板橋先輩は生き抜きたい 作:キンダ三
前回の裏設定で立花さんは懐中電灯に照らされた放課後の魔術師の姿を見て怯んで取り押さえられなかったというものがあります。そりゃあんなトラウマ製造機が目の前に駆けて来たら誰でもビビるよな。しゃーない。
注:桜樹るい子にある設定を追加しました。もしかしたら今後も追加するかもしれないので桜樹ファンや金田一少年の事件簿ファンは二次創作ということでお許しください。
「あたし、自分の名前キライ!」
なんだ?何を見ている?
「るい子なんておばあちゃんみたいだもん。みんなにもそれで笑われて...グスッ」
俺...違う【僕】の前で女の子が泣いている。この時、僕は確か............
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「おお!目が覚めたか!」
目を覚ますと知らないオッサンに顔を覗き込まれていました。やっぱり俺は死んだのか。ここは地獄の一丁目と逃避に走ろうとしたが、瞬間、脳裏には首を絞められていた彼女の姿があって...
「あの!!僕と一緒にいた女の子は、桜樹は無事ですか!!」
それを聞いたオッサンは気まずそうに頭をポリポリと搔きながら
「その事なんだが少々厄介なことになってな。まぁ起きたばかりなんだ。もう少し休んで...」
「桜樹に何かあったんですか?教えてくだs...イテッ!」
頭がズキズキする。ふと頭を触ると細い帯状の物が頭に巻き付いていた。これは包帯か?包帯を頭に巻いた経験なんて前世含めて無いから分からない。それとここは病室?
「言わんこっちゃない。取り敢えず君の両親に起きたことを連絡するから失礼するよ。話は君の両親を交えてゆっくりとな」
オッサンはそう言いながら病室を出ていった。というかこの人、捜査一課の剣持のオッサンじゃん!!なんで捜査一課の警部がここにいるの?
その後、剣持警部から起きたことを知らされてやって来た医者に簡易な検査を受け(聞けば丸2日寝てたらしい)、両親&桜樹両親と顔を会わせた。両親はともかく桜樹両親には会わす顔がなかったが俺が目覚めたことを我が子のように喜んでくれた。そこに剣持警部が戻ってきて桜樹に対する病態と捜査の進捗を聞くことになった。
どうやらあの夜、立花さんは地震が発生した後、俺が戻ってこなかったため何か事故でもあったのではないかとわざわざ探しにきてくれたそうなのだ。もう足を向けて寝られない。神様、仏様、立花様だ。そうしているなかあの現場に立ち会ったという。
剣持警部曰く、かの怪人はそう遠くへは逃げられないだろうと笑って空気を和ませてくれたがアイツはそう簡単に捕まりはしないだろう。それよりも問題は次の話だ。
「桜樹るい子さんは意識不明の重態だ。命に別状はないがいつ目を覚ますか医者も分からないそうだ」
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俺はそれから数日経って退院した。復帰初日、周囲の反応は様々だった。「見直した」「召し使いの意地を通したな」「怪我の具合は大丈夫?」「るい子は目を覚ましたの?」「これも放課後の魔術師の呪いなのか?」「桜樹に人工呼吸したってことはさ......どうだった?」...最後のバカは女子達から袋叩きにされていた。いいぞもっとやれ。それよりも俺はオッサンから聞いたある情報を思い返していた。
「あの夜、不動高校校内にいた人間はお前達2人と警備員の立花を覗けば、ミステリー研究会の全メンバーと顧問の的場、そして不動高校二年 金田一一と七瀬美雪の7名だ。まぁ俺は外部の線が濃厚だと思っているんだがな」
剣持警部はそう言っていたが、普通に内部の人間だろう。道端ではなく旧校舎で襲われたし、そうなると顔見知りの犯行という線に繋がる訳だが...イヤだな身内を疑うの。
ちなみに傷害事件なのに剣持警部がいるのは容疑者の中に金田一がいたからと桜樹の重態の結果で傷害が殺人になる【かも】だかららしい。それで良いのか捜査一課?
昼休憩の始まりを告げるチャイムと共に周囲の反応を躱し廊下に出て少しすると金田一と七瀬さんに出会った。普通に怪我について心配された。これぞ、主人公とヒロインの器だ。まぶしい。
何処にいくのか聞かれたので、世話になった所と言ったら着いてくるという。何でも俺の怪我の介助だそうだ。まばゆい。
ともあれ、まずは恩人にお礼を伝えるか。
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「この度は本当にありがとうございました。立花さんが来なかったら僕たち2人ともあの怪人に殺されていました。こちら両親からです」
「いや、受けとれんよ。キミが無事で本当に良かった。...彼女はまだ目を覚まさないのかい?」
立花さんの警備員室にお邪魔させてもらい、感謝を伝えた。その際、両親が持たせてくれた粗品を渡したのだが受け取りを拒否されてしまった。気を使わなくてもいいのに。
「板橋でいいです。はい、桜樹はいつ目を覚ますか先生でも分からないそうで」
「そうか...すまない板橋君。私がもう少し来るのが早ければ !」
マジかよ。この人警備員の鏡過ぎるだろ。こんなにも自分の仕事に熱心な人見たことない。隣の金田一達も尊敬の眼差しを向けているし、やっぱりこの人神様だな。
「あんまりご自身のことを攻めないで下さい。立花さんがいなかったら僕たちだけでなくここにいる金田一と七瀬さんも襲われていたかもしれません」
「そうですよ。私とはじめちゃんだってあの時校内にいて危険だったんですから。立花さんのお陰で犯人を、外へ追い出せたんですよ」
俺と七瀬さんがフォローしている中、金田一は一人難しい顔をして考え込んでいた。どうした?
「なぁ板橋先輩、先輩は本当に外部の人間の仕業だと思っているのか?」
あ、やっぱりそう思う?
「はじめちゃんどうしたの?だって犯人は外に逃げたって板橋先輩と立花さんが証言してたでしょ?」
「でも実際に校舎の敷地外へ出ていった所を、見た人はいない。後、確か仮面、先輩、立花さん、犯人は仮面だけを着けていたんですか?」
「いや、仮面だけじゃない。胴体をすっぽり覆うほどのマントも身に付けていた。一瞬だが懐中電灯で照らしたのだから間違いない」
「やっぱりそうだ。そんな見た目の怪人が外に出たら通行人の誰かしらの記憶に残る。衣装を捨てたとしても現場周辺から発見されないのは変だ!」
おお、スゴい。生推理だ。でも、金田一だけに突き止めさせやしない。こっちも結構、腸煮えくり返っているんだよ。
「それじゃはじめちゃん...もしかして?」
「ああ、犯人はきっと俺達がいる新校舎に向かったんだ。そして、何食わぬ顔で俺達の前に現れた。仮面を脱いでね。つまり、あの時新校舎にいた人間が怪人❰放課後の魔術師❱だ。」
「必ず俺が突き止めて見せる。名探偵と言われた」
そこで金田一は言葉を溜めた。おそらくあの名言を口にするのだろう。ただ1つ訂正がある。突き止めるのはお前だけじゃない。俺もだ。
「ジッチャンの名にかけて‼️」
桜樹さんは意識不明にしておかないと金田一の存在意義を奪っちゃうので寝てもらいます。生きているんだからいいよね?板橋君。
取り敢えず、一番書きたいところは書けたのでこれから投稿ペースは緩やかになります。
P.S.金田一のトリックを文字にすると説明しづらい。助けて。