ひろプリ SAMURAI GIRL HEROISM 作:MOZO
方々探し回ってどのくらい経ったか。ミラージュペンが今までにない強い光りを発した。
「ッ! すごい光・・・」
この反応は、スカイジュエルが近くにあることを意味する。光りは川縁を示しており、ソラは川の中を
拾い上げたそれは、ヨヨが見せてくれたものと同じ青い鉱石。スカイジュエルに間違いなかった。
「ありました!」
探し求めていたスカイジュエルを手にしたソラは達成感から声を張り上げる。
「これでスカイランドと通信ができるね」
「えるぅ!」
「わかるでござるか? 父上と母上に会えるのでござるよ!」
「える、えるぅ~!」
ましろとシグレの言うことを心無しか理解しているように、エルは大喜びではしゃぐのだった。
「やったー、やりました!」
歓喜のジャンプをするソラ。と、背後で「ガラガラガラ!」と轟音が鳴った。
「おい、びっくりして崩れちゃったじゃねぇか! どうしてくれるのねん!」
岩を積んでいた何者かがソラたちに向かって怒鳴り込んだ。
「あなたは!」
「お前ら!?」
その者は彼女たちとって忘れようのない馴染みのある顔であった。
「カバピョン!」
「カ・バ・ト・ンなのねん! いい加減覚えろっつうの!」
せっかくのロックバランシングを崩された上に、いつまでも名前を覚えてもらえないカバトンは怒りを増大させる。
「もしや、あの岩の塔はお主が作ったのでござるか?」
「だったら何なのねん?」
「いやぁ、なかなかの卓越した業。敵ながら見事でござる」
「ま、まぁそれほどでもあるのねん」
「しかし申し訳ない。先ほど色々あって壊してしまったでござる」
「おいコラァー!」
おだてられたと思いきや、作品を壊されたことでカバトンは更に憤慨する。
「今はそんなことはいいのねん! さぁ、その赤ん坊をこっちへよこしな!」
本来の目的に立ち返り、カバトンはエルの身柄を要求してきた。
「絶対に渡しません!」
「先ほどは謝罪したでござるが、それとこれとは話は別でござる!」
無論、ソラとシグレは断固拒否。ましろとエルを隠すようにカバトンへ立ち向かう。
「なら、仕方ないのねん。カモン! アンダーグエナジー!」
カバトンはアンダーグエナジーを放出。近くに生えていた一本の竹を取り込むと、ランボーグ化する。
「ランボーグ!」
竹のランボーグの出現に続けてクロボーズらも湧いて出てきた。
「シグレさんはましろさんたちを守ってください! ヒーローの出番です!」
ソラはミラージュペンを掲げてスカイミラージュへと変形。スカイストーンを装填。
ソラは青いコスチュームを纏い、キュアスカイに変身を完了させる。
「無限にひろがる青い空! キュアスカイ!」
颯爽と現れたキュアスカイ。エルを守るために戦闘を開始する。
竹のランボーグは地面から無数の竹槍を生やし攻撃。スカイはそれらを躱していき、岩の上に着地。しかし、竹槍は足下の岩も粉砕しながら突き出してくる。
「わっ!? すごいパワー!」
スカイは間一髪で逃れることができたが、このまま長期戦になるのは不利。一気に片を付けるためランボーグへ直進。懐に入ったところで拳の強烈な一撃を打ち込み、ランボーグを後退させた。
優勢に持ち込んだのも束の間、スカイは周囲をクロボーズが取り囲まれてしまう。
「ウヒヒッ、お前はそいつらと遊んでいればいいのねん。これでゆっくりと赤ん坊を捕まえられるのねん」
この隙にカバトンはランボーグを引き連れ、岩影に隠れているましろたちに接近していく。
「ましろさん! シグレさん!」
今すぐにでも駆けつけてやりたいスカイではあるが、クロボーズが行く手を阻んで身動きが取れない。
「このッ、退きなさい!」
迎撃をしていくがクロボーズの数は多く、斬撃も避けながらなので一向に前に進むことができない。
カバトンとランボーグが差し迫り、エルを抱き締めるましろの手は恐怖で震えが止まらない。万事休すの中、シグレは岩影から出るとたった一人でカバトンらに対峙する。
「ここより先へは行かせぬ。拙者が相手でござるぞ!」
シグレは鞘から「ハルサメ」を抜き放ち、折れた刃を向ける。
「ギャッハハハハハハ! そんな折れた刀で戦うつもりなのねん?」
「・・・・・・・・・・・・」
「今のお前はただのYOEEEE脇役。恐くも何ともないのねん!」
嘲笑うカバトンにシグレは反論することができない。悔しいかな、奴の言葉が的を得ているからだ。
「確かに、今の拙者は取るに足らない小娘でござる・・・・・・」
自分の力量など端からわかっている。折れた刀を持ったところで無謀でしかない。無様に返り討ちにされるのがオチであると。
「・・・・・・だとしても、拙者を友と呼んでくれる人たちがいる。守るべき者がいる。その人たちを見す見す見捨てて、世界一のサムライを名乗れるものか!」
かつて師匠が言っていた。強さとは、剣技や身体を鍛えるだけではない。心も磨き鍛え抜かなければならない。
シグレの脳裏に師匠が説いた言葉が過る。
「拙者の『心の刀』は、決して折れることなどないッ!」
刹那、「ハルサメ」の柄が銀色に光り輝くと、形を変えてミラージュペンへと変化した。
「な、何ぃ!?」
「これは・・・・・・!?」
卒然の出来事に、カバトン、そしてシグレ当人も驚きを隠し得なかった。
「ぷいきゅあ~!」
エルが叫ぶと同時に紫色の光が放たれ、シグレが左手で受け止めると銀色のスカイストーンが彼女の手の中に収まる。
この現象はソラが初めてプリキュアになった時と同じ。つまりは、そういうことなのだろう。
「ソラ殿の言葉を借りるならば━━」
すべてを悟ったシグレはミラージュペンとスカイストーンを構えた。
「ひいろおの出番でござる!」
ミラージュペンの羽根部分を展開。スカイミラージュに変形させる。
「スカイミラージュ! トーンコネクト!」
銀色のスカイストーンのツマミを押し、スカイミラージュに装填。
「ひろがるチェンジ! レイニー!」
バーサライタに『RAINY』の文字が浮かぶと、ステージ状の異空間でシグレは変身を開始。
「ひらめきHOP!」
細長く端が鳥の羽根のような形をした白いリボンが結ばれ、両耳に滴型のピアスを装着。
「さわやかSTEP!」
銀色とネイビーを基調とした和服風のノースリーブトップス、銀色のミニスカートに黒いスパッツを身に纏う。
「はればれJUMP!」
バレエのように一回転する際、光の雨を切る両腕に銀色の振り袖が纏われ、腰に
最後に左目を
「
煌めく銀色のコスチュームを纏う凛々しい戦士が顕現した。
キュアレイニーの誕生である。