ゲームが上手いコミュ障底辺配信者が成り上がる話 作:グラタン二世
「ちょ…キツイ!」
「ごめん!ダウンする!一人ロー!」
一試合目は被らなかった場所が二試合目では被せられてしまった。敵が来る可能性は少しだけ考えてはいたがまさか本当に来るとは思わなかった。ここで負けてしまったらランドマーク争いに負けた事になるので、負けたくはないけど…キツそうだ。
「うっわ、サトケンじゃん!ここに来んなよ!」
「え、本当じゃん。サトケンさんだ」
「あっ、ほんとですね」
武器の運に恵まれず、負けてしまった。順位は20位。本番ならめちゃくちゃマズいけどこれはスクリム──言うなれば練習だ。けど、これからどうするかはちゃんと考えなきゃな。本番はもう少ししたら始まるんだから。
「サトウさんか…そりゃあんな動きしますよね」
「SKさん的にも強い人なの?」
「もちろん。サトウさんは強いですよ。配信見たことあるんですけど動きがとても良かったです」
配信者カップでサトウさんの動きを見たが、SKさんの言う通り動きが良くプロゲーマーって教えられたら信じてしまうだろう。
「初動負けたのはしょうがないんで、ちゃんと観戦しときましょう」
「はーい」
相手の構成は…ハンブラーにレイサーとヴァラか。攻撃的だな。
「これから、ヴァラ使っても良いかもですね」
「誰が使えばいいですかね」
「うーん、カイくんかひかりさんですかね」
ヴァラは機動力が高いキャラだ。スキルのジェットパックで
一定時間は空中を飛ぶ事ができ、簡単に高い場所を取ることができる。アルティメットは発動したら空高くまで飛べて頂点に達すると試合が始まった時と同じように飛行することができる。パッシブは飛行してると敵の位置をマーキングするというものなのでアルティメットと相性が良い。
「い、一応俺は使えると思いますよ」
「アタシはハンブラー使えるよ」
「それなら1回キャラ交代してみてもいいかもですね」
「僕はこのまま?」
「そうですね。他のキャラ使えるならどうぞ」
「おとなしくレイサー使うよ」
「懸命な判断です」
次の試合からは俺がヴァラを使い、星乃さんがハンブラーを使うことになった。水無瀬さんはレイサーのまま行くらしい。まぁ他のキャラ多分レイサーレベルに使えないだろうし。SKさんの言う通り懸命な判断だと思う。……考えてみたらサトウさんの部隊と全く同じ構成になるのか。後から変えてくるかもしれないけど。
「おっ、戦いそうだよ」
「ここで戦うんだ」
現在、残り17部隊。第2収縮が始まる数秒前。安地内だから安地外のダメージを喰らう心配はないだろうが、あまり戦う必要性を感じない場面だ。キルポイントを稼ぎに来たのか?
「ヴァラウルト使って上取るのか」
「そりゃ不利な状態で戦わないよね」
ヴァラのウルトで敵部隊がいる家の屋上に乗る。縦の移動が強いヴァラはこういうベランダのある家での戦闘が強い。
「つよ〜」
勝負はあっさりと終わった。2階から入ってきたヴァラを対処しようと夢中になりすぎたのか1階にいた一人をカバーできず
レイサーに倒されてしまい、その事に焦ったのか注意が1階に向いてしまい、ヴァラの警戒が薄くなって無防備になってしまった。結果、なす術なく敗北という事になった。
「この戦闘で使ったのはヴァラのウルトだけですから、次の戦闘も結構優位に戦えますね」
「ハンブラーのスキルしか使ってなかったし、アビリティの使い方が上手いよね」
ウルトが貯まる速度はキャラによって違うけど、貯まりにくいキャラは使う場面が重要だ。ポンポン使えるようなものではない。大事な場面で使えないのが1番困る。アビリティの回し方には気をつけていかなきゃな。
────数分後、第4収縮開始。残り部隊数−−−8部隊。
「だいぶ人数減ったね」
「そうね〜。残ってるのはどこだろ」
「とりあえずaliaさんはいますね。後は…綾川さんも残ってますかね?」
収縮が進み、残り部隊も減ってきた。やっぱり強い人ばっかりだな〜。
「え、頭抜かれた…!」
「完全に予想外の場所から撃たれましたね」
サトウさんの部隊が見ていた方向と全く違う場所からスナイパーを撃たれる。通常のスナイパーなら頭を抜かれてもすぐにダウンすることはないが今回放たれたのは物資武器の特別スナイパー。バカみたいにダメージが高い。胴体でも赤アーマーでも破壊される。運営はさっさとこの武器を調整してくれ。
「『ONESHOOT』の人か」
「あ〜スナイパークランの?」
「そうです。だからスナイパー撃たれる事が多かったのかもですね」
なるほど、通りであんなにチクチクされていたのか。スナイパークランというぐらいだからかなり狙撃が得意なのだろう。遠くから戦いたくないな。
「近づいたら倒せるかい?」
「いや、近距離でも当ててきそうですけどね」
「その場合は結構インチキじゃない」
「だから怖いですよね」
遠距離だけでなく近距離もいけるなら星乃さんが言った通りインチキではある。
「うわぁ、言ってたら近距離スナイプ決めてるよ」
「うーんインチキだな〜」
サトウさんの部隊が蘇生している間に詰めて来るかと思ったが距離は少し離れていたらしく詰めては来ていなかった。逆に他の部隊に攻められていたらしかった。だが、キルログを見るに近距離スナイプを決めており問題なく勝てそうだ。
「終盤の動きは難しいと思うのでしっかり見といて下さい」
「わ、分かりました」
状況は動き、残り部隊は4部隊。第4収縮が終わる頃。
「まだ、綾川さんの部隊は残ってますね」
「サトケンはどう動くかな?」
「真上にいるから迂闊には出れないよ。多分」
安地内に残っている建物は1つ。そこを取っているのはサトウさんの部隊だ。その家の屋根には1部隊がいる。後は、少し大きめの岩に1部隊。フェンスに張り付いているのが1部隊。1番有利なのは家の中に籠もってられるサトウさんの部隊だ。
「あっ、家が安地から外れた」
「じゃあ、今は岩取ってる部隊が有利だね」
家が安全地帯を外れた。後1分程したら動かなくてはならない。だが、行く場所がない。かなりキツイ状況だ。
「フェンスいた部隊が岩取りに行きましたよ?」
「えっ、なんででしょう?フェンスのある場所は安地内なのに」
しかし、フェンスにいた部隊が岩にいる部隊を倒しに行った事で事態は好転する。
「なんとか安地内まで辿り着いた〜」
「ええ。屋根上の部隊のヘイトが岩の部隊に向かったからですね」
「そっち行ってくれて良かったね〜」
岩での戦闘が激化し、キルログが流れ始める。そして第5収縮の開始と同時に屋根上にいた部隊も動く。狙いは──
「やっぱり来るよね」
「まぁ、1番近いし」
サトウさんの部隊。岩での戦闘を漁夫るのではなくこちらを狙ってきた。
「うっわ。こんな狭い所にコーカスのウルトとか性格良すぎだね〜」
「本当は家中取りたかっただろうね。コーカスいるって事は」
コーカスは毒ガスを使う事ができるので家中の戦闘では強い。しかし、移動するためのスキルはないので外での戦闘はあまり強くない。だが、最終盤。安全地帯が狭まり人口密度が高くなる時、その時は外でも強くなる。いや、相手にコーカスがいない限り最強になるかもしれない。それぐらいコーカスのウルトは狭い場所では脅威となる。
「こりゃ無理だよ」
「残ってるのは、レイサーだけだね。スモーク使ってなんとか射線は切れたけど…」
既に収縮は第5収縮。安全地帯はかなり狭い。ということはコーカスのウルトは、刺さる。その魔の手にかかってしまったのはサトウさんの部隊。2人がそれで倒されてしまった。残ったのは比較的、生存能力のあるレイサーのみ。だが、一人ではどうしようもない。
「視点変わった?」
「ぽいね」
レイサーはスモークの中で回復している最中、岩での戦闘の流れ弾が当たってしまい倒されてしまった。それによって観戦の視点がサトウさんの部隊から屋根上にいた部隊に移る。
「後、2部隊…!」
「元々岩にいた部隊が勝ったのかな?」
岩での戦闘とフェンスでの戦闘が終わり、最終収縮がもう少ししたら開始される。それまでに終わらせるため、屋根上の部隊が動く。
「うぉぉ…!つよ〜!」
「これで対等だね〜」
一人落とされていた岩側の部隊が素晴らしいエイムを披露し、人数有利だったもう一つの部隊の1名を倒される。人数は
これで対等──2vs2だ。
「エイム良すぎ〜!」
「最後全部一人で倒したよ?強すぎるかも」
最終的に勝ったのは岩にいた部隊だった。人数不利だったが最初に人数不利を覆せたのが大きい。
「さて、3試合目どうします?」
「多分サトケンは来るよね」
「そうだね。できればあの場所を取りたいけど…」
「お、俺は一旦このままで行きたいです」
「良いですよ。1回負けただけでランドマークを手放したくないですからね」
2試合目が終わり、3試合目が始まるまでは時間が少しあるので作成会議を行う。恐らくサトウさんは来るだろう。要するに初動ファイトがあるのは確定だ。今回は負けてしまったけど次、3試合目は勝てるはずだ。ランドマークを手放すのはもったいない。
「そろそろ始まりそうですね」
「よーし3試合目頑張るぞ〜」
「初動ファイトでサトケンボコボコにしようぜ!」
──3試合目、結果。
案の定サトウさんと初動ファイトする事になった。なんとか勝つ事ができたが戦っていると安地外の場合、物資を漁る時間がかなり少なくなり十分に漁れずに戦う事になる事が判明した。物資の少なさもあったためか順位はそこまで振るわず、12位。キルポイントは3だった。
──4試合目、結果。
初動ファイトに敗北。この事から、このままずっとランドマーク争いをしているのは不毛と判断。この場所を手放すのは惜しいが、そうした方が順位、キルポイント共に増加するはずだと言われたので手放すことにした。ちなみにこの試合の1位はサトウさんだった。
──5試合目、結果。
なんとか残っているランドマークを見つけ、そこで漁ることが決まった。最初の場所よりは少し小さめでマップ中心から離れている。これは試合が終わってから知ったことだが、近くのランドマークにaliaさんの部隊がいるらしい。初動ファイトもなくある程度は安定したので順位は4位、キルポイントは6となった。
スクリム1日目の順位は3、20、12、20、4位だった。1試合目と5試合目の順位は良かったが2、3、4試合目はあまり振るわず安定感がなかったというのが今後の課題だ。
「なんとなく他のチームの動きも分かってきたので明日からはムーブを決めていきましょう」
「わ、分かりました…!」
「りょうか〜い!」
「おっけー!」
「私はちょっと用があるので先に落ちます。明日も頑張りましょう」
ポロンとデェスコを抜ける音が聞こえ、デェスコ内にいる人数が4から3に減る。さて、俺もそろそろ終わるか…。
「さーランク行こうか」
「え、」
「時間はあんまりないんだから練習しなきゃ」
「アタシはまだまだ体力あるから行けるよー」
「カイさんは?」
まぁ、まだ22時半だしなんとかなるか。
「行けますよ」
「よし!無限ランク編だ〜!」
「しゃあ〜!」
うん。寝不足なるな、これ。二人の体力的に多分朝までコースだし。なんとか途中で逃げる方法探さないとなぁ…。
「行くよ〜!」
「おぉ~!」
「お、お手柔らかにお願いします…」
こうしてスクリム終わりに無限ランク編が始まった。もちろん無限ランク編の名に恥じない時間のランクマッチをしたのだった。だけど朝までは行かなかったのでまだマシだったのかもしれない。
誰か主人公達のチーム名を決めてくれ。……すいません自分で頑張ります。
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