俺たちはアーチャーとの戦闘後、何もない海?のような所を漂っていた。
「ショウちゃん、虚数空間から出る方法知らない?」
「知ってるわけないだろ、虚数魔術ってのがあるのは知ってたけど、使ってるやつなんて見たことない」
「そうよね、記憶を覗いてもそれらしいのなかったし」
「じゃあ聞くなよ」
虚数空間は本来何もない場所だ、だから空気とかも無いはずなんだけど。
彼女の周りには空気がある、そういう空間を作ってくれたんだろう。
ただ彼女に抱き抱えられる形で漂っているので、俺はここから1歩も動けない。
いや、動けたとしても彼女から離れれば何もない空間に放り出されるので大人しくするしかないんだけど。
「入ったときと同じようにすれば出られるんじゃないのか?」
「外側から開けるのはできたけど、内側から開けるのはやり方が違うみたい」
「そっか...しかしホントに何もないな」
「虚数だもの、よくわかってないけど」
「よくわかんないのに入ったのかよ」
「アーチャーの宝具捨てたときに気付いたの、これ移動手段にできないかなって」
「勘で魔術使うのやめろよ」
そんな話をしているとなにも無いはずの空間に光が見えた。
「それは災難でしたね」
「えぇ...おかげで我が家も無くなってしまいました......」
「しばらくはこの教会で休んでいてください」
「本当にありがたい」
「次はわたしから探りを入れて見ましょう、サーヴァントが一騎しか連れてこれなかったのは残念ですが、彼なら何とかなるでしょう」
「そうですか、どうか気を付けて」
「えぇ、様子見に留めますよ、ですがその前に...」
そう言ってことを済ませた彼は教会を後にした。
「おい、なんか光が見えないか?」
「幻覚じゃないみたいね」
「行ってみるか?」
「そうね、ここを出るヒントがあればいいけど」
彼女と光がある方に向かうことにした。
そこに着くと小さな少女が何かを追いかけて遊んでいた。
えっと、何かっていうのは猫のようでいてそれでいて形が変わっていくような......
考えるのをやめた、これ以上あれを見ていると発狂しそうだったのでそっと目をそらした。
そうしていると小さな少女がこちらに気付いて、近付いてきた。
そのとき一緒にいた何かは居なくなっていた。
「あら?こんなところに漂流者さんなんて、珍しいわね」
「あ、えっと、俺たち入ったはいいけど出られなくなっちゃって、どうしたら出れるか知ってる?」
「入ったときと同じ方法で出られなかったかしら?」
「え?出られるの?じゃあお前嘘ついたってこと?」
彼女に目を会わせようとするが、彼女はそっと目をそらす。
「だって、出られるけど入った場所と同じ所に出ちゃうんだもん。言ったでしょ移動手段に使いたいって」
「俺をお前の実験に巻き込むな!」
「まぁまぁ、たいへん仲がよろしいのね」
「あ、それであんたは誰なんだ?こんなところでなにやってるんだ?」
「名乗るほどの者ではありません、時々ここへ来てあなたたちのような漂流物がないか探してるの」
「じゃあ、狙った場所に出る方法も知ってるわよね」
彼女が食いぎみに少女に問いかける。
「知ってはいるけど、あまりおすすめしないわ」
「なんでだ?」
「かなり気持ち悪くなってしまうのと無条件に好きなところに行ける訳じゃないの」
「ふーん、縁があればいいのね」
「え?なんでお分かりになったの?」
「内緒よ、さ、帰りましょ、ショウちゃん」
「え、あ、ちょ、俺なんにもついていけてないんだけど!?」
彼女が魔力をなにもないところに向かって込める。
すると、穴ができてその中には俺の部屋が映っていた。
「ありがとね、外側の名も無き少女さん、これからもここ、使わせてもらうわね」
俺の部屋に帰って来ることができた。
あの空間にいた少女は気持ち悪くなると言っていたが、今のところそんな感覚はない。
どうせ彼女が何かしたのだろう。
どうやら深い縁のある場所じゃないと外に出られないらしい。
彼女には今のところ俺の部屋以外にこの街には深い縁がないみたいだ。
「なんであそこから出るのに縁が必要だってわかったんだ?」
「あの少女の記憶から推測しただけよ」
「お前俺以外の記憶も見れるのかよ」
「あなたの記憶はリアルタイムで見れるけど他の人の記憶は少し時間がかかるわ」
「そうなんだ...」
俺のプライバシーはどこに行ったんだ...
すでに今までの記憶は全部見たみたいだから今更...
よし、聞かなかったことにしよう。
そんな話をしていると、俺の部屋のチャイムが鳴る。
「え、誰?こんな時間に人が来るか?」
「出ない方がいいんじゃない?」
「でも...」
そうして俺たちが迷っていると、扉の外から声がした。
「居るのは、わかってるのよ。早く開けなさい」
その声は聞き覚えがあった。
そう初日に俺を殺そうとしてきたやつの声だ。
「悪いが今日は疲れてるんだ、戦うってんなら今度にしてくれないか?」
「今日はバーサーカーに内緒で来てるの、あなたも状況をある程度理解したみたいだし、少しお話がしたいなって」
「不用心じゃないか?サーヴァントも連れずに他のマスターのところに来るなんて」
「お兄さんは人間を殺せない人でしょ?知ってるわよ」
「はぁ...」
これ以上彼女と対話していても勝てない気がしたので、仕方なく家に入れることにした。
「ありがとう、お兄さん、じゃあ大事な話をしましょう」
「それで大事な話ってなんだ?」
「その前に自己紹介をしましょう。私の名前はイリヤスフィール・フォン・アインツベルン 、イリヤでいいわよ」
「え、アインツベルンってちょっと前に無くなったんじゃなかったっけ?」
「へぇー、この世界ではもう滅びてるのね、で、あなたの名前は?」
「自分の家のことなのに無関心だな、えっと、名前は神楽照太郎、でこいつは...そういえば名前知らないな」
「ショウちゃん、聖杯戦争ではサーヴァントの名前は隠すものなのよ」
そうだ、こいつも聖杯戦争の参加者なんだった。
あれ、でも俺も彼女の名前を知らないのはおかしいのでは?
「そう、照太郎っていうのね、あなたのサーヴァントに関しては何でもいいわ、参加者のくせに正規のマスターじゃない、そのサーヴァントなんて碌なものじゃないに決まってるもの」
「え、どういうこと?」
「まだそこは気づいてないみたいね、なら教えてあげるお兄さんは
「は?聖杯戦争って7人でやるものなんだろ8人目ってなんだよ」
「それはお兄さんのサーヴァントに聞いて、でも今重要なのはそこじゃないからあとにしてちょうだい」
すごく重要な気がするがイリヤが食い気味に話してくるので、この話はイリヤが帰った後に聞こう。
「単刀直入に言うわ、あなたにはキャスター陣営の
「おふざけ?ていうかそもそもキャスターにはまだあったことがないんだけど」
「あら、まだあったことがなかったのね、少しだけ情報提供してあげる」
「まず、キャスター自体はそれほど脅威ではないの、そのマスターも同じ。じゃあ誰が脅威かというと、そこの陣営には
「本物?それじゃあ何かが偽物のように聞こえるけど」
「それもお兄さんのサーヴァントに聞いて」
「お前、俺に隠し事多すぎじゃないか?」
彼女は下手くそな口笛を吹きながら目をそらした。
絶対他にも何か隠してる、この話が終わったら覚悟しろよ。
「そんな怖い目で見ないで、ショウちゃん」
「まぁ、突然こんな話されても何をすればいいか分かんないだろうから明日の夜、私の調査を手伝ってもらうことにするわ」
「えっと、一応聞くけど、拒否権とかは?」
「あるわけないでしょ、それにあなたにもメリットはたくさんあるはずよ」
考えてみれば俺はこの聖杯戦争について知らないことが多すぎる。
何か知れることがあるなら手伝った方がいい。
となれば...
「わかったよ、で、どこに行けばいい?」
「物分かりがはやくて助かるわ、場所はあなたの通ってる学校にしましょう。あそこはまだ調査してないからいろいろあるしもしかしたら犯人がいるかもしれないわ」
この前学校に行ったときは結界とかそういいうのはなかったはずだけど。
まぁ、怪しい所は全部調査した方がいいはずだ。
「わかった、明日の夜、学校に行けばいいんだな?」
「えぇ、お願いね、お兄さん」
イリヤが帰った後、俺は彼女を質問攻めにしていた。
わからないことが多すぎる上に、彼女の名前を知らないのは不便すぎる。
「よし、予告通り今から質問攻めをする」
「えぇ~、ほんとにやるのぉ~、わたしもう疲れて眠いのだけど」
「ダメだ、せめて名前とお前がこの聖杯戦争に、何をしたのかくらいは聞かないと寝れない」
「別に何でもいいじゃない、私が何をしていようが、あなたは戦わなきゃいけないんだから」
「...じゃあ一つ目の質問、お前の名前はなんだ?」
「無視して勝手に話を進めないで、はぁ、名前は...」
「なんだ?まさか名前がないとか言わないよな」
「ないと言えばないわよ、今考えるから待って」
嘘だろ、名前がないとは思わなかった。
今までどうやって生きてきたんだ。
そもそもいつから俺の中にいたんだ。
「名前決めたわ、『シュバルシャート・ナイトメア』」
「中二病かよ」
「あなたの頭の中から好きそうな言葉とってきたのよ」
「ブーメラン飛んできた...」
それにしても長い名前にしたな。
「そうね...確かに長いから『メア』でいいわよ」
「わかった。これからメアって呼ぶ」
「あ、でも戦ってるときはクラスで呼んでね」
「わかってるよ、次はキャスターでもやってもらおうかな」
なんか黒歴史をそのまま掘り下げられた名前になってしまった。
でもなんかしっくりくる気がするのはなんでだろう。
まぁそれはあとで考えるとして、まだ質問しなきゃいけないことが...
そんなことを考えていたら、急に眠気が襲ってきた。
さっきまで完全に目が覚めてたのに。
絶対メアに何かされた、そうじゃなきゃおかしい。
「おやすみ、ショウちゃん」
「待て...まだ......聞かなきゃ.........」
「まだ知るべき時じゃないわ、また今度ね」
次の夜 ...
イリヤに言われた通り俺の通っている岩戸原高等学校に来た。
いつも通っているときは昼だから何とも思わないが、夜に来ると何とも言えない不気味さがある。
正門付近でしばらく待っていると、イリヤが現れた。
イリヤは隣に俺の知らない少女を連れていた。
「あら、早かったじゃない」
「おう、時間は守るからな、それよりその隣にいるのは?」
「あぁ、この子はつい先日マスターになった子よ」
「先日?俺が8人目ってことはマスターは全員そろってたんじゃ」
イリヤの話が本当なら俺がこの街についた時点でマスターは全員そろっているはずだ。
先日マスターになったってことは、新しいマスターが現れたってことか?
「前のマスターが死んじゃったか、分けあって令呪を託したか、どちらにせよ先日マスターになったことだけは確実よ」
「もう誰かが脱落したってことか、でもサーヴァントは死んでないから新しいマスターが選ばれたってことか」
「そんな感じよ」
「いや待て、それにしてもなんでお前と一緒にいるんだ?」
「拾った」
「拾ったってなんだよ、捨て猫じゃないんだから」
ずいぶんと雑な返答が帰ってきて驚いているとイリヤの隣にいた少女がしゃべり始めた。
「あ、あの...あたし、遠坂凛、えっと、お兄さんは?」
「ん?あぁ、名前か俺は神楽照太郎よろしくな凛」
「自己紹介も済んだことだし学校の調査、始めましょう」
そうして調査を始めようと校門を抜けてすぐの時に、全員が気づいた。
「結界、これは確実に何かあるぞ」
「そうね、でもこれだけの規模をみんなで一緒に探すのは一日じゃ終わらなそうね」
「そうだな手分けして調査するか」
「じゃあ、私たちは二人で調査するからあなたは別行動ね」
そういうことで、イリヤたちと別れて行動することになった。
俺が調査するのは、外回りと体育館、倉庫などの本棟以外の場所だった。
まずは、どこから始めようか...
「体育館に行きましょう!」
「うわっ!びっくりした、静かにしてるから寝てるのかと思ってた」
「そんなわけないじゃない、あの少女たちは全員マスターなのよ、いつ襲われるかわかんないじゃない」
「それもそうだけど、あまりにも静かだったから」
「先に調べてたのよ、結論から言うとキャスターのおふざけがあるのは本棟の方よ、でもそれ以外にも強い魔力を感じた、それが体育館ってこと」
「そういうことは先に言えよもう別れちゃったじゃん」
「見つけただけで解決はしてないもの、それは彼女たちでもできるでしょ、だから私たちは別の問題を解決しようってわけ」
「絶対結界解くの面倒くさいからこっちにしただろ」
メアは無視して体育館の方に行ってしまったので、後を追いかける。
体育館に近づくにつれてメアの言ってた通り魔力が濃くなっていくのを感じた。
その魔力は体育館の入り口では、扉を開けてすらいないのに、息苦しいほど濃かった。
「なぁ、これ相当やばいんじゃないか?」
「そうね、お遊び気分でいられるのはここまでみたいね」
「お前、やっぱり遊びたかっただけじゃねぇか」
「念のため私から離れないでね」
「おう」
メアが慎重に体育館の扉を開ける。
中からものすごい量の魔力があふれてきた。
メアの背中に隠れながら、中に入っていくと。
そこには少女が一人、
「ねぇ、そこのあなた何をしているの?」
「あら、あなたたちの方から来てくれるなんて思ってなかったわ」
「俺たちを知ってるのか?」
「わたしは何でも知っているわ、あなたたちがわたしにもう一度チャンスをくれたことも」
「何のことだ、もしかしてこの結界を作っているのはお前か」
「違うわよ、結界のある所に行けば一人くらいサーヴァントを殺せると思ったのに居なかったの、でもあなたたちの方から来た、わたしたちのために死んでね」
そういうとものすごい魔力と共に少女が襲い掛かってきた。
T「石は”金”!」
M「俺の人権か?欲しけりゃくれてやる・・・。探せぇ!この世のすべてを
M「プレイヤーたちは人権たちを目指し、コンビニへと走り出した!世はまさに大課金時代!」
T「光の速度でガチャを回したことはあるかい」
T「死ぬよぉ、財布がぁ」
M「負けない!俺は人権のために石だってためた、クレカも上限いっぱいだ、もう後がない!行くぞ!家賃代!」
T「お前福袋以外課金したことないやろ」
M「それもそうやな」
はい、3話でした。
今回はみんな大好きちっちゃい凛ちゃんが登場しましたね。
時臣パパはどうなったのか、乞うご期待ください!