そのまま小舟を置いた所まで戻ったレイヴンは、島を出る時に収納していた救急セットを使って少女の手当てをしていた。
「擦り傷ばっかなのが幸いだな、深い傷あったら対処のしようがない」
そのままちょんちょんとアルコールを染み込ませた布で傷口を拭き、清潔な包帯でぐるぐる巻きにしていく
レイヴン自身、傷の手当てとかよく分からないので適当だ。アルコールで拭いて包帯巻いとけば何とかなるだろうというバカみたいな考えだが、淡々とこなす
「っ…ぅ…!」
全身終えた辺りで少女の顔に変化が起きた。
苦しそうに顔を顰めれば、そのまま意識を取り戻す。
「お、起き…へぶ」
目覚めた事に安堵したレイヴンの顔面に、少女の膝蹴りが突き刺さる。
しかしレイヴンは
「っ…バケモノか!?」
「悪魔の実の能力者です」
足を掴んでスポッと抜いたレイヴンは少女を見る。
「それで君、名前は?」
「…ファラン」
「ファランね、その首輪邪魔でしょ」
そう言うとレイヴンは首輪を見ながら手のひらに泥を生み出し、そのまま泥で首輪を包んで取り込む。
そうするだけで首輪は外れてしまった。
「は、外れた…自由だ!!」
「おめでとう」
嬉しそうにガッツポーズしたファランはハッとして包帯が巻かれた全身を見る。
「お、お前!私の裸見たのか!?」
真っ赤な顔をしてレイヴンから離れるファラン
しかし、そんなファランにレイヴンは淡々と告げた
「見たけど、子供に欲情する訳じゃないし、そもそも貧相な体つきに興味ない」
「う、うるさい!これからなんだよ!これから!!」
そう吠えたファランに、レイヴンは続けて言う
「会話はしたし、現状の説明をしよう。君が運ばれて来た船は大破して、この島に流れ着いてた…んで偶然島に来た自分が君を拾って手当てした。ここまでは分かる?」
「そうだな…私は奴隷オークションで売られて、けんじょうひん…てのにする為に運ばれてたんだ」
その言葉にうんうんと頷いたレイヴンは問いかける
「なるほどね。じゃ君はこれからどうする?」
「どうするって、こんな何もない島に残して行く気がお前!?」
島のすぐそこには森があるものの、人工物らしきものは何処にもない。
「いや、僕はただ良い拾い物したなとは思ったけど、本人の意思を聞かないとダメだよなぁって」
「お前に付いていくしか選択肢ないだろうがっ!」
地団駄踏みながら睨み付けるファランに、レイヴンは頷いた。
「じゃ、付いてくって事ね」
「それしか選択肢ないからな」
レイヴンは立ち上がるとそのまま小舟を持ってズルズルと波打ち際に持って行く
そのまま浮いた小舟に乗り込むと、ファランを見て言った。
「乗り込まないと置いてくぞー」
「分かってるっての!」
ファランは急いで小舟に乗り込んだ。