ゲームが上手いコミュ障底辺配信者が成り上がる話   作:グラタン二世

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第27話 「開幕」

 

──時は2023年7月30日。大会が開かれる。

 

それは──皆にとって熱い場所だった。

 

「さぁ、始めていこうか」

「はい!やりましょう!盛り上げていきますよ!」

「あぁ。よろしく頼むよ」

 

             ◇

 

コメント:そろそろだ!

コメント:今回も楽しみ!

コメント:あと3分!

コメント:どのチームも頑張れ!

コメント:来るぞー!

 

『開始までお待ちください』と表示された画面が変わり、2人の男性が映しだされる。

 

コメント:きたぁーー!

コメント:始まった!

コメント:きちゃ!

コメント:うぉぉ!始まった!

コメント:きたきたきたぁ!

 

「えー大変長らくお待たせしました。こんにちは。今回のRaising cupの実況を務めさせていただく望月荒野です」

「はい。解説をしますRaisingのオーナー、ヤマトです。よろしくお願いします」

 

今回の大会で実況をするのは配信者カップでも実況を務めていた望月荒野。解説はRaising cup主催であるヤマトの2人が挨拶をする。

 

「いや〜Raising cupももう5回目ですよ」

「早いですね〜主催はぼくなんですけども」

 

コメント:もう5回目か〜

コメント:前回もめちゃくちゃ良かった!

コメント:第1回もドラマがあったよね

 

Raising cupは既に4回実施されており、そのどれもに多くのドラマがあった。

 

「早速ですが、今回の注目チームを聞いても良いでしょうか」

「そうですね〜やっぱりSuRarチームじゃないかな」

「やはり、ですか」

「今回の5日間のスクリムで総合順位が1位でしたからね。相当のチーム力を持っていると思いますよ」

 

コメント:だよな〜SuRarさん強すぎる!

コメント:メンバーも弱いわけじゃないからすげぇよ

コメント:まぁ優勝候補だな

コメント:そろそろ優勝させてあげよう…?

 

「なるほど…他のチームには注目あります?」

「他は…なんやかんやlaughたちが強いんじゃないっすかね」

 

コメント:あの人たちはゲームの腕は凄いからね

コメント:青空さんが苦労してるんだよな…

コメント:おいおいspearというバランサーを忘れたか

コメント:あいつもたまに壊れるじゃん

コメント:…確かに

 

その後も諸々の話をした後に、ルール説明に移る。

 

「それではルール説明に移りたいと思います」

「まぁいつも通りではあるので」

 

 

《大会ルール》

 

全5試合。5試合の総合ポイントで順位を決定する。

マップ…エランドセラル

 

順位ポイント

 

1位…12ポイント 2位…9ポイント 3位…7ポイント

4位…5ポイント 5位…4ポイント

 

6〜7位…3ポイント  8〜10位…2ポイント

11〜15位…1ポイント 16〜20位…0ポイント

 

キルポイント…1キルにつき、1ポイント

 

ポイント上限

 

1〜3試合目 6ポイントまで

4試合目 10ポイントまで

5試合目 上限なし

 

 

「こんな感じですね。第1回から少し変わったぐらいであんまりルールは変えてないんですよね」

「ルールは変えすぎても駄目ですもんね〜」

「まぁ難しいのはルール作りよりスケジュール管理なんですけど」

「みなさんスケジュール空けてくれて感謝ですよね」

「その通りです。本当にありがとうございます」

 

コメント:参加してる人でスケジュールキツキツな人だれだ…

コメント:結構いるでしょ

コメント:今回は俳優さんとか声優さんとか出てるしね

コメント:いろんな人が出てくれて感謝感激

コメント:第1回からは想像できない

 

「さて、話しているとそろそろ開始の時間になって参りました」

「あと…5分くらいですね。トイレでも行って備えておいてください」

 

 

             ◇

 

 

「どわ〜緊張する!」

「いまさら緊張してんの?」

「そりゃするでしょ…!」

「今すぐにでもタバコ吸いに行きたいんですけど」

「…マジか」

「マジ」

 

──あいかチームはいつも通り、大会が始まるのを待っていた。

 

「タバコ吸ってきまーす」

「やはりタバコは全てを解決するのか…?」

「するんじゃない?」

 

コメント:タバコ休憩後は強くなる

コメント:精神安定するからね

コメント:実際タバコ休憩後は集中力上がる気がする

 

「コメント達的には集中力が上がるっぽいよ」

「はえー」

 

コメント:タバコと酒はちゃんと適度にしてね!

コメント:当たり前だよなぁ!

コメント:なんの話なんだ…これ…

 

「ただいま〜」

「おかえり〜」

「さ、始まるよ!頑張ろう〜!」

 

「「「おー!!」」」

 

 

             ◇

 

「ついに本番ですね」

「そうだな〜あっという間だった」

「今回は優勝しにいきたいよな」

 

laughとspearは今までのRaising cupに一緒に出場してきたが、優勝はしたことがなかった。

 

「今回はあおいさんもいるし勝てる」

「過大評価ですよ」

「いや、結構勝算はあると思うけどな」

 

だが、今回こそは勝てるとlaughとspearは言う。それは青空あおいがいるからだ。

 

「バカすぎる行動をlaughがしなかったら勝てるさ」

「いつも真面目にやってんだけど」

「言っちゃ悪いですけどspearさんもですからね」

 

Raisingでは真面目枠(笑)ではあるはずのspearだが、一応空色ライブの真面目枠には勝てないらしい。

 

「ま、楽しんでやってこ」

「だな」

「ですね」

 

             ◇

 

「なぁ、もう本番やでヤバない?」

「ヤバイ」

「普通にヤバイです!」

 

RUINチームは本番前にも練習をしてかなり万全の状態ではあるはずだが──

 

「緊張が凄いでほんま」

「何回この大会出てんだって言われるかもな」

「何回出てても緊張するもんはすんねん」

「それはそう」

 

もれなく全員緊張Maxであった。

 

「やっぱり緊張するものですよね」

「そりゃそうよ」

「おれたちは別にプロゲーマーでもなんでもないしな」

「プロゲーマーでも大会は緊張するんちゃう?」

「まぁ頑張っていこや」

「もちろんです!練習の成果見せてやりますよ!」

「期待してるで〜」

 

紲つむぎは元々はそこまでabcxが上手い部類ではなかった。だが、かなりの練習とRUIN・sizukaの指導のおかげで伸びまくったのだ。今ではマスター層までには届かないまでも、エリートを超える程度の実力を手にしていた。

 

(さで、今回はどこまでいけるやろな〜)

 

             ◇

 

「サトウさーんそろそろですよ〜」

「了解」

 

サトウチームはスクリム期間では中々良いところを見せることはできなかった。だからこそ本番では魅せてやろうと意気込んでいた。

 

「スクリムはきつかったし本番では魅せたいな〜」

「それな。わたし、この大会で優勝したら優勝イラスト描くんだ」

「絵師特有のフラグやめろ」

 

コメント:その絵待ってます

コメント:絶対勝ってくれ!

コメント:めちゃくちゃフラグ建てるやん草

 

サトウチームには界隈では有名な絵師がメンバーにいた。

 

「そのフラグへし折ってやるっすよ」

「仲間が建築しちまったからな。壊さないと」

「いや、フラグじゃないんですけど」

 

だが、彼女のフラグ建築能力は未知数である。

 

「さて、始まるっすね。頑張りましょう!」

「頑張ろ〜!」

「頑張るぞ〜!」

 

             ◇

 

「SuRar!てめぇ強いんだって!」

「いやいや〜強くないですよ〜」

「謙遜するなや!いつもみたいにしてくれ!」

 

SuRarチームは大会が始まる前に練習場でタイマンをしていた。なお全てSuRarの勝利で終わった。

 

「やっぱりお前バケモンだよ」

「うわ…きずついた…」

「褒めてんだよ!」

「うわ…うれしい…」

「じゃあもっとトーン上げろ」

 

コメント:だってめちゃくちゃ強いし…

コメント:バケモンだし…

コメント:そう言われても仕方ない

 

「遊んでるよね?2人とも」 

「いーや?」

「そんなことないよ」

「あ、そう?ならいいか」

 

大会開始、5分前でも彼らは漫才を行っていた。それを咎めている(ように見えるやつ)もいる。もっと頑張って秩序を守ってほしい。

 

「そろそろ始まるね〜」

「だね〜」

「みなさんきんちょうしてます?」

「いや〜全然」

「だってSuRarいるし…」

「オレはきんちょうしてるよ」

「え〜意外」

 

コメント:確かに意外だね

コメント:いつもそんなに緊張してそうに見えない

コメント:意外とそんなものなのかも

 

「大会は何が起こるかわからないからね」

 

             ◇

 

「さて、作戦は頭に入ったかな?」

「はい!」

「もちろん!」

 

aliaチームは大会前最後の作戦会議をしていた。彼らは大会中に作戦勝ちできるように頭に作戦を叩き込んでいる。

 

「いや〜緊張する!」

「スクリムではやらなかったからな〜」

「それも作戦の内だ。絶対にオレ達のことを意識してないと思うしね」

 

コメント:一体どんな作戦なんだ…

コメント:おれたちも分からん…

コメント:楽しみだな〜

 

「さて、そろそろ始まるね」

「さ、頑張るぞ!」

「おー!」

 

コメント:頑張れ!

コメント:頑張れー!

コメント:応援してるぞ〜!

 

(さぁ、1試合目…最初が肝心だな…)

 

              ◇

 

「みなさん大丈夫ですか〜」

「いや、全然?」

「アタシは大丈夫だよ〜」

「カイさんは?」

「だ、大丈夫です」

「全然大丈夫に見えないんですが」

「すいません嘘です。緊張しまくりです」

「だよね〜」

 

このデカい大会で緊張するなという方が難しい。こういう大会は初めてなのだからなおさらだ。

 

「別に緊張することは悪いことじゃないですから、まぁほどほどに緊張してください」

「めちゃくちゃ緊張してるんだけど…」

「ストーリーあるタイプのクソゲーの最終盤の時よりは緊張しないから、みんなもクソゲーをやった方が良いね」

「ひかりさんは結構特殊なんじゃないですかね…」

 

クソゲーを嗜むことによって緊張が消えるならマジでやった方が良いかもしれない。

 

「てか緊張よりも色々と我慢する耐性がつくかも」

「すごい効果しかないじゃん」 

「お、イツキは興味ある?」

「いや、遠慮しとくよ」

「カイさんは?」

「や、やめときます」

「残念…クソゲーは良い効果しかないのに…」

 

やはり星乃さんはクソゲーに侵されているらしい。

 

「そうだ、カイさん」

「どうしました?SKさん」

「耳の方は大丈夫ですか」

「はい。多分大丈夫です」

「なら良かった…」

 

今のところ、耳の方は多分大丈夫だとは思う。

 

「あ、時間だね〜」

「いや〜本番が来るのは早いね〜」

「ですね」

 

もう、本番の時間だ。多くのことがあったけど俺たちなら──大丈夫なはずだ。

 

「勝ちましょう。みなさんならできます」

 

「「「はい!」」」

 

             ◇

 

「さぁ、大会本番!開始まで残り一分を切りました!」

「楽しみですね」

 

──16時29分。本番開始まで残り一分。そして、その時はすぐに訪れる。

 

「スタートまで、3!2!1!」

 

 

「「スタート!!」」 

  

 

第5回Raising cup、開幕──

 

 

 




お久しぶりです。テスト等が終わったので投稿します。ただこれから忙しいので投稿頻度は落ちます。
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