ヌマヌマが使える能力なのを証明したい   作:モフモフ毛玉

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海賊船を奪う

 

島から出航して一日が経ち、ファランは我慢の限界というように声を上げた。

 

小舟が不便!

 

「不便かな?」

 

「不便でしかない!トイレないし!狭いし!せめてこんな小舟じゃなくてもう少し大きい船がいい!!」

 

そう言ってジタバタと小舟の上で暴れるファラン

 

「船ねぇ…あるかな…」

 

よっこらしょとレイヴンは立ち上がり、遠くを見る。

 

「あ、海賊船みっけ」

 

「レイヴンやっぱり目がいいんだ…何にも見えない…」

 

ファランが目を凝らしてよく見ても、目線の先には米粒程度の大きさの何かが見えるだけでそれが何なのかまでは分からない。

 

「さてと、風を捕まえてレッツゴー」

 

そう言うと帆を張って風を探し始めるレイヴン。

そのまま無事に風を捕まえたレイヴン達は風に任せて海賊船の方に接近し始めた。

 

 

ーーーー

 

 

一方その頃、海賊船では

 

「おろろろ…」

 

「うぇ…お前暇だからって酒飲むなよな…」

 

青い顔で海に向けてゲロを吐く仲間を見て、他の船員は溜息を吐く。

 

「船長ー、早く次の島行きましょうやー」

 

そう言ってブーイングを飛ばす船員達に、船長は吠える

 

「お前らうるせぇ!今双眼鏡使って探してるから待てや!」

 

「船長が航海士を早く見つけねぇからこうなってるんですよー」

 

『そーだそうだー!』

 

「っ…お前ら大砲に詰めてぶっ放してやろうか!?」

 

青筋を浮かべて双眼鏡を振り回して怒る船長は、次の瞬間に倒れ込む

 

「ぐぁ…いてぇ…なんだ…?」

 

いきなり倒れ込んだ自分の体に驚き、即座に切り替えて立ち上がろうとしたものの、足が全然動かない。

 

「なんで動かねぇ…あぁ!?」

 

片膝を貫くように、ナイフが後ろから膝を貫通していたのだ。

 

「お、お前ら!敵襲だ!武器構えろ!」

 

「敵襲?んなこんな何もない海で海賊船も見えないのになんで敵襲になるんですか」

 

「いいから武器構えろって…!」

 

「…へーいへーい…」

 

「ん…足が全然動かないなぁ……っ!?」

 

怠そうに武器を取りに行こうと足を動かした船員達は、足がビクとも動かない事に違和感を覚える。

 

そのまま下を向けば、両足の踝の部分まで泥の中に沈み込んでいた。

 

「お前らさっさと動け!なにちんたらしてんだぁ!」

 

座り込んだ船長は、船員達の頭の部分しか見えない船首の方に居る為に状況が分からず騒ぎ立てる。

 

しかし、『ドプンッ』という音がした瞬間、船長は船の上から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

「いやはや、直ぐに無力化できた」

 

「…こわっ」

 

ファランは上がっていいとレイヴンに言われ、海賊船に上がってきたが

先ほどまで誰かいた痕跡があるというのに、人は誰一人居なかった。

 

「つーか、レイヴンなんで空を飛べるんだよ」

 

「んー、なんか空中で蹴ったら飛べたんだよね」

 

「なんで空中で蹴ったら飛べるんだよ…」

 

レイヴンもファランも知らないが、空中を蹴って飛ぶのは『六式』という特殊な体技の中にある技術の一つ『月歩』だ。

 

レイヴン自身は無意識に取得しており、使いやすいからとこうして海上での奇襲ではよく使っている。

 

「この船を次の根城にしようかなって」

 

「いやいやいや、幾ら何でもデカ過ぎるだろ!?」

 

ファランの言う通り、海賊達の使っていた船はガレオン船であり、しかも大きさも巨大な為に、二人で動かすとなれば無理に等しい規模だ。

 

「まぁ何とかなるでしょ」

 

そう言ってレイヴンは取り込んだ船員と船長を海に放つ

 

「えぇ…絶対動かせる気がしない…」

 

そう言ってげんなりするファランに対して、レイヴンは背伸びをして言う

 

「ま、不便さはあるけど前より広くなったんだし、この船で造船やってそうな有人島行けばいいさ」

 

「不安しかねぇよ!!」

 

そう言って叫ぶファランの声が海原に響いた

 

 

 

 

 

 

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