脳の破壊された上司と爆散するワンコ女の話   作:ここに文字を入カ

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メアリの補習授業部との関係回①


第2話 目標達成したから、ヨシッ!!

 

 

 

 

「さて、どうしようか」

 

 というわけで、やぁ、みんな。おはよう。朝日が眩しいね。俺は悩める人、櫛井メアリ。

 テストで友人を落第させる方法を考えていくよ。

 

 ではまず、ヒフミについて整理しよう。

 

2年生/帰宅部

阿慈谷ヒフミ

 成績は良から並を浮き沈み。普通を自称しており、モモフレが大好きで特にペロロが推し。

 モモフレにかける熱意は凄まじく、持ち物はモモフレに染まり、モモフレが関わると行動力が飛躍的に上昇する。

 

 彼女は要領がよく、赤点を取ったりはしない。何もしなければ期末テストは普通にくぐり抜けてしまう。罠を仕掛けなければ。

 

 え?なんでそんなことするのかって?そりゃ、補習授業部に入れる口実作りですよ。

 強制できなくはないけど、ゴネられたら面倒だからね。仕方ないね。

 そのまま退学されてもそれはそれで困るけども……無実かもしれないし。

 

 ともかく、落第させる方法だ。

 

<1>欠席、名前未記入

 開幕10割とか一撃必殺みたいなものだな。キマれば一発だ。

 

<2>遅刻させる

 解答時間が少なり、焦りによるミス、解答欄ずらしなど、点数減少が見込める。名前未記入の可能性も上がる。

 

 登校時に襲いかかれば上手くいきそうだ。あわよくば欠席まで狙える。

 

<3>注意散漫

 テストへ意識を向けないようにし、勉強不足による落第を狙う策。遊びに誘ったり、間違ったテストの情報を流すとかかな。

 モモフレの話題にはとにかく食いつくから結構効くかも。

 

<4>カンニング疑い

 最終手段

 

 

 考えてみたが、やること自体は2つだな。テストへの意識を逸らさせる、テスト当日に襲撃する。

 

 俺もテストを受けないといけないからその辺は要調整……

「<ナギサ様、テストについてなんですが……>」

 

 

 

 /01

 

 

 

 早朝、暑さは息を潜め、半袖の露出した腕を涼やかな風が舐める。まだ教室には誰も居らず、廊下も俺しかいない。

 

 なにせ校門はまだ開いてない。窓の先にはカッチリ閉じられた正門。

 

 俺は居ていいのかって?いいんだよ。名目上はティーパーティー護衛部隊所属なんだから。門番と鍵番は管轄内。今日は偶然俺が当番ってだけなんだから。

 

「ここだな」

 

 席順表と見比べて確認する。

 

 ヒフミの席だ。

 

 まぁ、最終手段だ。使いたくはないが、使えなくてはならない。

 

 俺は業務をこなした後、だんだん生徒が増えていく教室で1人静かに席に着き、ヒフミ襲撃班からの連絡を待った。

 

 

 

 /02

 

 

「おはようございます」

「おはようございます、教えて頂いたおかげで間違えずにすみました」

「えぇ、2回も日程修正があったのでもしかしたらと」

 

 

 聞こえてきた会話に歯噛みする。

 2度の日程変更は失策だったか。元の日、訂正された日、再訂正された日と、混乱を狙ったがむしろ逆効果かもしれない。

 ヒフミは友人が多いし、誰かが言ったか、ちゃんと確認したかな。

 

『<姐さん、バレました>』

 

 報告によると、ヒフミは制服を着て時間通りに出発。しかし、突如立ち止まり、通学路から外れて駆け出した。

 待ち伏せていた襲撃班は見事に躱されてしまったらしい。

 

 うまくいかない。時間通りということは日程間違いの線はなし。もともと期待はしていなかったが……。それより襲撃が察知されたことが問題だ。

 

「<とにかく学校に入れるな、正実は気にしなくていい>」

『<ヤバイ、撒かれた>』

 

 はやいよ、なにやってんの、どうやったの。

 

 

「テスト直前でも変わらず余裕そうですね、メアリさん」

「……」

 

 立て込んでるっていうのに朝から面倒なやつら……。

 スマホから目を上げ、分派のおともだちを見る。

 

「メアリさんは1年生の時に2、3年生のテストも受けていらっしゃいましたから……」

「そうですわね、やはりなんてことはないのでしょう」

 

「……泥を塗るような真似はしません」

 

「えぇ、楽しみにしていますわ。浦和ハナコさんも調子を落としておられるみたいにですし」

 

 その繋がりは変だろうが。つか、あの化け物に調子なんか関係あるわけないだろ。中等部の頃から満点と1位を欲しいままにし、去年は高等部の範囲などつまらないとばかりに3年生の分まで解いて尚且つ満点。俺に格の違いを教え、憤慨するアンタらを尻目に悠々と高等や専門領域の本を読んでやがったのにもう忘れたのかよ。

 

「俺はそれほど期待されるようなものではありませんよ……」

 

 そんなことよりもいま!もっと!大変なことが!起きてんだよ!

 ああもう邪魔くさい、ウザったい!ナギサ様が忙しくなるといつも湧きやがって!!!

 

「すみません、ちょっと保健室に行ってきます」

 

「体調がよろしくないのですか?」

 

「実は今日が心配で仕方なくて……」

 

「あらあら、お大事なさってください」

 

 クスクス笑う声を聞かないようにして、廊下へ出た。

 

 

 

「<状況は?>」

『<完全に見失いました>』

 

 マジかよ、冗談じゃねぇ。発信機だって付けてあったはずなのに。

 

「<駅、バス停、あと門全部に回せ>」

『<てことは最終ラインまで退くんすね>』

「<それしかない。必ず来るはずだ。テストが開始したが、まだ出席していない。>」

 

 保健室で各クラスの出席簿を確認したがヒフミはまだ来ていない。

 

『<え、てか姐さんはテスト大丈夫なんすか>』

「<さっさと途中退室したに決まってるだろが>」

 

 やる気のない教員もどき共とナギサ様の根回しのおかげで掟破りの爆速退室だコノヤロウ。

 

「ヒフミの狙いはなんだ……?」

 

 病欠等の連絡はなし。スグに姿を現すはずだ。

 

 まだ時間を稼ぎたい。できればこのまま無断欠席してもらいたい。なにせテストの難易度が低いのだ。ギリギリでも、埋めれるだけ埋めたら赤点を回避できてしまう。

 

「<俺は見失った最終地点に向かう>」

 

 シンと静まった校内から飛び出て、トリニティ・スクエアを駆ける。

 

 誰も居ないはずだから全速力で……なんて思った矢先、

 

 飛び出てきたおっぱいと衝突した。

 

 

 /03

 

 

「キャッ!?」

「うわぁぁぁ!!?」

 

 脳を驚きが支配していたが、咄嗟にぶつかった相手を抱きかかえてかばいながら倒れる。

 

「すまない!大じょ……」

「あらあら?」

 

 腕の中の少女、髪は長く、腰の下ほどまでサラサラと流れており、ナデシコのようなピンク色をしていた。瞳はゲンジボタルのように柔らかな黄緑の輝きがあり、ヘイローは髪色と同じく薄桃色の光を帯びている。なにより乳はデカく、デカくあった。

 

 そう、そこに居たのは

 

「げぇ!?浦和ハナコ!?」

「お久しぶりですね、メアリさん♡」

 

 なんでいんの?テストは?

 

「まさかあなたに見られてしまうなんて……」

 

 どうして辺りにスカートやトップスだの制服が散らばってるんだ?

 今朝からずっと快晴だと言うのに何故レインコートを着ている?

 首元やボタンの隙間からチラチラと見える白いデコルテと無闇矢鱈に綺麗な脚、そのコートの下って……!?

 

「運命の導きとしか思えません、ぜひまた一緒にどうですか?」

 

 もしかして: 露出魔

 

「白昼堂々天下の往来で何をしようとして、何に誘ってるんだ君!?」

 

「月の下で共に脱ぎ、お互いの肌を見せあったあの夜を覚えておられないのですか?」

 

「何の話さ!?」

 

 もしかして去年のサバイバル研修*1の話か?

 バディになったり、間違えて毒キノコ食ったり飲み水の確保に苦労したり、不法投棄された警備ロボットに追いかけ回されたりしたあの無駄に濃い思い出こそあれどそんな艶かしい記憶はないよ!?

 

「そんな……私はじめてでしたのに……」

「待ってなんか俺がクズみたいじゃん」

 

 それ以外の君との思い出は去年のテストでの格付けと何故か水着で噴水をウロウロしていた君と仕事帰りに出会ったことの2つだけだぞ!?

 

 クソ、このままだとコイツのペースに乗せられる。

 逮捕か通報をするべきだが今はちょっと間が悪過ぎる。

 

「悪いけど急いでるから!」

 

 だから無理やり話を切り上げて俺は野生の露出狂から逃げだした。

 

2年生/帰宅部

浦和ハナコ

 1位、首席、最優秀の全てを独占。それでいて見目や振舞いもお淑やかで気品溢れる素晴らしい生徒であった。しかし、どういう訳か今年に入ってからその全てをひっくり返したような成績と言動をしている。

 

 /04

 

 

 

 発信機が示した最終地点、そこはコンサートなどが開催されるホール会場であった。何か催しがあるらしく、人が整列し、関係者が慌ただしくしている。

 

 題目はモモフレンズのペロロの突発ライブ

 

 いや、まさか、いくらなんでもそこまでしないだろう。

 テストとペロロでペロロを取ったりなど。

 

 それでも何か確信めいた気持ちを抱き、会場に入り込むことにした。

 だが、方法が良くなかった。

 

 その辺に居た関係者から身ぐるみを剥いで成り代わった俺は俺を本人と勘違いした周囲によって抜け出すタイミングを失い、公演の進行に取り込まれてしまった。

 つまり、俺は今ギターを抱えて出番を待っている。

 

「どうしてこうなった」

 

 ロボ頭の被り物の下、ひとりごちる。

 

 

「みんな今日は来てくれてありがとうペロ~!!!」

 

 

 歓声、振られるペンライト。

 学生くらいの年齢の者が中心だが、中には幼い者もいる。

 

 

「ここからはみんな一緒に盛り上がっていこうペロ~!!!」

 

 

 最前列、懸命にペンライトを振るブロンドヘアをふたつに結んだ少女がいた。

 

 そう、阿慈谷ヒフミだ。コイツを追ってきた結果大変なことになっちまっている。

 テストはどうしたんだお前、何故そんなイキイキと、嬉しそうで、楽しそうなんだ。*2

 陰謀を知り*3、どす黒くて気持ちの悪い底無し沼のような悪意を見てしまったはずなのに*4、どうしてそんな全てを忘れたかのように笑えるのだ。*5

 

 これから始まってしまうライブパート、舞台の中心で光を一身に浴びるペロロ様、俺と同じく舞台袖で構える同じ楽器隊のメンバー達

 

 合わせも練習も何もなしで初対面のヤツらと勘違いされた状態でライブ?冗談じゃねぇ。

 

 だけど、それでもやるしかない。

 ここまで来たんだ、かき鳴らす他ない。

 

 曲は知っている。何せヒフミにリクエストされて練習した曲ばかりだ。

 

「絶対、成功させましょう」

 

 後ろからかけられた声に強く頷き、舞台に立ち入る。

 

 見てろよ、聞けよ、君のために弾くから。

 

 

 楽器隊全員とのアイコンタクト、息を吸う瞬間的静寂……

 

 弦は弾かれた。

 

 

 /05

 

(「なんとかなれぇぇぇ!!!」)

 なった。

 

*1
オリジナル設定 : キヴォトス的自然教室

*2
そもそもテスト日を勘違いしている

*3
気づいてない

*4
見てない

*5
学校サボってライブ行ってるつもりだから




ヒフミ→知人〜友人
ハナコ→一夜の思い出~天才
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