Fate/bright shadow    作:怪文書大好きマン

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第8話 戦士の休息

 

 

Q.福袋の中身は?

 

有限会社T&M

 


 

 

 

「聞こえていますか?ショウちゃん、聞こえていなくても話しますね」

(誰だ、お前?)

 

 さっきまで意識のなかった俺に誰かが声をかけてきた。

 熟睡しているときに無理やり起こされた気分だ。

 ただ、体の感覚がない、起き上がろうとしても体に力が入らない。

 目を瞑っているのか周りの状況もわからない。

 そして知らない声のやつに耳元で囁かれている気分だ。

 

「聞こえてますね、独り言にならなくてよかったです。私のことは覚えていないみたいですね。...そうですね、メアちゃんの保護者とでも思ってください」

(保護者?)

「深く考えなくていいですよ、どうせいつか知ることになりますから」

 

 ?

 

「では、本題に入りますね。メアちゃんが居ないうちに話さないと怒られてしまいそうなので」

「まず、メアちゃんはあなた用に作ったサーヴァントです。いえ、サーヴァントというのは正しくない例えかもしれませんね、まぁ私たちの世界ではサーヴァントということで通っているので、このまま話しますね」

「メアちゃんは私の()の中から希望と絶望を少しずつ使って作りました。我ながら希望と絶望のバランスが素晴らしいと思います。より人間味のある子になりました」

「けれど、希望も絶望もメアちゃん自身に降りかかるものではなく、与える側ですけどね。今までの戦いで『メアちゃんなら絶対勝てる』と思ったでしょ?人間は希望を感じたときに絶望に出くわすんですよ。」

 

 顔も姿も見えないのにニヤニヤしているのが分かった。

 

「まぁ、絶望を感じたときに希望を見出すのも、また人間ですけれど...」

 

 声が明らかに不機嫌そうになった。

 

「それはいったんどうでもいいです。問題はメアちゃんがあなたのことをすごく気に入っているということです。というのもメアちゃんは人の希望と絶望を自分で操作できるんです。さっきも言った通り希望と絶望をバランスよくしてあるので希望を使った分だけあとで絶望が降りかかって来るようになってるんですよ」

「今回は貯めすぎちゃいましたね」

 

 またニヤニヤしている感じがする。

 

「まぁショウちゃんに降りかかるはずだった絶望を自分に向けたのは、あの子なりに機転を利かせたのでしょう」

「褒めてあげましょう。あなたに死なれたら困るのは、私も一緒です。言いたいことはわかりましたか?つまりメアちゃんがあなたの絶望を肩代わりしている内はあなたが死ぬことはありません。ただあなたにその自覚が無いようなので、今回は特別にそれっぽい所に連れて行ってあげます」

「メアちゃんもそのための保険として彼らを呼んだのでしょう...たぶん」

 

 終始何を言っているのかわからなかった。

 

「首を傾げてもこれ以上は教えませんよ。何も説明してあげないメアちゃんの代わりに特別サービスで話に来てあげただけですから。まぁ、起きたら忘れているでしょうけど」

「私からのお話はここまでです。早く起きなさい、あなたもメアちゃんが長く苦しむのはいやでしょ?」

 

 謎の声がそういうと肩を押してふき飛ばされたような感覚に襲われた。

 

 

 

 

 

 

「.........おい......起きろ坊主、聞こえてねぇのか?」

 

 夢?から覚めて意識がもうろうとしている中、頬をペシペシと叩かれた。

 それで目が覚めた。

 目の前にいたのは金髪のロン毛でサングラスまで着けてるいかにもチャラそうな男だった。

 

「おっ、目が覚めたか、酷くうなされていたようだが...まあいい、ここに来たのならお前も仲間だ。座れよ。疲れているんだろう?」

 

 そこは何もない空間に焚火とそれを囲むように倒木で出来た椅子がいくつか置いてあるだけだった。

 周りはもやが掛かっていて遠くまで見えない。

 

「実のところ、俺はお前を戦士として認めてはいなかったんだが、ここに来れたってことはそういうことなんだろう...まぁ、勇敢に戦ったのであれば、クズでも怪物でも構わない。歓迎するぜ、兄弟」

 

「ここはどこなんだ?早く外に出たいんだけど」

「なんだ、もう帰ろうってのか、だが無駄だ。ここは戦士の休息所とでも言おうか。勇敢に戦い、その戦いの中で死んだ者が、次の戦いに備えて休息をとる場所だ」

「えっと、死んだのに次の戦いに備える?」

「あぁ、わかりにくかったか。今風に言うなら、転生が一番近い。要は戦士の魂は死んで少しの休息をとった後また戦場に戻るってワケ」

 

 少し考える。

 

「あー、確か南米の方の...アステカ神話だっけ?に出てくるやつのことか?」

「なかなか物知りじゃねぇか、だいたいそれであってる」

「だいたい?」

「そりゃそうだろ、神話の時代に生きていたとしても後世の書物に俺たちがどう記されているかなんて知ったことじゃない」

「え...じゃああんたもサーヴァント? しかも神霊!?」

「今更気づいたのか。そんなに弱そうに見えるかね...いや今それはどうでもいい、なあ兄弟お前さっき帰りたいって言ったよな」

「そうだった、早く帰らないといけないんだよ」

「お前は死んだからここに居るのであってだな...いや久しぶりの客だ、少しサービスしてやろう、だがタダとはいかねぇな」

 

 男が俺を品定めするように見る。

 自分が死んだってところはなぜだかなんとも思わなかった。

 誰かに『大丈夫だ』みたいなことを言われた気がするからだと思う。

 

「そうだな、その()にしようか。お前の一番大事なものだろうが生き返れるんだ、これくらいの対価は必要だろ?」

「箱?何のことかわからないけど、それで生き返れるならそうしてくれ」

「じゃあ契約成立だな、っと契約書の代わりにこれを持っていけ」

 

 男はそう言って金色の髑髏の硝子細工を渡してきた。

 

 そのあと男に肩を押されたと思ったら後ろに吹き飛ばされた。

 そのまま俺の意識がなくなって行った。

 

 

 

 

 

 

「テスカトリポカ、あまり奇跡を頻繁に使うのはどうかと思うんだが」

「いいじゃねぇか、お嬢...じゃねぇなこの世界に来てるのは少年の方か、まぁどっちでもいい。あいつに似てるところもあるがそれ以上に違うところを見ているのが案外楽しいんだよ、あんなに愉快な物語をもう一つ見れるなんてな」

「確かに愉快かもしれないが藤丸に比べたら完全に手遅れだろう」

「それはそうだな、だが俺たちには関係ない、藤丸を監視する奴が他にいなかったから見に来ただけだからな」

「目的を忘れていないならそれでいい、少なくとも神楽は藤丸を殺そうとはしなそうだな」

「どうだろうな?まぁ敵対したところで多くの英霊の真名を看破できるあいつだ、引き時くらいわかるだろ」

「だといいが...」

 

 

 

 

 

 

 あまりの寒さに目を覚ました。

 手には金色の髑髏の硝子細工を持っていた。

 周りを見ると氷でできた狭い空間に閉じ込められていた。

 この氷はメアが作ったものだろう。

 

「メア近くにいるのか?」

 

 返事がない。

 うっすら見える外の景色を見るに、かなりめちゃくちゃになってはいるが、あの空中要塞を撃ち落とした公園だ。

 あの後俺は疲れて倒れてしまったらしい。

 メアも疲れて寝ているのだろうか?

 

 どうやってここから出ようかな...メアが起きるまで待っていたら寒くて死にそうだ。

 そんなことを考えていると、突然氷が解けた。

 

「俺が起きたら自動で解けるようにしといてくれたのかな」

 

 出れたのはいいんだけどここからどうしよう、メアがどこにいるのかわからない。

 とりあえず家に帰ろうかな、あそこならメアも勝手に帰って来るだろう。

 

 家のドアを開けた瞬間に長い髪が生えたすごくデカい犬?みたいなやつに吠えられた。

 

「■■■■―――」

「うわぁ!びっくりした!ってお前メアだよね?」

 

 よく見たらメアによく似ていた。

 そいつは一瞬黙った後人型になった。

 

「なんだ、マスター、生きてたのね、死んだと思ってたのに」

「?お前雰囲気変わったか?それとも機嫌悪いだけ?」

 

 メアが俺のことマスターって呼ぶことなんてほとんどなかった。

 それになんか不機嫌そうだし、いつもよりも黒い部分が増えた気がする。

 目からも光が消えてるし、服装もいつもより暗い服を着てる。

 

「はぁ、説明するのもめんどくさい。私は疲れたから寝るわ」

「え?ちょっと待って」

「...なに?」

「どうしたんだよ何かあったのか」

「説明するのもめんどくさいって言ったでしょ、あんたも寝れば。今日はもう何もしたくないの」

 

 そう言ってメアは奥の寝室に行ってしまった。

 いやそこ俺の布団なんだけど!?

 今まで寝るときは霊体化してどこかに行ってたのに、今日は実体化したまま布団にもぐりこんだ。

 

「そこ俺の布団なんだけど」

「別のとこで寝なさいよ、予備の布団くらいあるでしょ」

 

 予備の布団はあるけども...

 仕方なく押し入れから予備の布団を持ってきてそれで寝た。

 

 

 

 

 

 

「マスター様聞こえますか?」

「なんかさっきも似たようなこと言われた気がする」

 

 周りを見ると明るいがもやもやしていて何も見えなかった。

 

「あぁ、先を越されていましたか。まぁ覚えていないでしょうが」

 

 ?

 

「聞こえているならいいのです。そのことは深く考えなくていいですよ」

「ここはどこだ?」

「夢の中です。あなたと私の...ほら、契約したサーヴァントとは夢を共有することがあるって聞いたことありませんか?」

 

 彼女がそう言うと同時に周りがきれいに見えるようになった。

 そして彼女の顔も見えるようになった。

 

「お前もメアなのか?」

「正確にはそのメア様の半分です。あの方メアって名乗ってるんですね」

 

 彼女はメアの髪や眉毛などの毛が全部白くなった見た目をしていた。

 服も白いワンピースで、手には白いリボンの着いた麦わら帽子を持っていた。

 

「疑問はいろいろあるでしょうが、まずは私が話しますね」

「夢だったら忘れちゃうんじゃ」

「大丈夫です。これから話すことは、()()()()()()()()ではなく()()()()ですから」

 

 ?

 

「まず今の状況からメア様は()()()()()()()()()()()()はずの神父に攻撃され意識が消えてしまいました。いえ、消えたというより眠った状態の方が近いでしょう」

「待て待て、さっき家に居ただろ」

「あれはもう半分です。私より出力が高いので外に居るのは彼女に任せています。簡単に言えば攻撃された衝撃で2つに分かれてしまったということです」

 

「うん...さっぱりわからん」

「ここはわからなくていいです。重要なのはその後です。あなたは生き返るために何を対価にしましたか?」

「生き返る?」

「......質問を変えましょう。目が覚めた時に持っていたものは何ですか?」

「あぁこれか、金色の髑髏の硝子細工だな、これは俺のじゃないと思うんだけど手放すのもダメな気がするんだよね」

「それを無くさないでくださいね、()()を返してもらうために使うので」

「あれ?」

「とにかく()()がないとメア様は帰ってこないと思った方がいいということです」

 

「じゃあそれを返してもらうまでメアは黒くて不機嫌なあいつのままってこと」

「そういうことです。やろうと思えば私に代わることもできますよ」

「マジか...じゃあこれからはその...あれ?を返してもらうために動けばいいってこと?」

「そうなりますね...時間切れですか、まだ言いたいことはありますがそれが分かっていればとりあえずいいでしょう。起きる時間ですよマスター様」

「え、もうそんな時間!?休めてないんだけど」

 

 またもやがかかって意識が戻っていく...

 

 久しぶりに夢を見た。

 そういえば最近忙しすぎてちゃんと寝てなかった。

 疲れはあんまり取れなかったけど...

 言葉にはトゲがあったが黒いメアも白いメアも俺のこと心配してくれてるんだと思う...多分。

 そうだといいな...

 

 

 







 A. T セミ様

 M これ以上の神引きをしたければ武田を倒してからいけ




あとがき



T&M「あけおめ!!」
T「いや遅すぎな」
M「その日人類は思い出した、元旦は3日までしかないことを」
T「フッ、つまり元旦は3日までしかないってワケか」
㎡「「な・・・なんだってー!!」」
T「次にお前は『ということは元旦は3日までしかないってことか!』と言う!」
M「ということは元旦は3日までしかないってことか! ( ゚д゚)ハッ!」


 はい、8話でした。
 新キャラが複数出てきましたね。ここら辺の設定は始まる前からあったのですが、うまくMちに伝わっていなかったらしく驚いていました。
 多分Mちに伝えていない設定が沢山出てくると思いますが彼には頑張ってもらいましょう。

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