気付いたら山の上に居ました
いや、別に頭がボケた訳じゃないんだよ?
ほんとに気付いたら此処にいたんだ
でも可笑しいんだよ、俺は確かに喰われた筈なんだよ
だけど気付いたら、あの時の森や草原が見下ろせる山の上に居て、俺の背中に翼が生えてるんだよ
髪も何だか灰色っぽくなってるし・・・
でも何だか見覚えのある翼でね?
俺の記憶が確かなら、この翼って俺を喰った奴の背中に生えてたのと同じなんだよ
髪と同じ灰色も見覚えあるしさぁ・・・
切れ味が良さそうな所も同じだしさぁ・・・
それってつまり・・・・・融合したとか?
いや、どちらかと言えば乗っ取った?
・・・・・とりあえず腹が減ったな
現実逃避しててもしょうがないし、何か食い物でも探そう
腹が減っては戦はできないもんなぁ・・・
俺、飛んでる!飛んでるよ!
山から下りようと歩いていたんだけど足を滑らせて崖から転落したんだ!
落ちた瞬間、全てを諦めようと思ったら急に頭の中に飛び方が閃いたんだ
本能に任せて翼を羽ばたかせたら見事に空へ舞い上がったんだよ!
しかし、これで確定した
俺はもう人間じゃ無い
多分、俺を喰ったアイツの身体と俺の身体が良い感じに混ざって変化したんだと思う
そうじゃなきゃ空なんか飛べる筈は無い
俺は初めての空に文字通り舞い上がっていた
だけど、冷静になって下に広がる大地を見てみると
・・・・・何も無い
正確には森や草原や山はある
だけど街や道路や車とか、人工の物が何一つ見当たらない
そんな事が有得るのか?
今のこの国で人工物が空から見えない場所なんて俺は知らない
「もしかして、異世界とか過去に来たとかそんな類の話?」
思わず声に出してしまったが現状に変わりは無い
相変わらず人工物は見えないし人なんか見える訳が無い
「どうしろって言うんだよ・・・」
とりあえず、こうしてても始まらない
俺は山に引き返し、そこの森で何か食い物を探す事にした
「おお!結構実ってるじゃないか!」
森に入って数分間、あっさりと食い物をみつけた
見たことも無い果物だったが、なんとなく食えると分かった
「多分、俺を喰った奴の知識なんだろうなぁ」
まぁ、あまり気にせずに果物にかぶりつく
「甘酸っぱい味だ」
中々に美味い
「来ちまった物はしょうがない、此処で暮らしていくか」
元々の暢気な性格が幸いしてか、元の世界に戻るのを早々に諦めた
きっと何時かどうにかなるさ