東方増減記   作:例のアレ

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かなりのオリジナルな設定が入ってます

ご注意ください


相談時々面倒

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気付くと俺は自分のスキマの中にいた

 

憶えているのは、神父らしき男と騎士らしき連中の残骸を喰い漁っているアイツの視点

 

調子に乗って油断するのは俺の悪いクセだな、改めないと

 

まあ、どっちにしろ、これで連中が屋敷に手を出す事は無くなるだろう

 

………軽く流そしそうになったけど、初めて人間を喰っちまった

 

正確には喰ったのはアイツだけど

 

もう胸を張って人間を名乗れない、初めから名乗らないけども。いや、人間を取り込んだからむしろ人間に近付いたのか?……どーでも良いか

 

むしろ、おっさんを喰ったという事の方が衝撃がでかいね

 

どうせなら、女性、贅沢を言うなら美女や美少女の方が良かった。って何言ってるんだ、俺は

 

まあ、唯一の救いは、喰った人間の中に能力持ちがいなかったって事だな

 

これ以上、能力が増えても持て余すだけだし

 

さて、回想はこれくらいにして、行き先を決めようか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、スキマから出てみた訳だけども

 

人……多くない?

 

え、何?戦でもしてるの?

 

好きだねぇ、人間は

 

それで?誰と誰の戦?

 

あれは……鉄砲隊?信長?

 

何だか見覚えがある甲冑を着てるし

 

え?待って、信長が火縄銃を使い出したのは確か………1570年頃?だったような、俺が屋敷を出発したのが1500年頃だった気がする

 

この空白の70年は何?

 

 

 

 

「どういう事だと思う?」

 

「久しぶりに顔を見せに来たと思ったら、第一声がそれかい?」

 

幻想郷の連中よりは頼りになるかな?って事で神奈子の所に相談に来てみた

 

諏訪子は出かけてるらしい

 

「とりあえず、詳しく事情を訊かせな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って訳なんだけど」

 

アイツの事を掻い摘んで説明した上で空白期間の事を尋ねてみた

 

「成程ねぇ。人間を喰っちまった訳かい」

 

「いやそっちじゃ無くてね?それに俺だって喰いたくて喰った訳じゃ無いんだよ?」

 

相談する相手を間違えたかな?

 

「つまり、あんたが負った傷をアイツとやらが妖力なり霊力なりを周りの何かを喰う事で補給してあんたの傷を癒しているんだろう。

今回は周りの何かがその人間で、人間だけじゃ力を補充し切れなくて眠る事で回復させた、って所じゃないかい」

 

おお!意外とそれっぽい事言ってる!

 

「…何だい?その顔は?」

 

「まさか、そんなにまともで真面目に返してくれるとは思わなくて」

 

「神の事を何だと思ってるんだい。まあ良いさ、飯くらい食べていくだろ?」

 

「ではお言葉に甘えて」

 

久しぶりに和食で、しかも俺がつくった飯じゃない!

 

上げ膳、最高だね

 

……飯に釣られて悩み?が吹き飛ぶなんて、子供か?

 

「ところでさぁ、社が増えてるけど、誰の?」

 

「………諏訪子が帰って来たら諏訪子に訊きな、私は一応止めたんだ」

 

成程、諏訪子が絡んでいるのか

 

俺には関係無いだろうから良いんだけどな

 

しかし、何だか嫌な予感がすのは何でだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方、神奈子と酒盛りをしていると玄関の戸が開く音が聞こえた

 

「ただいまー」

 

お?諏訪子が帰ってきたか

 

何年ぶりだろうな

 

「あれー?神奈子ー?お客さんー?」

 

相変わらずの間延びした独特の喋りだ

 

襖を開けて、でかい帽子をかぶった少女が入ってくる

 

「あー!灰刃!久しぶりー!」

 

「おー、諏訪子。相変わらず小さいなぁ」

 

「あはは!ほっといてよ!」

 

その後は諏訪子も加わっての宴会に突入、神社の夜は更けていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でね?その娘が可愛くてついつい」

 

「だからって、人間のしかも女と子供までつくる事は無いだろ」

 

「良いんだよ。神に性別云々なんて野暮なだけだよ」

 

「だからってなぁ……」

 

訊く所によると、諏訪子の奴、人間の女性との間に子供をつくったらしい

 

初めは熱心に祈る娘だなぁ、と思って見てただけらしいけど

 

段々と年を重ねて、それでも毎日お参りに来るその娘に興味が沸いてつい声を掛けてしまったそうな

 

で、気付くとその娘との子供が出来てしまった、と

 

しかも、神である事に気付かれているのにだ

 

「だから言っただろう。滅多な事をするなって」

 

神奈子は初めは反対したらしいけど、結局最後は折れたらしい

 

その娘も今では天寿を全うして、笑顔で逝ったと諏訪子は語った

 

「つまり、外の新しい社はその娘の奴か」

 

「違うよー。あれは灰刃を祀ってる社だよ」

 

は?俺は耳が悪くなったか?

 

「誰の社だって?」

 

「だから、灰刃の」

 

「何で?」

 

「昔、灰刃も拝まれてたから?」

 

「疑問系で言うな」

 

「良いじゃないか」

 

通りで神力が増えていた筈だよ

 

社を建てて誰かが祈れば、そりゃ神力も増えるさ

 

「因みにご利益は?」

 

「子宝祈願」

 

「俺自身に子供がいないのに!?」

 

「増やす事に関しては専門でしょ?」

 

「減らす事に関しても専門だよ!」

 

なんでこうも頭のネジが一本ぶっ飛んでるような思考するんだよ

 

あ~面倒になってきた

 

「もう好きにしろよ。俺は寝る」

 

お猪口に残っていた酒を飲み干してその場に横になる

 

明日になったら出発しよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、早々に別れを告げて旅を再開したんだが………

 

神社から程遠い森の中

 

瀕死の人間の夫婦を見つけた

 

山賊か妖怪にでも襲われたのか、旦那さんの方は既に亡くなっているようだ

 

奥さんの方も時間の問題だろう

 

この状態では、治療を施しても無駄に終わる

 

可哀想だけど、こればかりは仕方ない

 

せめて最後を看取ってやろうと近くまで歩み寄る

 

翼を隠す事無く近寄った所為か、少し反応をしたがとても弱々しいものだった

 

「お願い……します………私と…夫の亡骸を……捧げますので……この子だけは…お助け……ください………」

 

遺言だろうか?

 

見れば女性の腕の中には布に包まれた、生まれたばかりであろう赤ん坊が抱かれていた

 

「どうか……どうか…お願い…し…ます………」

 

余程、この子の事が大切なのか

 

片時もこちらから目を逸らさない

 

母は強しとはこの事かと、少し感心する

 

「俺は人間は喰わない妖怪だ。あんたの頼み、引き受けるよ」

 

「ああ…ありがとう……ござい……ます………」

 

女性から赤ん坊を受け取る

 

「この子の名前は?」

 

「……さくや…と…言います……どうか…健(すこ)やかに……………」

 

逝ったみたいだ……

 

頼まれたからには、責任もって一人前に育て上げよう

 

何、子育てなら過去に吸血鬼姉妹で経験済みだ

 

白銀の髪と少し変わっているが、変わっている度合いで言えば俺の方が遥かに変わっている

 

とりあえず、母乳の代わりになるものの確保から始めよう

 

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