天与呪縛【アリス】   作:[ゆーや]

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原作と変わらない会話や描写はカット多め、アリス視点なので夏油と五条の状況もカット多め。
自分の妄想を書き殴るんじゃなく、元に沿って書くのが滅茶苦茶難しい。
もしかしたら読みにくかったりするかも。


懐玉

任務から帰ってきたアリスが最初に聞いたのは夜蛾の声だ。怒鳴り声、とまではいかないが明らかに怒っている声色だった。今朝、硝子から連絡が取れない冥冥さんと歌姫先輩の救援任務に行くとメールが来ていたので、十中八九それ関係であろう。

おそらくは五条か夏油がいつものようにやらかしたのであろう。

 

「ただいま。先生、また五条か夏油がやらかしたの?」

「有栖か。悟が補助監督を置き去りにした挙句帳を下ろし忘れてな。後は見ての通りだ」

 

そう言って指さした先にあるのはテレビ。そこは丁度館で原因不明のガス爆発の事故が起きた〜などといったニュースが流れており、簡単に理解する。

 

「帳を忘れた上に相当な破壊、派手にやらかしたわね。それはそうと硝子、冥冥さんと歌姫先輩は大丈夫だった?」

「ん、元気そうだったよー。結界の中に閉じ込められていて本人達は30分しか経ってなかったらしいし」

「そう、それなら良かった」

 

そう話している横で五条が拳骨を落とされ沈んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜あ、有栖が居てくれたら帳忘れてても問題なく終わったんだけどな〜」

「仕方ないでしょう、今回の任務場所が遠かったのだから。私だってさっき帰ってきたばかりなのよ?」

 

それはそうだけどさ〜と愚痴を零す五条に言葉を返す。流石にアリスとて分身や瞬間移動が出来たりはしない。無理な事は無理なのだ。

 

「そもそもさー、帳ってそこまで必要か?別にパンピーに見られた所でどうでも良くね?呪霊も呪術も見えないんだし」

「ダメに決まっているだろう。呪霊の発生を抑制するのは、何より人々の心の平穏だ」

 

また始まった。五条と夏油のコレはもはやいつもの事だ。何故か五条のサングラスで遊んでいた硝子もそれを五条に戻し、距離を取っている。アリスも一応止める準備を始めた。

もはやお決まりの光景である。

 

 

「外で話そうか、悟」

「寂しんぼか?1人で行けよ」

 

「2人とも、メギドラオンを味わいたいのなら素直にそう言えばいいのよ?」

「「すみませんでした」」

 

まるで漫才のようなやり取りをしていると、扉を開けて夜蛾が入ってくる。

 

「4人揃っているな。と言っても用があるのは硝子以外の3人だが」

「という事は、任務の話?」

「ああ、そうだ。今回のことは天元様直々のご指名でな」

 

そう言う夜蛾の話にアリスと夏油は耳を傾ける。五条もやる気はなさそうにしているが、任務の説明ということで話は聞いているようだ。

 

「依頼は2つ、星漿体、天元様との適合者、その少女の護衛と抹消だ」

「ガキンチョの護衛と抹消?」

「そうだ」

「遂にボケたか」

「春だしねぇ、次期学長ということで、浮かれてるのさ」

「貴方達が言うと冗談には聞こえないわよ」

「それは置いといて、天元様の術式の初期化ですか」

 

そう聞く夏油にそうだと返そうとする夜蛾だが、五条がなにそれ?と聞いてきたことで黙る。夏油やアリスも黙った。硝子は自分には関係ないことだと聞いて既にどこかに行っていた。サボる気だろう。

何故五条家であるお前が知らないんだと言いたくなったが、五条だからと諦め説明を始める。

 

「天元様は不死の術式を持っているが、不老ではない。一定以上の老化を終えると肉体を作り替えようとする。人でなくなりより高次の存在となろうとする」

 

いいじゃん、かっくいー等とほざく五条に夏油や夜蛾は説明を続ける。何故かデジモンで例える五条に呆れるが、面倒臭くなったのかそのまま話を続けていた。

 

「その星漿体の少女の所在が漏れてしまった。今少女の命を狙っている2つの輩、呪詛師集団『Q』、盤星教『時の器の会』。天元様と星漿体の同化は2日後の満月。それまで少女を護衛し天元様の元まで送り届けるのだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあ、盤星教は非術師の集団だ。特段気にする必要は無い。警戒すべきはやはりQだろう」

「どうかしら、宗教というのは怖いわよ。最悪爆弾巻き付けて自爆特攻とかされない保証もないし」

「ま、大丈夫だろ。俺ら3人いたら無敵だし。だから天元様も俺達を指名したんだろ」

 

一人称の事でまた軽い言い争いをしている2人を傍目にアリスは場所を確認する。

星漿体の少女がいるのは目の前にあるビルの最上階少し下。特に問題なくたどり着けるだろう。

 

それは所謂フラグというものである。先程確認していた場所がドォン!という爆音と共に爆発した。

 

「「「あ」」」

 

「これでガキンチョ死んだら俺らのせい?」

「つまらない事言ってないの!とりあえず夏油、お願い!」

「了解」

 

「いやぁセーフセーフ」

「はあ、ほんとに危ない所だったわね…。五条、私も周り確認しながらあっちに急ぐから、そこにいる奴の相手はお願い」

「ほいほいっと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

周りに呪詛師が居ないことを確認し終えたアリスは星漿体の少女──天内理子の世話係のメイド?である黒井美里と廊下を歩いていた。

いや、黒井は夏油が出した呪霊の上に乗って移動しているので、歩いていると言っていいかは分からないが。

 

「助けて頂いてありがとうございます」

「いいのよ、これが私達の任務なのだから。それにお礼を言うならあの2人にしてあげて、今回私は戦った訳じゃないし」

 

しかし、エレベーターを降りた先で見たのは、そのお礼を言うべき2人が護衛対象である天内理子の手足を持って雑巾絞りのように捻っているところであった。

 

「お、おやめ下さい!」

「これは…お礼どころか文句を言うのが正しいわね…」

 

こちらに気付いたのか、天内理子を落としてこちらを見る2人。いや落とすな。

フギャッ、という声を上げて床にぶつかった彼女も気付いたのだろう、嬉しそうに黒井のことを呼ぶ。

 

「お嬢様、その方達は味方ですよ」

「味方なら普通はこんなことはしないのだけれどね。貴方達、何をやってるのよ」

「生意気なガキンチョへの躾だよし、つ、け」

 

そう答えるのは五条。因みに夏油は黒井にも前髪の方と言われていて少ししょげていた。

 

「でも、確かに元気ね。色々あるから、少し心配だったのだけれど」

「だろ?おセンチになってんだろうからどう気を使うのか考えてたのにな」

 

改めてアリスは少女を観察する。独特の喋り方をし、自分は天元様で天元様は自分なのじゃ!と誇っている彼女は確かにあまり気にしていないように見えたが、その後学校に行く!といった彼女は何の変哲もない年相応の少女に見えた。

 

 

「あ、学校に行く前に少し待って」

「どうしたのじゃ?というか、お主ほんとに護衛なのか?どうみても私より下にしかみえんのじゃ」

「ふふふ、見た目で人を判断しちゃ駄目よ?はい、テトラカーンとマカラカーンっと。もういいわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「傑。監視に出してる呪霊は?」

「ああ、冥さんみたいに視覚共有が出来ればいいんだがね」

「私も、サーチやアナライズが出来れば良かったんだけど、流石に無理ね」

「まあ、それでも異常があればすぐに…、悟、直ぐに理子ちゃんの所へ」

 

「3体、祓われた。有栖、向こうの方を頼むよ」

「わかった。終わったら直ぐに五条を追うわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お目当ての呪詛師は直ぐに見つかった。

というよりも女学院の中にいるのだ、その存在はとても目立つ。上から見れば一目瞭然だ。さっさと終わらして理子を保護している五条の元へ向かうとしよう。

 

「貴方、盤星教の差し金かしら」

「ケケケ、さあな。お前みたいなガキを護衛にするとは、高専もよほど人が足りてないと見える」

「ふぅん…?少し、情報を吐いてもらおうかしら」

「出来るようならしてみろや!死ねぇ!」

 

そういい飛びかかってくるが、それだけだ。アリスにとっては何の障害にもならない。むしろ手加減が必要だろう。情報を聞き出す必要もありそうな故、洗脳することにした。

 

『マリンカリン』

 

 

「つまり、天内理子に対して期限ありの懸賞金が設定されたと。貴方を含め、さっき襲撃してきたのは懸賞金目当ての野良の呪詛師なのね」

「はい、そうです。周りの奴らは知りませんが、このタイミングで襲ってきたならおそらくそうでしょう」

「なるほどね…。もういいわ、寝てなさい」

 

そう言ってサイを当てる。初級スキルとはいえ、アリスの魔の値から繰り出されるテクニカルは一瞬で意識を刈り取る。

情報は手に入った。学校の外に逃げているだろう五条を追いながら、電話をかける。

 

「もしもし、五条?少し面倒な状況になったわ。今どこにいる…って、いいわ、見つけた。派手にやり過ぎよ」

 

理子を片手に持ち、呪詛師を倒した五条に合流し、先程聞き出した情報を共有する。ついでに夏油にも電話をかける。

 

「もしもし、夏油、聞こえる?」

『ああ、聞こえている。それよりも、状況が変わった』

「夏油も知っているのね?五条、少し前に天内理子に対し懸賞金が設定されたわ。これからは懸賞金目当ての野良の呪詛師が襲ってくる」

 

電話を繋いだ夏油を含め3人で話し合う。こうなってしまえば学校など言っている場合ではない。今すぐ高専に戻り保護するべきであろう。

しかしそんな考えが纏まった時に、理子が震えた声で話しかけてくる。

 

「どうしよう、黒井が!黒井が…!」

 

その言葉と共に見せられた携帯の画面には縛られた黒井が映っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまない、私のミスだ」

「そうか?ミスってほどのミスでもないだろ」

「そうね、それに私だって、黒井さんにも防御を掛けておくべきだった」

 

「人質交換か天内を殺せか、どっちにしろ主導権は天内がいるこっちにある。取引の場さえ設けられれば俺たちでどうにでもなる。天内を高専に連れて行って、後は硝子辺りに影武者させればいいだろ」

 

「取引には妾も行く!助けられたとしても、私が天元様と同化するまでに黒井が帰ってこなかったら…。まだ、お別れも言ってないのに…」

 

「こう言われると、私には何も言えないわ。五条、どうする?」

 

「…もしあっちの頭が予想より回って、天内を連れていくことで黒井さんの生存率が下がるようなら、お前は置いていく」

「わかった。それでいい」

 

 

 

 

 

 

 

 




次はパパ黒戦書けるかな。
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