科目:イヌムシ科
活動時間:夜
オリマーメモ
デメマダラの二齢幼生。
発見時は斑紋の薄さから モドキと思われたが、のちに本物のコチャッピーであると確認された。
その薄い斑紋ゆえに、成体のデメマダラからの捕食を避けるため 昼間は地下などに潜んでおり、暗く 紋が見えにくい夜になると、地上に現れて活発に動き回る。
この時点では、どのデメマダラに成長するか見た目で判別するのは難しく、三齢になって初めて種ごとの特徴が現れることがわかった。
ルーイメモ
果物みたいに、お尻から つるっと皮がむける。
そのまま切り分けて 塩ゆでに。
ピコメモ
発見時の順番の影響か、ちゃんとしたチャッピーであるにも関わらずモドキと名付けられた可哀想な存在。
足が生え、擬態種であるコチャッピーと同じシルエットを持つが、腹部は白く種類を見分けるのは困難で、またデメマダラが同種を識別するのに必要な斑紋が薄い。
色彩のみならず、各種デメマダラに見られる特徴的な行動の差異も確認が取れず、より識別を困難にしている。
よく観察すれば或いは分からないが、コチャッピーと比較して腹部がシュッとしているとした細部の違いがある様だ。
種とは、自然状態で永続的に交配可能な集団とする考え方がある。 それに寄るならば、一見別種であれど子孫を残していけるなら、それは種として認められるのだろうか。
擬態種か亜種か等の分類は、外見の特徴だけでなく、内部や微細な構造にも注意を払う必要がある。
これら含めて明確にし、他の生物と比較する事で、新種なのか、どのグループに属するのか、この星における生物の進化系統の歴史を把握する手掛かりとなる。
比べて、分けて、種と繋げる分類学は あらゆる自然史研究の基礎だ。 その発展と共に、思いもよらぬ発見もあるかも知れない。
分類学者には統合主義と細分主義の二極があるが、その時々の社会情勢の波で定義が揺らぎ、場合により保安上重要な単位として種に格上げされることもある。
人間的な都合で揺らぐ事は変わらないが、こうした分類作業は重要だ。
ブロックを色や形ごとに分けて箱にしまう行為と本質は変わらないが、生物は見た目だけでは分類出来ない。 遺伝子検査や解剖学とした専門的な知識が求められる。 時として新たな視点も必要だ。
そうした作業を出来る先生達は、もっと評価されても良いと思っている。
「本物のチャッピーですか」
偽物じゃないとは。
見た目に騙されるところだった。
この星に広く分布するチャッピーには、コチャッピーという偽物がいるからね。
この種もそうかと疑ったら、実は違った。
この生物はちゃんとした幼生。
でも名前がね……紛らわしい。
「足が生え、歩行による移動を行うが斑紋は未だ無い段階だ。 斑紋の有無のみで、同種かを見分けている成体に捕食される恐れがある。 その為に視界の効く昼間は避けているようだ」
偽物の方が上手とは。
生物とは色々不思議だよね。
「共食いを避けるようには進化しなかったのでしょうか。 生まれた時から斑紋を持つ様にすれば良いのに」
「そうしない理由があるんだろう。 他の事に優先したか。 生存戦略で都合が悪ければ淘汰されるだろうけど、逆にここまで広く分布を広げ、多種多様なデメマダラが存続し続けているなら正解と言える」
難しい話だよね。
成長上の問題もあるにせよ。
クイーンチャッピーの例的に、もしかしたらそういう可能性もあるけれど。
悍ましい……なんてのも、人の都合か。
ルーイの都合は考えてないだろうけど。
調理の楽しさ、そのし易さとか。