板橋先輩は生き抜きたい 作:キンダ三
やっぱ作家で飯食えている人スゲェわ
不動高校には七不思議が存在する。ざっと挙げると、
開かずの生物室
手首の這い回る印刷室
血に染まる井戸
等といった具合であり、特段珍しいものではない。俺の前世の高校でもトイレの花子&太郎さんや赤と青のちゃんちゃんことかあったしな。でも、一つだけ他の学校とは違う点がある。それは七つ全て知ると【放課後の魔術師】なる存在に殺されるというものだ。だから誰も七つ全て知る者はいない。
「...という物なんだけど金田一君、ここまで何か質問ある?」
急に話を振られて焦っている金田一とあからさまに存在を無視された七瀬さんを尻目に俺はやっぱりこの展開になるのかと一人頭を抱えた。この事件を発生させない最短ルートは桜樹が七不思議に興味を持たさないことだ。何故なら、桜樹が七不思議の何かに気づいた瞬間から歯車が動き出したといっても過言ではない。どうにか、阻止出来なかったものだろうか。
「謙遜することはないわ。貴方の価値は私が一番良く知ってるもの。あの金田一耕助の孫でIQ180の天才、金田一一君」
その天災さんの宿題のせいで阻止する時間が出来なかったんですけどもね。
「でも,危険じゃないか?これで君達にもしもの事があったら...私は...私は...」
あんたのネチネチ説教がもう少し短かったら阻止できたかもね。
「そうおっしゃてますけどただ自分への責任が怖いだけなのでは?まぁ安心してください。この僕がいればこのようなもの小説のネタにもなりませんよ」
ミスターオウンゴールこと真壁がイキリ発言をするも、誰も答えない。なんなんだコイツ。
桜樹が校長宛に放課後の魔術師から脅迫状をもらった説明をちょうど終えたのか、真壁の発言が寒すぎたのか真相は分からないが本日のミス研は以上をもって終了した。
後、真壁は、鷹島さんに何か耳打ちしてた。多分くだらないことだと思う。セクハラはほどほどにしろ。
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「板橋君、私今日遅くなるからお母さんに連絡しておいて。後、先に帰ってもいいわよ」
「僕は君の指示が無ければ勝手に帰っちゃいけないのか」
みんなが帰って2人きりになった途端これである。どうやら記憶の中の板橋君こと俺は通学下校を一緒に行っていたようであり、このやり取りもごく自然だった。
「ちょっと調べたいことがあるの。あなたまで付き合わせてしまうと、ただでさえ低いあなたの成績が底を抜けてしまうわ。そんな残酷なことるい子出来ない...」
「真顔で言うな。後、僕の成績は君ほどではないけどそんな悪いものじゃない。精々、外国語がギリギリなだけだ」
というか君が亡くなるのは今夜じゃないか。原作の流れがおかしくなるかもしれないがここは現実だ。実際に目の前の幼なじみは呼吸して生きている。それだけでも助ける価値はあるだろう。
「まぁいいわ。私とご相伴になること許してあげる。精々、放課後の魔術師から守ってね」
「当たり前だ。たった一人の幼なじみだからな」
...ヤバッ 結構臭いセリフを吐いてしまった。まともに顔が見れない。これじゃあミスター失言王のことを笑えないじゃないか。
...あれ?いつもだったら何倍もの毒舌が返ってくるはずなんだけどおかしいな?ふと桜樹の方を向くと、当の本人はキョトンとした顔を浮かべて
「驚いた、あなたまだそんなこと言えたのね」
「まぁ放課後の魔術師とやらはともかく夜道は危険だからな。おばさんにも頼まれているし」
何とかバックアップ出来た。桜樹も納得してくれたみたいだし、あのセリフは忘れてくれるだろう。ふ~誤魔化せた。
こうして一人と一匹はミステリー研究会の部室に戻り調べものを再開させた。一匹の耳が赤かったことを知るのは一人だけである。
放課後の魔術師「コイツらイチャイチャしやがって早く帰れよ。」