「・・・・・ん?」
目を覚ますと見慣れた天井が見えた
「・・・俺の家?」
確か・・・アイツが出て来て・・・紫の腕を喰って、それから・・・
「何で俺の家に?ご丁寧に布団まで敷いてくれちゃって」
一体誰が?
まぁ、とにかく目も覚めた事だし
水でも飲みに行こう
「おや?目が覚めましたか」
何で此処に九尾の狐がいるんだ?
「確か・・・藍だったか?何で此処に?」
「紫様が傷を癒しておられるので、代わりに私が貴方の看病をしてたんですよ」
看病・・・ねぇ
代わりって何だ?
傷が無ければあいつが看病してたみたいな言い方だな
っと、そんな事より
「あれからどうなった?」
「鬼の大半が貴方を恐れてました。『妖怪を喰う妖怪なんて始末しろ』なんて事も言ってましたし、当事者2人のとりなしがなければ殺されてましたよ」
「当事者?」
「はい、紫様と貴方が倒した鬼・・・勇儀と言うんですけど、彼女が起きた後に『勝負は勝負、完膚なきまでに負けた相手を気絶中に殺すなんて卑怯な真似出来る訳無い』と、言ってました」
成程ねぇ
流石、嘘と卑怯を嫌う鬼だ。命拾いしたな、主に鬼達が
「それでも、今後鬼達に狙われるでしょうけどね。
それと、紫様が嘆いてましたよ『結界を張る準備が滞る』って」
ああ、結界を張る何て事も言ってたな
いや待て、不吉な事言わなかったか?
「後、『これは是非、責任を取って貰わないと』だそうですよ。災難ですねぇ?」
・・・何をさせられるんだろう
鬼たちの事も考えると逃げた方が良いか?
「『逃げたら地の果てまで追いかけるから、覚悟してなさい』とも言ってましたよ」
逃げ場無し・・・覚悟を決めるか
?、そう言えば
「お前は俺が怖くないのか?」
「怖かったら此処に居ませんよ。ある程度なら紫様の奇行で慣れてますし」
そうですか
「さ、そろそろお粥が出来上がりますので少し待っていてください」
「そうか、結婚してくれ」
何となく藍の労わりの心が嬉しくて言っちゃったよ
「浮気したら紫様に何をされるか分かりませんよ?大人しく待っていてくださいね」
笑いながら台所に向かっていく
うぬぅ、まず誤解を解くことから始めなければいけないのか
全然、本気じゃなかったけど
お粥を持って来てくれた藍は
「紫様の方の様子を見なければならないのでこれで失礼します」
と、言い残して帰っていった
とりあえず、紫の片腕を喰った事で何かしらの変化があるか調べてみることにしよう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱり
紫の能力の一部を使える様になっていたみたいだ
『境界を扱う程度の能力』
具体的に言うと紫が主に移動に使っているスキマを使える様になった
ただそれだけの話だ
あれ?これってかなり使えるんじゃね?
少なくても遠くの音を聞き取るよりも使えるな
試しに開いてみるか
・・・・・開かない
力の入れ具合か?
こうか?
これか?
それともこんな感じか?
こうだ!
これだ!
え~い、面倒だ
妖力、全☆開!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
マズいマズい、家が壊れる
う~ん・・・
もうちょっと、こう・・・繊細な感じで・・・・
お、開いた
紫のスキマに着いてるリボンの代わりに刃みたいな羽が着いている
中は紫みたいに目やら手やらが無い、代わりに灰色に染まってるな
とりあえず、お邪魔しま~す
・・・紫のスキマもそうだったけど、方向感覚が無くなるな
入り口はすぐに閉まる仕様なのか?
・・・出口はどっちにあるの?
あ、自分でつくるのか
え~、繊細な感じで・・・と
よし、できた
飛び込めぇ!
・・・・・・今回の教訓、スキマに不用意に飛び込んではいけません。目の前に地面がある可能性があります
地面に頭がめり込むの何て初めてだよ、マンガじゃ無いんだから
さて、ここはどこだ?
適当に繋いだからなぁ
見渡す限りの森としか分からない
何だか昔を思い出すねぇ
とりあえず、飛べば何か見えるだろう
いざ、飛び立とうと思ったら・・・何だ?あの黒い塊
こっちに近付いて来る
って言うか、飲み込まれた
何も見えねぇ
・・・・・?
何だか変な気配を感じる
カプッ
「いってぇ!!」
何だ!?何かに噛み付かれた!?
「ちょ!誰だ!俺に噛み付いてる奴は!?」
「うぅ~、美味しくない・・・」
「当たり前だ!美味くてたまるか!!」
叫んだ途端、辺りの黒い空間が晴れて辺りを見渡せるようになった
そこに居たのは黒い服をきた少女
しかも、俺の腕に噛み付いている
「おい、離せって」
「あれ?あなたは人間?」
「何処を如何見たら俺が人間に見える?」
「おかしいなー?人間の臭いがしたと思ったのに」
臭うか?
人間の時の名残にしたって、既に残って無いだろう?
「臭いはともかく、俺は妖怪だぞ?」
「そーなのかー」
「大体、あの黒いのはお前の能力なんじゃないのか?自分の能力なのに中で何も見えないんじゃ問題だろ」
「そーなのかー」
「・・・ちゃんと分かってるのか?」
「そーなのかー」
イラッ
「お前は「ねぇねぇ」あん?」
「あなたは誰?」
アホな子か
説教でもしてやろうかと思ったけど、意味が無さそうだ
「俺は灰刃、妖怪だ」
「わたしはルーミアだよ」
ここに居ても時間の無駄だな
さっさと帰ろう
「そうか、ルーミア。俺はもう帰るから、じゃあな」
「うん、バイバイ」
結局なんだったんだ?