異世界に転生したのでポイント交換でゆる〜く生きてく 作:レイサン
うう、全身土だらけだし全身が痛い。
ベッドって神だったんだなぁ。
『うむ、やっと目覚めおったか。妾は目が覚めても自力で移動出来ないのだ。お前も少しぐらい早起きを心がけるのじゃ。』
「そうは言っても寝不足がねぇ?睡眠の質が悪い分長く寝ないと疲れが取れないのよ。」
『まぁいい!とにかく早く人里を目指して動くのじゃ!』
「待った、今何か聞こえなかった?」
『何かって何じゃ?』
「人の声だよ。多分叫んでたんだと思う!」
『うむ、助ければ道案内ぐらいはしてくれそうじゃな。音の聞こえた方向へ進むのじゃ。』
「イエスボス!」
声の聞こえた方へ向かってみると、次第に聞こえる音が大きく、そして多くなっていった。
「あれだ!武装した人が武器を持ってない人を襲ってる!何で!?」
『ふん、妾が封印される前も争っておったが、まさか未だに戦争なんぞ続けておるのか?1対1なら熊より遥かに楽な相手じゃな。軽く捻ってやれ。』
「うおぉぉぉ!コンちゃんモード発動!必殺パンチをくらえぇぇぇ!」
「なっ、貴様何者だ…ぐおぁぁぁ!!」
鎧を着た兵士はどこか遠くへ吹っ飛んで行った。
「げ、流石にあの高さから落ちたら死んじゃうかな?」
『気にするでない、どうせ数十人は殺している悪人の一人じゃ。それに国の兵隊である以上はある程度死を覚悟して戦っている。』
「え、国の兵隊なの!?」
『うむ、あの羽の紋章はグリフという国の物で間違いないのじゃ。妾が封印される前はさほど大きな国では無かったがな。恐らく小国を潰して吸収を繰り返して生きながらえたのじゃろう。』
「それで、そのグリフの目的は?」
『さぁのぉ?妾とて封印中の国の事情など知るはずが無い。まぁ予想をするなら今まで通り小国を潰して取り込むつもりなのかも知れぬな。』
「なるほど?つまり人助けしようと思って後先考えずにどっかの国に喧嘩売っちゃったと言う事だね?」
『それはまあその通りじゃな。』
「やばぁ。死ぬやん私。」
『だが今の相手を倒した事でポイントも増えているのじゃろう?』
「うん、今ので1460ポイントだ。」
『とりあえず情報を集めねばなぁ。先程助けた小娘はお前を魔物だと思って逃げてしまったようじゃからの。』
「う、耳と尻尾のせいで誤解されちゃったか。」
『だが向こうからはまだ物音が聞こえるのぉ?どうやら向こうには大群がおるようじゃ。様子を見に行っても良いのでは無いか?』
「そうしよっか!助けられればポイントも溜まるしご飯とか服とか用意してもらえるかもしれないからね!」
そう思って音の方へ向かってみると、どうやら村を襲うグリフの国の兵隊と、それに対抗する別の兵隊がいた。
どうやら村を守ってくれているようだ。
「あっちの兵隊は龍の紋章?」
『龍の紋章はドラグの国の紋章じゃ。それにしても、グリフがドラグの国土内の村に襲撃を仕掛けるとはのぉ。本当に長い間眠ってしまっていたのだなぁ妾も。』
後で聞いたけど、ドラグは国土の広さだけなら最も大規模な国らしい。
それこそ、昔のグリフの国では喧嘩を売るような事は有り得なかったそう。
「とりあえずドラグの兵隊に加勢しようか!」
『それが懸命じゃろうな。』
「それじゃあ戦闘開始だね。」
『待つのじゃ。もう一つくらい戦闘向きのスキルを獲得しても良いのでは無いか?』
たしかにその通りだ。
ポイント販売スキルから
魔法弾 500ポイント
を購入しました
※ポイント残高が1000ポイントを下回りました
魔力を消費して魔法の砲弾を打ち出すスキル。
遠距離攻撃の手段があった方が安全だろう。
私の魔法攻撃力どの程度のものか知らないけど。
とにかく敵めがけてぶっぱなした!
着弾したら爆発してものすごい土煙が発生した。
あの土埃の中から登場したらカッコイイんじゃね?
「な、何だいまの爆発は!」
「まさかドラグ兵の攻撃か!」
「おい!土埃の中に誰かいるぞ!」
『おや?早速敵に見つかったようだな。』
「何か知らないけど無防備の人間を襲う悪い兵隊は私が倒す!覚悟しろ!」
「ドラグ兵どもめ、魔物を従えていたのか!」
「総攻撃を仕掛けろ!」
『阿呆かお前は!土煙の中からもう2〜3発撃ってから姿を出さんか!』
「大丈夫大丈夫!さっきので力加減は掴んでるから!それ、足を掴んでフルスイングだ!」
敵兵の一人を捕まえて足を掴み振り回す。
近くにいた敵兵をなぎ倒しつつ、振り回している兵士も遠心力に耐えきれず意識を失う。
最後に掴んでた兵士を後方の弓兵に叩きつければ、これだけで軽く20人はやっつけたぞ。
「まだまだ!魔法弾と狐火を同時発射で火炎弾だ!」
『ゴリ押しで属性魔法を使いおったか。やり方が滅茶苦茶じゃ。』
火炎弾は着弾と同時に炎が飛び散って広範囲にダメージを与えた。
木製の弓は焼けて灰になり、もはや後方部隊は機能停止状態だ。
「まずい!撤退だ!全軍撤退!」
「へん!おとといきやがれだ!」
『半分ぐらいは妾の力じゃ。威張る前にまず妾を褒めるのじゃ。』
「もちろんコンちゃんの力も凄かったよ!ありがとうコンちゃん!」
『うぅ?ここまで素直に褒められるとそれはそれで照れるのぅ。』
「あの、助けてもらえたのは感謝するが、魔物が何故人間に肩入れするんだ?」
「ん?ああ、ドラグの兵隊さんか。いやぁ肩入れしようって気は無いんだけどね?武器を持たない村人を襲うような連中はちょっとお灸を据えてやろうかと思ってさ。そうして恩を売ることで今夜の食事と寝床を確保するのが私の狙いだよ。」
『こやつめ…全部言いおった。』
「つまり、必ずしも我々の味方では無いって事だな?」
「もちろんそっちから危害を加えなければこっちも大人しくしてるつもりだよ。今のところはね?」
「というと?」
「さっき追い払ったグリフの国の兵隊だけどさ?もしグリフが私に上質な衣食住を継続的に提供するなら、もしかしたらアイツらの仲間になって君達を襲うかも?でも君達が先に色々提供してくれるなら、恩を仇で返すような事はしないよ。」
「なるほど、早い者勝ちって訳だ。」
「そゆこと〜。あと一応言っておくと、下手に放置すれば私は今より更に強くなるよ?味方に引き入れるなら今のうちだよ〜?」
「なるほど、確かにお前を放置するのは良くないだろうな。だが、流石に得体の知れない魔物をそのまま仲間に迎え入れるのは難しい。ひとまずは村を救った礼として一晩だけでも食事と寝床を提供してもらえないか相談はしておこう。」
「あざまーす!あと補足しとくけど私魔物じゃないんで。」
「魔物では無い?」
「コンちゃんモード解除!ほら、これが私の本来の姿。さっきのは私の中に封印されてる狐の能力を借りた姿だったんだ。」
「な、なるほど。魔物では無く魔人だったか。」
何か色々わかってないけど、とりあえず今日の夕飯と寝床は確保できそうって事だけはわかった。
そういえば、さっきの戦闘で手に入れたポイントはどのぐらいだったんだろうか?
現在の残りポイント数 2480
「うお!ほぼ2500ポイントまで増えてる!集団戦の方が稼げるのでは?」
『ポイント稼ぎのために狩られる方者達が気の毒じゃな。』
「よし!早速欲しかったスキル一つ買っとこう!」
ポイント販売スキルから
カロリー保存 800ポイント
を購入しました
「食事の際の余分なカロリーを異空間に保存して、空腹時や魔力不足の時に取り出したり、攻撃の時にパワーを上乗せしたりできるスキル!食べ放題やゲテモノ食いと合わせて今まで以上のパワーを発揮できるよ!何より嬉しいのは食べたいだけ食べても太らない!最高だね!」
『お前、意外と食いしん坊なんじゃな。』
「まぁね!」
『何故ドヤ顔なんじゃ…?』
そんなこんなで夕飯の時間になった。
「うおぉぉぉ!暖かいスープとパンだ!お肉もあるし魚もある!お水も綺麗だし野菜も洗ってあるから土の味がしない!これ全部私が食べていいんですか!?」
「勿論ですとも。私達は貴方に命を救われました。一人では食べきれないかもしれませんが、どうかお腹いっぱい食べてください。」
「絶妙な塩加減〜。うまうま〜。お残しなんて有り得ないよ〜。」
テーブルを埋め尽くす程の料理を、私は全部食べ尽くした。
正直に言えば、前世で食べた料理に比べれば大した物では無いけど、マトモなものを食べていなかったからこそ、今の私には家庭料理の優しい味が必要だったんだなと思った。
その後は村で使われていなかった空き家を借りて一晩眠った。
プライベートが守られてる状態で寝れるのは久しぶりなので、とっても気持ちよかったです。
「んっ…んんっ…あ〜〜…。」
『うむ、目が覚めたようじゃな。よく眠れたかの?』
「いやぁ、気持ちよすぎて中々寝れなかったよねぇ。」
『あぁ……まぁ……そういう日もあるよのう。妾もそういう日あるからのう。うむ。』
さて、一晩泊めてもらったので朝食もいただいたので、さっさと村を出ていった。
ポイント販売スキルから
飛翔術の使い手 1000ポイント
を購入しました
※ポイント残高が1000ポイントを下回りました
「うう、快適な移動のためとはいえ出費が痛いなぁ。まぁ昨日たんまり食べてカロリーが余ってるから、昼食の時間までは飛び続けることもできなくは無いでしょ。それに、所持スキル10個達成でスキルショップも上限解放されたからね!」
『それを買うためにも道中の魔物を倒しておいても良いかもしれぬなぁ。』
「商売と同時進行でできればもっとポイント集まるのになぁ。」
『そういえば、今は戦利品の買取は行われているのかのう?』
「戦利品の買取!?なにそれ!」
『人々の生活に害のある魔物を駆除し、その際に手にした素材や肉を買い取る店があるそうじゃ。まぁ当然ながら数百年前の話じゃからのう。そういった店が現代まで残っているとは限らないぞ。』
「いいじゃんそれ!戦闘と戦利品販売で同時にポイント稼げるじゃん!」
そう、ポイント交換のスキルには戦闘に勝利する以外にも、金を稼ぐ事でポイントを獲得する事も可能なのだ。
「ムフフフフ……稼ぐぞぉ〜……。」
『現代に残ってるとは限らないと言っておるのに…。』
適当に飛び回っていると、何やら城壁のような建物が見えてきた。
城壁?いや、中に街があるので城壁では無い。
街の真ん中に城があるから城下町だろう。
という事はどこかの国の首都か何かだろうか?
「ヘビの紋章?グリフやドラグとは違う国かな?」
『うむ、あれはジリスの紋章じゃな。ちなみにじゃが、グリフの紋章はグリフォン、ジリスの紋章はバジリスク、ドラグの紋章はドラゴンが由来じゃ。』
「へぇ〜。紋章と国名は動物由来でまとめられてるんだね。」
『まぁ大体の国はそうじゃな。いくつか例外もあるがの。で、ジリスの首都に向かうのか?』
「今の所はそのつもりだけど。」
『そうか……妾は気が進まないがのぉ。』
「え?何で?」
『実はな?ジリスはその昔、魔物と全面戦争を行ってな。ジリスの国は滅びかけたがあの国の周辺の魔物は死滅したのじゃ。』
「うわぁ……エッグイなぁ……。」
『まぁ要するにじゃ。少なくとも妾が封印される前の時点ではジリスは魔物に対して排他的な国だったという事じゃ。魔物に近い存在である魔人も拒絶されるかもしれんのぉ。』
「まぁ行けるっしょ!」
そんな軽い気持ちで向かったのだが。
「城下町に入る際は身分証を提示していただく必要がございます。」
「み、身分証?えっと、運転免許証…ってそんなもん持ってるわけないか。えぇ?持ってないよそんなのぉ。」
「今どきどんな村でも城下町に向かうなら身分証だけは持たせると思いますが?」
「ううぅぅぅ。」
「身分を証明できないのであればこちらで特別な入国審査を行います。」
「えぇぇ!!ダメダメ!それは無理ィ!!」
「何故です?」
「それはそのぉ…ええっとぉ…。」
「……あなたの入国を拒否します。」
「えぇぇぇ!!ちょっとぉ!困るってそれはぁ!ご飯食べてないし仕事探さないといけないのにぃぃぃ!」
案の定つまみ出された。
城下町なだけあってセキュリティには気を使っているらしい。
門を通過する必要のない田舎の街で仕事を探すしか無さそうだ。
『魔人がどうのこうのという以前の問題じゃったなぁ。まぁ当然と言えば当然じゃろう。』
「うーーーんどうしよう。空飛んでた感じだと近くに街もあるけど、働くにしたって流石に身分証無しじゃお店からも相手してもらえなそうだよ。」
『いっそ泥棒や殺し屋でも殺るかのぉ?』
「何言ってんの!?怖ァ!?」
『冗談じゃ。真に受けるでないわ。そういうのは最終手段じゃからな。』
「手段としてありえないわけでは無いのか…。」
『ハンター協会から直接依頼を受けられないなら、依頼を受けたハンターと交渉して報酬を山分けしてもらうのはどうかのう?』
「ハンター?何それ?」
『前に話した魔物狩りで生計を立てる職業じゃ。ハンター協会はその本部じゃな。そこから直接依頼を受けられないなら、協力する形で間接的に依頼を受けるしか有るまい。』
「でも、身分証無しで相手してくれる人いるかなぁ?」
『低ランクのハンターを狙っていい具合に言いくるめれば良いのじゃ。ブロンズランク帯のハンターなら警戒心が薄く騙しやすいし難しい仕事も受けない。妾の経験から導き出した正確な情報じゃ。』
「なるほど、でもそれだと収入が低そうだよ?」
『魔物退治をお前一人で受け終えばその分取り分も増えるじゃろう。それに、稼ぎ分と討伐分でポイントを荒稼ぎするのが目的なのだから食事代と宿代だけ確保出来れば問題ない。』
「うーん、それもそっか。よし!やってみよう!」
でも、いくら何でも私の話術で言いくるめられるかな?
流石にちょっと不安だ。
次回 私の強さがおかしいって強すぎって意味でしょ?