ひろプリ SAMURAI GIRL HEROISM   作:MOZO

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其の四

「かっこよ~・・・」

 

 見違えるほど愛らしく優美な姿へ変身したましろに、あげはは目を奪われてしまう。

 

「キュア・・・プリズムだと!?」

 

 プリキュアが三人に増えてしまったことにカバトンも唖然とする。

 

「優しさが力? 笑わせるな」

 

 クワガオーガは「ブライマル」を振りかぶり、変身したばかりのプリズムに斬り掛かった。

 

()れ言諸共、斬り捨ててくれるわ!」

 

 斬撃を避けるためプリズムは後方へジャンプするが、猛烈な勢いで跳んでいってしまう。

 

「えぇ~! パワー強すぎでは!?」

 

 プリズム自身も予想以上の跳躍力に驚きを隠せない。

 屋上に取り残されたあげはとエルに小型ランボーグが迫る中、体勢を立て直したプリズムがビルの壁を蹴って突撃。反動を利用してランボーグにキックを打ち込んだ。

 吹っ飛ばされたランボーグがカバトンに直撃。拍子にソラのミラージュペンを離してしまう。

 

「しまった~!」

 

 どうすることもできず、真っ逆さまに落ちていくカバトン。

 この隙にプリズムは本体のランボーグに向かって光弾を連射。怯んだランボーグの触手が僅かに緩み、好機と見たソラが拘束を抜け出すと空中でミラージュペンを掴んだ。

 

「ひろがるチェンジ! スカイ!」

 

 ミラージュペンをスカイミラージュに変形させ、スカイストーンを装填。

 青のコスチュームを纏い、左肩のマントをはためかせ、ソラはキュアスカイに変身した。

 

「無限にひろがる青い空! キュアスカイ!」

 

 満を持して変身することができたスカイに安堵するプリズム。

 直後、背後から尋常でない殺気を感知する。

 

「終わりだ!」

 

「えっ!?」

 

 クワガオーガがプリズムの背部へと跳んで刃を掲げていた。唐突な事態にプリズムは回避行動が遅れ、凶刃が彼女を斬り裂こうと振り下ろされる。

 刹那、銀色に輝く刀身がプリズムを庇うように刃を防いだ。

 

「貴様ッ!?」

 

「キュアレイニー!」

 

「お主の相手は拙者であろうが!」

 

 レイニーが意識を取り戻し、クワガオーガの斬撃からプリズムを守ったのだ。

 双方は交差する刃を外し、双方向かい合う形で着地する。しかし、先ほど大技を食らったレイニーは足許が覚束ず、息も切れ切れで、体に相当なダメージが蓄積させていた。

 

「満身創痍だろうに、まだ抗おうというのか?」

 

「お主だけは・・・、拙者がこの身に代えてでも止めてみせる!」

 

「ほざけ!」

 

 レイニーは己を奮い立たせ、クワガオーガと再び刃を交えた。

 

 * * *

 

 一方のスカイも、キノコランボーグと対峙。そこへ小型ランボーグが介入しようとしたところをプリズムが光弾を放ち足止めする。

 

「キュアスカイの邪魔はさせないよ!」

 

 二人はそれぞれ連携して二体のランボーグに対応。

 スカイは右の拳に力を込め、お返しといった具合にキノコランボーグへ突撃していく。

 

「ヒ~ロ~ガ~ル~スカイパーンチ!」

 

 渾身の一撃がキノコランボーグの胴を貫き、白く変色させる。

 

「スミキッタァ~」

 

 ランボーグは消滅し、元のキノコだけが残った。

 片や、プリズムも両手を頭上へ掲げるとエネルギーを凝縮させた光弾を生成する。

 

「ヒ~ロ~ガ~ル~プリズムショット!」

 

 最大出力で発射された光弾は小型ランボーグに命中。体を白く変色させた。

 

「スミキッタァ~」

 

 小型ランボーグも浄化され、消滅するのであった。

 

「つ、TUEEE・・・・・・」

 

 形勢逆転されてしまったカバトンは黒煙を上げて一目散に離脱する。

 

 * * *

 

 そして、レイニーとクワガオーガの戦いも佳境を迎えていた。レイニーはクワガオーガの斬撃を必死で捌いていくが、残された体力がいつまで持つか。どこかで反撃の糸口を見極めて仕掛けなければ勝機はない。

 クワガオーガが刀身を振り上げた瞬間、レイニーは光の刀を上段に構え、切っ先を右斜め下に傾けると、斬撃を側面で受け流し軌道を逸らした。その一瞬の隙を見逃さず、レイニーは左足を上げて回し蹴りを繰り出す。クワガオーガは咄嗟に右腕で防御するも、思いもよらない反撃に初めて体勢を崩した。

 一気に勝負をつけるべく、レイニーは光の刀を時計回りに円を描いて構える。

 

「ひ~ろ~が~る~レイニーセイバー!」

 

 レイニーは宙を舞い、全力の大技でクワガオーガに斬り込んだ。

 が、直前でクワガオーガは飛雷身で回避。近くのビルの屋上まで飛び退いた。

 

「潮時か」

 

 既にカバトンが退散した後であると気づくと、「ブライマル」を鞘に納めてレイニーに背を向ける。

 

「待て、逃げる気でござるか!?」

 

「次に相見える時こそ、プリンセスを頂戴(ちょうだい)する。それまで首を洗って待っていることだな」

 

 そう吐き捨てると、クワガオーガはビルの影へと姿を眩ませ撤退するのだった。否、見逃されたと言うのが正解だろう。

 どうにか戦いは終局し、変身を解かれたましろとシグレ。と、ましろは力が抜けて地面にへたり込み、シグレはガクッと膝を付いた。

 

「ましろさん、シグレさん!」

 

 二人の異変に変身を解きながらソラが慌てて駆け寄る。

 

「大丈夫。緊張が解けたらふにゃあってなっちゃっただけ・・・。シグレちゃんの方は大丈夫?」

 

「拙者もまだ少し体が痺れているだけでござるよ・・・」

 

 ソラを安心させようと二人ははにかんで見せるが、ソラから罪悪感は消えなかった。

 

「ごめんなさい! わたしが未熟なせいで!」

 

「拙者の方こそ役立たずで申し訳ない・・・・・・」

 

 ソラは自分のミスが原因でましろを戦いに巻き込み、シグレ一人に負担を強いてしまったことを謝罪。

 シグレもクワガオーガにさえ苦戦しなければ二人を助けることができたはずだと己を責めた。

 

「わたしなんか、放って置いてくれれば・・・・・・」

 

「ダメだよ。“わたしなんか”とか“役立たず”なんて、言っちゃダメ」

 

 自責の念を抱くソラとシグレの手をましろは優しく握った。

 

「ソラちゃんとシグレちゃんは、わたしの大事な友達なんだから」

 

 ましろの暖かいな言葉が二人の陰る心を柔らかい光のように包み込んだ。そんな三人を遠目であげはがエルと共に微笑ましく見守っていた。

 新たな出会い。新たなプリキュア。そして新たな脅威。彼女たちの運命が、また大きく動き出すのだった。




原作第4話部分終了です。
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