板橋先輩は生き抜きたい 作:キンダ三
後、魔術師さんは結構焦っています。可愛いね。可愛くねぇよ(豹変)
俺の公開(後悔)劇場は授業の担当教員が来るまで続いた。しかも遠野の野郎、人を変人扱いしやがって何が「ここに連絡するといい、腕の良い医者がいる」だ。余計なお世話だ。他のクラスメイトも「またか」と言いたげな視線を向けていた。普段の俺への扱いついて問いただしたい。本気で心配してくれたのはこれまた、美形で優しい【宗像さつき】さんだけだ。女神はここにおわすった。
「大丈夫?キズが開いたの?保健室行ける?一緒についていこうか?」
「大丈夫だ、宗像さん。ちょっと自分の要領の無さと周囲の反応に絶望してただけだ」
立花神と宗像女神がおわすなら不動高校もまだまだ捨てたもんじゃない。というかこの2柱は絶対に亡くしちゃいけない。この厄災高校が存続するための最後の防衛ラインなのだ。
「宗像さんは絶対に七不思議とか怪人とか古くからの伝承とかそういった危険な物に近づかないでね。神に何かあったら世界の損失だ」
「ええ!?神!?...えっと...その...う、うん気を付けるよ...」
なんか表情が固かったが気のせいだろう。一応、遠野にも忠告してやった。本人は何でも協力すると言ってくれたけど丁重に断った。下手に付き合わせてもし、次に襲われるのがコイツだったら目覚めが悪いからな。...協力って調査の協力だよな?おい、頭を見るな。大丈夫だって言ってるだろ。
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「よぉ~板橋。頭の具合はどうだい?まぁお前のような腰巾着があの、麗しき桜樹部長を守ることが出来たんだ。その事だけは感謝しておく。だがなもし、あの現場にいたのがお前じゃなくてこの真壁誠様だったなら放課後の魔術師なんて得意の武術で一捻り...............」
クラスメイトからの視線を乗り越え、放課後に金田一と七瀬さんと合流し、桜樹が七不思議の謎を解いたことを伝えて、手がかり&部員達への顔見せのためにミス研の部室に入室した瞬間にこれである。
この怪我の心配1割、桜樹を守った感謝1割、己の過信10割強を聞き流すのマジで面倒くさい。背後の2人も少ない会合なのにあしらい方をマスターしてやがる。というかお前、武術なんてからきしだろ。この前の体育の合同授業、散々だったじゃねーか。
「心配してくれてサンキュ。次に襲われたらお前のところに行くよ。それよりも七不思議の件だけど...これ以上深入りするのは止めないか?」
俺含めて2名が襲われたんだ。後は警察に任せてミス研はこの件から一旦、手を引いた方がいい。まぁ俺と金田一は引かないケド。...どうした?声が震えているぞ。笑えよ真壁。
「な、何を言う!!桜樹部長と1部員が襲われたんだぞ!ここで引くようじゃミステリー研究会の名折れ!!この副部長 真壁誠が放課後の魔術師を捕らえ、推理大賞以上の栄誉をこの手に!!」
ほぉ~カッコいいこと言うじゃん。声だけじゃなくて足も震えているのが玉に瑕だけど。てかミス研って副部長いたっけ?
「...副部長は決めて無いですけど、誰がやるってなったら板橋先輩でしょ。少なくとも真壁先輩よりは人望ありますし」
「ええ、僕もそう思いますよ。たまに桜樹先輩が板橋先輩に頼んで報告書等の作成を手伝わせていたことはこのビデオにしっかりと録画してます」
「...えっと、私はどっちでもいいです」
上から尾ノ上、佐木、鷹島さんだ。なんか消去法で選ばれた感がスゴい。ともかく犯人の見当がつかない俺から言えることは一つだ。
「七不思議を調査するのは止めておこう。また、いつ放課後の魔術師が現れるのか分からないし、奴さんは人を殺めることに躊躇いがないからな」
実体験を元にこれくらい脅かせば流石に調べないだろう。1人、絶対に納得していない奴いるけど、後で個別に念を押しておこう。もしかするとこの中に犯人がいるかもしれないが...頼むから誰も死なないでくれよ。
その後、立花さんと共に心配そうにやって来た的場先生に副部長に就任したことを告げたら首をかしげられた。そりゃそーだ。
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「ねぇ、はじめちゃん、どうして板橋先輩はみんなに内部の犯行が高いって言わなかったの?」
「さっき部室に入る前に俺と先輩の2人で話してたんだ。この場面で内部の仕業かもって話しになったら、みんな疑心暗鬼になって別のトラブルが発生するかもしれない。だから外部の犯行ってことにして七不思議から手を引かせてくれって先輩に頼んでおいたんだ」
今、俺達は学校を出てある場所に向かっている。先に部室を調査しようとしたんだが面会時間が限られているからな。先にそっちに行って用事を済ませてから部室に戻って剣持警部と共に調査しようと約束した。
「着いた。この病室だ。静かにしろよ、特に金田一」
何か物申したかったようだが流石に場を弁えたのだろう。背後から伝わる無言の圧力を無視し、常駐している婦警さんに挨拶しながら俺達は桜樹るい子と書かれた病室に入室した。
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「どうします、真壁先輩?やっぱり板橋副部長の言う通り七不思議から手を引きましょうか?あの後、どうやら個別でも言われたそうですし」
「うるさいぞ、尾ノ上!キサマは俺の指示に従っていればいいんだ!だいたい何ださっきの言い分は、誰があのパシリより人望が無いだって!?」
旧校舎の外で2人の男が揉めている。いや、1人が一方的に捲し立てているだけだ。もう1人はどこ吹く風で流している。その態度が更に怒りに燃料を注ぐ。
「キサマのような役立たず、俺の下につかせているだけで感謝するべきなんだ!!俺の推理大賞の名誉にすがり付いてきたくせに!!」
「へぇ~そんな風に僕の事見てたんですか。僕も初めは素直に尊敬してましたよ。...ところで話しは変わりますけどあの【ブレスレット殺人事件】本当にあなたが書いたんですか?」
尾ノ上がそういった瞬間、真壁の時が止まった。頭を支配していた熱がスッと冷めた。何故だ、何処から漏れた?いや、カマをかけているだけだ。そうに違いない。
「当たり前だ。アレは俺が1から執筆した傑作だ」
「そうですか。まぁアレぐらいの出来なら僕でも書けます。あのポスターもあんたのメッキも剥がれるのはそう掛からないでしょうね」
再沸騰に時間はかからなかった。気がつけば真壁は尾ノ上の顔面に一撃いれていた。殴られた尾ノ上は鼻血を流しながら不敵な笑みを浮かべて旧校舎に戻っていった。1人残った真壁は荒い息を吐きながら小さく呟いた。
「知られてはいけない。あの事は絶対に誰にも知られてはいけないんだ...」
殴った拳からは未だにジンジンと慣れていない痛みを脳内へ伝えていた。
真壁って初期の初期はこんな感じでしたっけ?解釈違いがあれば報告してください。
以前、板橋君は不動高校を『ミニチュア米花町』と呼称しましたがどこでなんの事件があって誰が亡くなったとか桜樹さん以外、思い出していません。彼の記憶は放課後の魔術師の振り向き姿で固定されているため今後も思い出すことはないでしょう。
でも、この学校が度々事件の舞台になることは金田一の存在からある程度、予想しているという体でお願いいたします。