脳の破壊された上司と爆散するワンコ女の話   作:ここに文字を入カ

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評価、感想、ここすき、誤字報告等々心より感謝申し上げます。
大変励みになります。
こっからは独り言なんすけど、誤字報告来た時って「あっやべ」と共に「ちゃんと読んでくれてるんだ」という感情が湧いて
ダメなのに…!でも……喜んじゃう!
ってなるんデス。これが背徳感というやつなんですね。


オリ設定あり
アリウス邂逅回


第11話 Get Sith. Show(臥薪嘗胆) Down.

 もしも、もしもカタコンベの幽霊の噂が暗中飛躍を隠すための怪談だとしたら。

 

 もしも、もしも裏切り者が上層部に潜んでいるというのなら。裏切り者はナギサ様の手勢がゲヘナに出払ったこの機会を逃がすだろうか。

 

 ぴちゃり、ぴちゃり、落ちる水滴はどこから来たのか。湧き水?それとも雨の名残り?際限なく伸びる空間に木霊する音は示唆する。迷い、出られなくなる可能性を。

 

 地殻が大いなる力と悠久の時によって穿たれた。霜が描く模様のように枝分かれして、入り組んだ洞窟。

 

 点在する人の手によって掘られ、均された壁や床はどこか歪だ。設置されたライトは頼りなく、闇を強調するための演出装置のようにすら感じる。

 照らし出された壁画や彫刻は教会に飾られている作品と同じくモチーフがあるのだろう。

 だが、そんなものあるのはここが墓地であった証明。

 

 時折見かける石の箱は言い換えればつまり石棺。よく見かける白色の石は誰かであったのかなど考えたくもない。

 ただの鍾乳洞であったのなら自然を楽しむなんて余裕があっただろう。だが、この空間の纏う濃密な死の気配が壮大さ美しさ全て恐怖に変換してしまっている。

 外と比べてとても冷えた空気は身を凍らせる。

 

 くらいよこわいよ、全部ほっぽって帰りたいよ。

 

 ああもう、呑まれる。口に菓子を含む。甘さ、ミルクの香りが口に広がり正気を留めてくれる。

 

 冷静になれ。水は土と混ざり泥になれば足跡に、集まり溜まれば足音を鳴らす。幽々たる空間は身を隠すのに好都合だ。この程度耐えろ。いやでも耐えれても怖いもんは怖いよ。

 

 長い時間……狂った時間感覚によると長い時間、息を殺し心中で喚いていた。そんな時、聞こえたというより耳が感じた空気の揺れ。

 

 音は次第に大きくなり、衣擦れと仄かな金属の音だと識別できる。パチャパチャパチャンと水溜まりを踏んだ音がする。

 

 コン、コンと革靴で石を叩く音がした。

 覗き見えたのは俺と同じティーパーティの白い制服。

 

「あった……あった!!」

 

 泣きそうな声を漏らして地面に落ちていたものを拾う彼女はパテル派として見覚えのある顔だった。

 何かしらのアクセサリーだった。特段大したものではなかったが、余程大事なものであったのだろう。

 

 彼女は一人震えて来た道を戻る。背中が見えなくなる。無事に帰れただろうか。見えなくなった背中、聞こえなくなった足音。

 

 万が一見つかった時を考えて制服を着てきたのは正しかったか間違いであったか。

 

 分かったことがある。壁が裂けたような横穴から隠れていた姿を晒した白い集団

 

 全員が白い外套を着てガスマスクを付けていた。全体的に小柄な者が多い集団の武装はやたらと重武装だ。

 

 意図して靴音を消した彼女たちはハンドサインだけでコミュニケーションを取り、話し声もない。

 足のある幽霊たちはよく見るとトリニティ製の糧食や装備弾薬を抱えている。

 

 裏切り者がいる。補習授業部のような政治にろくに関係ない奴らじゃない。生徒会に、それもティーパーティ上層に裏切り者がいる。

 

 

 

 /01

 

 

 

NO SIGNAL

 

 せめて一報と思ったが……いい、もはや誰が味方か分からん。

 

 連絡を取ろうとしたが、この一帯は不感地帯で送信も受信もままならない。やるだけ逆探知のリスクがある。やめておこう。

 

 白い集団を尾行してしばらく。現在地は高層ビルの林立した地域だ。ただ、誇るような威容はなく、いつ崩れるか分からない。つまり全て廃墟だ。

 

 集団はカタコンベでは一言たりとも話さなかったが、地上に出てからは多少の会話があった。ただし聞こえるのは全て連絡事項。私語は一切ない。よく訓練され、行動もコミュニケーションも恐ろしい程円滑に進む。

 寄り集まった不良の集団なんかとは比較にもならないその有様は分隊と表現したい。

 

 気づかれぬように細心の注意のもと追い続けた。着いた場所は……結局廃ビルのひとつ。ここが他のビルと何か違うか、いや、大差ないだろう。されども内実は別だ。よく見れば見張り、門番が立っている。俺の追っていた分隊は入口に居た同じ格好の生徒に義務的な会話をするとそのまま中に入っていってしまった。

 

 俺は侵入者である、そのため当然ながら同じように中に入るのは難しい。

 

「…………」

 

 門番は気を緩めることなく入口を見ている。その()()を横目に俺も中へ。

 

 手段?忍び込んだだけです。

 視界を遮るものが多く、それでいて通り抜けられる穴の多いこんな廃墟に見張りを並べて何の意味があるのか。近寄りたくもないミレニアムの防犯設備を最上とするのなら、ここは最低の警備と言ってもいいだろう。

 

「……?」

 

 もっとも、だから容易いという訳でも、相手が底なしの間抜けということではない。見つからない保証なんてなく、油断して良い訳ではない。

 

「スクワッドの」

「異常は?」

「ない。どうしたんだ?」

「巡回だ。情報によると入り込んでいる可能性があるらしい」

 

 

 

 /02

 

 

 

 分隊全員が部屋から出ていく。今、部屋にいるのは俺1人となった。探索パートだぜ。

 

 どうやらここは物資の集積地であった。剥き出しのコンクリートの中に棚や箱が置かれている。そこに様々な物品が規則的に、丁寧に分類されている。部屋をいくつか巡ったあとであるならばこの部屋には主に食糧と医薬品が集められていることが分かる。

 

「こっちもか」

 

 カレー、シチュー、チョコにキャンディ、紅茶まである。

 そしてそのどれもこれもにトリニティの印が刻まれていた。追って来たのだから予想はしていた。だが、いざ目の当たりにすると驚きを禁じ得ない。

 

 その上こんなふうに物資がギッシリと詰め込まれた部屋が幾つもある。ここ以外にも拠点があるというなら更に倍。

 

 パテル派のカタコンベ調査報告の粉飾の実態、嗅ぎつけてはいたがここまでとは思っていなかった。

 

「結構な大所帯だな……」

 

 特定するには情報が足りないが、それでもかなりの人員がいる。きっと襲撃を成功させるには十分なくらい。

 

「?」

 

 調べていくと医薬品の中に毛色の異なる箱を見つけた。厳重で、しかもトリニティのものでない。

 入っていたものは、キラキラとラメを混ぜ込んだみたいに輝く紫色の薬品。

 なんだか惹かれるものがあり、小瓶を1つ取り、蓋を開けてにおいを嗅いでみる。そして、確信した。

 

 知っている。私は覚えている、この薬を。味を、においを、効能を。舌の凍るような感触、蜂蜜のような甘さ、カレイドの眩しさ、際限なく湧く多幸感、末端まで満たす全能感、そして自らの意思から離れ狂い暴れる神秘の力を。

 身をもって知り、その時の歪んだ自我は経験的にコレを暴走薬*1と呼んだ。

 

 意志と理性によって無意識に口を付けようとしていた瓶に蓋をする。

 

 これは裏付けに過ぎない。暗殺事件は突発的に起きたのではない。エデン条約のようなごく最近の問題に起因するものじゃない。もっともっと古く、長く、ずっと底でとごっていた動機。

 

 ここは虎穴、ここは龍の巣。久遠の時を隠れ、耐え忍んでいた奴らのねぐら。

 

 砕けた柱に巣くった諦観みたいな匂いがする。

 

 後ろに放った銃弾は空を切り、コンクリートに弾かれどこかへ消える。

 

 出入口に少女がいた。

 

 黒いキャップにマスク、背中まである青いインナーカラーの長髪、モルフォ蝶のように青く澄んだヘイロー。小柄な者が多かったアリウスにしては長身だ。

 ノースリーブで胸下から腹部までを露出したソレはライダースーツではなくインナーだろうか。黒のタイトなその服では身体のラインはつまびらかである。しかしソコに扇情的な要素はなく、むしろ鍛えられ引き締まった筋肉からは豹のような野生獣のような、しなやかな殺意がある。

 

 そしてここいた人間の例に漏れず白いジャケットを、薔薇と髑髏(アリウス)の紋章の腕章の付いたジャケットを羽織っている。

 

 見つかった以上は逃げるしかない。ともかく通路に抜け出さなければ脱出の道は開かれない。

 

 そしてなにより、コイツはヤバい奴だ。本能の警鐘、不意を付いた最初の一撃を避けやがったんだ。

 

 攻撃を避けた影響で体勢の乱れたキャップの少女に向けて銃弾をばらまき突撃する。当てなくていい。退かす、邪魔だ、道を開けろ!

 

 女は流麗な体捌きで弾幕をかいくぐり、応射。俺は回避を強要される。それでも、踏み込む。

 

 詰まる彼我の距離、近接戦闘、表情がハッキリと見える。相手に向けようとしたライフルを同じくライフルで叩き、狙いをブラす。

 瞬間、僅かな押し合い。しかし力は拮抗しない。弾かれる。俺は後ろに飛ぶ。

 

 相手の照準はまだ合っていない、数メートルは絶好の間合い、ホルスターに利き手が掛かる、足は地に着き力を伝えきった。

 二の矢、最高速の一撃を──―

 

「ァァ゛ア゙ア゙ア゙!!?」

 

 入れられない。

 

 痛い、痛い、痛い、痛い、辛い、暑い、痺れる。涙が止まらない、息ができない、痛覚が信号を垂れ流し続ける。目が焼かれたような、鼻が削がれ串で突き刺されたみたいな激痛。

 

 濃縮、濃縮、唐辛子を濃縮したようなにおい、刺激。

 

「っぁアアッ」

 

 殆ど音だけを頼りに体を動かす。銃声が響く。

 

 地面を転げる。衝撃がない。当たらなかったらしい。訳が分からない。痛みに頭が支配されてうまく思考できない。

 

 まともに受けた右目は開けることすらできない。辛うじて致命に至らなかった左目で世界を睨む。

 

 涙でボヤけた視界で痛みの対価を知る。俺は部屋から出ている。

 

 背後でしたマガジンが抜かれる音、今しかない。

 通路を順当に走っても背を撃たれる。なら、そそぐ光に向かって、崩落して鉄筋が畦のすすきのように残る壁へ、外へ至るのに遮るものが何もない方へ、飛び込んだ。

 

 

 

 

「……チッ、逃げたか。だが、情報に間違いはないらしい。」

 

 眼下を走り去ったトリニティのエージェントのことを考え、ズレたマスクを直す。

 

 トリニティ暗部の動向、奴らはまだ私たちを感知していない。しかし細い線をたどり、ここを突き止める可能性のある者がいた。十分な情報と能力を持ったソイツはこちらから捕まえに行くよりも、こちらの土俵に飛び込んでくるのを待った方が安全で確実だった。

 

 特徴はアサルトライフルと拳銃の2丁使い、驚異的俊敏性、鋭敏な感覚、近距離戦闘を好むこと。

 1対1、初見、正面からの戦闘であれば必ず伝家の宝刀……自らの機動力を最大限利用したクリティカルな一撃を狙ってくる。

 視界外へ逃げ込み、急所へ撃ち込む。そのために必ず接近する。

 

 だから、置いておく。

 ただの攻撃では避けられる……故に面で、範囲での攻撃を。

 

『はじめてメアリちゃんと戦うなら絶対見切れない。だけど強い弱いで言うとそこまでじゃないかな。相性とか知ってるかの方が大事。』

 

『でも1番面倒なのはお仕事モードのメアリちゃんはちゃんと戦おうとしないこと。何がなんでも逃げるよ。追い込んでも、囲んでも、どれだけ撃っても当たらない』

 

『けど、簡単な方法があるんだ。こういうの』

 

 催涙スプレー、スタングレネード。ポケットに入れておいた対策。鋭敏、裏返せば過敏な感覚を狙った不可避の攻撃。期待通り奴の一撃を防いだものの、動きの止まった奴を仕留めることができなかった。

 

『唐辛子がちょっとでもかかれば勝手に体力削れてくからそこを狙うのが初心者向き。スタングレネードで動きを止めて一瞬で倒すのは中級者向きかな。』

 

『まぁ、ダメだったとしても私かナギちゃんがおいでってしたらホイホイ来ちゃう子だからコッチでなんとかしてあげるよ。でも足がつくかもしんないからそっちでやってくれた方が断然いい。よろしくね』

 

「状況は」

 

「目標、追えてる」

 

 ここで終わらせるつもりであったが逃げられた。だがそれは決して予想外ではない。逃げて、逃げて、逃げて、逃げ切ったところでアイツに未来はない。逃げた先すらこちらの術中なのだから。

 

 

 

 /03

 

 

 

「諦めろ」

 

「こっちのセリフだ!」

 

 ろくに入ってこない視覚情報、何となく動いたものを狙い、経験と勘で体を動かして避ける、近づく。

 

 立ちはだかる白いガスマスクの奴らのどれかを踏みつけて飛びあがり、ワラワラと出てきた集団を超える。

 

「っぅ!?ぁ、はぁ、はっ」

 

 被弾、まだ、動ける。走る、走る。

 でも息が苦しい。喉が砂と乾燥でがさつく。胸骨の辺りが痛い。

 拭っても拭っても顔はみずだらけで痛みがひかない。鼻は鉄のにおいがしたきり他の情報がない。

 

 耳が捉えた異音。近くの建物に転がり込む。

 

 空に光、廃墟に刹那の明かりをもたらす爆発。

 

 屋根が、天井がある。暗い灰色は恐らくコンクリート。

 あの爆発が何か分からない。だが、俺を直接狙ったものではなくわざと空中で爆発させたのなら。

 フレシェット?焼夷系のなんか?クラスター?

 

 答えは数秒で開示された。

 

 降り注ぐ数百の爆弾、広範囲を丸ごと破壊していく。何もないところに立っていたなら数多の爆風に身を削がれボロ切れに成り果てていただろう。

 

 動けない。

 

 たった1人にどれだけの人員と装備を投入してんだ。

 帰還はおよそ無理だろう。残弾も少ない。

 そして、生きていられるかも分からない。

 一般的な学園ならスパイとしてボコボコにされる程度だ。だが、コイツらはそこで止まるか分からない。

 

 懐から手帳を取り出し、まっさらな1ページを破りとる。手帳は撃ち抜いて何も読めなくし、残った1枚に記す。

 

 ホルスターを外す。他にもいらない重りになるものを捨てる。

 

 無理だろう。正直諦めが9割だ。

 でもまぁ、何もしない理由にはならないだろう。リザインはしない。足掻いていたら相手が頓死するかもしれない。

 

 奇跡があることを俺は知っている、どうにもならないと思っていたのに何とかしてしまう人に教えられて。

 

 微粒子レベルでも可能性が存在しているなら賭けてみようか。

 天国か地獄か、Let's Rockって。

 

 

 

 /04

 

 

 

 

「居たぞ、撃て!!!」

「デケェ声だすんじゃねぇよ!!!」

 

 どうせ位置バレてるけど耳障りなんだよ!ようやく涙が収まってきた左目で捉え、左手だけで持ったアサルトライフルの引き金を乱暴に引く。

 

「いっ……!?」

「当たったァ!?」

 

 狙っていなかった別の奴にヒットし、僅かにできた射線の空白に身を潜らせる。

 

 今度こそ最初の奴を狙い、左手のライフルを投げつけ、体当たりをして組み付く。右手のリボルバーでこめかみを撃ち抜き、気絶させると左腕で抱えて盾にする。

 たじろいだ敵を一方的に嬲って倒す。

 

「味方撃ちを嫌うくらいには仲良いみたいだなぁ?」

 

 リボルバーをベルトに突っ込み、地面に落ちた相手の武器を拾う。

 

 敵は周囲に見えなくなった。

 だが、勘が警告する。上から来るぞ、気をつけろ。

 

 上に向けて撃つ。しかし、なんの意味もなさない。

 降ってくる金属の筒、強烈な閃光、耳を聾する音響。視覚が白色と黒色を塗りたくられて脳内がエラーを吐いた。

 

「やりやがったな……」

 

 回復し、世界を正常に映し始めた目は冷徹さでメッキをした憎悪の目と合う。

 

「……お前の抵抗はすべて無意味だ」

 

 キャップの少女は俺の額に銃口を合わせる。バレルに刻まれたライフリングのその先は真っ黒で何も見えない。

 

「そっか」

 

Vanitas vanitatum et omnia vanitas.

 

 銃身奥で、撃鉄に叩かれ火炎を撒き散らす弾丸が見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「舐めすぎなんだよ!!!」

 

 

 

 少女の大腿に噛みつく。

 追い詰められたキツネがジャッカルよりも凶暴なように、窮した犬は噛んだ。

 肉の感触、柔さ固さが折り重なって渾然とした肉の感触。牙を突き立て深く噛むほど繊維状であること、血管があること、健があること、その奥に堅い骨があることが顎を通して伝わる。

 

 耳が焼かれるような、引きちぎられるような感覚がしている。けどもはや痛みを正しく認識できないからもうそこには何も無いかもしれない。

 

「離れろ!!」

 

 悲鳴のように叫び少女は暴れる。叩き、殴り、蹴る。

 

 撃とうと腕を上げる。脇が開く。ガラ空きの腹に思い切りかじりつく。

 

 左手で相手の右手を掴む、ライフルを抑える。レッグホルスターの拳銃に手を伸ばした少女の左手を右手で御する。

 

 引かれてしまった引鉄、真下を向いたままの銃口。

 

「ぐぅっ……!」

 

 自ら足を撃ち抜いた少女。俺はリボルバーを引き抜く。

 

 撃たれまいと回避動作に入る少女、手の中を回るリボルバー。

 握ったのは銃身。動いた先へ薙ぐように腕を振り、グリップエンドを首に叩きつける。

 

「君と違って青春を楽しんでんだ。意味なんて知らずに風を追う」

 

 むせる少女を背に足を引き摺って走る。

 ワンチャンス、あるようでないこのワンチャンス。

 ズタボロで泥沼な未来のないこの好機はスグに幕切れとなる。

 

 20mm弾は爪弾いた消しゴムのように俺を吹き飛ばす。狙撃への警戒なんてもうできているわけがなかったのだ。

 冷たいザラついたアスファルトの上、暗転しゆく意識の中で市街に轟く銃声を聞いた。

*1
オリジナル設定:アリウス生徒を暴走したアリウス生徒にする薬

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