イヌムシ科
活動時間:昼夜
チャッピー
オリマーメモ
体長の半分を占める大きな口と、頭部につき出した眼が特徴。 腹部は紅色で白い斑紋がある。
主に夜間に活動し、特に夕方には帰巣する小動物を狙って活発になる。
地の色が異なる亜種がいくつか発見されており、扱いについて学者の間で意見が分かれている。
ルーイメモ
よく肥えたものを丸焼きに。
ステーキもいい。
ピコメモ
チャッピーは種類が多く、これに擬態をする生物もいるのが面白い。
昼間は無防備に堂々眠っている姿を確認できたので、この星の生態系ピラミッドの上部に位置しているのではないだろうか。
内臓はどうなっているのだろう。 どうして大きな口とつき出た眼を持つのだろう。
宇宙犬にも言えるが、どの様な過程で二足歩行をする事になったのだろう。
夜に活発化するのと関係があるのだろうか。
腹部が目立つ明るい赤い色なのは、捕食するのに不利に思えるが。
この星のキノコの模様や色に似る部分もあるので、キノコに擬態している?
「チャッピーなんですが」
私は再びオリマー先生の元へ訪れていた。
今回はチャッピーについてだ。
「先生宅の愛犬と同じ名前なんですか?」
「犬に似ていたからね。 イヌムシ科という名前で分類したのも そうだよ」
あ、そうなの?
生物に襲われたり倒すのに抵抗が生まれそうなものだけど、先生的に良かったの?
「斑紋のみで同種を識別しているそうですね」
「うむ。 斑紋の無い幼生を成体が捕食する事すらある。 逆に斑紋さえあれば、別種であれ襲わないのが分かった」
単純で残酷な生物だ。
蟻や蜂のように社会性を持たないとされるデメマダラとはいえ。
夜間に足の生えた二齢幼生を観察出来たが、まだ斑紋が見えなかった。
ああいうのが捕食されてしまうのだろう。
逆に昼間に見かけるコチャッピーは、斑紋もハッキリしており、一見チャッピーの子供に見えるが、実はパンモドキと呼ばれる別種であり、斑紋で擬態、捕食を免れているそう。
解剖したら、内臓の位置でも違ったのかな?
「斑紋の有無のみで仲間か否か。 私たちの背丈でも、宇宙服に斑紋でも入れたら効果があるでしょうかね?」
「実際に試さないコトには分からないがね。 ヘビガラスの雛のような例もあるからね。 まだまだ調べてメモに追加したい事が多い」
まさか人体実験紛いは出来ないよね。
宇宙犬のオッチンに落書きも駄目だろうし。
斑紋とは別に、ある程度の大きさや丸みが必要だという条件があるなら、それはそれで追記が必要だと思う。
……そういや、ダイオウデメマダラは斑紋がパッと見えないが。
アレもコンコチャッピーみたいに、腹部を覆う苔の下に隠れているのだろうかね?
それともチラホラ見える気がする体表が斑紋扱いとでもいうのだろうか?
地面の下に隠れている都合、斑紋は重要な種類ではないとしても、チャッピーたらしめる要素は知りたい。
「種類も色々ありますし、それに応じた体色のコチャッピーもいます。 斑紋による捕食を免れるのがメインなら、どれか一色でも構わないと思うのですが。
あと、同じ色のコチャッピーを確認できない種類のチャッピーもいますし、それは何故なのかなと。
コチャッピーかと思えば、本物だったりする種類もいますよね。 クマチャッピーの子供、チビクマなんて親の後をついていきますし。 それって生まれた時から斑紋があるのか、なくても大丈夫なのか、それともある程度大きくなって斑紋が現れてから親の元へ向かうのか」
「私も調べたい事は多くある。 レスキュー隊が私の生命維持装置のバッテリーを回復してくれた今、もう1度ゆっくり観察してみたい衝動に駆られるよ。
だが、私も妻子を持つ大人だ。 分別はあるつもりだ。 迷惑を増やすのは憚れる。
代わりといってはなんだが、幸か不幸か、私の航海日誌を見てくれた学者らが来訪している。
彼等によって今後進捗、新たな発見があるかも知れない。 その時は是非、発表や論文を見てみたいものだ」
「手柄を獲られるとか、気にしないので?」
「名より金のサラリーマン。 発見の功績ごと、学会に買い取って貰いたいかな」
そこはドライなオリマー先生。
現実的な問題もあるものね。
金……全ては金……という、コト!?
「……ルーイは金に興味なさそうだけど」
などと、勝手に思う私なのでした。
ルーイの金への興味の有無
つ"オオガネモチ"
脱線部分も多く含みつつ