異世界に転生したのでポイント交換でゆる〜く生きてく   作:レイサン

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前半はユリカの知らないところで進んでいるお話です。
時系列的にはユリカがレッドサーペントを倒した2日後あたりの話です。


ユリカの知らない所で

ユリカ達が森の調査を終えて帰還した頃、各国が彼女の存在について、それぞれ対応を考えていた。

 

 

軍事国家グリフ

軍事基地

 

「なに!我が軍の調査兵団がドラグの兵団ごときに敗北しただと!どういう事だ説明しろ!」

 

「はっ!報告によると、ドラグの兵隊に兵士長クラスの戦士はいなかったそうです。しかし、途中で得体の知れない魔物を呼び出し反撃に出たため、止むを得ず撤退したとの事です!」

 

「ま、魔物だとぉ!?ドラグには魔物を使役する技術があると言うことか?」

 

「まだ可能性の段階ですが、魔人も受け入れるドラグであれば決して不可能では無いかと思われます!」

 

「うむ、そうだな。なるほど魔物の使役か。我が軍の兵力は無能な前国王のせいでガタ落ちだ。一気に兵力拡張を実現するための手段としては悪くないだろうな。」

 

「で、では次の攻撃目標は?」

 

「うむ、ドラグの国を最優先攻撃目標として問題ないだろう。兵を集めろ、戦争の準備を始めるのだ!」

 

「はっ!了解しました!」

 

「フッフッフッフッ……魔物の兵団か…。実現できるのなら大陸統一も夢では無いなぁ…!ハッハッハッハッハッ!」

 

 

軍事国家グリフ。

十数年前に軍隊が正式に国の支配権を得た国。

コンが封印された数百年前の時点では、軍事力で少しづつ他国を取り込んで国土を拡大していた。

 

今ではドラグやジリスと並ぶ有名な国に成長したが、本質は変わっておらず未だに戦争を行っては他国を吸収という流れを繰り返している。

前国王はこれ以上の国土拡大は管理が難しくなると判断し軍事力の拡大は避けていたが、軍隊がその考えを否定し、反乱の末に軍が国を動かすようになった。

 

貧しい国では無いのだが、裕福かと言われるとそうでも無い。

暮らしには困っていないが、贅沢ができるほど潤ってもいない。

取り込んだ国の資産を使って別の国を取り込んでいるので増えはしないが減りもしない。

まあだいたいそんな国だ。

 

しかし、まさかユリカでは無くドラグの国に目をつけるとは。

それもただの勘違いでだ。

グリフの国はユリカを完全にドラグの戦力として考えている。

そのため、自国の兵力として誘い込むという考えにはたどり着かなかったようだ。

この判断が後々どういう結果に繋がるのか、今はまだ誰にも分からない。

 

 

ドラグ王国

騎士団の会議室

 

「なんと、村を襲っていたのはグリフの調査兵団だったのか!奴らめ、ついに我らドラグ王国まで手中に収めようと言うのか!」

 

「しかし、送り込んだのが調査兵団という事は我々の兵力を図ることが目的だったのでしょうね。騎士団の中でも末端の者だけを送った判断は正解だったかもしれませんね。」

 

「いや、今回ばかりはそうとも限らんぞ。よりにもよってこのタイミングでイレギュラーが発生したからな。魔人の介入というイレギュラーが。」

 

「騎士団長殿の仰る通りですな。末端といえど我ら騎士団の団員である者達が敗走しかけるほどの劣勢を、たった一人でひっくり返す程の実力。流石に団長殿には及ばないでしょうが、下手をすれば同じ魔人である副団長殿に匹敵する戦力かもしれませんぞ?」

 

「ああ、今この場に彼女がいれば直接意見を聞けたのだろうが、残念ながら今は別件で席を外している。まぁ騎士団のメンバーであれば魔人を知らない者は一人もいないだろう。当然、その強さも理解している前提で話を進めさせてもらうぞ。」

 

「それで、今回加勢してくれた魔人の話をもう一度確認するとですね?本人曰く、"今のところは特定の組織に加担するつもりは無い"という趣旨の発言をしていたそうです。彼女を満足させるような何かを提供すれば相応に力を貸すとも言っていたとか。」

 

「うーむ、我々騎士団だけで判断するのは難しい議題ではあるが、騎士団長である私の意見としては、副団長に匹敵する可能性のある魔人を野放しにするのは我々の戦力増強のチャンスを逃すだけでなく、彼女が我々の敵に回るリスクもあるだろう。よって、味方として引き入れる方針に定めるべきだと俺は考えている。」

 

「団長殿の意見に反対する者はいるか?……誰もいないようだな。」

 

「では次の議題に移ろう。次の議題は…………」

 

 

ドラグ王国

約700年程続く長い歴史を持つ王国。

ここ数十年で魔人の住人が増加傾向にあり、現在では魔人が人口の約5%を占めている。

 

魔人には先天的な物と後天的な物があり、ユリカのように魔物を身に宿す魔人は後天的な物である。

対する先天的な魔人は、片親が人間でもう片方が魔物である場合に生まれてきた子供がそれに該当する。

 

ここ数十年でそ数が増えている魔人は先天的な魔人の方だ。

というのも、近年では魔物の中にも人間と意思疎通が可能な種とそうではない種が明確に区別できるほど研究が進み、その過程で魔物の人間の関係が異種間恋愛に発展するケースが増えたのだ。

 

そういった理由で現在ドラグ王国は魔人が多く暮らす国となっているが、これには色々な問題点もある。

 

まず一つは、ドラグ王国の国民の主に老人達が魔物に対して嫌悪感を持っている点だ。

これは、数十年前までジリス帝国の魔物の殲滅行為から逃れた魔物達が、ドラグ王国まで逃げてきたという過去があり、その時の記憶が忘れられない老人達が魔物嫌いになりやすいのだ。

 

他にも、魔物に対して排他的な姿勢を見せているジリス帝国との関係性の悪化等も考えられる。

そしてなにより、現在進行形で軍事国家グリフに変な誤解をされているのだ。

 

そのため、ドラグ王国の貴族の中には「魔人を国から追い出すべき」とする者も少なからず存在している。

そして、それを実際に発言できないのは「魔人の怒りをかえば反逆されるかもしれない」という恐怖心があるからだろう。

 

 

ジリス帝国

皇帝の部屋

 

「皇帝陛下、ご命令に従い情報を収集致しました。」

 

「ご苦労。それで、例の不審な入国希望者はやはり魔物だったのか?」

 

「いえ、厳密には魔人でした。それも、肉体に魔物を封印する後天的なタイプの魔人のようです。」

 

「なるほど?それで、何故入国しようとしていたのか、その理由は分かったのか?」

 

「いえ、尾行の際に聞き耳を立てていましたが、仕事を探しているという事以外にそれらしい情報は得られませんでした。」

 

「そうか。それで、私の元に帰ってきたという事は、何か重要な情報を得たのだろうな?」

 

「はい。監視対象の魔人「ユリカ」とその体内に封じられた魔物「コン」について、おおよその戦闘能力が判明しましたので、ご報告をと。」

 

「ほう?詳しく聞かせてもらおうか。」

 

「はい。尾行対象が何者かと接触していたので、そのもの達の情報含め調べるべきと判断し後をつけたところ、その人物達はブロンズランクの新人ハンターであるレド、ファミー、ラーソの三名であると判明しました。」

 

「なるほど、ハンターと接触したのか。確か仕事を探していると言っていたからな。恐らく報酬の山分けが狙いだろう?」

 

「流石です皇帝陛下。ではその際にユリカが撃退した魔物についてですが、まず先程のハンター三名と協力する事でフォレストウルフ三体を撃破しています。」

 

「フォレストウルフ三体か。お前に比べれば遥かに弱いだろうな。わざわざ報告に来たのだから、それだけという事は無いだろう?」

 

「はい。その前日に単独でギガントボアを撃退。そして注目すべきは、レッドサーペントを単身撃破に成功しているという点です。」

 

「な、何だと!?レッドサーペントと言えばゴールドランクハンターでやっと単身撃破が可能と言われる大型のモンスターではないか!」

 

「はい。はっきり言って私よりも強いでしょう。私の存在を察知されていなかった様子なので、感知系スキルは未所持の様ですが、会話の中ではまるで条件を満たせば望み通りのスキルを獲得できるかのような発言も聞き取れました。」

 

「となれば、再度尾行を行った際に感知系スキルで逆に存在がバレる可能性もあるか。少々甘く見ていたが、予想以上に面倒な相手だな。」

 

「それで、どういたしますか?対象を駆除しますか?」

 

「まあ待て。確かに放置はできないが、かと言って迂闊に手出しもできない。今以上に慎重かつ確実に情報収集を行い、その上で我々ジリス帝国の対応を決めなくてはならないだろう。引き続き頼めるか?」

 

「勿論です。では、再び調査へ向かいますので本日はこれで失礼いたします。」

 

「良い情報を期待しているぞ。」

 

 

ジリス帝国

コンが封印される前とは国の状態がかなり変わっている様子。

昔ほど魔物に敵対的では無くなった物の、新たな皇帝が警戒心の強い人物のため、入国審査等が以前より厳しくなった。

 

また、現代の皇帝は帝国軍と呼ばれる軍隊の他に、暗殺隊や隠密調査隊といった秘密の組織も従えている。

そのため、少しでも怪しい動きを見せた者は隠密調査隊によって秘密を全てをさらけ出され、皇帝が邪魔な存在と判断すれば暗殺隊によって処分される。

 

そして、ユリカの自由奔放な行動が、皇帝の目についてしまった。

幸いにも現状では様子見しかできないという判断のため、今すぐに危険が及ぶ事は無いが、今後は行動に気を使うべきだろう。

最も、当の本人はそんな事を知る由もないのだが。

 

 

ハンター協会 魔物素材解体屋

 

「いやぁ、レッドサーペントは肉も食えて皮も加工できるから販売すれば中々の値段になりますよ?それこそ討伐報酬と素材総額で合わせて1万コインは稼げますよ?ほぼ一人で倒したのに半分貰えれば十分って、流石に虫が良すぎる話じゃ無いですか?何か裏がありそうって言うかねぇ?」

 

「あ、肉はアイテムボックスに入れれば腐敗しないから売らずに食料として保存するつもり!だから売値は減ると思う!そこに討伐報酬合わせて7000コイン!そのうち3000コインは一人1000コインづつで山分けしてください!私はモンスターと戦うのと食材集めが本来の目的だったんで気にしないでください!」

 

もっと言うとモンスターを倒した時のポイントが一番の狙いだったし。

 

「そ、そういう事なら遠慮なく受け取るッスけど。あ、あとから返してって言われてもすぐには返せないッスよ?」

 

「大丈夫大丈夫!心配しないで!」

 

そんなこんなで、討伐報酬4000コインと素材販売額の3000コイン。

合わせて総額7000コイン、つまり7000ポイント稼いだということになる。

 

「フッフッフッ……これで現在の残りポイントは10400ポイント…!スキルが二つ三つ買えちゃうぞぉ〜!」

 

そういうわけなので、早速いくつかスキルを購入してみる。

 

ポイント販売スキルから

 

文字翻訳      500ポイント

魔力レーダー    500ポイント

早着替え      800ポイント

トレーニングモード 1000ポイント

メタルボディ    3000ポイント

 

を購入しました

 

文字翻訳は異世界の文字でも母国語と同じく読めるように早めに習得したかったスキル。

 

魔力レーダーは一定範囲内に接近した相手の魔力を感知して位置情報を把握できるスキル。

 

早着替えは装備品専用スペースに保管してある装備品と今使ってる装備品を瞬時に切り替えられるスキル。

 

トレーニングモードは自分に普段の数倍の重力負荷を与える代わりに発動中常に筋力が増加し続けるスキル。

 

メタルボディは1kg分の金属を消費して自分の体をその金属と同じ硬さにするスキル。

 

これぐらい揃えればモンスター退治の依頼ぐらいなら自分一人で受けられるでしょう。

さて、今回の報酬でいい加減このボロ布を卒業しないとね。

このままじゃ布の切れ目から見えてはいけない部分が見えてしまうかもしれない。

それに何日も着てるから匂いが…そうだお風呂入らないと!

身だしなみって大事だもんね!




よく考えると異世界に来てから一週間以上着替え無し風呂無しでほぼ野宿生活。
今まで誰も触れてこなかったけど、多分今のユリカはめっちゃ臭い。
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