キクヅモリ科
活動時間:昼
オリマーメモ
頭頂部に生えた 植物の特徴を残す部分はキクヅモリ科のびっくり菊とは異なるが、根に当たる本体の作りは ほとんど同じである。
このことから、植物そのものが進化したのではなく、同じ歩根類のヤドリピクミンのように根が寄生している種と考えられる。
宿主がキノコのため 光合成はできないが、毒性の強い粘液を用いて獲物を捕らえたり毒に倒れた生物が土壌に還ることで、根から大地のエキスを吸収している。
ルーイメモ
舌の毒腺を注意して取りのぞけば、キノコと肉の旨味の相乗効果が楽しめる。
ピコメモ
根にあたる部分は びっくり菊と同じ姿。
違うのは捕食時に伸びる舌と共に毒を撒き散らし、汚く厄介なことである。
キノコが進化したのではなく、キノコに寄生した別の生物によって この姿になったのではと考察されており、捕食行動のみならず、大地から栄養を摂取したりと植物に似た生き方をしているらしい。
何にせよ、植物(キノコにせよ)と動物の境が曖昧な生物のひとつであり、その正体にも謎を多く残している。 今後の研究結果、進捗が待たれるところ。
「キノコなんです? 動物なんです?」
これまた可愛らしい名前の生物にも疑問を抱く。
とうとうキノコすら動いている惑星だけど、その境も曖昧で、生産者、捕食者とは別の分解者と見て良いのかも分からないときがある。
今のところ、この生物は捕食者なんじゃないかと個人的に思っているのだけれど。
あ、でもなぁ……毒で獲物を大地に還元する役割もあるし……でも生きている奴を襲っている訳で死体を分解している訳でもなくて、いや関係ないとしても……。
あー、もう ややこしや。
「完全にキノコのみで自立しているのなら菌類だが、植物に寄生されて操られているだけなら、球根状の方は植物の扱いかな」
「どっちつかずで。 ヤドリピクミン自体、私はよくわかりませんが……植物なのか動物なのか」
「分類とは、私たちが理解を深め易いように大きくグループ分けしているのであり、分けられたからといって それで満足してはいけないよ」
いやね、そういうけどオリマー先生?
こうした生物を分けた側として、一応の決着といいますか、見解はあった方が良いと思うのですよ。
「そうですね、分かっているつもりでしたが、いざこうして直面すると困惑が勝ってしまうといいますか……」
「わかるよ、その気持ち」
専門家って訳じゃないしね、先生は。
なんなら生物学者じゃなくて中小企業のサラリーマン、運送業者である。
……ホント、なんで運送業のリーマンやってるの?
「寄生するにしても、何故キノコなのでしょうね。 胞子で増える種類に対して、どういったメリットが。 あの巨体に見合うだけの栄養が豊富そうに見えませんし」
「偏見や先入観は いけない……と言いたいが、逆にそうした観点から見つめるからこそ、そこに常識をひっくり返す驚く秘密があるかも知れない。 改めて生物とは面白いと思わないかい?」
「え? ええ、まぁ、そうっすね……」
私も楽しげに喋る中年寄りに圧倒されてますよ。
あとルーイにも。
毒腺をちゃんと取りのぞいて、キノコと本体側両方を食べているっぽいし。
……てかアレ、肉の味するんだ?