「やっぱり効かなかったかぁ~」
「おい、俺の話を聞け、何したんだ、なんで俺の足元から氷が広がっていったんだ?」
メアが魔術を使ったのだから、メアの足元から氷が広がるはずなのに、俺の足元から氷が広がった。
周りにいたバーサーカーともう一人のサーヴァントは氷漬けになっていた。
いつの間にかいたアーチャーと先ほどまで戦っていた少女には効かなかったのか凍っていなかった。
「それはね、あなたの魔術回路使った方が正確に魔術が使えることに気づいたの」
「は?」
訳が分からない、確かにメアは狙った場所に魔術を使うのが下手とは言っていたけど、これは自分を中心にするんだから関係なくないか?
「ショウちゃん巻き込んだら危ないでしょ、だからあなたの魔術回路から魔術を使う練習もかねてやってみたの」
「お前めちゃくちゃだな!」
今更な気もするがほんとになんでもできるらしい。
そんなにいろいろできるなら俺いらなくね。
「びっくりしたけど、これだけ? じゃあ私の番ね」
忘れてたこれ戦闘中だった。
再び、少女がこちらに向かって突進してくる。
「ちょっと戦い方を変えましょう」
そういうとメアが俺を持ち上げて、凍った校庭をまるでスケート選手みたいに滑っていく。
アーチャーはまたいつの間にかいなくなっていた。
「そういえばイリヤたちはどうした?」
「多分端っこの方で凍ってるんじゃない?」
「それ大丈夫なのか?」
「氷の中は疑似的に時間が止まってるような感じになってるはずだから多分大丈夫よ」
「えっと、冬眠状態に強制的にしたってこと?」
「まぁそんな感じじゃないかしら」
「わからないのに使うなよ」
そんな話をしている間にも、少女がメアを攻撃しようとするが、華麗によけられている。
そういえば氷の滑り方はどこで知ったんだろう? いや、どうせ聞いても勘とか言いそうだから聞かないことにしよう。
「ここらへんでいいかしら」
「ん?何が、って!前前!前見ろ!避けろって!」
メアが急に止まって少女の攻撃が当たりそうになる。
するとメアがでとんでもない速度で、巨大な氷の後ろに回り込んだ。
巨大な氷は少女の手によって真っ二つになった。
「うまくいったわ」
真っ二つになったそれを見ると、バーサーカーだった。
「え?サーヴァント真っ二つにするとかどうなってんだよ」
「これでいいのよ、見てればわかるわ」
メアの言っていることがよくわからなかったが、とりあえず真っ二つになったバーサーカーにもう一度視線を向けると、いつの間にか離れていたはずの胴体が完全にくっついていた。
「■■■■■――――」
「ほらバーサーカー、あいつをどうにかしないとあなたのマスターを救えないわよ」
雄叫びをあげたバーサーカーが少女に向かって、走り出す。
「これでこの場はどうにかなるでしょ、帰るわよショウちゃん、私疲れたわ」
「えっと、これどういう状況なんだ?」
状況を全く理解できていない俺の言葉を無視して、メアが虚数魔術でポータルを作って家まで移動していた。
「そうですか、どうか気を付けて」
「えぇ、様子見に留めますよ、ですがその前に...」
わたしはゆっくりと家も無くなり自分のサーヴァントにすら見捨てられた男に近づく。
「あなたはもう用済みです、自らのサーヴァントの制御もできないようなら、わたしに預けてはくれないでしょうか?」
わたしは答えを聞く前に、持っていた刃物を彼に突き立てた。
魔術師は本来、肉体に多少の傷を負っても自らの魔術刻印によって無理やり生かされるものですが、殺し方ならいくらでもあります。
「ア...アゾット......」
「まずは一人、ですが、あのサーヴァント、アーチャーを使役するのは少々骨が折れそうですね」
わたしは彼が絶命したのを確認し、この教会をあとにした。
わたしを覆っていた氷が解ける。
隣にいた凛も同様のようだった。
お兄さんのサーヴァントが何かをしゃべったと思ったら、体が凍ってそこからの記憶がない。
前を見る、バーサーカーが見たことのない少女と殴り合っている。
あれは多分だけど、わたしが把握していないセイバーかランサーのマスターだろう。
ライダーは攻撃に巻き込まれていたし彼のマスターではないだろう。
「あ~あ、つまんないの、聖杯もどきは逃げちゃったし、こいつを殺すのは時間がかかりそう」
「■■■■■■―――――」
「はいはい、今はあなたのマスターには手を出さないから、ちょっと黙ってて」
バーサーカーは何とかなりそうな気がする。
周りを見渡すと、ライダーとアーチャーはいつの間にかいなくなっていた。
「うーん、もう一回くらい殺せるかと思ったんだけど無理そうね、じゃあ今日はこれでお暇しましょうか」
「あっ、ちょっと待ちなさい!」
「ん?あなたも聖杯みたいだけど、今回は使い物にならなそうね」
「あなた何者なの?」
「答える必要はないわ、どうせみんな私が殺しちゃうんだもの、じゃあね、バーサーカーのマスターさん」
メアの虚数魔術を使ったポータルで家に逃げてきた。
ん?何か忘れている気がするが、なんだったかな……思い出せないな。
「お兄さん、何か忘れているのではなくて?」
「うわ!どこから入ってきた!?」
「わたしたちが家に戻ってきたときにはもう居たわよ」
マジかよ、全然気づかなかった。
そこにいたのは、虚数の海にいた少女だった。
「じゃあ、さっきの約束、果たしてくださいね」
「約束?ショウちゃん私がいないときに変な約束していないでしょうね?」
なんかすごい睨まれているんだけど、お前俺の記憶はリアルタイムで見てるんじゃなかったのか?
「ふ~ん、だいたい分かったわ、あなたはわたしたちに虚数空間を使うなって言いたいのでしょ?」
「まあ、話が速くて助かるわ、要約すればそういうことです」
「断るわ!わたしたちには戦略が沢山必要なの、もっと簡単に言うと貧弱で考えなしで戦場に飛び出してくるショウちゃんを守るすべが沢山必要なの」
「おい!サラっと人の悪口を言うな、自分が弱いのはわかるけどストレートに言うな」
「お兄さんが弱いのはどうでもいいのだけれど、断られると困るわ」
「どうでもよくないけど、話を続けて」
「お姉さんは人の話聞かなそうだから、これだけ言っておくわね、
「よくないことってなんだ?」
「さあ、わたしにもよくわからないわ」
「つまり使いすぎなければ使ってもいいのね!」
「お前さぁ、使う機会を減らせるように努力するよ、それでいいか?」
「使わないのがベストなのだけど...まぁ、それでもかまいません」
なんかよくわからない話だった気がするが、使う機会を減らすしかないようだ。
便利だったが何が起こるかもわからないのは、それはそれで怖いので割り切ることにした。
少女が居なくなった後わたしは凛を連れて、学校をあとにした。
探したけどお兄さんやアーチャー、ライダーは見つからなかった。
今回の戦いでバーサーカーの宝具の一つである
わたしはバーサーカーを使役するためだけに作られたホムンクルスなので、並の魔術師では相当な時間がかかる蘇生のストックの回復を三日でこなせる。
だけど今回の聖杯戦争は三日も待ってくれるような人たちではなさそう。
キャスター陣営も気になるが、今回戦ったライダーや未だに顔を出さないセイバーとランサーも気になる。
お兄さんに関してはどうにもならないだろうし...
「イリヤさん?」
「ああ、ごめんなさい考え事していて、何の話だっけ?」
「わたし、家がなくなったからどうすればいいかわからないってところです」
「そんなのお兄さんの所に行けばいいじゃない」
「え?わたしおうち知りませんし、急すぎて失礼なのでは?」
「大丈夫よ、こっちもあっちが好き勝手やるせいで迷惑してるんだから、場所はこのアパート」
「アパートですか...私ここに住んでみます」
「そうすればいいわ」
「建設は順調ですか?アサシン」
「マスターか、ああ、あと1日と半日あれば完成するだろう」
わたしが山の中に埋まった巨大な建造物の上にいたアサシンと話していると、ライダーが帰って来た。
「神父、戻ったぜ」
「おかえりなさいライダー、それで他の陣営はどうでしたか?」
「俺が行ったところはサーヴァントが2騎と化け物みたいな強さのマスターがサーヴァントも連れずに例のやつと戦ってたって感じだ」
「クラスはわかりますか?」
「アーチャーとバーサーカー、例のやつはわからなかった、マスターはそいつのことをキャスターって呼んでいたが、ありゃ嘘だ、確証はないがそんな気がする」
「あなたがそう感じたのならそうなのでしょう、アーチャーはもうすでに別のマスター候補がいましたか」
「ああ、だがアーチャーもバーサーカーもマスターはちっさい子供だったぞ」
「子供ですか...」
少し考える必要がありそうですが、これが完成してしまえばどうにでもなるでしょう。
考えるべきは他にあります。
「そういえば他の奴らはどうした」
「それはわたしから話そう」
彼女はアサシンでありながらキャスター並みの大魔術が行使できるサーヴァントです。
なので、様子見に行った他のサーヴァントたちの状況はわたしよりわかっているはずです。
「まず、アーチャーとバーサーカーはショッピングモールを根城にしているランサーのマスターと思われる人物の調査に行ったが、バーサーカーは暴走した挙句その場で自爆してしまった。アーチャーは自爆に巻き込まれたのかどうかはわからんが、同じ場所で消滅してしまった」
「姐さんがやられたって言うのか?俺が見に行ってやる」
「待てライダー、アーチャーは消滅する前に情報を残してくれた、あの陣営も
「俺たち以外にも複数のサーヴァントが居る陣営があるのか」
「そうだ、そしてランサーはセイバーと交戦したようだが、セイバーが急に撤退したようで今帰還中だ。キャスターは...あれはほっといてもいいだろう」
わたしは苦笑いを浮かべる。
「状況説明ありがとうございます。アサシン、あなたは建設に戻ってください」
「ああ、あとのことは任せるぞ、マスター」
次の日の朝、俺はメアに指示されてこの街で一番大きい公園に来ていた。
「急に大きい公園に行きたいだなんてどうしたんだ?」
(調査よ、それに朝のうちに見に行った方が安全でしょ)
「でもここに拠点を構えたって、あんまりいい地形でもないし不利になるだけだろ」
(いいから一番見通しがいい所に連れて行って)
メアに言われた通り、この公園の一番見通しのいいちょっとした展望スペースに連れて行った。
その途中に公園を散歩していたであろう俺と同い年くらいの男を見た。
同い年なら学校で見たことあるはずだが、俺はそいつの顔を知らなかった。
転校生たちとも違う気がするし、なんか道に迷ってる感じがする。
気になって話しかけてみることにした。
「あの、もしかして迷ってますか?」
「え、あ、そうです迷子なんです。ここがどこだかわからなんだけど、教えてくれるかな」
「えっと、どこに行こうとしてるんですか?」
「とりあえず街に出たいんだけど」
「それならこの道を真っ直ぐ行けば出れますよ」
「ありがとう」
えらくあっさりした会話だったが、彼はこちらに手を振りながら行ってしまった。
彼はクラスに一人は居る誰にでも優しくできるタイプのある意味一番危険な人間に感じた。
(彼、魔術師よね)
「そんな気はするけど、あれは偶然知ってしまった一般人と変わらないタイプの魔術師だろ」
(そうね、魔術師にしては性格がよすぎる)
聖杯戦争とのかかわりが気になるところだが、今はメアの用事を済ませよう。
そんなこんなで、この公園で一番見通しのいい展望スペースについた。
「ここで何をするんだ?」
(ちょっと待ってて)
メアが何かの魔術を使ったようだが、俺はあんまり詳しくないので何の魔術か分からなかった。
ここからはこの前アーチャーと戦った山が見える。
半分も削れているので街が大騒ぎになってもおかしくないはずなのに、誰も話題に上げないどころか人の数がすごく減った気がする。
もともとそんなに人の多い街ではないが、高校ができるくらいには人がいるはずだ。
そんなことを考えながら山を眺めていたら、メアの魔術が終わったようだ。
(終わったわよ、いい角度でよかったわ)
「角度?結局何してたんだ?」
(内緒よ、まぁすぐわかるから待ってなさい)
M「君のガチャ運は?と聞いたんだがね」
T「わたしの...わたしのガチャ運はいったい?」
M「質問を質問で返すなあー!!」
M「疑問文には疑問文で答えろと学校で教えているのか?」
T「ひイイイイイイイイイイ」
T「よ、呼符で星5を3枚引きました~」
M「カチッ」
M「やつはガチャ結果の自慢と言う禁忌を犯した。ならば永遠に
M「はははは、どうだ屈辱的だろ?」
T「最近ガチャ回してないからわかんないや」
はい、5話でした。
今回はみんな大好き赤の陣営が出てきました。
時臣パパが死にました。
最初の犠牲者が出ましたが今後どうなるのでしょうか?
次回もお楽しみに!