東方増減記   作:例のアレ

18 / 40
続・鬼との戦い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

口は災いの元なんて言葉がある

 

俺は今その言葉を痛感している

 

簡単に言うとだ

 

現在鬼の大群に囲まれている

 

何でこうなったかって?

 

射命丸の新聞の所為だ

 

書いている途中の新聞に載っていた俺の能力を鬼の1人が見た

 

そこに最近、所在が不明になっている鬼と同じ能力が載っている

 

何か関係が有るのでは?と思う連中が出て来る

 

天魔の話では100年前の俺には角が無かった

 

お前が何かしたんじゃないか!?なんて考えに辿り着く

 

俺、鬼に囲まれる

 

さて、どうしようか

 

さすがにこの数を相手にしたら俺は肉片に変えられる

 

まぁ、その前にアイツが出て来ると思うけど

 

「それで!?どうなんだい!?」

 

目の前にいる体操服の鬼が怒鳴る

 

俺の記憶が確かならこの鬼、随分前に一緒に宴会をした鬼だ

 

「だから、知らないものは知らないって言ってるだろ?」

 

「嘘を吐くな!ならその角はどうしたんだい!?」

 

「生えて来たって言ってるだろ」

 

どうにも話が平行線だ、このままじゃ埒が明かない

 

「百歩譲って俺が何かしたとして、その後どうする気だ?」

 

「決まってるだろ?私と戦ってもらう」

 

決まってるのか?・・・決まってるんだろうなぁ

 

「だからって、その人数で来るのは卑怯だろ」

 

「勘違いするんじゃないよ!私たち鬼は嘘と卑怯な事は大嫌いなんだ!私1人で戦るさ!」

 

何だ、だったらまだ何とかなる

 

一斉に来られたら大変な事になるところだった

 

まぁ、1対1でやるのも面倒なんだけど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、言う訳で

 

俺は今、体操服の鬼と対峙している

 

あれ?おかしくない?

 

俺が何かした犯人なら戦うって話じゃ無かったの?

 

それに何時の間に来たのか紫がこっちを見ながらニヤニヤしてるし、後で厳重注意だな

 

「私が勝ったら洗いざらい吐いてもらうからな!」

 

つまり、犯人だろうが犯人じゃ無かろうが戦うって事ね

 

・・・・・・面倒臭い

 

「・・・じゃぁ、俺が勝ったらどうなるのさ?」

 

「その時は今後一切、アンタに犯人かどうか訊かないさ」

 

何だろう?確かに俺がある意味犯人ではあるんだけど・・・納得いかない

 

鬼ってのはどうして何でも戦いたがるんだ?

 

もっとこう話し合いとか平和的で面倒じゃない方法とか考え付かないもんかねぇ

 

「さぁ、行くよ!!」

 

大体、鬼ってのは血の気が多すぎるんだよ

 

只でさえ面倒・・・おっとぉ!?

 

体操服の鬼・・・もう鬼だけで良いや

 

とにかく、鬼の拳が迫ってきたのを咄嗟にしゃがむ事で避けた

 

危ない危ない、鬼相手に考え事してると危険だな

 

あまり速くなくて助かったけど、集中しないと

 

「ほらほら、どうした!?避けてるだけじゃ勝てないよ!」

 

次々に繰り出される拳や蹴りを避ける、避ける、避ける

 

うん、避けるだけなら問題ない

 

只、流れる様な動きで連続的に攻撃をしてくる所為で反撃できない

 

しょうがない、このままじゃ埒が明かないし能力で鬼の攻撃の威力を減らして無理矢理反撃しよう

 

よし、この蹴りの威力を減らして・・・今だ!

 

 

ゴキィ!

 

 

「何だい?妙な感触だねぇ」

 

・・・嘘だろ?威力を減らした筈なのに鬼の足が俺の脇にめり込んでいる

 

やばい、肋骨が2、3本折れた

 

多分だけどこの感じ、肺に刺さってる

 

口の中に血の味を感じる

 

「アンタ、何かしたのかい?」

 

今声を掛けるな、痛みで死にそうだ

 

息が出来ないし、意識が若干朦朧としてる

 

「けど、無駄だったね。私は力の勇儀、何をしようとも私の攻撃は揺るがない」

 

慢心してた

 

俺の能力に絶対は無い

 

とりあえず、能力で痛みと出血を減らす

 

0に出来ないのが文字通り痛い

 

「さぁ、どんどんいくよ!!」

 

やばいやばいやばい!

 

このまま死んだらアイツが出て来る、それだけは避けないと

 

山の鬼や妖怪が全滅するかもしれない

 

いや、別に全滅しても良い気がする・・・って、良くは無いだろ!

 

出血のショックか何かでおかしくなってるみたいだ

 

ん?何だ?鬼の動きがゆっくりに見える

 

脳内麻薬か何かが異常なまでに出てるのか?

 

けど今は好都合だ、妖力の弾を放って能力で増やす

 

近付かれたら終わりだ

 

「何だい?こんなも・・・!!」

 

良し、怯んだ

 

行き成り弾が増えれば驚いて当然だ

 

このまま距離を取っておけば最低限、死なずに済む

 

その間に何とかまともに動けるくらいに回復を・・・

 

 

コンッ

 

 

そんな事を考えていたら後ろから弱い衝撃が来た

 

思わず振り返ると数匹のぬるぬるしたナメクジの様な妖怪が石を投げつけて来ていた

 

この前助けた少女を襲っていた妖怪だ

 

俺はすぐに視線を戻した

 

しかし、ほんの少しとは言え気を逸らしてしまったのはマズかった、致命的と言って良い

 

目の前には鬼と鬼の拳

 

能力を使って軽減する間もなく俺は殴られて意識を手放した

 

薄れていく意識の中で頭が吹き飛ばなくて良かったなんて考えている俺がいたりいなかったり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうした?まさかこれで終わりなんて言わないだろうね!」

 

挑発の言葉を掛けながら様子を見る

 

しかし、あの妖怪はぴくりとも動かなくなってしまった

 

まさか本当にこれで終わりかい?呆気なさすぎるだろう

 

加減をし忘れたけど多分死んじゃいないだろうね?

 

とりあえず確認だけでもしておくか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グロァァァァァァァァァァァァ!!」

 

あー、出てきちゃったかー

 

こうなったら俺でも止められないし

 

多分また見てるだけなんだろうなぁ

 

「な、何だい!これは!」

 

まぁ、驚くよねぇ

 

いきなりこんなのが出て来れば・・・・・2回目だからか?やけに落ち着いてるな

 

多分、こんな事になればどうにか身体の制御を取り戻せないか必死になると思うんだけどなぁ

 

・・・諦めたのか、俺?

 

「がはぁっ!!」

 

さっきの鬼がまるで玩具みたいに吹き飛ばされていく

 

まったく、嫌になるね。俺が負けた相手を軽く倒すとか、嫌味にしか見えないっての

 

ん?止めでも刺すのか?

 

ゆっくりと鬼に近付いていくけど・・・・・また喰う気か?

 

「やめなさい!それ以上やったら死んでしまうわ!!」

 

紫が前に出て止めようとしてるけど、その程度じゃコイツは止まらないと思うぞ?

 

「やめなさいと言ってるでしょう!!」

 

妖力の弾を飛ばしてくる

 

馬鹿!攻撃するな!

 

ほら見ろ!コイツの標的が紫に変わったじゃないか!

 

すぐに逃げろって!

 

「グルルルルルルルルルルルルル」

 

おい!お前も紫を喰う気になってるんじゃない!

 

「出来ればやりたくなかったけど・・・貴方が止まらないならしょうがないわね」

 

紫が片手をこっちに向けてくる

 

多分、お得意の境界を使って何かする気なんだろう

 

なんて考えてたら視界がぶれた

 

そして気がつくと紫の片手を喰い千切っていた

 

「きゃああああああああああああ!!」

 

痛そうな悲鳴を上げる紫

 

見れば肘から先が無くなっている

 

って言うか、紫不味いなぁ

 

こんな時になんだけど、栓を開けてそのまま2,3週間放置したワインみたいな味がする

 

しかしながら、さすが大妖怪だ

 

これだけでコイツは満足したらしい

 

段々意識が無くなってくる

 

目を覚ました時に紫になんて説明しようか考えながら俺は手放した

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。