【第1章完】ゲツアサ!~インディーズ戦隊、メジャーへの道~   作:阿弥陀乃トンマージ

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第6話(4)主題歌(仮)披露

「まあ、武器はとりあえず保留か」

 

「おいおい考えていきましょう……」

 

 彩の言葉に躍が頷く。

 

「……大体こんなところか?」

 

「司令官、まだ大事なことがあります!」

 

「大事なこと?」

 

「はい!」

 

 凛が頷く。

 

「え~まだなんかあったか? キャッチコピーも口上、ポーズまで決めて……」

 

 彩が首を傾げる。

 

「ありますよ!」

 

「なんやねん?」

 

「主題歌です!」

 

「しゅ、主題歌?」

 

「はい、テーマソングです!」

 

「テーマソングって……」

 

「実は大体のイメージは既に出来上がっています!」

 

「え?」

 

「アカペラで吹き込んできました!」

 

 凛がスマホを取り出す。

 

「だ、大丈夫か?」

 

「その辺は聴いてもらって判断してもらえれば!」

 

「変に自信満々やな……」

 

「それでは流します!」

 

「有無も言わさずやな!」

 

「流しますよ?」

 

「あ、ああ……」

 

「本当に流しますよ?」

 

「ああ」

 

「あ、なんか照れくさくなってきたな……」

 

「なんやねん!」

 

「やっぱりやめようかな……」

 

「やめてもええけど?」

 

「いや、聴いて欲しいです!」

 

「なんや、面倒なやっちゃな!」

 

 凛の二転三転する態度に彩が顔をしかめる。

 

「では、流します……」

 

「早よしてくれ」

 

「それでは、カウント3分前……」

 

「長いわ、3秒前でええやろ!」

 

「失礼……」

 

「ったく……」

 

「では、3、2、1……~♪」

 

「ふむ……」

 

「『遊戯戦隊エレクトロニックフォース!』」

 

「名乗りから入るんやな……まあベタやけどええんちゃうか」

 

「歩く! 砂漠! エレク!」

 

「はっ⁉」

 

「大トロ! 中トロ! トロ!」

 

「はあっ⁉」

 

「ロック! ラック! ニック!」

 

「はああっ⁉」

 

「ワン! ツー! スリー! フォース!」

 

「はあああっ⁉」

 

「諸々合わせて、エレクトロニックフォース!」

 

「諸々って!」

 

「走れ! 明日に向かって~!」

 

「うん……」

 

「戦え! 未知なる存在と~!」

 

「う、うん……」

 

「砕け! 恐怖とか野望を~!」

 

「? う、うん……」

 

「守れ! 平和とか未来を~!」

 

「なんか後半ふわっとしとんな!」

 

「遊べ! 戯れ! eスポーツ!」

 

「ま、まあ、コンセプトやからな……」

 

「罵詈雑言の嵐~オンラインゲーム~」

 

「え?」

 

「課金課金の洪水~ソーシャルゲーム~」

 

「ええ?」

 

「友達なくしがち~コンシューマーゲーム~」

 

「えええ?」

 

「結局これだね~ボードゲーム~」

 

「eスポーツ否定してもうてるやんけ!」

 

「なんやかんやありまして~」

 

「なんやかんやってなんやねん!」

 

「オレンジ色の光~」

 

「お?」

 

「茶色の大地~」

 

「ああ、色を言うのはええんちゃうん?」

 

「水色の琵琶湖~」

 

「急に地元ぶっこむな!」

 

「灰色の空~」

 

「なんか嫌やな!」

 

「紫色のネオン街~」

 

「今日日ネオン街って!」

 

「さまよう無職の父~」

 

「色違いや! そもそもネオン街さまよっている場合か!」

 

「……ラララ~」

 

「もう歌うことなくなってるやん!」

 

「電脳戦の果てに~」

 

「急に電脳戦とか言い出したな……」

 

「希望と愛と夢と富と名声を抱け~」

 

「欲張りすぎや!」

 

「サイバーな風を感じて~」

 

「どんな風や!」

 

「頑張れ!」

 

「何を⁉」

 

「負けるな!」

 

「なんやねん!」

 

「無理はしないで!」

 

「優しさみせた⁉」

 

「エレクトロニックフォース~!」

 

「お、終わった……」

 

「~フゥー……」

 

「まだあった!」

 

「ラブ&ピース……」

 

「やかましいわ! 何を囁いとんねん!」

 

「まあ、こんな感じなんですが……どうですか?」

 

「……アカン」

 

「ええっ⁉」

 

「なんでやねん! イケると思ったんか⁉」

 

「自分なりに手ごたえは……」

 

「その手ごたえおかしいで!」

 

「ど、どこがダメだったんでしょうか?」

 

「全体的にや」

 

「ぜ、全体的に⁉」

 

「ああ、まず……歩く!砂漠!から意味分からへん」

 

「エレクと韻を踏んでいるんです」

 

「それはなんとなく分かるけど! なんやねん、大トロとか、ロックとか……」

 

「『エレクトロニック』という馴染みの薄いであろう言葉をまず認識してもらおうと思って、分かりやすく分解してみました」

 

「余計分かりにくくなっとるがな!」

 

「そ、そうですか?」

 

「そうやがな。その後のパートもふわっとし過ぎや、恐怖とか~平和とか~」

 

「怖い!とか和やか!とか断言した方が良いかもね」

 

「ちゃうがな、グレーよ。怖い!って言い切られた方が怖いわ。その次のパートも……」

 

「何かマズかったですか?」

 

「マズいやろ。罵詈雑言とか、課金がどうとか……ネガティブなことしか言うてへんやんけ」

 

「アーケードゲームに言及しないのはどうかと思ったな」

 

「ああ、輝っち! そう言われると……格ゲー民としてあるまじきことを……」

 

「そこはこの際どうでもええねん、オレンジよ」

 

「それぞれの色を言うとこは良かったんちゃいます?」

 

「ブラウン……まあな。ただ、ネオン街とか無職の父とかの部分は変えないかんで」

 

「彩豊かな美人司令官~とかですか?」

 

「そこで唐突にヨイショせんでもええねん……後、主題歌でラララ~とかやめろ」

 

「……そこだけは絶対に譲れません」

 

「なんでやねん!」

 

「クリエイターとしてのプライドやね……」

 

「いや、エエ感じに言うな、パープルよ……」

 

「まあ、概ねはこんな感じで……」

 

「大分変えた方がエエと思うけど……ん⁉ 怪人出現⁉ すぐ駆け付けられるのは……あたしらか……しゃあないな、エレクトロニックフォース、出動や!」

 

 彩が出動の指示を出す。

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