東方増減記   作:例のアレ

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河童と烏天狗と天狗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、幻想郷に住む事になったからには家が必要だな

 

前に来た時に河童に何か言われた気がする

 

え~と、名前は・・・・にかわ?違うな・・・に、に、にわとり?これも違うが何となく惜しい気がするな

 

・・・・・・・・・・行ってみれば分かるだろ

 

よし!確か前は川に居たな。行ってみよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川に到着した訳だが・・・

 

見事なまでに誰も居ないな

 

あれ~~~?前に会ったのは此処の筈なんだけどな~

 

待てよ?洞窟とか言ってなかったっけ?

 

空から見た時に上流に洞窟があったけど、そこか?

 

ここにいても仕方ないし、向かうか

 

 

 

 

 

と、言う訳で

 

やって参りました、川の上流にある洞窟です

 

ご覧頂けますでしょうか?河童です

 

数人の河童たちが用途不明の機械の前で何やら議論しています

 

時折洞窟の中から爆発音のようなものも聞こえます

 

果たして河童たちは何をしているのか?

 

どんどんレポートしていこうと思います

 

それでは一度スタジオに戻しま~す

 

って、スタジオってどこだよ!

 

・・・1人でやってても虚しいだけだな

 

あの青髪の河童を探そう

 

「ちょっと訊きたい事があるんだけど良いかな?」

 

手近な河童に声を掛けてみる

 

「はい?何でしょう?」

 

「ここに青い髪をした・・・に、にとろ?みたいな名前をした河童っている?」

 

名前がどうしても出てこない、だがこの名前もかなり惜しい様な気がする

 

100年も前の事だしなぁ・・・

 

「もしかして、にとりの事ですか?」

 

「そう!それ!にとり!やっとスッキリした」

 

にとりだよにとり

 

やっと思い出した

 

「にとりに何か用ですか?」

 

「随分前に家を建ててもらう約束をしててね」

 

「そうなんですか。じゃあ呼んできますので待っててください」

 

そう言って洞窟の中に走る河童の少女

 

しばらく待つと洞窟の中からにとりが出てくる

 

「お待たせ!久しぶりだね、お兄さん」

 

「久しぶり、って俺の事憶えてたのか?」

 

「角が生えてて一瞬分からなかったけど河童の科学を嫌わないでくれた人を忘れる筈ないよ」

 

河童の科学は嫌われてるのか?

 

この時代じゃ見ないものだからしょうがないか

 

「そうか。それで早速なんだけど、家建てて」

 

「お安い御用さ。場所は決まってるのかい?」

 

「いや全然。何処でも良いんだけど」

 

「分かった。じゃあ出来たら知らせるからお兄さんはその辺をぶらぶらしてなよ」

 

ぶらぶらか、お言葉に甘えようかな

 

「ん。それじゃよろしく」

 

「また後でね~」

 

手を振るにとりに見送られて空に飛び立つ

 

さて、どこで時間を潰そうかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぃぃぃぃいいいやあああぁぁぁぁぁぁぁ」

 

「まぁぁぁぁああああてええぇぇぇぇぇぇ」

 

ドップラー効果を残しながら高速で飛ぶ黒い翼の天狗を追いかける俺

 

にとりの所から飛び立ってしばらく後、いきなり写真を撮られた

 

写真を撮る時は許可を取ってからだと教えられなかったのか?

 

仕方ない、俺が代表して躾をしてやろう

 

「た、助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「はっはっはっは、助けを呼んでも無駄だぁぁぁぁぁ!!」

 

何だろう?この気持ち。すごく楽しくなってきた

 

「何で追いかけるんですかぁぁぁぁ!?」

 

「自分の胸に訊いてみろぉぉぉぉ!!」

 

そろそろ追いかけっこも飽きてきたし能力で速度を上げて捕まえよう

 

黒い翼の天狗に一気に追いつき首根っこを掴む

 

「あやや!?な、何でいきなり速くなったんですか!?」

 

「秘密のパゥワー(発音良く)だ!!」

 

「も、もしかして能力ですか!?どんな能力なんですか!?」

 

なにやら手帳を取り出してメモしだす

 

何だコイツ?変な奴だな

 

「教えない!!」

 

軽くコケた。変な奴だけどノリは良いみたいだ

 

「何でですか!?」

 

「人に何も言わずに写真を撮るような奴に教える事など何も無い!!」

 

決まったな

 

自分でも惚れ惚れするくらいだ

 

「言ったじゃないですか!」

 

「は?・・・・・言ったか?」

 

「言いましたよ!清く正しい射命丸文ですって!」

 

うそーん、俺カッコわる!

 

いや、まだだ

 

「言ったからって許可を得てから写真を撮れ!」

 

「う、それは・・・すいませんでした。では改めて取材をさせてください」

 

「だが断る!」

 

おお!またコケた

 

「何なんですか!ちゃんとお願いしたじゃないですか!」

 

「いや、今のはただのノリ」

 

「・・・もう良いです。それで貴方の能力は何ですか?」

 

良いですとか言いながら取材とやらは続けるんだな

 

「ああ、俺の能力は「おーい!お兄さーん!」おや?」

 

そうか・・・河童が空を飛ぶか。もうそんな時代か・・・

 

「どうした、にとり」

 

「ご注文の家を建てたから見てくれない?」

 

「マジで?仕事が早すぎるな、すぐ行く。と言う訳で取材とやらはまた今度な」

 

空で待つにとりの所に飛び上がる

 

後ろから「そんな!酷いですよ!」とか聞こえた気がするけど無視しておこう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にとりに案内されたのは河童の洞窟からしばらく飛んだ山の中腹辺りだった

 

とにかく眺めが凄く良い

 

遠くの広がる森や麓の湖が見える、正に絶景だ

 

こんな場所があったんだな。千年以上もこの山に住んでたのに気付かなかった

 

家自体も広すぎず狭すぎずといった和風で平屋の一軒家で少なくても俺の建てた家より丈夫そうだ

 

「おお、中々良い家じゃないか」

 

「気に入った?」

 

「ああ、ありがとうな」

 

いやー、永く生きてきて初めてまともな自宅を手に入れた

 

紫が結界を張る準備を終えるまで何年掛かるか分からないけど、これなら不自由なく過ごせそうだ

 

「ところで、鬼には挨拶にいったの?」

 

「挨拶?何で?」

 

「この山を治めているのが鬼、その下に天狗や河童がいるんだ。だから鬼にこの山に住む許可を貰わないと面倒な事になるよ?」

 

いや、この山は元から俺のだし

 

挨拶するなら鬼の方じゃないか?

 

前に戦った鬼を喰った所為か俺の妖力は半端無く上がった。今ならどんな奴にも負ける気がしない

 

「大丈夫だって」

 

「う~ん・・・本当に大丈夫なの?お兄さんの事気に入ってるから死なないでね?」

 

心配性な河童だなぁ

 

「りょ~かいりょ~かい」

 

いざとなったら山ごと良い感じにしてやるから

 

どんな風にするかはご想像に任せます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「中に居る者よ!出て来い!!」

 

新居に住み始めてまだ3日経ってないというのに早くも来客のようだ

 

「出て来ぬ場合は家ごと消しとばすぞ!!」

 

穏やかじゃない物言いだな

 

家に何かしたら俺も黙ってないぞ?

 

とりあえず外に出てみるか

 

「何だよ、うるさいなぁ」

 

「な!貴様は!?」

 

玄関の戸を開けてみれば天狗が1人で驚いていた

 

顔を見て驚かれる天狗なんて心当たりないなぁ

 

「何故貴様がここにいる!?」

 

「いや、お前誰だよ」

 

「貴様!俺の顔を忘れたか!?」

 

忘れた?会った事がある?

 

・・・・・覚え無いな

 

「忘れたも何も初対面じゃないの?」

 

「き、き、き、貴様!!百年前に天満様の屋敷でお前に剣を避けられた天狗だ!!」

 

・・・・・ああ!天狗一の剣さん!

 

思い出したよ。懐かしいな

 

「そう言えばそんな奴いたね」

 

「ぬぐぐぐぐ!・・・・まぁ良い。今回はそのような用件で来たのでは無い。この家は貴様の物か?」

 

おや?堪えた。また真っ赤になると思ったのに

 

「確かにこれは俺の家だけど?」

 

「誰の許可を得て此処に住もうとしている」

 

「許可?此処に住むのに俺の許可以外に誰の許可は必要なんだ?此処は俺の山だぞ」

 

「言うに事欠いて貴様!此処が貴様の山だと!ふざけるな!!」

 

おやおや、結局真っ赤になったよ

 

もしかしてこの人の所為で天狗の顔は赤いなんて伝承が残ったのか?

 

「あんたもあの時天魔の所で聞いてたじゃないか。あの屋敷は俺が建てた。そしてあの屋敷は鬼や天狗が此処に住む前から建っていた。つまり、この山に最初に住んでいたのは俺って事だろ?」

 

「その様な戯言など・・・」

 

「何だったら鬼や天狗たちで俺に戦いを挑むか?因みに俺は妖怪だろうと鬼だろうと構わずに喰う妖怪だぞ?」

 

いや、構うけどね

 

アイツならともかく俺は人の形をしたのを喰う気は無いよ

 

「何・・・?妖怪を・・喰うのか?」

 

今度は顔が青くなった。忙しい奴だなホント、信号機じゃ無いんだから

 

「と、とにかく1度で良い、1度で良いからせめて天魔様の屋敷に行ってくれぬか?この通りだ」

 

天狗が浅く頭を下げる

 

何処と無く態度が柔らかくなった気がする

 

さすがに喰われたく無いって事かな

 

「仕方ない、1回だけだぞ」

 

面倒だけど天狗に玄関先を占領され続けられるよりかはマシだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、天魔の屋敷に着いたんだが・・・天魔は何処だ?

 

まあ良い、勝手知ったる元俺の家だ。適当に探してみよう

 

まず玄関・・・草履が脱ぎっぱなしになってる

 

次に居間・・・食器くらい片付けろよ

 

廊下・・・ちょっと汚れている、掃除も小まめに出来ないのか?

 

寝室・・・相変わらず障子が開けにくい。おいおい、布団は押入れに仕舞えよ

 

西側の部屋・・・ここも相変わらずの傾き具合だな。書庫にでもしてるのか本が散乱してる

 

東側の部屋・・・執務室か?丸めた紙が散らばってる

 

後はトイレか風呂か、さすがにそこは見に行けない

 

とりあえず、天魔が片付けられない奴だと判明した

 

折角家をあげたのに随分な扱いだ

 

・・・・・掃除でもしてるか

 

 

 

 

 

 

掃除を始めてから約1時間

 

天魔はどこかに出かけているのか家の中に居なかった

 

そろそろ屋敷内が輝きはじめるんじゃないか?というくらい磨きに磨いた

 

意外と掃除好きな俺だったりする

 

気配すら感じないのでトイレと風呂もちゃんとキレイにした

 

3回目の廊下の雑巾掛けをしようとしたら外から羽ばたく音が聞こえ玄関の戸が開く音がした

 

やっと帰って来たみたいだ、どれだけ待たせれば気が済むんだ?

 

「何者で・・・きゃーーーー!!」

 

誰かが居る気配でも感じたんだろう

 

大声をあげながら勢い良く部屋に入って来たが俺の顔をみた途端、悲鳴を上げた

 

何なんだよ!俺はそんなに怖がられる事したか!?

 

「きゃーーーーじゃねえ!何時間待たせる気だよ!」

 

「な、何で貴方が屋敷に居るんですか!?」

 

「建てたばかりの家に天狗が来て、頼むからお前に挨拶してくれって言うからわざわざ来たんだぞ?」

 

「それは詰まり最近山の中腹に出来た家は貴方のですか?」

 

「ああ、何で俺が自分の山に住む許可を貸してる奴に貰わなきゃいけないんだ?」

 

言ってたらイライラしてきた、平常心だ俺

 

キレないようにテンションを下げておこう

 

「は、はい。紫に話は聞いております。大丈夫です、鬼の方々には私から言っておきますので、そのまま住んで頂いて結構です」

 

それでも雰囲気を感じ取ったのか、少し怯んだ様子で答える

 

「頼むぞ?それと、屋敷の掃除くらい小まめにやれよ。散らかり過ぎだ」

 

「み、見たんですか!?」

 

「暇だったからな。ついでに掃除と片付けもしておいたぞ」

 

「女性の家に勝手に入るのはどうかと思うのですが・・・」

 

「だったら鍵くらい掛けて行け」

 

大体、俺の年齢の半分も生きてなさそうな奴、女性じゃなくて女の子にしか見えないって

 

とのかく、これでしばらくはのんびり出来そうだ

 

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