チェーン。コストの死者蘇生を墓地へ送り死者所生発動します。何かありますか。   作:アクあか&アクみな大好きマン

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この小説を推しの子と言い張る勇気。
久しぶりの小説なので初投稿です。


チェーン。コストの死者蘇生を墓地へ送り死者所生発動します。何かありますか。

死者は蘇ってはいけない。

死者は眠るモノ。

そう彼の初代決闘王武藤遊戯は3000年前のエジプトの王に訣別を述べた。

概ね俺も同じ意見だ。

死者は蘇るべきではない。

光の中へ。

星の海へと、還らなければならない。

だが同時に辛い世の中なのだからちょっとぐらい、少しくらい神様のお目溢しがあってもいいとも思う。

 

なあ、そうは思わないか。星野。

ストーカーのファンに刺されながらも愛しい子供達に愛を囁いて。

事切れるなんてそんなバッドエンドは悲しくないか。

そんなことで満足、されちゃ困るんだよ。

だからさ……。

 

「『死者所生』を発動」

「なに、を…」

「手札の死者蘇生をコストに冥界へ誘われた死者を現世へ蘇らせる。

 対象は星野アイ」

 

デュエルディスクにこの能力を認識した時(・・・・・・・・・・・・)からずっと伏せていたカードを発動する。

カードの効果は適切に処理され、死者が蘇る。

 

「っ……かはッ……こひゅー…とぅ……くん…?」

「なんでアンタが…いやそれよりも一体何を……」

「聞き取れなかったがエンド宣言とみなし俺のターンドロー。

 手札から王家の神殿を発動。カードを1枚伏せる」

「こんな時になんでカードゲームなんてしてるんだよユーヤさん!!」

「伏せたカード、ギフトカード発動。LPを3000回復させる」

「聞けよユーヤァ!!!」

「これで俺はターンエンドだ。星野アクアマリン…多分大丈夫だが念のため医者を呼んでおけ」

 

これで俺のやるべきことは全て終わったあとは野となれ山となれ、だ。

 

「ちょっとまてよ!!なにを…!」

 

光の中に完結しない物語はここから始まっていく。

アクアが後ろで呼びかけてくるが正直それに応えられる余裕はない。

 

コストは手札の死者蘇生、だけではなくその後の俺のエンドフェイズ時にカードを現実に反映させる能力を失う(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)こと。

これで俺の役目は果たした。

自分勝手に運命を背負い自分勝手に運命に抗った俺のこれまでがやっと終わった。

 

……さらば星野アイ。この世界での俺の初恋。

 

 

♢♢♢

 

寝て起きたら、というより気がつくとそこは知らない部屋だった。

直前まで何をしていたかわからない。

だがこの部屋が記憶にないことは確かだった。

 

「……え?なにごと?」

 

壁にあったカレンダーの日付を見る。

 

「記憶にある日付より20年もまえ………?」

 

タイムリープやタイムスリップ…時間にまつわるSF単語が頭の中で駆け巡る。

いやそもそもなんで自分がこんなことに巻き込まれてるのか、なんてことも一緒に。

思考があちらそちらへとっ散らかりながらもうんうんと唸っていると

 

「ユウヤ、起きてる?今日中学校の入学式よ」

「起きてるよ母さん」

 

母らしき声に条件反射で答える。

あわせて自分の名前はユウヤであることも認識した。

 

「それならいいのよ。朝ごはんできてるからね」

「わかった今行く」

 

中学校、中学生かあ……なんてさらに思考が飛びまくりながらも

部屋を出て目の前の階段を降りていく。

自分のこの人格に変わる前のことを体が覚えていたことに感謝しつつ。

 

「おはようユウヤ」

「おはよう母さん」

「珍しいわねちゃんと起きたの」

「流石に中学生になるからね、頑張らなきゃ」

「まぁ…一端の 大人みたいなこと言って」

「背伸びしたっていいだろ」

 

半分オートで口が動く。

口が達者な人格だったのであろう、と思った。

 

「ちゃちゃっと食べてちょうだいね。私も準備するから」

「はーい」

 

もさもさと用意されていた朝食を摂りつつ

 

・20年くらい遡っている

・この体の名前はユウヤ

・俺の名前はユウヤではないと思う…なら名前はなんだ??

・名前が違うなら時間系ではない

・憑依なろう系……?

 

ざっとこんな感じか、なんて広げた思考をまとめていく

 

「食べ終わったなら用意しなさい」

「わかってるよ母さん」

 

食べ終わり食器を流し台へ持っていき、さっと洗う。

 

「あら、いつの間に洗えるようになったの」

「男の子ってそーゆーもんでしょ」

 

やべこの身体中学生なったばかりだったな、

と前世?の癖で食器を洗ってしまったことを後悔しつつ、

準備するために自分の部屋に戻った。

 

「苗字はなんだ……?」

 

昨日の夜までの自分が用意したであろう持ち物や制服を身に纏う。

 

「武藤、遊也くん…か」

 

真面目くんだったんだな自分と違って。

なんて益体もないことを思いつつ部屋を出る前にもう一度見る。

 

「遊戯王……」

 

本棚にあった漫画の中に前世の記憶に掠る名前を見つけた。

惜しい1文字違い。

異世界憑依じゃなくて並行世界憑依の可能性、ね。

と言うか20年前って遊戯王あったんだっけ。

ダメだ具体的な年数が思い出せない………。

 

♢♢♢

 

恙無く(つつがなく)、入学式は終わった。

クラスも決まり自己紹介。

ぼーっと聞き流す。

次の子終わったら俺のマ行だなーなんて。

ボケーっとこの中の何人と10年20年と連めるのかなんて考えてた時に

 

「星野アイです。よろしくね」

 

聞き逃したらよろしくない名前が隣から聞こえた。

星野、アイ……だって????

 

並行世界憑依なろう系っていうか二次創作憑依系じゃねえか!!!!!!

どうなってんだ!!!!!!!!!!!!!

 

「次、武藤くんだよ」

 

担任の先生から呼びかけられる。

 

「あ、はい。武藤遊也です。よろしくです」

 

上の空で自己紹介を終えた俺は。

雲行きの悪い流れに大きなため息をついてしまった

 

♢♢♢

 

星野アイどころか他の誰ともろくすっぽ会話をせず家に直帰した。

動揺が抑えられなかったのだ。

なんで?

頭の中はそれしかない。

ずっと何故を繰り返してつかれた俺はふと本棚にある遊戯王を思い出した。

 

「転生、なんてオカルトがあるならカードの精霊とかいてもおかしくないだろ」

 

煮詰まりすぎておかしくなっていた俺は本棚の下に置いてあったカードストレージを漁り……。

 

「モウヤンのカレー発動、なんてな」

 

呟いた。呟いてしまった(・・・・・・・)

ポン、という音とともに煙がカードから出て机の上にカレーが出てきた。

 

「……まじ?」

 

カレーの香りが部屋に充満していく。

 

「でちゃったよ……」

 

モンスターにしなくてよかった。

いやまてよこれ俺がデュエルするたびにでてくることになる?

不味くない?

とりあえずカレーは食べきろうかな……。

カードのストレージボックスを閉めようとした時に上蓋に封筒が貼ってあるのを見つけた。

封筒を開けるとそこには手紙とカードが2枚。

 

「ラッキーカードだ。君にこれを授ける…?」

 

『死者所生』『デュエルディスク』

……いや能力の取説くれよ。

デュエルディスクなんてカード知らねえし。

なんで『死者蘇生』じゃなくてコスト付きの『死者所生』なの?

しかもなんかテキスト違うし。

 

《死者所生》

分類:罠カード

効果:手札またはデッキの死者蘇生を墓地へ送り発動する。死者蘇生と同じ効果を適用する。

その後次の自分のエンドフェイズ時に能力を失う。

 

いや……えー……。

これは星野アイが殺される運命を変えられないってことなのか……?

それにコスト……死者を甦らせる禁忌を犯すにはこれぐらいのコストが必要ってことなのか。

 

「とりあえずデュエルディスク、発動」

 

ポン、っと先程と同じように音と煙が生じ、左腕にデュエルディスクが装着された。

おぉ……DM版だ……。

 

「……カードをセットし、ターンエンド」

 

あ、ついぶち上がったテンションと癖で宣言してしまった。

 

 




星野アイが出たから推しの子です。(迫真)
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