多少エロ要素が合ったほうが盛り上がりそうなのでR18にならないくらいには入れてきます。
翌日、まだ太陽が登り始めたばかりの早朝に東門前にある噴水広場のベンチで俺達は待ち合わせをしていた。
昨日のうちにカスミと打ち合わせをし、エリアボスが他のプレイヤーに見つからないうちに早めに動き出す事にした結果、朝五時にここに集合する約束をしている。現在は五時になる五分前で、俺達四人は装備やポーション等のアイテムを十分に所持し、準備していた。あとは彼女がここに来るだけなのだが……
「……眠い」
「ふあ〜……」
昨日は早めに就寝したが、起きたばかりのシオンとソウタはコクコクと舟を漕いでいた。俺も口には出さないが、少し眠たい。
唯一目が完全に覚めているマサムネはステータス画面を開いて、うんうん唸っていた。
俺は普段は多くのプレイヤーが行き来する街道を見渡す。
いつも俺達がここを通る時は既に何人ものプレイヤーが街の外へと向かったり、駄弁ったり、商品を売買したり、賑わっていたが、外へ出るプレイヤーは誰もおらず、積極的に物を売ろうとする商魂の高い商人は一人もいなかった。人の声が絶えない賑やかな場所には冷たい風がヒューと吹いている音しかしない。
「すまない。待たせただろうか?」
五時ぴったしに昨日とは装いが違うカスミが先端に青いクリスタルが付き、花の装飾が施された長い杖を右手に持ちながら歩いてきた。背中には昨日と同様に大きなリュックサックを背負い、白と水色を基調としたローブドレスにはミスマッチだろう。
基本ソロで活動するカスミはメニュー画面のアイテムボックスだけでは探索中にアイテムの所持上限に容易く届いてしまう。俺達の場合、四人で分担して持てるので問題ないが、カスミは外付けの
「いや、時間通りだし大丈夫だ」
「そうか、なら早速行こうか。この時間帯なら大丈夫だと思うが、なるべく人に見つからないうちに外に出よう」
カスミは安心したように息を吐いた後、周囲に人がいないか確認して先頭をきって歩き始める。俺達も彼女の後に続きこんな時間でも門の前で建っている
このまま真っ直ぐ進めば平原を抜けて、ゴブリンが大量にいる森に続いて行くが、カスミは平原の途中で進行方向を斜め右へ変え、ゴブリンの森の入口とは別の獣道すら無い雑草が生え散らかった場所へ進んで行く。
「昨夜言った通り、私は中距離から遠距離の魔法アタッカーだ。基本は風魔法の攻撃しかできないが、味方全員のAGI上昇の魔法を一つだけ使える。後はLvはこの中で一番低いだろうし、エルフという種族故にVITはかなり低い。装飾品に一撃死を防ぐ『瀕死のミサンガ』を身に着けているが、モンスターからの攻撃は一発も受けれないと考えてもらって良い」
目的地へと向かう途中、最低限の連携は出来るようにカスミのステータスやスキルを教えてもらった。
通常、ステータスは信頼できる仲間以外にはあまり教えたりしないのだが、彼女は気にせず自分の能力を俺達に伝えた。俺達を信用してくれて教えてくれたのなら嬉しいが、隠したい秘密の話をしたいのに、目立つような怪しい格好で酒場を訪れたりする辺り、案外見た目に反してポンコツな所がある気がする。
とはいえ、彼女が教えてくれたのならこちらも最低限のことは伝えなくてはならないだろう。
「俺は前衛アタッカーで見ての通り剣士だ。基本はスピードで敵を翻弄して、
「僕はカスミと同じ魔法アタッカーだけど、ヒーラーも兼任してる。詳細は言えないけど、レアスキルの雷属性の魔法と単体回復魔法、全体回復魔法、状態異常回復魔法を使える」
「僕は後衛物理アタッカーかな?一応弓で攻撃するけど、スキル構成は鑑定、敵探知、鷹の目、必中で攻撃系スキルは無し。ほぼサポートと言っていいかもしれん」
「俺はタンク役やな。スキルも挑発、被ダメージ減少と攻撃系に盾使うガードクラッシュと敵のVIT下げるアックスブレイクって技だけ」
取り敢えず軽くバトルスタイルを説明したが、ソウタは魔法アタッカーというよりも完全にヒーラー寄り、シオンは何故か攻撃スキル無しのサポート弓使い。マサムネは王道のタンク役。正直シオンのスキル構成がもうちょい何とかならなかったのかと言いたいが、鑑定でレアアイテムを見つけたり、敵探知でモンスターを避けたり、奇襲を防いだりしているので探索にかなり貢献してくれている。更に掲示板でゴミスキルと呼ばれた視野を広げるだけの鷹の目のお陰で前者二つのスキルの効果範囲が大幅に増えているから見逃しも無い。他にも必中スキルは視界内のモンスターに必ず矢が当たるという唯一のレアスキルで八割の確率でクリティカルを出すシオンは攻撃スキル無しでもそれなりにダメージを出せたりする。だが、どちらかと言うと攻撃スキルがあったほうがダメージが出る。
Lv20になればスキルスロットが一つ空くので五つ目のスキルを攻撃系にすれば良いだろう。
「魔法攻撃ができるのが四人の中で一人だけ、しかも一種類なのは少しきついんじゃないのか?」
「確かにソウタさんしか魔法が使えないのは不味いかもって思ってるけど、ソウタさんの雷魔法は範囲攻撃で、一定確率で麻痺の状態異常を付与、短文詠唱にも関わらず威力は同Lv帯のゴブリンも一撃で灰燼に帰す程だよ」
「なんだと!?」
シオンの説明を聞いたカスミは信じられないといった表情だ。俺も初めてソウタが雷魔法を取得して使っている所を見た時は驚いたものだ。攻撃範囲は対象を中心にして半径三メートルとそれなりに広く、威力も範囲攻撃にも関わらず一撃でゴブリンの群れを消滅させたのは衝撃的だった。故に攻撃魔法一つで魔法アタッカーを名乗れる強さなのだ。
「雷属性を無効化してくるモンスターが現れない限りこのままでも大丈夫だよ」
ソウタが自信満々に言う。
なんだかフラグみたいだが、オークが雷属性の魔法を無効化するなんて聞いたこと無いし、オークキングにも通用するだろう。
一時間ほど歩いただろうか、代わり映のない森の中を歩き続けていた俺達は、とある光景に遭遇した。
「……フゴフゴ」
「っ!……」
木と木の隙間の向こう側で薄茶色の肌をした豚と人間を足して割ったような風貌のモンスターが潰れた鼻を鳴らしながら右手に斧を持ち、草を掻き分けながら何処かへ歩いていく姿が見えた。
カスミが手で止まるように合図し、人差し指を立てて静かにするようにと意味を込めて口元に持っていく。
俺達は軽く頷き、オークと思われるモンスターの後を一定の距離を保ちながらゆっくりと後を追った。
「フゴゴゴ!」
「ブヒィ!」
「フガッ!フガッ!」
少し歩いた先には岩壁に大きな穴が空いた洞窟らしき場所へと辿り着いた。
そこには仲間らしきオークが槍や剣を持って洞窟の前で見張りをしていた。
斧を持ったオークは見張りのオーク達に何か話した後、洞窟の中へと入っていき、槍と剣を持ったオーク達は元の位置に戻り、洞窟の入口の横に立つ。
俺達は近くの茂みに隠れながらその様子を観察していた。
「カスミ、あそこが」
「ああ、オーク達の住処で、オークキングがいる洞窟だ」
俺はカスミの方に振り向き、あそこが目的の場所かどうかを確認する。彼女は神妙な面持ちで頷き、全員がいつでも戦闘態勢に移れるよう武器に手をかけていた。
(俺達の目的はオークキングを倒すことで、それは全員が理解している。だが、問題はどうやって倒すかだ)
部下のオークが数匹いるとは聞いていたが、正確な敵の数が分からない以上、無闇矢鱈に突撃しても返り討ちに遭う可能性が高い。相手の人数が分からず、洞窟内部の地形も知らない以上、正面から攻めるのは愚策だ。洞窟手前は木や草が生えておらずかなり広い場所だから、出来れば洞窟から引き摺り出して戦いたい。
「カスミ、オークについてなにか知ってるか?」
「……オークはゴブリンと同じくらいずる賢いかつ同じくらい群れる。そして、ゴブリンよりも強い。だが、ゴブリンは殺戮を好むのに対してオークは……肉欲を好む」
「あー、つまり?」
「女を見ればお構いなしに襲ってくる」
俺とソウタは汗を垂れ流し身震いした。