【第1章完】ゲツアサ!~インディーズ戦隊、メジャーへの道~   作:阿弥陀乃トンマージ

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第5話(2)時間帯検討

「ええっ⁉」

 

 シアンが驚く。

 

「ええっ⁉ちゃうねん!」

 

「ど、どういうことですか?」

 

「さっきも言おうと思ったけどアカンて。月曜日の朝なんて大抵の人は学校や仕事で、皆忙しくしとんねん」

 

「い、いや、他の戦隊と差別化を図るためにですね……」

 

「まあ、他の戦隊は日曜日の朝、いわゆる『ニチアサ』に集中しとるからな……」

 

 スカルレディが顎をさすりながら答える。

 

「そ、そうです!」

 

「なんで集中しとるのか分かるか?」

 

「え?」

 

 シアンがキョトンとする。

 

「ちょっと考えてみいや」

 

「えっと……一旦持ち帰って良いですか?」

 

「ちょっとって言うたやろ。持ち帰るってどこにやねん、自分のアパートか?」

 

「いや、実家に」

 

「実家に⁉」

 

「滋賀の」

 

「滋賀⁉」

 

「はい……」

 

「ど、どこまで持ち帰るつもりやねん……」

 

「琵琶湖を往復しようかなと……」

 

「途中、ちゃっかり鳥人間コンテスト参加しとるやん」

 

「いやあ結構な難問で……」

 

「そこまで難しいことは聞いてへんから」

 

「本当ですか?」

 

「ホンマ、ホンマ、落ち着いてよく考えてみたら分かるから……」

 

「う~ん」

 

 シアンが腕を組む。

 

「集中するってことは……」

 

「あ、そうか、視聴者の数が多い!」

 

「せや!」

 

「スポンサーさんなどの関係上、その時間帯しか抑えられなかった!」

 

「いらんことまで言わんでええから!」

 

 スカルレディが慌てる。

 

「そ、そうか……まず月曜日朝にアタシたちを見ようという人が少ないということですね」

 

「ああ、圧倒的にな」

 

「圧倒的に⁉」

 

「そうや」

 

「そ、そうなんだ……」

 

 シアンが両膝をつく。

 

「そこまでショック受けんでも……またやり直せばええやん」

 

「うう……」

 

 落ち込んでいるシアンを見かねて、スカルレディが他の四人に問う。

 

「さっきの見た感じやと、月曜日の朝には皆納得してない感じやんな?」

 

「まあ、そうですね。専門学校って案外授業びっしりなんで……」

 

 オレンジが頭を抑えながら答える。パープルが口を開く。

 

「わたくしは別にかまわないんどすが……」

 

 スカルレディが問う。

 

「パープルは賛成派なん?」

 

「大学生どすから、授業はある程度自分で自由に組めますが……」

 

「ほう、それならええやん」

 

「いや、さすがに月曜日の朝は……」

 

「ああ、まあ、そうなるよな……ブラウンはどうやねん?」

 

「え? ウチはフリーターなんで、時間の都合は他の皆よりはつきやすいですけど……」

 

「ほんならええやん」

 

「いや、お昼あたりから深夜まで、どの時間帯もほぼバイトで埋まっているんですわ! だから、朝くらいはゆっくりしたいってのが本音でして……」

 

「ふむ……グレーは?」

 

「社会人だけど、業種の関係上、土日出勤が多いね」

 

「それならむしろ月曜日の朝がちょうどいいんや」

 

「ちょうどいいと言えば良いけれども、土日働いたあとはゆっくりと体を休ませたいというのが正直なところだね」

 

「う~む……おい、水色」

 

 スカルレディがシアンの体をつつく。

 

「ううう……」

 

「おいって、聞いてるか、水色?」

 

「……シアンですよ!」

 

「うわっ⁉ び、びっくりした……」

 

 シアンが急に顔を上げた為、驚いたスカルレディは尻もちをつく。

 

「空のように青く、水のように見えるから、シアンなんです」

 

「自分で青とか水とか言うとるやん」

 

「……」

 

「ん?」

 

「シアン!」

 

「分かった! それはまあええわ! とにかく自分が落ち込んでいる間に、四人に簡単なヒアリングを行ったんやけど……ゲツアサは圧倒的に不評やで……」

 

「ご存知だとは思いますが!」

 

「お、おう……」

 

「あくまでも活動情報を広報する時間帯なんです。もちろん、他の時間帯で、悪と遭遇すれば、ちゃんと戦いますよ! これまでもそうしてきました!」

 

「う、うん、それは分かっている……」

 

 スカルレディがうんうんと頷く。

 

「アタシなりに皆の頑張りを知ってもらうにはどの時間帯が良いのかって考えに考え抜いて、月曜日の朝っていう時間帯に行き着いたんです!」

 

「ほう、そうか……でもな、他の連中の希望をもっと聞いてみたらどうや?」

 

「……オレンジ、希望の時間帯は?」

 

「……金曜の夜、花金だな」

 

「サラリーマンか!」

 

 スカルレディが突っ込みを入れる。

 

「パープル、希望の時間帯は?」

 

「水曜日の夕方どしたら」

 

「なんか中途半端やな!」

 

「ブラウン、希望の時間帯は?」

 

「平日の昼休み一時間くらいなら……」

 

「短いな!」

 

「グレー、希望の時間帯は?」

 

「月曜火曜と続けて休みのことが多い。月曜深夜ならば……」

 

「月曜日深夜……『ゲツヨル』! これなら他と差別化出来る!」

 

「落ち着けやシアン! それこそだれが見んねん!」

 

「あ、そうか……うん、やっぱり『ゲツアサ』で頑張ってみます!」

 

「『ドアサ』とか『ニチアサ』とかの方が無難やと思うんやが……まあ、初志貫徹とも言うからな……それでやってみたらええんちゃうん」

 

「ありがとうございます! 良かったら今後もよろしくお願いします! 失礼します!」

 

「おお、お疲れ様~。うん? 今後も⁉」

 

 スカルレディがエレクトロニックフォースたちを見送った後、なんとも嫌な予感に襲われたがすべて後の祭りであった。

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