【第1章完】ゲツアサ!~インディーズ戦隊、メジャーへの道~   作:阿弥陀乃トンマージ

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第12話(1)シアン、覚醒

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「……合体武器をひと通り使ってみていかがでしたか?」

 

 喫茶店で真白が皆に問う。

 

「……キャノンは破壊力的には申し分ないかと思います」

 

 輝が呟く。躍が尋ねる。

 

「あれ、課金はええのか?」

 

「冷静になった。とりあえずは後回しでいい……」

 

「それは何よりやな」

 

 躍が笑みを浮かべて頷く。

 

「ボムもいい感じどす~」

 

「あれは変化球みたいで良いね」

 

 心の言葉に秀が頷く。

 

「一個余るのだけは勘弁して欲しいわ……」

 

 躍が苦笑する。

 

「そういえばあの一個はインテリアとして使うてくれてます?」

 

「使うか! 即返却したったわ!」

 

 心の問いかけに躍が答える。

 

「スティックもなかなか使いようがありそうだね……」

 

「秀さん、さすがに分かっていますね」

 

 躍が秀をビシっと指差す。

 

「ゲートボールで使う棒とか……」

 

「グラウンドゴルフで使うクラブとか……」

 

「杖とかに見立てて使えますな~」

 

「お年寄りか!」

 

 三人の言葉に躍が声を上げる。

 

「アローもなかなか良いんじゃないか?」

 

「俯瞰的に物事を見るボクにはよく合っているかもね……」

 

 輝の問いに秀は頷く。

 

「む~」

 

「どうしたんですか凛さん? ほっぺた膨らまして……」

 

「博士……アタシだけ、メインで合体武器まだ使ってないです!」

 

「あ……」

 

「あ……じゃないですよ! 絶対忘れていたでしょう⁉」

 

「! 警報や! 出動せんと!」

 

「あ! 皆揃ってごまかしてる!」

 

 四人に続いて凛が出動する。

 

「ふははっ!」

 

 怪人が派手に暴れている。

 

「そこまでだ!」

 

「んんっ⁉」

 

 怪人が暴れているところにエレクトロニックフォースが駆け付ける。

 

「お、お前は……!」

 

 グレーが怪人を見て驚く。

 

「ふん……」

 

「バッファロー怪人の……蘇生怪人!」

 

「えっ⁉」

 

 シアンの意外な言葉にバッファロー怪人が戸惑う。

 

「あら? また違う?」

 

 シアンが首を傾げる。

 

「再生より難しい言葉をわざわざ使わなくても良いだろう……」

 

 オレンジが呆れ気味に呟く。

 

「ま、まあいい! 来ると思っていたぞ、エレクトロニックフォース!」

 

 バッファロー怪人が持っていた鉄の槌を振り回す。

 

「幹部怪人の再生とはまた厄介どすな~」

 

 パープルが呟く。

 

「こんな時は先制攻撃や!」

 

 ブラウンが声を上げる。ブラウンが空中にボールを出現させる。

 

「む?」

 

 ブラウンが飛び上がってボールを手で叩きつける。

 

「『パッショネートスパイク』!」

 

「ふん!」

 

 バッファロー怪人が鉄槌でボールを器用に打ち返してみせる。

 

「! うおっ⁉」

 

 打ち返されたボールを食らったブラウンが後方に吹っ飛ぶ。オレンジが声をかける。

 

「ブラウン!」

 

「ま、まさか打ち返してくるとは……」

 

「ボールが止まって見えたぜ……」

 

「も、猛牛打線かいな……」

 

「ブラウン、大丈夫か⁉」

 

「な、なんとか……」

 

「こうなったら畳みかけるんだ! まずはオレンジ!」

 

 グレーがオレンジに指示を出す。

 

「ああ!」

 

 グレーの指示を受け、オレンジが銃を撃つ。銃弾はバッファロー怪人に当たる。

 

「!」

 

 バッファロー怪人は一瞬動きを止める。

 

「どうだ!」

 

「ふん……」

 

 バッファロー怪人が動き出す。

 

「き、効いていない⁉ 急所を正確に狙ったのに……⁉」

 

 オレンジが驚く。

 

「ほんならわたくしが!」

 

 パープルが赤色の玉を4つ合わせる。バッファロー怪人を炎が包み込む。

 

「‼」

 

「倍々の火炎のお味はいかがどす?」

 

「猛牛焼きの完成や!」

 

 パープルの脇でブラウンが声を上げる。

 

「……相変わらずマズいな。耐えられないほどではないが……」

 

「‼ 耐えはった⁉」

 

 パープルも驚く。

 

「前回の対戦時より耐久力が上がっているということか……」

 

 グレーが冷静に分析する。

 

「ふん!」

 

「うおっ⁉」

 

 バッファロー怪人が鉄槌を地面に叩きつける。大きな地割れが起きる。

 

「な、なんてごっついパワーや……」

 

「あんなん食らったらひとたまりもありまへん……」

 

 ブラウンとパープルが戸惑う。オレンジがグレーに視線を向ける。

 

「グレー!」

 

「ボクに任せてくれ!」

 

「⁉」

 

 グレーが鞭を器用に扱い、鉄槌と、それを持ったバッファロー怪人の右腕に巻き付ける。

 

「鉄槌さえ封じてしまえば……!」

 

「……ふん、うっとうしいわ!」

 

「どわあっ⁉」

 

 バッファロー怪人が腕を振り、グレーごと振り回す。グレーの体が他の四人に当たって、エレクトロニックフォース全員が倒れ込む。

 

「ふん……こんなものか……」

 

「くっ……」

 

「五人ひとかたまりで倒れ込んでいるな……一気に叩き潰す!」

 

 バッファロー怪人がゆっくりと近づいてくる。

 

「マ、マズい……し、しかし、体が動かん……」

 

 グレーが苦しげに呟く。

 

「な、なんのこれしき……」

 

「シ、シアン⁉ まだ動けるのかい⁉」

 

「グレー、ゲージが残り少なくなってきてからが本番だよ……!」

 

 立ち上がったシアンがグレーに向けて、右手の親指を突き立てる。

 

「な、なにやらただならぬ自信と気配を感じますなあ……」

 

 パープルが顎に手を当てて呟く。オレンジが声を上げる。

 

「シアン! まさかまた様子見の弱パンチをするんじゃないだろうな⁉」

 

「それも悪くないけどね……」

 

「悪い! そんな余裕を見せている場合じゃないぞ!」

 

「ならば使わざるを得ないね……」

 

「え?」

 

「『真・必殺技』を!」

 

「し、真・必殺技だと⁉」

 

「いや、そもそも必殺技を知らんけど……」

 

 驚くオレンジの脇でブラウンが冷静に呟く。シアンがバッファロー怪人に向かって静かに歩き出す。それを見てバッファロー怪人が鼻で笑う。

 

「はっ! たった一人で相手しようというのか⁉」

 

「一人で充分だよ……」

 

「! 生意気を抜かしおって! 食らえ!」

 

「はっ! 『琵琶湖の盾』!」

 

 バッファロー怪人が振り下ろした鉄槌を、両手を交差させたシアンが受け止める。

 

「な、なんだ⁉ 手応えがまるでない……!」

 

「今のあなたは琵琶湖の膨大な水のかたまりを殴っているようなもの!」

 

「な、なんだと⁉」

 

「そして、この技は攻防一体! 食らえ、『琵琶湖の拳』!」

 

「ぐ、ぐはあっ⁉」

 

 目にも止まらぬ速さのシアンのパンチやキックを織り交ぜたラッシュを食らったバッファロー怪人が後方に吹っ飛び、爆散する。シアンがポーズを取って叫ぶ。

 

「どうだ!」

 

「つ、強いな……合体武器いらんやん……」

 

 ブラウンが素直な感想を口にする。

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