AnotherSEED   作:another12

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歌姫来訪

 

 

 

 

タラップに出たアーサーが、何度目かになる感嘆の声を漏らした。

 

「サン・フェリクス島かぁ…本当に綺麗な所ですなぁ…」

 

横を歩いていたシンも足を止め、港の向こうに広がる風景に目をやった。

ここに滞在して2日になるが、予定以上の速さで艦の修理は進んでいる。明るく澄み渡った空と澄んだ蒼い空はかつて幼少の頃に暮らしていたオーブを連想させた。

 

「なんだか随分と久しぶりだよ。こんな空気の良い所は。」

 

アーサーがしみじみと言い、シンも思い当たって頷く。

 

「こんなに静かな場所も今では少ないからな…。」

 

世界中が戦争終結以来、発展の一途を辿って来た。どの島国も、かつてからは考えられないほどに活気付いて波と風の音だけが聞こえるこんな場所は少なくなってしまった。シンの住んでいたオーブも、高層ビルやマンションが立ち並び、世界有数の先進国となってしまった。夜になれば街のネオンや工場の電灯が夜の闇を裂き、オーブの夜空から星を隠してしまう。

もう、シン・アスカが知るオーブという国はこの世界には無かった。

 

クルーのほとんども都会育ちだ。“プラント”にも農業プラント等はあるが、限られた空間に住まう宇宙移民にとって、人里離れた土地というものはなじみがない。これまでずっと緊張した空間にいたクルー達には奇しくもここ、RAVENの地上拠点サン・フェリクス島の空気は落ち着きをもたらす場所になっただろう。

 

「お? もう集まってますなぁっ!」

 

基地の施設の一角に、RAVENの兵士達がひしめき合い、落ち着かない様子でざわめいている。

この一角に、島中の隊員が集まっているのではないかと言うほどに人が密集している。

 

「邪魔だこらあっ!!」

 

「あぁ!? やんのかっ!?」

 

あまりの密集率に、ちらほらとRAVENの隊員達の間で小競り合いも起きているようだ。血気盛んな狂犬の集まりであるRAVENの隊員らしいといえば最もな光景だが。

「まさかラクス様の慰問コンサートがあるなんて。我々は運がいい。」

 

上機嫌に隣でアーサーが言う。中年太りした腹で何を言うか。とシンは10年前に比べて随分と恰幅のよくなったアーサーの体型にジトッと視線を送る。そしてすぐに、割れるような歓声と拍手が沸き起こった。シンはみなの視線を追って、上空を振り仰ぎ、思わずポカンと口を開ける。

まぶしい青空を背に、警護用の“ディン2”ともう一機、“ガンダム”に両脇を抱えられ、ピンク色にカラーリングされた“ザクイェーガー”が舞い降りて来るのが見えた。肩にはハートマーク、胸部にはデカデカと《LOVE&PEACE!!》の文字がペイントされている。知ってはいたが、あまりの派手さにシンは目がくらみそうになった。

その“ザクイェーガー”が注意深く抱え込んだ手に、小さな人影が見えることに、シンは遅れて気づく。

 

そして、スピーカーから愛らしい声が響き渡った。

 

『みなさあーーん! ラクス・クラインでーす!』

 

その声に応えて、地をどよもすような歓喜の声が周囲に轟く。

“ディン2”と“ガンダム”がピンク色にカラーリングされた“ザクイェーガー”をステージにそっと下ろし、後ろに下がる。

軽快なイントロが流れ出す。“ザクイェーガー”の手の上でピンクの髪を振りながら、“世界の歌姫”、ラクス・クラインが歌い始めた。

 

だが、シンの興味はラクス・クラインのコンサートよりも、後ろに下がった灰色の“ガンダム”タイプの機体に注意を惹かれる。

その“ガンダム”のパイロットを、シン・アスカはよく知っていた。背面に背負う巨大なドラグーン・プラットフォーム。全体的に重厚でどっしりとしたフォルムに、ガンダムタイプ特有のV字型アンテナとツインアイ、そして最も特徴的なブレードアンテナ付近に搭乗者と同じ趣向を表したフェイスカバー。

シン・アスカにとって、唯一無二の親友が乗る機体の姿に、シンは自然と笑みがこぼれる。

 

そして、シンの目が基地の一角に着陸したジェットファンヘリコプターに目が止まる。そこから降り立ってきたのは、長い黒髪を風に吹き乱した、細身の男ーーーシンには、どれだけ離れても見分けることのできる男の姿だった。

 

ギルバート・デュランダル総裁。彼がなぜ…こんな場所へ…?

 

“ガンダム”から降りてきた白服に金髪の兵士が、彼にうやうやしく敬礼する。

なるほど、そういうことか。

“彼”はラクス・クラインの護衛ではなく、ギルバート・デュランダル総裁の随伴でここに来たのだ。

 

シンはデュランダルとその傍らに居る白服の兵士に視線を送る。するとその視線に気付いたのか、デュランダル総裁はこちらを見やり、にこりと微笑んだ。この人ごみの中で、一目でシンを見分けたようだった。

しかし、議長じきじきの命を受けて行動する“ミレニアム”らアスカ隊の隊長からしてみれば、わざわざお忍びで当人がこんなRAVENの基地お出ましというのは気が気でない状況だ。

シン・アスカはすでに、自分達に与えられた任務がどういうものであるかを理解していた。

かつて、戦争を終結に導いた“ミネルバ”隊の絶対的エースにして、議長の懐刀であるシン・アスカ。彼の望むと望まざるに関わらず、周囲の耳目を集める存在だ。

デュランダルの目論見はこうだ。各地で革命同盟軍の暴虐に苦しむ人々を解放する“正義のヒーロー”としての役割。英雄は勝ち続けなければならない。自分達が勝てば勝つほどに、“ミレニアム”のーーしいては“ZEUS”のイメージは高まり、悪役を演じてくれている革命同盟軍は権威を落としていく。戦争にプロパガンダは必要不可欠だ。

かつて、“ミネルバ”がそうであったように。

 

だが、実際に勝ち続けなければならない重圧はかなりのものだ。

 

「ハッハッハ! いやぁ、これはほんとに運がいいっ!」

 

シンの心中に気づく気配もなく、小太りのアーサーがラクス・クラインの歌に合わせて楽しげに肩を揺すっている。何の悩みもないお気楽そうな顔を見ながら、シンは少しの間考えた。

いま彼を絞め殺したら、代わりの艦長を見つけるのは難しいだろうかーーーと。

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、基地の一角で行われるラクス・クラインの慰問コンサートに歓声と雄叫びを上げる群衆に混じって、ユウイチ・レオンハートはいた。コンサートが始まった途端、歓声を上げてヒナがどこから持って来たのか、サイリウムをぶんぶんと振って群衆その一になる。続いてゼルがビール片手にラクス・クラインのきわどい衣装に歓声を上げている。

確か20代後半になるであろうラクス・クラインのプロポーションは衰えることを知らない。欲情的なスカートからスラリと伸びた脚のラインには男の理性を崩壊させるだけの魅力があるし、その容姿も妖美とも愛らしいともとれる表情の変化は彼女のアイドル性の高さを伺わせる。そしてなにより彼女が踊るたびにたゆんたゆんと揺れる胸だ。ぴっちりと身体のラインを強調させる衣装は彼女の豊満な胸をさらに印象付ける。

 

彼女の胸が揺れるたびに、ゼルが絶叫にも似た歓声を上げる。

歌ではなく、彼女の悩ましい身体にしか興味がないらしい。

 

周囲の隊員達のテンションの上がり方を見れば、彼女の影響力の凄まじさを伺わせる。

基本的にRAVEN以外の人間を恨む連中が多い中でも、ラクス・クラインの存在は別格らしい。確かに彼女の歌は心地よいものだ。聞いていて不快ではないし、耳にも残る。だが…何故だろう。

ユウイチは彼女の歌が、あまり胸に響きはしなかった。どちらかといえば、以前にバーバラが歌っていた歌と、バーバラの歌声の方がユウイチの胸に響くものがあり、込み上げて来るなにかがあった。

コンサートという事もあり、アップデンポな曲からしっとりとしたバラード等様々な歌をラクス・クラインが披露してくれる。しかし、そのどれもがユウイチの胸を打たない。周りが女神を崇拝する信者達のよくな集まりの中で一人、ユウイチ・レオンハートは浮いていた。特に曲に合わせつ肩を揺らすわけでもなく、ヒナから押し付けられたサイリウムを振るうわけでもない。ただぼんやりと記憶では初めて見るラクス・クラインのライブを見つめ続けた。ふと、ステージ上のラクス・クラインの視線がユウイチと交錯した…気がした。

 

「まさか…そんな訳ない、か。」

 

自分も周囲の盛り上がりに流されて浮かれ始めたとでも言うのだろうか。自意識過剰だ。ヒナやゼルじゃあるまいし、視線が合った気がしただけで胸が高鳴るなんて馬鹿げている。

……俺は、記憶を失う前はアンチラクス・クラインだったんだろうか……。

と、失われた記憶の前の自分へと問いかける。ただ記憶を失う前も彼女の熱狂的なファンではなかった事だけは言い切れる自信があった。冷ややかな視線をステージ上のラクスへと送っていたユウイチは、なんだか自分が場違いな気がしてくる。

ふと、一人冷静なままライブに参加していたユウイチはふと、群衆の端でユウイチと同じく冷静な眼差しをステージ上に送る女性の姿を見とめ、近づいて声をかけた。

 

「楽しんでおられますか? ロックハート大佐」

 

ユウイチに声をかけられたのが意外だったのか、バーバラ・ロス・ホームズ艦長は少し驚いたように目を大きくさせた後、いつもと変わらぬ穏やかな表情でユウイチに答えた。

 

「うん……まぁ、それなりに楽しんでるよ。」

 

しどろもどろに言葉を濁すバーバラに、ユウイチは首を傾げる。

 

「あまりこういった雰囲気は苦手ですか?」

 

「これだけ皆ステージ上に夢中だし、今は二人きりも同意だよ。ユウイチくん」

 

言われてユウイチは汗をかき、あわててうなずく。

 

「そ、そうです…そうだな…」

 

忘れていた。

二人きりの時は敬語をなくすという謎の約束をしたのだった。だが、ここは周囲見渡す限りRAVENの隊員でいっぱいではないか。もし、隠れてバーバラといちゃついていたなんて噂が出ればクリス副長にどんな目に合わせられるか分かったものではない。

 

「歌は好きなんだけどね。でも、なんだかあまりあのラクス様に皆みたいに熱狂的になれないと言うか…」

 

「ふむ。バーバラが熱狂的、という姿も見てみたい気もするがな。」

 

「おや、こう見えて私スポーツ観戦や勝負事には熱が入るタイプなんだよ?」

 

「意外だな…。」

 

バーバラは静かな草原の上で読書が似合うイメージだ。白いワンピースとかも似合いそうだ。

こうして話してみなければ、彼女のどこか常人離れした清らかな雰囲気の奥を知る事は出来なかっただろう。

ふと、ユウイチは彼女の事をもっと知りたいと思っていた。

その時、ユウイチと談笑していたバーバラがライブに熱狂していた隊員にぶつかりよろけ、小さく悲鳴をあげてユウイチの腕にしがみついてきた。バーバラの胸が思いきり身体に押し付けられ、ユウイチは驚いて咄嗟に身を引く。

 

「ご、ごめん……誰かがぶつかってきて…」

 

珍しくもバーバラが頬を赤らめてわびた。この観客の数だ。全員の注意と感心はステージ上のラクス・クラインへと向けられている。ぶつかられても仕方がないのだ。

 

「あぁ。ここは危ないな。向こうへ行こう。」

 

ユウイチはバーバラをかばって、建物の方へと歩き出す。

 

「い、いいんですか? 見なくても…?」

 

立ち去ろうとするユウイチに向け、バーバラが声をかける。

 

「あぁ。元はと言えばヒナとゼルに無理矢理連れて来られたからな。それに、俺は君の歌の方が好きだ。」

 

「あら、口説いてる?」

 

「ご、誤解だっ…! 思った事を言っただけだ…」

 

しどろもどろになって返すと、バーバラが綺麗な顔立ちを緩めて笑う。その笑顔に、ユウイチは「敵わないな。」と自嘲気味に笑みをこぼす。

 

「ふふ。でも、嬉しいよ? 私にとっても大切な歌だし…。」

 

「君さえよければまた聞かせてくれ。」

 

そう言って、ユウイチはバーバラと二人きりで黄色い歓声沸き立つ会場を抜け出した。

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれだな…」

 

チヅルが吐き捨て、ヒロキに買ってきたドリンクを手渡した。

二人の視線の先ではラクス・クラインの慰問コンサートが行われている。鳴り止む事のない歌と歓声は、基地中に響き渡る。

ここまで盛り上がれる人々が、ヒロキは少しうらやましく思えた。

 

「ほんと……こんな状況なのに、楽しそうだな。皆。」

 

「こんな状況だから、だろう?」

 

チヅルが視線をステージに向けたまま答える。

彼女の言う通りだ。こうやって馬鹿騒ぎをしなければ忘れられない事もある。それは、ヒロキ自身も同じだった。

あの日以来、ずっと胸に突き刺さったままの棘が、チクチクと痛む。シンに殴られた頬の痛みはもう消えているのに。あの場所で戦った時に起きた出来事、掛けられた言葉全ての痛みが消えてくれない。

 

「で、…結局、私達はまたあの艦を追うんだろうな?」

 

チヅルがドリンクを口に含みながら気のない口調で訊くと、ヒロキは前を向いたままに答える。

 

「そうだろうな。っていうか、シンさんはそのつもりだろ。絶対。」

 

「次こそは落としてやるぞ。あの黒いの…」

 

「…俺の機体も黒いのだぞ…」

 

「うぬ? こ、言葉の綾だっ!」

 

自身の言葉の過ちに気付いたのか、ワタワタと狼狽するチヅルを見てヒロキの心は穏やかな気持ちになっていく。

そういえば、こうしてゆっくりとチヅルと二人きりで話すのも久しぶりの事かもしれない。

アスカ隊長はなにがあっても奪われた三機とそれに関連するあと艦を破壊するだろう。……その過程で、何を犠牲にしても。

それが英雄に課せられた使命なのだから。

 

「…俺たちにとって重要なのは、この戦争の行く末じゃない。殺るか、殺られるかーーだけなんだな。」

 

それが、兵士であるヒロキとチヅルの使命なのだから。

戦争の終わったあとの事なんて政治家達、大人がなんとかするのだろう。

チヅルはヒロキの言葉に肩をすくめた。

 

「辛いな。」

 

二人の間で何度も交わされた会話だ。

兵士になると決めたあの日から、自分達の気持ちは変わらない。その筈だった。

けれどこうして戦場に出てみれば、この行いが正しいのか、正しくないのかも分からなくなる。人を撃ってもすぐ慣れる、と言われてすぐに慣れた。

けれど、心までは冷徹になれなかった。

 

「初出撃以来、ずっと黒星だからな…そろそろ勝利の美酒が欲しいものだ。」

 

チヅルが続け、ヒロキはつい、むっとして言い返した。

 

「…まだ、負けてない。」

 

普段は穏やかなヒロキも勝ち負けには敏感だ。それが奪取された三機の事なら尚更に。

しかし、チヅルは淡白に返した。

 

「勝てなきゃ負けだよ。……軍人である限り、な。」

 

わかっている。ヒロキはコンサートで沸き立つ観客達に視線を落としながら、小さく頷いた。

 

「あぁ…そうだよな…」

何の為に軍人になったのか。

それが自分とチヅルにとっていちばん重要な価値観なのだから。その為にあの日、手術を受け入れたのだから。

自分達は勝つ為の力を欲した。守る為の能力を欲した。自分を殺して、人を殺して、それで守られるものがあるならそれで構わないと。

ヒロキとチヅルは通常のコーディネーターよりも“戦闘”に関しての能力が高い。

“戦闘用コーディネーター”化手術。これが、数年前にヒロキとチヅルが受けた手術だった。

戦闘に関する遺伝子だけを特化させる手術。元来、その遺伝子情報をもたせた胎児を指す名称なのだが技術の発達と共に数年前に、通常のコーディネーターとして成長したヒロキとチヅルにその手術が施された。

勿論、遺伝子を戦闘用に作り変える手術なんて法外である為に、極秘裏に行われた手術だ。この事に関しても、当の本人達であるヒロキとチヅルを除けば、シン・アスカやギルバート・デュランダル議長ら数人にしか知られていない。

その後も戦闘用に手術を受けたコーディネーターの事例はなく、ヒロキとチヅルのみが唯一の実験体でもあった。

 

眼下の蒼い軍服姿の隊員達が眼に映る。

 

彼らは『平和の為』に戦っているのだと言っていた。

それが自身の望む望まないに関わらず、『平和』を乱すもの全てを殺す。子どもであろうと、女であろうと、どこかの国の偉い人であろうと、ZEUSという神に対する障害物と成り得るものは全て。

 

彼らから戦いがなくなれば、世界は彼らを必要としなくなるのだろう。

 

だが、世界から居場所を奪われた彼らが辿り着いた場所がRAVENだ。ふと、ヒロキは考えてしまった。

 

RAVENに居る彼らは、戦争が終わっても帰る場所がない。

 

先日、慰霊碑の前で出会った赤い髪の青年の憂いを帯びた表情が、頭をチラついては消える。

こんな事、考え出したらキリがないのに。

 

ーーもしかすると、自分もいつかココに辿り着くかもしれない。

 

そんな胸騒ぎが、ヒロキはしていた。

 

「うぬぅ! せっかく二人きりなのにお前は憂鬱な顔ばかりっ! チューするぞっ!?」

 

ぼんやりと考えに耽っていたヒロキに腹を立てたのか、チヅルが我慢の限界を迎えて声を上げる。

というか、チューするぞってどんな脅しだよ。

 

「こうやってライブを楽しんでるだろ?」

 

「ヒロキは楽しんでるの意味が分かっていないっ! デートだぞっ!? デートなんだぞっ!?」

 

デートにしては随分とむさ苦しい場所だなぁとヒロキは他人事のように思う。

 

「ぬああああっ! ほら! 行くぞっ!」

 

「ちょ、おいっチヅル!」

 

チヅルがヒロキの手を引いて、走り出す。

 

「暗い顔はヒロキに似合わないぞ。私と一緒に居る時ぐらい、お腹いっぱい笑わせてやるっ!」

 

そう言って、チヅルはヒロキを連れて行く。昔からこうだ。

いつだって自分を気にかけてくれて、無理矢理引っ張り出してくれる。

チヅルの存在が、どれだけ自分にとって大きいものなのかチヅルは知りはしないのだろうな。

「…ハハ、お手柔らかに頼むよ。」

 

「おうっ!任せろっ!」

 

 

 

 

 

 

 

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