チェーン。コストの死者蘇生を墓地へ送り死者所生発動します。何かありますか。 作:アクあか&アクみな大好きマン
キングの座を手放して1週間後
「カントクー差し入れのおつまみ系っすー」
「お!さんきゅー……んで?調子はどうだ?」
「やー…完っ全に消えましたね」
「そうか……オカルト系はさっぱりだからなんとも言えないが
まあ、そのー…なんだ。1度ゆっくりしたらどうだ?」
「そのつもりで見学に来たんすよ」
「ははは。それもそうか。まあゆっくりしてけよ
あ、そうだ!お前に会わせたいやつがいるんだよ。おい、早熟!」
「なんだ、カントク。まだこっちの作業は残ってる、が…?」
「や、やぁ……星野、アクアくん…」
「アンタは…ユーヤ……さん」
「お?なんだ?知り合いだったのか?っととちょっと話しててくれ電話だ」
「はーい」「ああ」
あっはー気まずー!
でも、そうか……。もう4年も経つのか。
早いな…時が経つのは。
エジプトに行ってオカルト系のもの探したけど気配すらなかったしなぁ。
でもなぁ足3本ある烏日本にはいるんだよなー……。
墓地送りにして墓穴で指名できない?
あー!そうか!禁止令打てばよかった……。
いやでも本当に八咫烏だったのかわからんしなぁ……。
禁止令ってカード名称宣言だから八"咫"烏じゃなくて八"汰"烏だし……。
カミキヒカルのアレだって初期遊戯王のように言ったもん勝ちの、
俺ルール押し付けたのがたまたまうまく行っただけだしな。
神の使いに魔法・罠の効果は適用されないとか言われたら詰む。
なんにせよ今度は宮崎、行くか。
「ユーヤ、さん。アンタのことはその…アイから聞いてる」
「そ、そうなのか?」
「ああ。それと…その……あの時アイを…助けてくれてありがとう」
「あー…いいよ。アイツは俺にとっても大事な奴、だからさ」
「そうか…でも、それでもありがとう」
「おう、気にすんな。アイは元気か」
「ああ。あの日そのままライブをやってアイドル引退宣言をした」
「あー…やっぱりそのまんま出たんだアイツ……どう考えても時間的そうだよねって思ってたけど…
身内から聞くと実感湧くわ……バイタリティやばすぎ」
「その…俺らは止めたんだけど、さ…?
約束があるから、って言って聞かなくて」
あーそれ多分俺のせいっすね。いやでも5年も前の与太話覚えてる方が悪くね?
俺は悪くねえって。そんな口約束忘れてると思うじゃん。
「急に百面相してどうしたんだ?」
「や、なんでもねえよ。それで?」
「ライブに来てるはずの"誰か"を探し続けてた」
「誰か、ねえ」
俺くせぇー……。いや、なんだかんだでちゃんと行ったんだよね…。
ただ、決闘王がアイドル推してるってブランディング的にどうなの?
ってなったから無くなったと思ってたけどダメ元で使えた能力で、
ヒーローマスクを使って適当な人になりきって偽名を使って参加してた。
「なぁ…1つ聞いても良いか?…いやたくさん聞きたいことはあるんだが
とりあえず1つだけ。アレはなんだったんだ……?
アイはあの時完全に死んでいた。なのにアンタが何かをした瞬間に、
息を吹き返した…あれは一体……」
「オカルトだよ」
「「カントク」」
「や、知らねえけどどうせそうなんだろ、って思って混ざったんだが
不味かったか?ユーヤ」
「いえ、いつかカントク以外にも話す時が来ると思ってたので
遅いか早いかの違い、ですよ」
「オカルト……?」
「んー…もう無くなっちゃったから実践できないし、信じてもらうしかないんだけどさ」
「実際に見てるから信じるしかない、とは思ってる」
「まあ、そうね?うん。どこから話そうかな。そもそも遊戯王って作品は読んだことある?」
「ああ。一応は」
「僕らがやってる遊戯王はその作品を元にしたらカードゲームだ。
ただ作品内で生まれたカードゲームはそもそもエジプトの碑文をみた
創造者ペガサスがインスピレーションを得て作ったものだ」
「それは流石に知ってる」
「まあ俺もそれくらいならなんとなくは。なんだ意外か?」
「ええ、まあ」
「いつ実写化の依頼が来てもいいように有名どころはおさえてるんだよ」
「ああ、そう言うことですか…。話が逸れたな…ええと」
「インスピレーションを受けたんだろ」
「そうそう。んでその碑文はエジプトの儀式を描写したものだった。
王と神官が魔物を使役している姿を描写したもの。魔物って言ってるけど
要は精霊、みたいなものだ。作品内での出自がオカルト的な話から始まってるんだよね。
翻ってそれを元に作った現実世界には影響はないのか。
元はなかったんだろうけどいつからか、
実しやかに囁かれるようになった噂があった。
『"運命力"はある。』簡単に言うと引きの強さなんだが
常に最高の手札を引く奴や常に最低の手札を引く奴
デッキとの相性が良い奴悪い奴全てひっくるめて"運命力"
そんなのが存在してるならカードが現実に影響を及ぼす
なんてこともあるかもしれない、って思ってやったらできてしまった
それが俺の能力。名前なんてない。こんな能力は公表してはいけない
当たり前だ。普通にやばすぎる。カードを現実化できてしまうんだ。
見つかれば即
だがあの日の1週間ほど前にアイが死ぬ夢を見た。
ストーカーに刺されて死ぬ夢だ。普通の生活を送っていたら気味が悪い夢、
として処理してただろう。だが…俺はオカルトに染まりすぎた
嫌な予感がするから見た夢を信じ、あの場所に行き能力を使った
B小町のアイはあそこで死ぬべきではない。どんな代償を払ってでも、
蘇らせるつもりだった。代償は俺の能力と"運命力"だったわけだが
まとめるとアレは"運命力"が極まったやつにしかできない特殊な何か、
だったんだろうな。俺もよくはわかってなかったがなぜか全部うまくいくと思った。
一筋の光の道を沿って歩いていたら、たまたま助けることができた、って感じだ」
「何回聞いてもさっぱりわかんねー話だな」
「そう、か。それじゃあこの前の大敗は……」
「そりゃ死者を蘇らせる禁忌を犯したんだ。武藤遊戯も言っていたろう?
死者は現世に留まらず冥界、星の海へと旅立たねばならない、ってさ
理を捻じ曲げた代償がカードゲームに関する能力だけなら御の字だろ
奇跡なんてのは1度だけでいいのさ」
……まあ都合4回くらい奇跡起きてますけどね。
さりなちゃん、ゴローせんせー、星野アイ、そして俺。
俺に関してはよくわかんねえからまあハテナってことにしても
3回起きてる。充分だろ。
ただ、遊戯王の実体化は俺以外で聞いたことはない。
「重くなっちゃったな。まあアイには伝えなくて良いからな。
負けた理由を知って負い目に感じられても困る。
ちょうど潮時だったのさ。俺にとっての魔法の秋は終わった」
「人生が変わるような季節、だったか。この前ちょうど読んだな」
「お、学生らしくて結構。ね、カントク?」
「そうだなあ。俺にとっての魔法の秋とやらももう終わってたのかもなあ」
「ま、人それぞれっすからね。アクアくんも気にしなくていいからね」
「そうは言ってもだな……」
「よしゃ。じゃあ俺の本名を教えてやろう」
「武藤遊也、だろ。アイがことあるごとにアンタの本名言ってたぞ」
「え?アクアくんそのアイってホンモノ??
俺の記憶が確かならアイツ俺の名前覚えられてなかったと思うけど?」
「さあ…?案外記憶なんてあやふやなものだしな。気のせいじゃないか?」
「心の絶許ノートに書き込んであるからそれはない」
「かー!みみっちー!」
「うるさいっすよカントク。話し込んじゃったし手伝うんで
ぱぱっと終わらせて飯行きましょ」
「あー…お袋に連絡だけさせてくれ」
「え?カントク実家なんすか?」
「しょうがねえだろかーちゃん1人にするのは心配だからよ」
「とか言って一人暮らしの経費高いからとかじゃないんすか」
「正解だ遊也さん」
「うるせえぞ早熟。電話してくる」
「…さっきの話を聞いて思ったがやはり改めて礼を言わせてくれ、遊也さん」
「いや、いいって。お前ら3人が仲良く1人ずつ幸せを享受してくれてたらそれでいい」
「いや…そうは言ってもだな……あ。」
「ん?どうかしたか?恋人からか?」
「違う。妹からだ」
「さよけ」
「……ここに来るらしい」
「ほーん?いいんじゃないか?」
「アイもいる」
「よくねぇ!撤収!!」
「まあ待ってくれ遊也さん」
「やだ!小生やだ!」
「なんで?」
「今更どのツラ下げて会うんだよ」
「別に普通でよくなーい?」
「ん?」
「なーに、武藤くん」
「おま、おま星野っ…?!」
「おうアイじゃねーか。調子はどうだ?」
「んー…反省してまーす」
「してねえな」
「えへへへ」
いつからだいつからいたんだお前!!
というかアクアなーにが来るらしいだよ!!
もっと早く言えよ!!
来ちゃった♡の間違いだろうが!!
はー!逃げてえー!!
気まずいんだよ!
あ!アクアてめえ!我関せずで作業に戻ったな!!!
鬼!悪魔!アクアマリン!
「……えっとその久しぶり、だね……武藤くん」
「っああ、久しぶり、って言ってもお互いにテレビでよく見るからそんなに久しぶり感ねえかもな」
「あははは。この前はドンマイだったね。次取り返しにいくんだよね?」
「んー…いや、しばらく預けておくつもり。もしかしたら取り戻さないかも」
「えー…武藤くんならできると思うんだけどなー」
「なんでそんな自信たっぷりに言うんですかね?」
「取り返したら教えてあげるよー。私は誰かさんと違って優しいからねー」
「そんな酷い奴がいたのか。怖い世の中だなっと悪い、君がルビーちゃんかな?
はじめまして、かな。武藤遊也です。ユーヤ、の方がわかりやすいかな?」
「は、はじめまして星野ルビーです。マ、アイから聞いてます」
「よろしくね。はいちょっとアクアくんこっち集合な」
「なんだよ遊也さん。まだ終わってないんだが」
「ええから来なさい」
「なんだよ」
部屋の隅にアクアの肩を腕をまわしながら移動する。
「これからはもっと早く言ってくれ」
「アイモイッショダ」
「早口って意味じゃねえんだわ」
「わかったよ」
「ほんと、頼むわ」
まだこの気持ちに折り合いつけてねえんだから……。
それにかっこよく2度と合わない的なこと言って数年で会うってのも……。
なんていうか、だし……。
「武藤くんとアクアはそんな部屋の隅で何してるの?」
「なんでもないぞ、アイ。ただ遊也さんがルビーに嫌われてないか気にしてただけだ」
「ちょ、おまえ」
「えー嫌ってないよね、ルビー」
「嫌ってないよ、ママ。ちょっと人見知りしただけだもん」
「だそうだよ、遊也さん」
「いや、全然気にしてないし?キングなんで?」
「"元"だろ。未練たらたらじゃないか」
「うっせーぞ星野アクアマリン」
「フルネームで呼ばないでくれ」
「仲良いねー2人とも。ルビーと私も混ぜてー」
「おし、飯行くぞおまえら」
「説得終わったのか、カントク」
「うるせえ早熟」
偏差値70台…ていうかIQ高いねアクアくん……。
そんなんだからいつかの未来で修羅場るんだぞ。
俺から離れてカントクと話し出すアクアくんを見ながら思いを馳せる。
まあ、やっかみでしかないな。いい大人がやっちゃあいけねえな。
「ねね。私のドームライブちゃんと来たの?」
「ん?ああ。ちゃんと行ったよ」
「嘘だー。入場者名簿に名前なかったんだけど?」
「えっと……」
「遊也さん、その日変装してたらしいよ」
「ばっ!おま、アクアマリンてめぇ!」
なに、やれやれみたいな感じで肩すくめてんだ、おい。
お前大人舐めてるな?
よーし絶許ノートに書き込んじゃうもんねー!
お前が人気になったらネチネチ絡んでやるからな!!
「わざわざ?なんで?」
「だってその時俺も人気だったからさ?」
「えーそのままでいたらよかったのに。探したんだよー?」
「え!マ…アイが探してた人ってこの人?」
「そうなのー!」
「ってことは約束破った人だ!アイを泣かせた人だ!」
「え?」
「あ、あははは。ちょっとその日色々あったから、さ」
「アイはその日ストーカーに襲われて大変だったんだからね!?
みんなに止められても約束があるからってライブ決行して」
「ルビー。そこまでにしておけ」
「でも!アクアだって!」
「それでもだ。そのライブができたのはその人のおかげなんだから」
「え……?」
「やっぱり……そうだったんだね……?あれは私の目の錯覚じゃなかったんだね……」
「あー……積もる話もあるならまた今度にするか、飯」
「いや、行きながらでも話せるよ。どうせ個室にするつもりだったし」
「ちげーよ俺がお前らの惚気みたいなの聞きたくねえんだよ!」
「アクアくん、頼むわ」
「わかった」
「お、おいまて早熟!っていうかなんで早熟の妹までしがみつくんだ」
「複雑だけどいいの!恩人だもん!複雑だけど!」
ルビーとアクアが監督の手を引いて部屋から出ていく。
聞き分けが良くて助かるよ双子くんちゃん。
さて、あとは俺が話すだけ、か。
「なんで、何も言ってくれなかったの……?」
「どれに対してのことだ?」
「全部だよ。ドームライブもそう私の命を助けたこともそう。
決闘王のことだって……」
「……どこから話そうかなぁ。どれから聞きたい?」
「ドームライブ、かな。私がアイドルになったことに驚かなかったのに、
私がドーム行くことまるで見てきたかのように話し、あ、まって
私がなんで死ぬことも知ってたの?」
「全部、夢で見たから、かな」
夢=原作、だけども。
実際に実物を見て星野アイにはそのポテンシャルがあることを実感させられた。
未開花であれなのだ。開花したらそりゃそうなる。
「ゆ、ゆめ?」
「なんだよ」
「ふふ、あはははは。おかしー!夢で見ただけで信じたの?あははは」
「デュエリストはオカルトに片足突っ込んだ存在なんだから
別に夢を信じたって良いだろ」
「んふふ。いいけどなんか、思ってたよりもロマンチストだったんだね」
「うるせ」
「じゃあアレは?私を生き返らせたこと」
「アレも夢だと思ってたんだ。ドームライブ行く前に仮眠取ろうとしてウトウトしてたらあの場所にいた。
そしたら目の前で星野が刺されて死んでたからなんとかしなきゃって。
俺の大切な親友が目の前で死んでたんだ。なんとかしなきゃって。
夢ならなんでもできるだろ?俺にはカードを捌く能力しかない。
ならカードを使って助けられるんじゃないか、って思ったんだ。
だって夢だろ?だからカードで助けた、夢を見ていたと思ってた。
で、生き返ったのを見たあと気づいたら自分の部屋にいたから
変装してライブに参加した。
アクアに言われるまで現実に起きた出来事だと思ってなかったんだ」
「そう、だったんだ……?」
嘘と真実を混ぜる。100%の嘘ではなくアクセントとして違和感のないように。
デュエリストには嘘をつく才能も必要だ。
「そっかそっか。何かお礼しなきゃなー」
「礼ならもう貰ってる。ライブだけで充分お釣りが来る」
「それ以外も色々してたでしょ」
「なんのことかな」
「ふーん?そんなこと言うんだ?」
「アイ、まだかかるか?」
「ううん。今行くよアクア」
部屋を出ていく星野に続いて俺も出る。
ふう……。いつからお前に恋してたんだろうな。
でも気づいたら俺の目はお前を追ってた。
世界の爪弾きモノとして悩みながらも。
原作とは違う世界だ。
遊戯王がここまで盛り上がってる時点でだいぶ違う。
けど『推しの子』のメインストーリーとしてだと、異物混入にも程がある。
本当ならお前が刺されなくても済むように動けた。
烏の邪魔さえなければ何ヶ所かポイントはあった。
結局動かなかった。俺は自分が可愛かったんだよ、星野。
でもさ。
俺お前のことかなり好きだったんだぜ。
お前が死ぬまで気づかなかったけど。
なんて。
「なぁ星野」
「なぁに武藤くん」
「愛、ってわかったか」
「っ…!ちょっとだけね」
「そうか。それは…悪く、ないな」
「なにそれー。あ、でもまだわからないこともあるかも」
「精進が足りません、てやつか」
「努力してます、てやつでーす」
「そっか……やっぱり悪く、ないな」
「置いてかれちゃうから早く行こ」
「ああ」
ほぼ会話で6000文字はバカすぎた……。
次回、キングは1人!