【第1章完】ゲツアサ!~インディーズ戦隊、メジャーへの道~   作:阿弥陀乃トンマージ

7 / 50
第2話(2)女子大へ行ってみた

「いやあ、京都はやっぱり交通機関が充実しているよね~」

 

「……ふああ~」

 

「おいおい輝っち~? ちゃんと寝ないとダメだよ~?」

 

 あくびをする輝を凛がからかう。

 

「誰が言っている、誰が! お前がなかなか寝かせてくれないから!」

 

「え……?」

 

「ん? はっ⁉」

 

 輝は周囲から視線が集まっていることに気付き、顔を赤くする。

 

「いや~輝っち、これまた大胆な発言を……」

 

「う、うるさいな! 大体……」

 

「うん?」

 

「なんでお前がここにいるんだ⁉」

 

「いや、用事があるんだよ」

 

「誰に?」

 

「輝っちに」

 

 凛が輝を指差す。

 

「わたしはないぞ!」

 

「アタシはあるから」

 

「勝手なことを言うな、大体わたしは専門学校の授業があるから……」

 

「大変だね~」

 

「そういうお前だって、短大はどうした?」

 

「あ~それはちゃんと出るよ、ご心配なく」

 

「そうか……」

 

「ってかさ、昼休みは空いてるんでしょ?」

 

「ま、まあ、それはそうだが……」

 

「じゃあ、その辺りでまた集合しようよ」

 

「どこにだ?」

 

「昨日言っていた場所だよ」

 

「ああ……」

 

 輝が思い出したかのように頷く。

 

「行ってみる価値はあるでしょ?」

 

「適当に言ってみただけなんだが……」

 

「いや、案外いい線突いていると思うんだよね……」

 

「そうか?」

 

 輝が首を傾げる。

 

「そうだよ」

 

「今日じゃなきゃ駄目なのか?」

 

「やっぱり人が多いのは平日でしょ?」

 

「まあ、それはそうだな……」

 

 輝が頷く。

 

「それじゃあ、後でまた集合しよう!」

 

「そんなに時間は取れないぞ?」

 

「大丈夫、大丈夫♪」

 

 2人は一旦別れる。

 

「……ったく……」

 

「ごめん、ごめん、お待たせ~」

 

 凛が謝りながら集合場所に現れる。

 

「まったく、言い出しっぺが遅れるな……」

 

「いやいや、輝っち、そこは違うでしょ~」

 

「ん?」

 

 輝が首を捻る。

 

「『わたしもちょうど今来ばかりだから……』って、ちょっと恥ずかしがりながら応えるところでしょう?」

 

「な、なんでそんなカップルみたいなことをしなくてはならんのだ!」

 

「え~誰もカップルなんて言ってないんだけど~?」

 

 凛が悪戯っぽく口元を抑える。

 

「う、うるさい! ふざけるなら帰るぞ!」

 

「ああ、ごめんごめん、ちょっと待って……」

 

 その場を離れようとする輝の前に立って、凛が両手を合わせて頭を下げる。

 

「ふん……」

 

「機嫌治った?」

 

「別にそこまで機嫌を損ねてはいない……」

 

「それなら良かった」

 

 凛が笑顔を浮かべる。

 

「ただな。提案しておいてなんだが……」

 

「え?」

 

「ここを探すのは大変なんじゃないか?」

 

 輝が指し示した先には広大なキャンパスが広がっていた。

 

「お~さすが、名門女子大だね~建物も立派だし~」

 

 凛が感心する。

 

「学生数も桁外れに多い……わたしたちと同様にコントローラーをもらった者を見つけ出すのは困難だ……」

 

「でも、輝っちの推測はあながち間違ってはいないと思うんだよね~」

 

「そうか?」

 

「うん、アタシたちと同世代の女の子にコントローラ―やコネクターが配られた可能性は十分に考えられると思うよ」

 

「ふむ……しかし、この規模ではな……」

 

 輝が後頭部を抑える。

 

「なんでお昼に指定したか分かる?」

 

「そういえばなんでだ?」

 

「それは行けば分かるよ!」

 

「あ、お、おい!」

 

 凛が大学構内に入っていく。輝が慌ててついていく。

 

「……」

 

「なるほど、学生食堂か。いや、この場合はレストランと言った方が良いか……」

 

「ここなら多くの学生が出入りするよ」

 

「まあ、それは分かるが……この後はどうする?」

 

「え?」

 

「まさかずっと周囲の話に聞き耳を立てているのか?」

 

「う~ん、片っ端から聞き込みする?」

 

 凛が親指を立てて横にする。輝が首を振る。

 

「やめろ、つまみ出されるのがオチだ」

 

「どうしよっかね~?」

 

 凛は腕を組む。

 

「そこからはノープランだったのか……」

 

「一応eスポーツ同好会みたいのはあるみたいだけど……」

 

 凛が端末を取り出して、検索画面を輝に見せる。

 

「ほう、お堅いイメージがあったが、そういうのがあるのか」

 

「とりあえず、この同好会の方にDMを送ってみようか?」

 

「……なんて送るつもりだ?」

 

「『エレクトロニックフォ―スですか?』って……」

 

「即ブロックされて終わりだろう!」

 

「あ、送っちゃった……」

 

「おいおい……」

 

 輝が呆れる。

 

「あ、返信来たよ……」

 

「ええっ⁉」

 

 輝が驚く。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。