刀を握れない女   作:Ary-low

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書き直しです、ご了承ください。


刀を握れない女

横須賀…戦後復興から早数十年、日本有数の港、当然タンカーなどで賑わっていた。

しかし今は…重油や血で汚れた海に巨大ななにかに踏みつぶされたであろうタンカーが何隻も情けなく、火を立て燃えている、これが横須賀だと疑問に思うほどに面影がなかった。

複数の報道ヘリや自衛隊のヘリが上白兎を飛び交い、混沌を極めていた港に…一人、明らかに関係者ではないと分かる容姿をした女が立っていた。女はこの惨状に慣れているのか、近くで救助をしていた自衛官に自身の所属とこの場で当然の提案をする。

「おーい、そこの自衛官さん!特別祭祀機動隊から派遣された現場士官の『白兎 伊陽』だ。生き残った君たちが勝手に行動しては助かる命が亡くなる。だから今から臨時指揮を君たちの上官から委任してほしい。」

白兎という女は自衛官相手に怖気づかず、かといって威圧することもなく。わかりやすく状況から判断した提案をした。自衛官も白兎の提案が最適だと即座に判断して、白兎に敬礼をした。

 

 それから白兎はすぐ、生き残った自衛官を複数集め。救助を開始した。彼女の指揮は的確で、瓦礫による二次被害や密室のバックドラフトに遭遇した自衛官は一名のみで、その一名も白兎の手当で大事に至らなかった。

夜になり、日本各地から救護の応援が来たことで白兎は指揮を再び自衛隊に戻し、その場から去った。

…無事帰還した自衛官たちから、彼女のおかげで助かったと刀剣類管理局に声が寄せられたが『白兎という人物はすでに退職済みで派遣の任も出していない』と刀剣類管理局局長『折神 冥夜』氏が発表した。

 

 古びたアパートの一室、質素な部屋に札が異常に張られた刀を眺めている白兎。かつて自身が握っていた刀、そして白兎が人を殺した、まぎれもない証拠でもあった。友を救うためだとはいえ、人を殺したことは白兎を4年経っても苦しめ、結果…刀を握ることへのトラウマによって白兎は刀使を辞めることになった。

 白兎は刀を無言で眺めてから、部屋の電気を消し、、ベッドに横になる。

 

 

 

 

 

 火がすぐ近くまで迫っていた、熱気の伝わるほどの火力から逃れようとする美奈都に手を貸した私は小柄な体躯の力を振り絞り、美奈都を引き上げようとする、しかしその美奈都の足に逃げ遅れた少女がしがみつく、到底私の力では持ち上げられない。火も迫っていた。美奈都は少女を私に渡そうと下に手を伸ばした。少女は美奈都の手に移ろうとして、手を伸ばしたがそれが私の限界を迎えさせた。落ちる寸前まで上半身をさらけ出してしまった。この時点で私はやってはいけない禁忌をすることを覚悟した。腰に差した刀を抜き、右手で握り…少女を…切り刺した。

今でも鮮明に覚えている、少女の私を殺すような目、そして美奈都の刺さるような目。私はこのとき刀を握れなくなった。

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