頑張って書いたけどもし気に入らなかったらその内加筆修正するかも?
「「めんそーれ!!!」」
「めんそーれって、観光側が言うものでは無い様な気がするのだけれど…」
護衛2日目。
青い海、白い雲、照りつける日差し。場所は沖縄。
特に何の問題もなく黒井を取り戻した4人は、そのままビーチに遊びに来ていた。
「海も綺麗だし、日差しも暑いけれど気持ち悪いものでもないわ。沖縄に来るのは初めてだけどいいものね。ハワイもこんな感じなのかしら」
「マジでいい場所だよな!ほら有栖も見ろよ!ナマコだぜナマコ!」
「キモッ!キモナマコ!アハハハッ!」
「キャッ!ナマコ投げてくるんじゃないわよ!それっ!」
やったなー!妾も混ぜるのじゃー!
海で遊ぶことを提案した五条と、歳の近い同性であるが故に親しみやすいアリスが理子と共にはしゃいでいる。彼らなりに天元との同化が近づいてきている理子への思いやりだろう。まあ、純粋に沖縄を楽しんでいる気持ちも存在するだろうが。
しかし、楽しい時間というのは早く過ぎ去ってしまうものである。
黒井と話していた夏油が立ち上がり、こちらへと歩いてくる。
「悟、時間だよ」
「あ?もうそんな時間か」
ただ、その言葉に表情が曇った理子を見たのだろう。
五条が帰るのは明日にしよう、と言い出した。
「だが…」
「天気も安定してんだろ。それに…」
それに?と聞き返すアリス。それに対し五条がキメ顔で答える。
「沖縄の方が、東京より
「もう少し真面目に話してくれ、悟」
「今度は何のアニメに影響されたのよ」
夏油がため息を吐かなかったのは奇跡だろう。
「フライト中に天内の賞金期限が切れたほうが良いっしょ」
「悟。昨日から術式を解いてないな、睡眠もだ」
「そうね、五条。今夜は私が担当するわ。貴方は寝なさい」
「問題ねーって、桃鉄99年やった時のほうがしんどかったわ」
「五条」
そう言って歩きだそうとした五条は、思ったよりも真剣な声が返ってきて振り返る。
「私を、いえ、私達を信用しなさい?最悪夏油に無理やり寝させるわよ」
「そうだね、私達を頼ってくれ」
「…わーったよ。お前ら2人がいれば安心だ。遠慮なく寝させてもらうよ」
「まあ、最悪奥の手もあるわ、安心してなさい」
「後はそうね、七海と灰原に今度何か奢って上げましょうか」
「いいね、悟の奢りで用意しよう」
「カヌー、2人乗りだから1人余りますね…。どうしましょう」
「じゃあ私が1人で乗るよ、そっちの4人で2組に別れるといい」
「一応天内は俺と一緒な」
「じゃあ私は黒井さんとね。前に乗っていい?」
「はい、構いませんよ」
「こういう花畑も、悪くないわねー。硝子と歌姫先輩に写真送ってあげましょう」
「確かに綺麗ではあるけど、そこまででもないだろ」
「悟はもっと感受性を磨いた方がいい。あの2人も喜んでるし、来てよかっただろう」
「お、お前!妾のラーメンに何するのじゃ!」
「いいじゃんいいじゃん、たぶん美味くなるって」
「じゃあ今度五条のラーメンにもしてあげるわね」
「俺が悪かったからそれはやめてくれ!」
「天内はどうした?」
「そこの水槽を見ているわよ。何か、感じるものでもあるのでしょう」
護衛3日目。
5人は無事に高専へと辿り着いた。
「皆、お疲れ様。高専の結界内だ」
「ふう、これで一安心じゃ」
「そうですね」
そういって汗を拭く。高専内であれば侵入者がいればアラートが鳴るし、周りに呪術師もいる。本来であればなんの問題もないことだったが、しかし確かにそれは緩みだった。
「悟と有栖もお疲れ」
「私は特に問題ないわ。五条は大丈夫?」
「はぁ…。二度と御免だ、ガキのお守りは」
そういって術式を解く五条。それに対し文句を言おうと理子が振り返る。
が、振り返った理子を含めた全員が見たのは、五条の腹から突き出る刃だった。首だけで後ろを振り返りその刃の持ち主を見た五条が震えた声で問いかける。
「あんた…どっかで会ったか…?」
「気にすんな、俺も苦手だ。男の名前覚えんのは」
高専結界内で襲われたという事実に一瞬固まるが、直ぐに気を取り直し3人ともが術式を使う。
地面から吹き出したエイガオンを下がって避けた侵入者を五条が蒼で空中に吸い寄せ、夏油のワームの様な呪霊で飲み込む。
「悟!」
「問題ない。術式は間に合わなかったけど内臓は避けたし、その後呪力で強化して刃をどこにも引かせなかった。ニットのセーターに安全ピン通したようなもんだよ。マジで問題ない。それより、天内優先!アイツの相手は、俺がやる」
「わかった。けど五条、一瞬だけ無限を解きなさい。…『ヒートライザ』。これでいいわ!行くわよ3人とも!」
「油断するなよ!悟。行きましょう!」
「は、はい!」
そういって走り出す。不意打ちで1発入ったとはいえ、それは不意打ちだからだ。五条が術式を使えば問題ないだろうと考え、先を急ぐ。
薨星宮への扉が近づいて来た所で、アリスは先頭を走る夏油に声をかける。高専内まで襲ってきたのだ。まだ何かあるかもしれない。
「夏油、もしかしたらまだ仲間がいるかもしれないから、私はこの周りを守るわ。2人の事をお願い」
「分かった。ここは任せるよ」
そう言ってアリスは残る。
先程から五条が居たあたりから大きな破壊音がしている。派手にやっているらしい。
しかし丁度意識をそっちに向けていたからか、空を埋め尽くすように飛び出してきた物にすぐ気付いた。
「あれは…蝿頭?陽動か撹乱か、どの道祓った方がいいわね」
考えを纏めた一瞬で既に広範囲に広がっている。一掃する為に高専全体まで範囲を広げ、いつものようにソレを使う。
『死んでくれる?』
こちらに歩いてきた人間に気付いたのは、それから数分後の事だ。
一瞬五条が来たのかと思ったが、その姿を見て改める。
「仲間がいるかと思って待機していたのだけれど、まさか貴方がくるなんて思っていなかったわ」
「あ?なんだ、まだ守りを固めてやがったのか。五条のやつは殺した。お前もさっさと殺して星漿体を殺しにいかせてもらう」
先程は持っていなかった短剣と刀を両手に持ち、体に鎖を巻いている。短剣に血が付着している事から、その呪具で五条の無限をどうにかしたのだろう。
ただ、その服は所々が破れ、手足からも少し血が流れている。
「その割には、結構苦戦したみたいじゃない?そんなんじゃ、私には勝てないわよ」
「ハッ、お前みたいガキすぐに殺して──」
「聞いた事くらいあるでしょう?」
「あ?」
「特級術師、節国有栖。呪詛師の相手はあまりしないけれど、そこそこ名は売れてるのだと思うけれど」
「まさか、テメェが…。じゃあさっき蝿頭が死んだのもお前がやったのか」
正体に気付いたのだろう。先程までとは違い呪具を構える。
既に星漿体は先に行っている、無視して先に進むことも考えたが、それを見越したように釘を刺してくる。
「一応生かして捕えるつもりだけど、もし私を無視して先に進んだりしたらその瞬間殺すわ。蝿頭のようになりたくなければ大人しく捕まりなさい」
嘘では無いのだろう。先程蝿頭が同時に消滅したのを見ている。確か呪詛師を呪殺した、という情報もあった。故に侵入者──伏黒甚爾は戦って正面から押し通ることを選んだ。
「ならお望み通り戦ってやるよ。死ね」
「貴方には無理よ」
先に動いたのはアリス。先程とは違い広範囲に攻撃するが、それが発動した時には既に避けられた後だ。それも目に負えない速度で避けられた。
「速いわね、『ヒートライザ』」
それに対抗する為に、先程五条に使ったまま枠にいれていたヒートライザを発動させる。そのままスキルを入れ替え、速度を重視して疾風スキルを広範囲にばら撒く。
しかし、どういう認識をしているのか的確に隙間を見極めて高速で移動、そのまま近づいてくる。
「おいおい!ビックリ箱かよ!」
「それを全部避ける貴方はビックリ人間ね!」
「まっ、死んどけや、ッ!?」
背後を取り、刀を振り下ろす。しかしそれはアリスの前で弾かれ、その反動で体が浮いた。
それを見逃すアリスではない。しかし今1発だけ攻撃を当てるよりも次に繋げたいと、その身体能力を優先して潰す。
『ランダマイザ』
急いで下がった相手も自分の体の様子に気付いたのだろう。何故か短剣を自分に軽く刺す。
その行動に首を傾げるが、特に変わった様子は無いのでスルーした。
「変わらねぇ…?何なんだ?それにさっきのやつ、お前も五条みたいに防御持ちかよ」
「言ったでしょう、貴方には無理だって。大人しく捕まりなさいっ!」
そう言ってまたマハガルダインを発動する。それは避けられるが、ランダマイザが効いているのだろう、明らかに先程よりも遅い。
先程からひっそりと流しているのもそろそろ効果が出てくるだろう。
だがその思考は相手が短剣で改めて自傷した事で打ち切られた。
「この眠気…さっきから聞こえる音によるもんか。そんなつまんねー事効くわけねーだろ」
「自傷で眠気を飛ばすのも中々の事だと思うけどね。それに、毎回それをしていたらダメージも溜まるでしょう?」
スリープソング、音であるが故に避けようがなく効くだろうと思って最初から使っていたが、まさか自傷で耐えられるとは思っていなかった。
しかしその分自傷でダメージを負っている。五条と戦った分も抜けていないだろう。このまま押し通す。
マハガルダインとマハエイガオンを交互に使い、道を潰し、少しずつ追い詰めていく。しかし自分が優位な時こそ油断は出るのだろう。
後ろで無効が発動し、咄嗟に振り向いてしまったのは無意識の緩みによるものか。そこで見たのは長い鎖と、それに繋がれた刀が物理無効に阻まれ落ちていくものだった。
「じゃあな、精々油断した自分を恨め」
振り向いた時に一瞬で距離を詰めていたのだろう。その声が聞こえた時には既に目の前にいて、その手の短剣を振りかざしている。
振り下ろされる。
そして、また、弾かれた。
「はっ?」
「その言葉、そのまま返すわ」
『真理の雷』
神の裁きが、落ちた。
「ガハッ!ゲホッゲホッ!おい、殺す気かよ…クソ、体が痺れて動けねぇ…」
「これでもかなり手加減したわよ。痺れさせるにはアレが1番確実だったの。後は一応、『サロメの口づけ』っとね。大人しくしてなさい」
感電して動けない所に、念の為更に追加。腕に赤い鎖、足に緑の鎖が巻き付き、その力と速度を封じる。
「化け物かよ…。最初の不意打ちで星漿体狙っておけば良かったか?」
「そうしたらダメージを反射して貴方が傷ついていたわよ」
「なんだよそれ、意味わからん。五条にそれが無くて助かったぜ」
「あ、五条のこと忘れてたわ。でも、起きてきたわね」
「は?俺はちゃんと殺したぞ。…まさか、反転術式か?」
「恐らくそうでしょう。今こちらに向かって来てるわ。流石に私と五条を相手にする気は無いでしょう?諦めなさい」
五条は1度寝た事とヒートライザの影響で原作よりかなり善戦した。
敗因は原作通りパパ黒の思考を読み違えたのと、死んでくれる?により蝿頭が同時に全て祓われたことにより情報量が一瞬バグって反応が遅れたこと、パパ黒が肩に乗せていた呪霊が死んでくれる?で一緒に祓われたから気配を読めなかったこと。
復活が速いのも寝たのとヒートライザによってダメージが原作より少なかったから。
サロメの口づけはペルソナQ、Q2より
次は壊玉編のエピローグみたいなのを少し書こうかな。