一般農民になりたいのに最強達がそれを許してくれません 作:ワンカン
しかし、私が起きているので実質火曜日ではあるというところです。
※今回もハリネ君視点ではございません。とある新米教師視点での続きです。
「こ、これはいったい………」
一人の大神官がその言葉を口にした。その言葉はここにいるすべての人々が心に思っていた言葉だった。かくいう私も心の中がその言葉によって支配されていた。
大きな穴の中にはコレイという少年が大きな傷を負いながら倒れており、その妹であるイレイという少女がお兄ちゃんと叫びながら、身体を揺すっていた。その姿はまるで戦争に巻き込まれた民間人のようだった。
「あいつ……やるな」
シンラはじっとその光景を見ながら、感心した様子で何度も頷きながら茶色い飲み物を口に持っていく。誰もそんなシンラに指摘しないのは、この出来事から目を離せないでいるからだ。私は現実を見たくないがために、若干客観視しているように思える。まるでどこか遠い世界で起こっているような気分さえ思えて来るが、これはいまこの学校で行われていることだ。
ここまで震撼しているのは、ハリネという少年がコレイを何らかの力で倒したことではない。その先、つまり今のコレイの状態にある。
コレイの傷は深く、確実に急所をとらえている。その証拠に、彼の目には光が宿っていない。それもこの致命傷は大きな穴が開くほどの衝撃を受けたからではなく、その前に攻撃されたとされる傷によるものである。確実に命を奪おうとして衝撃を与えたのか、それとも自身の力を見せつけたかったのか、どちらかと言えば後者であると思われる。
酷く傷ついたコレイに対して、イレイはありとあらゆる魔法をかけていく。回復魔法の基礎である、ヒーリング、治療魔法の応用型であるジントー、中には最大回復魔法を彼に使用した。彼女の魔法はどれも優秀で、ミス一つなく丁寧なものだった。しかし、コレイの意識はおろか、傷すら回復しないのである。
「どうしよう……どうしよう……」
転映水晶の中にいるイレイは泣きながら、繰り返すように呟いている。
ここにいる全員もそれに驚愕しているのだ。回復魔法を使用しても癒えない傷。これがこの世に存在するのかと。本来、回復魔法は死んでいようが生きていようが対象の傷を治すことができる。さすがに心臓を動かすといったことまではできないが、これは基本中の基本だ。しかし、その常識が今コレイの傷には通じないのだ。どんな回復魔法をかけようが、彼の傷はなおせないでいる。この事実はこの特別観覧席にいる教師陣と大神官を凍り付かせる十分すぎた。ただ、シンラだけは淡々とその状況を眺めながら、鋭い目で水晶を見続けていた。
「呪いの一種か?それとも……本当に……?」
シンラの呟きは隣に座っていたサアラという女性にも聞こえないくらいの小さなもので、誰の耳にも届かなかった。サアラに至っては、私たちと同様に目を見開きながら驚いていたので、それも相まってかシンラの言葉に反応しなかったのだろう。
「はぁ……本当にしょーがないなぁ」
大きな穴の近くにいたハリネは小さく呟きながら、大きな穴に向かって気怠そうに歩いていく。勘弁してよという声が聞こえそうなくらいに、肩を落としながら大きな穴に近づいてい行く。いったい誰の所為でこんなことになったのか、そんな言葉が喉からこみあげて来るが、あいにく、私の言葉はあの試験場に届かない。私はハリネという人物に少々の怒りを覚えた。
ハリネは穴の付近で立ち止まると、少女に向かって声をかけた。お友達は大丈夫?その言葉にただ茫然としていたケンタが大きな穴の中心に向かって走り出した。まるで他人事で、自身が傷つけたようではないその話し方にとても見るに堪えられなかった。
「なぜ……なぜこんなことをするんだ!!」
ケンタの叫びは正しかった。これは試験だ。こんなことをする必要などどこにもないし、もし、自分の力を誇示したいにしても、それなりのやり方というものがあるはずだ。ここまでやる必要性などどこにもない。私は手をグッと握りその光景を見つめる。
「酷いこと?これは日常茶飯事だろ?」
ハリネは淡々と言葉を述べた。日常茶飯事。彼にとってはこれが当たり前だとでもいうのか。エイリアスはそんな争いごとが絶えない村なのだろうか。そのような話は聞いたことがない。
「別に怖がらせたかったわけではないんだ。それは許してくれ」
ハリネはそう言いながらふわっと身体を浮かせ、ゆっくりと穴の中央に降り立つ。お姫様抱っこような姿勢に少し疑問を持つが、そんなこと今はどうでもよかった。
彼は中央に降り立つと、倒れているコレイをちらっと見て、少し口角を上げ頭を掻いた。
「………やりすぎじゃない?」
その他人事のような発言が試験場に響く。どういう思考でその言葉が出てきたのかを問い詰めたい気分になる。かくいうケンタもこぶしを握り歯を食いしばっていた。それが私の今の気持ちを代弁しているように思えた。
「彼……大丈夫?君のお友達だろう?」
いったい彼は何者なんだ?まるで自分がやった行為が、普通のことのように淡々と話し、こんな攻撃で深手を負ってしまったことへの謝罪もない。日常茶飯事。彼の言ったその言葉が深く心に残った。
「ハハッ!!」
笑い声をあげたのはシンラだった。彼は飲み物を乱雑に置き、前かがみでその光景をじっと見つめた。その大きな笑いに、ここにいる大神官達も彼に視線を向けた。
「おい、聞いたか?大丈夫かだってよ!!お前がやったのにな!?」
シンラは様子がおかしかった。今までのシンラとは何かが違い、どこかまともではないような狂気が伺えた。ジャラジャラと音を立てる金の装飾品が余計に彼の狂気を増す力になった。
サアラという付き人も彼の狂気に少々困惑気味の表情を浮かべていた。
「いや、実に結構!!やはり戦いはこうではないとなぁ!?」
「シンラ!!いい加減にしろ!!」
しびれを切らして言葉を述べたのは先ほどシンラに対して文句を言ったあの大神官だった。その大神官はシンラとは正反対の意見をウルゴ様に述べた。
「ウルゴ様!!すぐさま中止させましょう!!さすがに死人がでるようなことは……!?」
大神官は言葉を詰まらせ、突然放たれた殺気に驚きを隠せなかった。その殺気を出している人物は金のネックレスを揺らしながら、鋭い目つきで大神官を見ていた。
「お前はさっきからなんだ?あれをやめろ、これをやめろ……先公のようなお前の言葉など聞きたくない。俺が求めているのは狂気だ……俺と同じ匂いを纏った奴がやっと現れたんだ。それをやめさせろ?バカなことだ……お前は何もわかっていない」
シンラは転映水晶をじっと見つめているウルゴ様に対して話しかける。その目は依然として鋭いままだった。
「じじい、これは続行だ。続行でしかない。このハリネの力をもっと見なければならん」
「……理由を聞こう」
ウルゴ様の発言からして、ウルゴ様自身もこれは中止と判断している様子だった。おそらくあのままあの大神官が訴えをやめていなければそのまま中止になっていたことだろう。かくいう私もあの大神官の意見が正しいと思った。もし、シンラが殺気を出していなければ……いや、たらればは無粋かもしれない。
「単に俺が知りたい……そう言っても通じないだろうな。じじぃ、あのハリネというヤツはまだ力を発揮していない。きっとまだあれ以上のものを有しているはずだ」
ウルゴ様は言葉をじっと聞きながら、依然として水晶を見ている。
「であるならば、それを見なければいけない。どんな結果であれ、あの者の力を見なければいけない」
ウルゴ様はいまいち納得したような顔をしていなかった。第一、シンラの言葉には合理性が存在していなかった。彼の力を見たがっているのはシンラくらいしかこの場には存在しないだろう。そもそも、これはあくまで試験だ。別に何かの大会でもなければ、戦争でもない。であるならば、ここで中止と判断を下してもいい。彼は座学の試験がゼロ点であり、この実技がどれほどの実力を持っていようと、不合格になるのは間違いない。
ウルゴ様はしばらく黙ったのちに静かに告げた。
「この試験は中止じゃ」
「じじぃ……何を言っているのかわかっているのか?」
「死人が出たのじゃ……中止と判断してもよい」
「それだけで__」
「シンラ……人の命は何よりも尊いということを、昔教えてやったろう」
シンラは大きく舌打ちをし、じっとウルゴ様を見つめた。
「じじぃ……何か勘違いをしているらしいな。これは要望じゃない。続行させるべきだ。俺はそう言っているのではない」
シンラはゆっくりとウルゴ様に近づいていき、ウルゴ様の肩に手を置いた。ほかの大神官達も教師達もその光景にぞっと背筋を凍らせた。何かとてつもない恐怖をシンラに抱いてしまった。
「続行させろ……これは命令だ」
ウルゴ様は相変わらず水晶を見つめたままシンラの言葉に耳を貸していた。なんだ……この寒気は。まるで大きな動物に襲われるような恐怖が私の心を支配する。
「シンラ様の言う通りですわぁ……続行、それ以外ない」
サアラという女性もシンラと同様に殺気を出しながら、ウルゴ様に近づいた。
この場にいる全員が冷や汗をかきながら、その場で固まる。ここまで感情を表に出して反応するシンラはよほどハリネという少年に興味があるのだろう。なぜそこまで興味を抱くのか……その理由を私が知るべきではないのだろう。
「俺がここで死ぬからだ……お前に、殺されるからだ!!」
「……そんなことしないよ」
ウルゴ様とシンラが対立している間にも試験は続いていた。ウルゴ様はシンラの言葉に反応はせず、ただ、じっと水晶を見つめているだけだった。沈黙は肯定と捉えたのか、シンラは元の席に戻り水晶に映るハリネの姿をじっと見つめた。
「確かに、僕がこうしたかもしれない。けど、僕だってこの結果を望んでいたわけではない。でも、原因は僕にある。まずは許してほしい。そこに座っているおしょんしょんまみれの……失礼、彼女にも深く謝罪しよう」
ハリネはケンタとイレイの二人に頭を下げながら、言葉を並べていた。
「さて、ここからは次の話だ。君は僕が殺すと言ったね。それはしない。ここまで礼儀正しい僕がそう言ったんだ。言った言葉は必ず守る……必ずだ、必ず守ると僕が言ったんだ。キゾクオブキゾクの誇りにかけて宣言しよう」
ハリネはそう言いながら、首から下げていた宝石を彼らに向けて前に出した。青色の心臓の形をした宝石が輝きだした。ハリネの行動に反応したのはシンラだった。
「くるぞ……!!とてつもないのが来るぞ」
「魔力が一気に上昇しましたわ」
興奮気味のシンラは身を乗り出すような形で水晶を見つめる。そんなシンラに付き人であるサアラも言葉を返した。
「じじぃ……見とけ。あれが何者かをよく見とけ」
シンラはまるでハリネという少年が何者なのかをわかっている様子で話す。ウルゴ様も私と意見が同じだったのか、同じ反応を示した。
「まるで分っているようじゃな」
「当たり前だ……!!だから見たかったんだ!!」
先ほどとは違いどこか子どもっぽさを感じるその反応にウルゴ様は若干嫌気を感じた様子でため息をついた。
ハリネは光輝く宝石を見つめながら、ケンタに話し始める。
「これはね、僕の願いが込められた宝石さ。僕の願いを一つだけ叶えてくれるらしい」
「そんなもの聞いたことがない」
「知らなくて当然だよ。だって作ったんだから」
作った?いま彼は作ったと言ったのか?まさか、いやそんなはずはない。確かに人工で宝石を作ることは可能だ。魔力を専用石に込め、綺麗な宝石を作ることは職人であるならば、容易に創造できるだろう。しかし、あれほどの魔力をもった宝石を作ることが人間に可能だろうか。しかも、願いを一つ叶えてくれる宝石など……。
「人工でそんなものを創造したというのか!?」
「ありえない!!」
他の教師も大神官も一同その言葉に驚きを隠せないでいた。そんなものが可能なのかと耳を疑いたくなる。シンラはますます興奮し、手を叩きだす。
「そうか……やはりそうだったのか!!いいぞ!!もっと見せてみろ!!お前の力を俺に見せてみろ!!」
シンラの言葉と同時にその宝石の魔力はより一層大きくなる。もはや私が測ることさえもできないくらいにその力は大きくなる。思わず吐き気を覚え、口を覆ってしまった。
「力を見せたいのだろう!?雑魚を蹴散らしたいのだろう!?」
シンラは大きな声で水晶に向かって叫び始めた。
「天下無双したいのだろう!?わかっているさ!!俺にはなぁ!!」
シンラの言葉に反応するようにハリネはゆっくりと口を開いた。
「ここにいる者たちにどうか平等を__」
「いかん!!すぐに中止じゃ!!」
ハリネが何かつぶやいたと同時に今度はウルゴ様が叫び始める。先ほどまで貫禄がある面持ちで見ていたウルゴ様がこの時初めて動揺を露わにした。それに対して一同がウルゴ様を驚いた目で見る。
「もう遅い!!いまさらどうにもなるまい!!」
「シンラ!!貴様まさか最初から気づいて__」
「気づいたのは今さっきだ!!さぁ!!その力を見せろ!!」
「主よ、どうかこの者たちに幸せを__」
シンラとウルゴ様の会話の中に淡々とハリネの言葉が混ざる。
大神官の一人が慌てた様子でウルゴ様に伺った。
「ウルゴ様……!!あれはいったい……?」
手を震わせながら、水晶に映る試験の様子を見ながら、ウルゴ様はゆっくりと口を開く。
「あれは……あの宝石に込められた魔力は古代の魔力……」
「古代!?古代とおっしゃいましたか!?」
「そんなはずはない!!それはとうの昔に失われたはずです!!そのために我々が復活させようとしているではありませんか!!」
大神官達はウルゴ様の話を遮るように話し始める。ウルゴ様が古代というワードを聞いた瞬間、すぐに顔色が変化した。
「古の魔力を持っているというのか!?」
「ありえん!!そんなばかなことがあって__」
大神官の言葉を遮ったのは、試験場から漏れる光だった。試験場からはだいぶ離れているこの特別観覧席でもつい目を閉じたくなるくらいの神々しい光だった。
半目になりながら水晶を見ると、ハリネは相変わらず無表情な顔で彼らを見ており、その手には宝石はなかった。手に持っていた宝石は地面に落とされ、その宝石が凄まじい光を放っていた。
シンラは再度笑い声をあげる。その光に驚きサアラは声を上げた。
「し、シンラ様!?あれはいったい!?」
「いいぞ……!!見せてみろ!!神からもらった力を!!お前の特典を見せてくれ!!」
ウルゴ様は手を震わせながらその光景を見ていた。
「ま、間違いない……神の力とされていたオールドマジック」
ウルゴ様が何か言ったと同時に試験場はその光に包まれた。それと同時にあまりのまぶしさに私もここにいる人たちと同様に目を閉じた。
光がだんだんと弱まるにつれ、次第に目を開けられるようになった。試験場はどうなったか。いや、それよりもキリス出身の子たちはどうなったか……それが気になる。
すぐさま転映水晶を見るが、映像には砂煙が立ち込め、中の様子が見えてこない。ほかの大神官も教師陣も目が慣れてきたのか私と同じように水晶に目をやっていた。皆がそれぞれどうなったのかを恐れながらも見たくてたまらなかった。それは発狂していたシンラも声を上げたウルゴ様も同様だった。結果を早く知りたい子どものように焦らされているようなこの時間がなんとも長く感じた。
次第に風の影響を受け、砂煙がなくなりその惨状があらわになった。私たちが見ていた試験場は姿形もなく、砂漠のようになっていた。以前からこうであったかのように、その周辺には建物らしき瓦礫も存在せず、ただ中央に大きな陥没したような穴が開いている闘技場のような姿で我々の水晶に映っていた。中央にはハリネが静かに自身の現状を確認しながら白い髪を靡かせていた。そこには先ほどいたハリネの対戦相手だった三人の姿はどこにもなかった。
ウルゴ様は口元を抑えながら手を震わせながらつぶやいた。
「な、なんてことだ……」
ここにいる全員がその言葉に心の中で同意した。なんていう非情な出来事だろうか。自分の力を誇示したいがために、ここまでするとは思ってもみなかった。まるで自分が世界最強であると知らしめたいかのように彼はここまでのことをしたというのか。そのためには非道も辞さないといいたいのだろうか。
私がウルゴ様に話しかけようとしたとき、グラスが割れる大きな音がした。
「あは……アハハ!!」
笑い声がこの特別観覧席に響き、シンラは手を叩いた。サアラはそんなシンラを見てひどく驚いていた。
「し、しんらさま?」
「いや、失礼、これはあれだ、俺の狂気だ、いや、なんとも……」
シンラの言葉が理解できずにいたが、彼はまだ興奮が収まらないといった具合にぶつぶつと呟きながら立ち上がった。
「こんなクソみたいな茶番をいつまで見なければと思ったが……まさか、大きな収穫があるとは……」
シンラは手を叩きながら、賛辞を送り続ける。そんなシンラに何も言えない我々は彼に対しての恐怖とハリネという少年に対しての恐怖が一層強まっていった。そして、そんなシンラに応えるようにハリネはあたりを確認したのちに何かを叫んだ。
「ふ………けんなぁぁ!!!!」
あの光で音声の方が壊れたのか、何を叫んだのかはわからない。しかし、自信に満ち溢れたような叫びをあげながら、天を仰ぐように見つめていた。
そんなハリネを見て、シンラはさらに笑った。
「ハハッ!!いいぞ!!やはり貴様もそうか!!」
シンラは大きな拍手を送り、すぐさまウルゴ様の方を振り返った。彼の目が欲しかったおもちゃを貰った幼児のようにきらきらと輝いていたのが印象的であった。何かをみつけた興奮、何かを手に入れた興奮がシンラをそうさせたに違いない。
「じじぃ!!奴は合格だ!!まさかこれだけのことをして野放しにするとは言うまいなぁ!?」
ウルゴ様はそのシンラの問いに答えることもせず、この悲惨な光景にいまだ固まったままだった。そんなウルゴ様を見かねて、ほかの大神官が恐る恐る口を開いた。
「り、理由を聞こう」
「理由!?理由だと!?貴様は何を見ていたんだ!!ここまでのことができる奴を合格にせず何が国家最高峰の学校だ!!」
シンラの言葉に思わず口を閉じた。
「それに今奴はプチョヘンザと!!プチョヘンザと叫んだ!!自分の力で盛り上がれといったんだ!!聞いていただろう!!」
シンラは大神官に近づき、さらに畳みかけるように話していく。
「お前らは知らないだろうが俺は知っている……その言葉の意味を!!アイツは今ここで最高なEDMを奏でたんだ!!ならば招待するべきだ!!そうでなくてはおかしい話だ!!」
シンラは静まり返った試験場に向け、再度大きな拍手を送りながらハリネに対して賛辞を贈った。
「最高だった!!実に最高だ!!待っていたぞ俺と同じ転生者よ!!」
この場にいる者は彼が話していることの一つも理解できずにいた。しかし、それでも唯一理解できたものがあった。ハリネという少年をこのまま見逃すことはできないということだ。あれは野放しにしてはいけない最強であり、冷酷なまでに悲惨な惨状を作ることができる魔王のような存在である。
この場にいる全員はすぐさま結論を出した。これは国家の一大事であると……。
やっとお気に入りが二百を超えました。嬉しい限りです。感想や評価も増えるように頑張っていきたいです。よろしくお願いします。
次は土曜日か月曜日ですね。それができなかったら、火曜日には絶対に投稿します。