?」

 

二乃「見て分からないかしら? 女子会よ」

 

三玖「お帰り、五月」

 

四葉「zzz」

 

五月「女子会って、私達もうそんなこと言う年じゃないでしょう?」

 

一花「もー五月ちゃんったら、フータロー君みたいなこと言うじゃん。私達女子はいくつになったって女子ですよー……ほんと、いつまで女子やってるんだろうね私達……」

 

三玖「一花が泣いた」

 

二乃「あんた帰って早々一花の地雷踏み抜くんじゃないわよ!?」

 

五月「ご、ごめん! 別にそういうつもりじゃなかったんだけど!?」

 

四葉「zzz」

 

一花「四葉はいいなあ、フータロー君ってパートナーがいて」

 

五月「そういえば、あの子はもう寝てるの?」

 

二乃「娘ちゃんなら四葉の部屋でぐっすりよ」

 

三玖「さっき寝たばっかり」

 

五月「じゃあ起こさないようにしないといけないね」

 

一花「私もそんな幸せな人生送りたかった~!!」

 

五月「今静かにしろって言ったよね!?」

 

三玖「二乃もそういえば、今日は昼間デートって言ってたよね。どうだったの?」

 

二乃「急に刺してきたわね。別にいつも通りだけど?」

 

三玖「フラれたんだ。南無」

 

二乃「合掌やめなさい。後、私のいつも通りをフラれてる扱いするのもやめなさい。私は五回も交際を成功させてる恋愛テクニシャンよ?」

 

五月「つまり五回失敗してるというわけね。威張ることじゃないよ」

 

二乃「フラれたんじゃなくてフッてやったの! あいつらレストランでクーポン使うわ図書館なんて地味なとこ連れてくわ、一回目のデートでプロポーズしてくるわ他にも色々あって……全員最悪だったのよ!」

 

三玖「全部フータローもやってたこと」

 

二乃「そうよ! でもフー君はカッコよかったからいいのよ!」

 

三玖「ひどい掌返し」

 

二乃「うるさい!」

 

五月「聞き苦しい話はその辺で。私も一本もらうね」

 

二乃「聞き苦しいって何よ!?」

 

三玖「どれ飲む?」

 

五月「それじゃあカシオレの缶をもらうね」

 

二乃「無視して話進めるなぁ!」

 

四葉「zzz」

 

一花「私達いつまでこのままなんだろうね……」

 

三玖「高校生の頃はもっと前向きな言葉だったのに、今聞くと悲壮感凄すぎ」

 

五月「みんな必死になりすぎだって。そもそも必ず彼氏を作らないといけないわけじゃないんだし」

 

二乃「そういう五月が、実は一番チャンスある環境にいるじゃない」

 

五月「私の場合はみんな未成年だったり年上すぎて論外だよ! ……あ、でもそういえばこの前、元教え子のOBの子が連絡を」

 

一花「五月、そこから先は言葉を選んで話しなさい。ただじゃおかないわよ」

 

五月「一花、目が怖いよ。えと、それでね、OBの子が連絡くれたけどお兄さんが彼女募集中らしくって、どうかって話があったよ」

 

二乃「年は?」

 

五月「確か32」

 

一花「五月さん、それ以上は言葉を選んでください……私がただじゃ済まないので……」

 

五月「急に敬語にならないでよ」

 

二乃「三玖、あんたこそどうなのよ。いい加減待ち受けのフー君やめたら?」

 

三玖「なんで知ってるの……!?」

 

二乃「同じ喫茶店で働いてるのよ? いやでも目に入るわよ」

 

五月「三玖、まだ上杉君のこと諦めきれてないの?」

 

一花「いくら何でもいい加減、ねえ?」

 

三玖「別に引きずってなんかない。ただそういう気分で待ち受けにしてるだけ」

 

二乃「なら部屋にある四葉のリボンは捨てておきなさい。本人だってもう持ってないのに変だわ」

 

三玖「なんで知ってるの……!?」

 

二乃「あんたお願いだからマジでやめてお願いだから今すぐ捨てて」

 

五月「二乃顔が怖いです後三玖の肩を掴むのもやめて」

 

一花「そうか、その手があったか」

 

五月「ないです! 一ミリもないです! そこに四葉寝てるんですよ!? 二人とも何言ってるんですか!?」

 

四葉「zzz」

 

三玖「五月、昔の口調に戻ってる」

 

二乃「たまにあんた戻るわよね」

 

五月「誰がさせてると思ってるんです……思ってるの!」

 

四葉「zzz」

 

一花「後さ、気になったんだけど」

 

三玖「どうしたの一花」

 

 

一花「なんで三玖の後ろで寝息立てる振りしながら立ってるのかな、四葉」

 

 

四葉「『zzz』……私はまだネテルヨ」

 

三玖「四葉、どうして背中から私に手を回すの」

 

三玖「四葉、どうして私の首に肘をひっかけるの」

 

三玖「四葉、どうして力を……うっ!」

 

五月「絞まってる! 三玖の首絞まってる!」

 

四葉「あはは冗談だよ。ジョークジョーク」

 

二乃「すぐ離したのはいいけど目が笑ってないわよ」

 

四葉「もう、人の旦那さんをお酒のツマミにしないでよ」

 

五月「四葉が真っ先に寝てたからでしょ? 途中まではほんとに寝てたじゃない」

 

四葉「まさか自分がこんなお酒弱いとは思わなかったよ」

 

五月「どのくらい飲んだの?」

 

四葉「スピリタス一本」

※(ビールはアルコール度数5%、ジンやウォッカで40%、スピリタスは96%)

 

五月「むしろ今生きてることが不思議なんですけど!」

 

四葉「うそうそ、ほんとは焼酎ちょっと開けただけだから」ドンッ

 

五月「ちょっとっていうサイズじゃないよね。1Lサイズの瓶だよね。半分くらい空いてるんだけど……」

 

三玖「四葉、そのうち体壊すよ」

 

二乃「今度うちの店に来なさい。正しいお酒の飲み方教えてあげるわよ」

 

一花「あれ、『なかの』ってお酒も取り扱うようになったの?」

※(二乃と三玖のお店の名前は『喫茶なかの』)

 

二乃「ディナーの時間限定だけどね。おかげでイケメンホストとかがたまに来るようになったわ」

 

一花「Really?」

 

五月「わ、百点のイントネーション」

 

二乃「リアリーよ」

 

三玖「そういえばこの前、お義父さんが飲みに来た時率先して飲ませようとしたよね」

 

四葉「Really!?」

 

二乃「注文通り提供しただけよ!」

 

三玖「でも隣の席に座る必要なかったんじゃない? あれじゃまるでキャバク」

 

四葉「りぃ、あ、りぃ!?」

 

二乃「ひいぃっ!? そもそもらいはちゃんも一緒だったのちゃんと言いなさい! 三玖!」

 

四葉「なんだ、らいはちゃんも一緒だったんだ」

 

一花「急に冷静になったね。最近四葉が怖くなる時があるよ」

 

五月「あれ? 四葉、スマホが光ってるよ?」

 

四葉「え? あ、風太郎からだ。マナーモードになってたや。もしもし」

 

風太郎『お、もしもし四葉か。ちょっと仕事が暇になったからさ、ちょっとだけ電話かけたんだけど、今大丈夫か』

 

三玖「フータロー!?」ガタッ

 

五月「三玖、座ってなさい」

 

四葉「国際電話でお金かかるんだから無理しなくていいのに、ちょうど今みんなで飲んでたところだから、せっかくだしスピーカーモードにするね」ピッ

 

風太郎『お前の声が聞けなくて寂しかったんだよ』

 

一花「ぐはっ……!」

 

二乃「一花が死んだ!」

 

風太郎『は!? おい大丈夫なのか!?』

 

四葉「あ、うん大丈夫だよ。一花はよく死ぬだけだから何も問題ない、やっぱりまた今度話そう!?」ピッ

 

三玖「……一花、もっと空気読んで死んで」

 

一花「私が死ぬのはいいのかなぁ!?」

 

五月「まず死ぬ死ぬ連呼するのをやめようよ……」

 

四葉「もう、せっかく風太郎が電話してくれたのにこれじゃ禄に話せないよ!」

 

二乃「実家暮らししてる限り無理に決まってんでしょ。嫌なら前にフー君と同棲してた東京の家にでも帰ることね」

 

四葉「あそこはボロいからやだ」

 

五月「家賃出してくれてた上杉君が泣きますよ!?」

 

一花「ボロい家でもいいから、好きな人と同棲したい……!!」

 

二乃「あんたもそろそろ立ち直りなさい」

 

一花「で、でもね。私だって今上手く行きそうな俳優の子がいるんだよ!?」

 

二乃「あーそういえば言ってたわね。確かこの前のドラマで共演した子と飲み会でいい感じだったから付き合えそうって」

 

一花「そうそう」

 

二乃「だから上手くいかないと思って、そもそも今日の女子会はあんたを慰める会にしようとしたわけだし」

 

一花「まだ何も起きてないんですけどぉ!? 後、少しは姉を信じてくれないかなぁ!?」

 

三玖「大丈夫だよ一花、次があるから」

 

一花「話聞いてくれます!?」

 

五月「きっと次の次くらいは上手くいきますから……」

 

一花「なんで次飛ばしたの? ねえなんで!?」

 

四葉「大丈夫、私も協力するから」

 

一花「一番優しい言葉なのに四葉に言われるとなんか複雑……!!」

 

 二階の扉が開く音。続いて足音がした。

 

女の子「ママたち、どうしたの?」

 

四葉「ごめん! 起こしちゃった!? 何でもないからお部屋戻ろうね?」

 

三玖「四葉、部屋に戻ってっちゃった」

 

二乃「……ちょっと白けたわね。どうする?」

 

五月「私も一本空けたところだし、そろそろ部屋に戻るよ」

 

一花「今日はこれで解散かあ。仕方ないね、みんなお休み。あ、二乃、そう言えば冷蔵庫にビールもう一本あったっけ」

 

二乃「いやあんたも寝なさいよ!!」

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