ゲームが上手いコミュ障底辺配信者が成り上がる話 作:グラタン二世
今日も、スクリムが始まる。もう3日目だ。俺は本当に何もできてない。たった2日か、それともまだ2日あると考えればいいのか。
「そろそろ始まるね〜」
「今日も頑張ってこうかね〜」
俺以外はちゃんと成長できているとは思う。水無瀬さんのエイムはさらに良くなっているし。課題であったであろう視野が少し狭いところも改善されている。
星乃さんはエイムは改善された。そしてクソゲーをやっていたことによりあった高い判断力がさらに高くなっている。
対して俺は何が向上した?別にエイムも良くなっていないし、オーダーの能力も上がっている訳ではない。俺がこのチームで1番ランクが高いし、引っ張っていかなければならないのになんで、俺はこんなにも──
「カイさん?大丈夫〜?」
「へ?あ、はい」
「体調でも悪い?休む?」
「え、いや、大丈夫です」
「そう?ヤバそうだったら言ってね〜」
心配、されてしまった。俺は大丈夫、大丈夫だ。
「お、始まるね」
「じゃ、頑張ろう」
「…はい」
7月27日木曜。20時過ぎ、スクリム3日目の第1試合が開始された。
◇
「おっ、安地運イイね!」
「そうだね〜ラッキーだよ」
今回の構成も前回と変わらずだ。俺がキーランで、星乃さんがヴァラ。水無瀬さんがレイサーだ。昨日はあまりキーランの強みを活かせなかった。
特にヴァラが落とされた試合。あの時はウルトが溜まっていた。なのに、俺は動揺して何もできなかった。まさか空中で落とされるとはないと思っていたからだ。…そんなわけがないのに。相手はどれだけの事ができるのか。そこを考えなければ作戦なんて建てれないのに。
「どうします?」
「移動するのも良いかもね〜」
第1収縮が開始された。俺達は今回安地移動をしなくても問題はない。だが、この安地を──この後どのように決まるのか俺は知っている。だから──
「ここ、行きましょう」
「ん。了解」
「はいよ〜」
俺は移動の選択をした。ここなら大丈夫なはずだから。
「まだ誰もいないね〜」
「かなり速く移動したしまぁ、そうでしょうね」
第1収縮途中、俺達は高台に辿り着いていた。
「…ここを死守していきます」
「了解」
「おーけー!」
ここを守る。今日こそ勝たなきゃ、いけないんだ。
◇
「ほな、移動しよか」
「少し遅れたかもなぁ」
「そうですよね…入れるかな…」
「まぁ、いけるやろ」
RUIN達はいつもより少し遅れて安全地帯へ移動していた。理由としてはアイテムの集まりが芳しくなく、近くの村で新たに漁っていたからだ。
「この場所取りたいけどなぁ、多分いるんよな」
「どうします?私は取れるなら取りたいですけど…」
「うーん狙撃でどうにかなるならしたいけどなぁ」
彼らが狙っているのは先程カイ達が取った高台である。RUINとsizukaは狙撃が得意なのでできれば高台を取りたい。
「やっぱ、いるなぁ」
「そらそうやろ」
「とりあえず狙ってみます?」
「一旦待ってみてもええかな」
「分かりました」
「隙はあるはずやからな。そこ狙うで」
◇
(…よし。安地内だ。これならいけるはずだ)
「皆さん、色んな方向見てくれたら助かります」
「おっけー!」
「ほーい」
第2収縮開始前、カイは周りを見るようにメンバーに指示を出した。
(周りにいるか?多分いるよな…狙撃されるかもしれない。だったらこの判断はマズいか…?でも周りを見とかないとここを守ることはできない…)
──迷うな。これでいけるはずだ。絶対にここを守る。
「おっと、撃たれた〜」
「こっち来る?」
「いや〜流石に来ないでしょ!」
「…警戒だけお願いします」
「りょうか〜い」
(撃ったなら詰めては来ないはずだ。警戒だけはしとくけど)
わざわざ撃って詰めて来ることはないだろう。一度撃ったら警戒されるのだから。
◇
「お、銃声」
「近いな」
「行きます?」
「いいんじゃね?」
「行きたいのは山々だが移動優先だ」
「はい」
「しょうがないな〜」
第2収縮開始前、安地運に嫌われたlaughチームは安全地帯に移動していた。
「今回は安地運に嫌われすぎてるから先に安地移動!寄り道しない!」
「分かってるって」
「じゃあなんで少し俺達から離れて行ってるんだい?」
「なんでやろなぁ」
「ほら、行くぞ」
「…どうしてもダメか?」
「駄目だ」
「そこまで言われたら仕方ねぇ」
他愛もない会話をしながら安全地帯に移動する。
「なぁ、目の前いるんだが…」
「あれは私達と同じ安地運に嫌われた人達でしょうね」
「どうする?このまま行けばかち合うぞ?」
「相手は気づいてないっぽいな……戦うか」
「お」
「できるだけ素早くね」
「了解」
偶然、laugh達の近くに同じく安地移動している部隊がいた。
そして彼らに気づいてないと分かった瞬間、spearは戦う判断を下した。
「まずは1人…!」
列の1番後ろにいたハンブラーを不意打ちで倒す。まだアルティメットが溜まる時間ではない。だから、スキルとエイムで勝負は決まる。
「あおいさん!そっち頼む!」
「了解」
グレネードを使い、相手を遮蔽に隠れさせる。その遮蔽に隠れた敵は今、spearと戦っている奴を援護できない。
「…ナイス援護」
「あと1人だ。あおいさん!」
「抑えてますよ」
laughとあおいの援護によりspearは1人ダウンさせる。これで相手部隊は残り1人。そいつはあおいが抑えている。
「ナイス」
「ナイスです」
第2収縮終了40秒前、1部隊壊滅。残り部隊数−−−17部隊
◇
「うーむ中々動かんの〜」
「まぁ安地内だしこのままでいいんじゃね」
「私もそう思います!」
「ほな、待ちやな」
第3収縮開始前、RUIN達は待つことを決めた。
「このゲームさぁ、凸スナすること多いやん?」
「おん」
「…え?」
「しんの?」
「しなくないですか?」
「元々やってたゲームの癖でやっちまうんよな〜」
「最近はなんとか抑えてるだけよな」
「めっちゃ偉いと思わん?」
「それならめっちゃ偉いと思います!」
「やろ?」
そして待っている間は暇ではあるので雑談が始まった。
「最近めっちゃおもろい漫画みっけたんよ」
「あーそんなん言うてたな」
「なんですか?」
「ヒントだすから当ててみ?」
「はい!」
「えーっとな〜」
「はーいストップ。敵きたで〜」
「しゃーない後でやな」
問題を出そうとしたが残念なことに敵がきてしまった。正確には足音が聞こえただけだが。
「すぐに片付けるで」
「そらそうやろ」
「RUINさん!上からグレです!」
「おっと危ない」
相手部隊はグレネードで仕掛けてきた。
「…紲さん!頼むで!」
「はい…!」
敵と1番近いのは紲つむぎだった。だから、RUIN達に頼まれたのだ。
(ここで成長を見せなきゃ!)
RUINとsizukaはつむぎと少し離れた場所で戦っている。もしここで倒されたら確実にデスボックスにされて終わる。
(危な…!)
つむぎの武器構成はアサルトライフルとショットガン。そして相手の武器構成はサブマシンガンとショットガン。近距離火力的には負けている。だが──
(シールド回復できる私の方が有利!)
つむぎが使用しているキャラはバリーサ。スキルでシールドを回復できるのが強みのキャラだ。かなり強引に戦うことができるのだ。
(あと一発…!)
つむぎもかなり削られたがバリーサのスキルのおかげで耐えきることができている。しかし相手はまだ諦めてない。
(なんで、当たらないかな…こういうときに…)
つむぎは焦ってしまったのか、あと一発が当たらず負けてしまった。
「すいません…負けました…!相手は今回復してます…!」
「大丈夫こっちは倒せたから交換や」
「sizuka、こっち援護頼むで」
「はいよ〜」
つむぎは倒されてしまったがsizukaが1人倒したので1・1交換となり、人数不利とはならなかった。
「そっち向かってます!」
「了解や」
2対2が始まる──
(足音──これ漁夫…!)
ことはなかった。
「漁夫来てます!」
「マジか、ダルすぎやん」
第3者の乱入。いわゆる漁夫の利である。
「まずいで、挟まれるやん」
「どうにか──もう来てるやん」
「あらら…こりゃ無理や」
RUINチームは位置的に挟まれ、どちらのチームにも少しばかりのダメージを与え、敗北。
「…今のRUINさん達だったみたいだ。取れてよかったよ」
「まぁ1人いなくなっちゃいましたけどね」
「すいません…負けてしまって」
「しょうがない。1人失っただけでここを取れた考えよう」
そしてRUIN達と交代でこの高台を取ったのは───
「最終安地はこの付近だ。なんとか死守しよう」
「はい!」
aliaチームだった。
第3収縮終了時、残り部隊数−−−13部隊
◇
(かなり近くで銃声がしてる…こっちまでは来ない、よな?)
第4収縮開始前、カイ達は高台の防衛を続けていた。
「ウルトで壁妨害しときます…!」
「ほーい」
高台はジップラインで行ける他に、通路がある。その通路をキーランのウルトである防壁で塞ぐのだ。
この防壁は電流が流れており、敵が触れたら移動速度の低下と位置のマークがされる。また、一度設置すれば銃撃以外ではほぼ壊れない。
ジップラインで高台に来た場合は音で分かるし、通路を通ろうとしたら破壊するために銃撃しなければならない。
この高台に来ようとしたらバレるのは確実だ。
(これで誰も来れないはず…)
こうしてカイ達は安全地帯が狭くなるのを待つ。その時が来るまで彼らは動かない。
◇
「うーっわ、あそこ要塞にされてるし」
「あそこ取れないならプランBだな」
「そんなの決めてましたっけ?」
第3収縮途中、laugh達はカイ達のいる高台を取ろうとして動いていたがキーランのウルトにより高台が要塞と化していたため、別の場所を取ることになった。
「あそこなら空いてますね」
「お、ナイス」
高台付近には小さな家や小屋などがある。かなり取られているがなんとか小屋ぐらいは取れそうだ。
「まぁ、待つしかできねぇな」
「近くに来たら倒すぐらいだな」
「まだ第3収縮ですからね」
彼らの選択はカイ達と同じく、待ちであった。
◇
「…結構狭まってきたね」
「どうします?降ります?」
「いや、まだだ。もう少ししたら降りる」
「了解です」
時は流れ、第4収縮前。残り部隊数はかなり減り、8部隊。
(思ったよりも安地の位置が離れたな…少し早く移動を…)
「aliaさん」
「どうした?」
「見た感じ空いてるところがありません…」
「…マジか」
(…選択ミスか?空いている場所がないことはないはず…)
「…少し早いが移動しよう」
「分かりました」
(そこなら問題はないはずだけど…まぁ、博打だね)
第4収縮が始まる。
◇
(…クソっ、安地ズレた!どうする?もうここは使えない!今から移動すれば間に合うか…?)
「安地ズレたね〜移動する〜?」
「は、はい!行きましょう!」
第4収縮が始まる前にカイ達3人は高台を捨て、飛び降りた。
(空いているところは──)
「そこ、空いてる!」
「じゃあそこ行こ〜!」
要塞化していた高台を捨てるのは惜しいが、いた仕方ない。
(星乃さんが見つけてくれて助かった…)
なんとか家に入り込むことができた。
「…足音!来てるよ!」
「ほいよ〜」
しかし、敵は来るものだ。
(戦いたくはないけど…戦わないといけないな…)
「1人倒しました!」
「まだ2人いる!」
そして考える暇もなく、戦いは始まる。既に水無瀬さんが1キルしてくれている。俺もしっかり戦わないと。
「…あと1人!如月さん頼みます!」
「は、はい!」
うだうだしている内に星乃さんも1人倒しており、残り1人。そしてその1人は俺の近くにいる。倒さなくては。
「…た、倒せました」
「ナイス〜!」
誰も欠けることなく、1部隊を壊滅させることができた。これで残り部隊は7部隊。そして、もう第4収縮は終わる。
「うわ〜また安地ズレた〜」
「大変ね〜」
「なんで他人事なんだい?」
(…また安地ズレるか。きついな…)
予測はしていたが最悪の安地だ。ここからもう一度移動しようにも先客がいる。取れる場所がない。
(どうする…)
◇
「お、安地内だ」
「ラッキーですね」
「結構人数残ってるからキツキツなんだけどな」
第5収縮開始前、残り部隊数−−−6部隊。人数の欄は?となっているので、フルメンバーではない部隊もあるようだ。
「…このあと乱戦になると思うからlaughは頑張れ」
「頑張れじゃねぇよ、オメェも頑張んだよ!」
「サポートするんで頑張ってください」
「…まぁ頑張っても良いかもな~?どうしよっかな〜」
「…ん?来てるぞ、準備しろ」
「はいはい、1位取るぞー」
◇
「うーむ。これはキツイね」
「ですね…」
第4収縮時、なんとか次の安地内の予想をし、良いポジションを取ろうとしたが既に取られていたため安全地帯ギリギリの岩裏にalia達は隠れていた。しかし、第5収縮では安全地帯から外れてしまうので移動を余儀なくされている。
そして第5収縮は安全地帯真ん中に小さな小屋が存在している。その中には1部隊がいることも確定している。
(…これはもう1位を取ることは諦めてキルポイントだけを取ることに集中しようか。6部隊…何人いるかは分からないが必ずキルできるチャンスはある。…あそこの部隊も安地移動で動く。その隙を狙って1人だけでも倒す)
「…あそこの岩裏にいる部隊も一緒に動くはずだ。どうにかして1人は持っていこう」
「はい!」
──そして、第5収縮が始まる。
◇
「間に合ったね〜」
「ここだけでもあってよかったわよ」
「家中いるので気をつけてください」
「もちろん!」
カイ達は第5収縮が始まった瞬間、まだ取られていなかった家の横に張り付いていた。しかし、家中には敵はいる。いつ出てくるのか分からない。気をつけなければ。
「残り3部隊…!」
「横!」
「ウルトよろしく!」
「は、はい!」
いつの間にか敵が横に来ていた。それを防ぐ為に溜まっていたキーランウルトを使用。これである程度攻撃を防げる。
「家から出てきます…!」
「僕のウルトで──あれ?」
(ハンブラーいたか…!スキル封じられるのキツい…!)
「横の部隊倒しに行きたい!」
「ほいよ〜」
スキルは封じられた。今からは地力の勝負だ。
「1人倒した!カイさんそこ!」
「は、はい!」
第5収縮の終了、それと同時に最後の戦いが始まる。
◇
最終収縮。それは安全地帯が消失する収縮。─────開始まで残り、45秒。
「挟むぞ!laugh!あおいさんは家上取って!」
「はい!」
「行くぞ、spear!」
spearはハンブラーウルトを使用。それでスキル・ウルトを制限したのを確認し、今まで籠もっていた家から出る。
(1部隊減った!目の前にいるので最後!)
最終収縮開始37秒前、残り部隊数−−−2部隊
◇
(…屋根上取った方が良いかも。上からなら有利に射線を通せるはず)
「目の前の敵で最後です!水無瀬さん!」
「おっけー!」
(如月さんは指示してないけど…下はあの2人に任せよう)
ひかりは、カイに指示されずとも中心にある家の屋根上を取る。しかし、その上には──
(やっぱりいるよね〜ジャンキラー)
爆弾の王、ジャンキラーが登ってきていた。
(…上からグレで援護されたらイツキ達が負ける。なら、アタシがここで──倒す)
ショットガンを取り出し、走り出す。相手も取り出したのはショットガン。
(同じくらいのダメージ!勝負が決まるのは──ジャンキラーのウルト!)
屋根上での戦いは激化する。ジャンキラーは一度離れるが──
(来た!)
ウルトをひかりにくっつける為に近づいてくる。ショットガンはコッキング中。撃つことはできない。
(ウルト撃って…!)
空中に逃げることもできず、ウルトはくっついてしまう。けどそのままくっつけた奴に向かえば──
(これで…相討ち!仕事はした!)
「イツキ!如月さん!頑張って!」
◇
「…うん!」
「はい…!」
いつの間にか星乃さんは屋根上を取りに行っていたらしい。そして相討ちになった。
俺が指示をせずともしっかりと仕事をしてくれた。これで負けてしまってはなんと情けないことだろうか。
(…絶対勝つ!)
最終収縮が始まるまで残り、30秒。まだスキルとウルトは使えない。相手の方が多分撃ち合いは強い。それなら──
(この防壁を利用する…!)
防壁には電流が流れいる。戦闘中に触れたら致命的だ。ただその効果は味方には効かない。相手にだけ、発動する。
安全地帯が完全に消えるのは俺達の方に寄ってからだ。相手部隊は安地外ダメージを喰らわないためにもこちらへ来なければいけない。防壁までには遮蔽がないから必ず当てられるはずだ。
(…ッ!飛んできた!コングフィスト…!)
「お、俺がやります…!」
「僕は前だね!」
コングフィストのスキルを使い、真上ではなく、真横に飛んできた。防壁を超えてきたのだ。確かに防壁の高さはそこまででもないが──
(そこそこの高等技術だろ、真横飛び)
コングフィストのスキルは通常、真上に飛ぶようにされている。だが、タイミングよくキーを押すことで真横に飛ぶこともできる。そのタイミングがシビアだから高等技術と呼ばれているのだ。
──遮蔽のない、ただの荒野。そこでカイとlaughの勝負が始まる。そして、その決着は一瞬でつく。
◇
(今はどっちも同じくらいの削れ方…!)
どちらもサブマシンガンを使用し、同程度の銃弾を当てる。そして両者、武器のリロードが行われる。
(ここで終わらせる…!)
リロードが完了し、武器を持ち直す。瞬間、どちらからも銃弾が流れ出す。
(あと、一発…!殴りに行く!)
相手の体力はもう残り少ない。リロードをするより殴りに行った方が早い!
(…マジか…ロケラン…!)
それを認識した瞬間、爆発。カイとlaughの戦いは引き分けに終わった。
最後に託されたのは──
「水無瀬さん…!」
水無瀬イツキであった。
◇
「わりぃ、相討ちだわ」
「分かった」
(…この状況、俺はもうどうにもできねぇな)
ハンブラーにコングフィストのような移動スキルはない。
laughの真横飛びと同時に出て、相手2人がlaughに食いついている間に防壁まで走って、laughが削ったのを倒す予定だったが──
(分担したのかよ)
2人がlaughに食いつかなかった時点で負けていた。
(…負け、だな)
遮蔽のない場所で勝てるほど相手は甘くなかったらしい。
──spearはイツキに銃弾を撃ち込まれ、ダウンした。
◇
《YOU ARE THE CHAMPION》
そんな画面が映し出される。この画面は1位を取らなければ、出てこない。ということは──
「ナイス!イツキ!」
「やったー!チャンピオンだー!!」
「ナイスです…!」
俺達は勝ったのだ。スクリム3日目にして、ようやく1位の座を手に入れたのだ。
「チャンピオンおめでとうございます」
「あ、ありがとうございます…!SKさん…!」
「いや〜我ながら屋根上取りに行ったの天才だと思うわ〜」
「あの判断よかったですよひかりさん」
「でしょ〜」
「うんうん!あそこで倒してくれたから助かったよ!」
──スクリム3日目、第1試合のチャンピオンは水無瀬チームだった。
◇
その後の試合も悪くない順位を取り続けた。
2試合目は、3位。3試合目は5位。4試合目は7位。そしてラスト5試合目は2位。
「今日もお疲れ様でした」
「お疲れ〜!」
「乙〜」
「お疲れ様です」
スクリムが終わり、配信も切ったので彼らは休憩していた。
「今日は良い順位を取れて良かったですね」
「本当にね〜初めて1位取れたし!」
「1試合目以降も順位悪くなかったし」
まさか1位を取れるとは思わなかったが取れて本当に良かった。俺はそこまで良い立ち回りをできたとは言えなかったけれど、水無瀬と星乃さんがかなり成長していた。
特に星乃さんの1試合目の判断は良かった。あそこで屋根上に登るのはあまりにも助かった。
「今日はランクやめとこ〜」
「そう?アタシはいけるけどね」
「まぁたまには休んだ方がいいんじゃない?」
「それもそうかも」
今日はランクはないらしい。ちょっと期待していた自分もいるが休むのも大切なのでなくても良いだろう。
「じゃあお疲れ〜!また明日〜!」
「お疲れ様でした」
「明日もがんばろ〜」
「はい。また明日もお願いします」
こうして、3日目のスクリムは終わった。
「ふぅ…今日も疲れたな…」
今日の俺はたまたま上手くいっただけだ。あの2人のようにはできていなかった。明日はもっと頑張らなければ。
「…寝よ」
いつもよりも早く寝て明日の朝は早く起きて練習しよう。そう思いながら意識を手放した。
──カーテンの隙間からの光で目が覚める。ベッドから起き上がり、まずは顔を洗いに行く。
洗面所に着き、水を出す時に少し、違和感を感じる。まさか、と感じながらヘッドフォンをつけ、音楽を再生する。
「音が…聞こえない…?」