あらすじ ガンダムになった。
あれから数日、ニュースも新聞もあの等身大ガンダムについてばかりだった。
だろうねぇ、そうだろうよ。みんな同じ事考えるよ。
因みにBAN〇AIとサン〇イズはお昼から合同記者会見らしい。なんかマジで申し訳ない。
もう数日するとニュースの内容は変わり2つに増えた。1つはあのガンダムがなんなのかという内容に変わっていた。要するに中身の話だ。人が戦っているのか、ロボットなのか。人であれば何者なのか、ロボットであれば人が操っているのか、AI制御なのか。
分かってたけど、これ絶対見つかっちゃダメだな。人生終わりそう。
そして2つ目はあれから世界中でヒトツメが出現しなくなった事について。負けて帰って行ったのではないか、強化中ではないか等々色んな説が出たが答えが出る訳もなかった。
【4月1日 08:45 学校 HR教室】
あの戦いの後、俺は体を鍛える事を始めた。というのも、あの戦闘の次の日、全身筋肉痛でまともに動けなかったのだ。流石にヤバイと思い、ネットで調べた色んな方法を試し、自分に合うものを探し、今日まで続けている。
そんな訳で2年生になった。初日と いう事もあり今日は4時限で終わりだ。
?「安室、今年も1年宜しく頼むわ。」
勇生「おー、今年こそ生徒会長なりぃよ委員長。」
?「まだ委員長じゃ無いんじゃけど…まぁやるけど。」
彼は獅子白 乃亜(しししろ のあ)。1年の時、同じクラスでクラス委員長をしていた。1年の時の席替えで隣になり仲良くなった。
獅子白「なぁ安室。お前ガタイ良くなったな?」
勇生「気の所為じゃろ。変わっとらんよ。」
獅子白「ホンマか?」
勇生「何処が変わっとんよ。そりゃええんじゃけどさ、お兄さん、今日で半年かいねぇ?」
獅子白「…あぁ。」
獅子白には3つ上の兄がいるのだが、半年前に忽然と姿を消した。不思議なのはその同時期に世界各国で同じ様に行方不明者が出ていた事。総勢19人。その3ヶ月後にもまた19人行方不明者が出ている。
勇生「にしても1回会っただけじゃけどそういう風には見えんかったんよね…。」
獅子白「…家族の誰も気づいとらんかったよ。」
実は行方不明になっている38人全員に共通していることがあった。それは、
獅子白「…まさか兄さんが爆破テロしようとしとったなんて。」
全員何かしらの大きな破壊衝動を抱えていた事だ。
【09:00】
新しい教科書の配布やクラス委員決めに2時限目まで使い、もう2時限はアイスブレイクと担任の話で終わった。
【13:00】
4時間目が終わり、挨拶して担任の「寄り道せんと真っ直ぐ帰れよー」という台詞をガン無視で何処かで食べて帰ろうと思う。
獅子白「安室、何処かで食べて帰らん?」
勇生「ええけどあーた彼女は?放ったらかしでええん?」
獅子白「その彼女も同伴だが?」
?「お疲れ安室。」
勇生「おー、お疲れ屋島ってシロの後ろ立ったら見えまぁが。」
屋島 未来(やしま みく)。獅子白とは中学の頃から付き合い始めた幼なじみ兼彼女。なんか知らんけどクール。
勇生「のぉ、シロ。俺居らん方が良くない?」
屋島「気にしないで。勝手にイチャつく。安室は高校生カップルのイチャイチャと尊みが間近で見られる。眼福の筈。」
勇生「否定どころか肯定しかないけどさぁ…シロはええん?」
獅子白「あぁ。公共の場でイチャつけるチャンスだ。安室をだしに使っとって申し訳ないとは思うが。」
勇生「気にしんさんな。屋島の言う通りじゃけぇ。」
俺の趣味はガンダムや特撮だけでは無い。2次元3次元関係なくイチャつく男女カップルを眺める事だ。とても楽しい。血液はサラサラだし(多分)、記憶力は良くなってるし(分からんけど)、癌細胞は死滅してる(知らんけど)と思う。
勇生「で、どうするん?何処食べに行く?メッダ〇ナル?」
獅子白「マ〇クの事そうやって言う奴お前しか居らんだろうな。何処か行きたい所あるか、未来。」
屋島「それでいい。ポテトとナゲット食べさせあいたい。」
獅子白「決まりだな。行くか。」
今更だがこのカップル、学校では基本必要最低限しか喋らないのに昼飯と放課後はずっとこんな感じだ。マジで助かる。にしてもこの2人何処まで行ったんだろうか。イチャラブハードSMとかやってたりしないだろうか?そしたら俺がもっと助かる。
【14:04 本通り】
屋島「はいあーん♡」
獅子白「あーん。やっぱり食べさせ合うのは良いな。」
屋島「うん♡乃亜からも。」
獅子白「あぁ。あーん♡」
屋島「あーん♡」
おぉ神よ…どうして純愛はこうも尊いのですか…!
勇生「はぁ…乃亜未来ぶち尊い…」
獅子白「それは良かった。」
屋島「私達なら何時でも見せてあげるから。」
勇生「ありがとう。」
どうして俺はこうも友人には恵まれてるのか。
勇生「にしても思ったより空いとったね。」
獅子白「あぁ。存分にイチャつける。」
2階へ上がると自分達含め2グループしかいなかった。
屋島「そういえばさ、安室とこうして会って話す機会って結構あったけど、安室自信の話ってあんまり聞かんね。」
勇生「あー、そいやぁ屋島には話した事なかったね。聞きたい?」
屋島「聞きたい。」
獅子白「良いのか?中々辛そうな話だったが。」
屋島「え、そうなの?」
勇生「まぁ一般的には。じゃけどもう吹っ切れとるしね。話したら死ぬ訳でもないし。まぁ良え話じゃないけぇふーんぐらいで流して。」
ジュースを1口飲んで続ける。
勇生「先ず俺の父、安室 帝夢(あむろ ていむ)は海外赴任中で家に居らん。俺が3歳位だったかな?それぐらいから。月1で帰ってきよったけどね。中学過ぎてからは盆と正月に帰ってくるぐらいでね。結構デカい建設会社でさ、インフラ整備のプロジェクトマネージャーじゃけぇあんま帰ってこん訳よ。」
屋島「安室のお父さん凄いね。」
獅子白「あぁ。本当に立派な仕事をされている。」
勇生「じゃろ?まぁ俺としてはもうちょっと家に居って欲しいけど。まぁしょうがない。他の人より裕福な暮らしをさせてもらっとるし文句は言えんよ。んで母さんなんじゃけど、俺が3歳の時に行方不明になった。」
屋島「え…」
勇生「ほいで俺が小4の時に失踪宣告で死亡って事になっとる。」
屋島「そっか、ごめん。結構軽い気持ちで…」
勇生「気にしんさんなって。親父曰くどうせ不倫して逃げたんじゃろって。なんか色々母さんが大事にしとった物が無くなっとったんと。」
屋島「それはそれで腹立つね。」
勇生「じゃろ!?しかも俺の誕生日当日にプレゼント買ってくるって出ていきやがったんじゃけぇ。ま、要するに不倫相手と一緒になる為に邪魔な俺を置いて行ったっちゅう事よね。」
屋島「マジでヤバい奴じゃん!逆に離れて良かったんじゃない?」
勇生「ホントそう思う。」
獅子白「そういえば母親が居ない間どうしてたんだ?」
勇生「近くに爺ちゃん婆ちゃん家があったけぇそこに住んどった。もう死んでしもうたけど。俺が小5の時に爺ちゃん、小6の時に婆ちゃんが。生きる為に必要な事は2人から学んだ。」
屋島「なんか達観した所あるなって思ってたけどそういう事か。」
その後は普通に雑談してイチャラブ見せつけてもらったりと楽しく過ごした。
【15:38】
獅子白「ほいじゃあ俺等帰るわ。」
屋島「またね。」
勇生「おー、また明日。」
さてどうしようかな…メイト行くか。
【18:09】
メイトの魔術からはどうしても逃げられない。おかげで6時だ。夕飯の食材も買ってないというのに。その時だった。
キュリリリリリィィン!
という音が頭の中で響くと同時に、
勇生「来る!」
バッと空を見るとヒトツメ達が空から降りてきていた。けたたましく鳴り響く警報。人々が逃げる反対方向、ヒトツメ達が降りていく方へ走る。あれから何があっても良い様にGリアライザは常に持っていた。
勇生「また市街地戦かよ…文句言うてもしょうがないか。」周りに人が居ない事を確認し、右腕に装着したGリアライザのディスプレイをタッチ。機体をタッチし、手首の方へスライドさせるとSALLYという文字が表れる。
勇生「リアライズ!」
俺の体が白い光に包まれると、右手と足元から装甲が装着される。最後に顔を覆って変身完了する。
勇生「行くぞHi-ν!」
ツインアイが輝く。1度ジャンプしてからスラスターを吹かし空中へ飛び上がる。センサーに感知出来たのは70匹。
前回は海上に出たけど今回は市内で方を付ける。
前回の戦闘とヒトツメが出てこなかった間にした実験で大まかに分かったことは4つ。
①ビームライフルの射程は大体100m
②普通のヒトツメなら基本一撃でOK(ライフル、サーベル、バズーカ、ショートバレル、ガトリング、足裏スラスター)
③余程の威力がない限り貫くことは無い
④ビーム兵器やスラスターのアフターバーナーでアスファルトが溶ける(道路工事近くのボロボロになって路傍の石になっていたアスファルトで実験)
大体こんな感じだった。そこから思いついたのは、地上近くの敵はビームサーベル。飛んでいるやつは飛び道具。また余程の緊急性がない限り撃ちあげる事。空には当たる物がないからだ。
要するに敵の下に入り込んで空へ向かって撃つ。やっぱり街は壊したくない。身バレした時が怖すぎる。今までの損害額払えなんて言われてもとても払える金額ではない筈だ。
よし、早速。
勇生「ブレードオン!頼むぞ、フィンファンネル!」
ファンネルラックからビームサーベルを取り出しブレードと合体させる。フィンファンネル6機を操り空に浮いているヒトツメ達を下から攻撃させる。
勇生「行くぞ!」
急降下してヒトツメの後ろから一撃を加える。ジャンプしてからスラスターを吹かし、爆散するのを見ずに次のヒトツメへ斬り掛かる。
別のヒトツメから触手が伸びて来たのをジャンプして飛び乗り、飛び上がると同時にスラスターを吹かし少し高めに飛んで触手を伸ばしてきていたヒトツメを上からたたっ斬る。
そんな事を繰り返しながら地上に降りてきていた15匹を殲滅し、残るは空中となった。
ブレードとサーベルを片付けると腰にマウントしたビームライフルを右手に、Gリアライザから出現させたニュー・ハイパー・バズーカを左手に持ち、ジャンプしてからスラスターで飛び上がる。フィンファンネルで14匹墜とし、残り41匹になったヒトツメを撃滅していく。
ニュータイプになったお陰かヒトツメ達がどう動くかが手に取るように分かる。逆にヒトツメがどう攻撃しようとしているのかも。攻撃を当てるのも避けるのも全て自分の手中にあるみたい。色んな意味で怖いな、調子乗りそう。
そうやって思いながら残弾数残り1となったバズーカをヒトツメのビームを避けるフリをしながら砲門を上に向くようにビル屋上の柵に引っ掛かる様に投げる。
後ろでヒトツメ7匹が同時に2方向に溜めビームを撃とうとしているのを飛ばしていなかった残り6機のフィンファンネルを3機ずつでファンネルバリアを形成して防がせている間に別のヒトツメを撃ち落とす。
それと同時にフィンファンネル1機をヒトツメを煽る様に動かす。
振り向いて、ビームを防ぎきったフィンファンネルと一緒に7匹のヒトツメを撃ち抜く。
勇生「今だ!」
遠隔操作でビルの柵に引っ掛けていたバズーカを発射し煽って追いかけさせていたヒトツメを撃つ。置きバズで良いのか?
何はともあれ全匹殲滅完了!地上に降りて建物への被害を確認する。地上に降りた奴の攻撃位か。
キュリリリリリィィン!
とてつもなく大きな悪意と悪寒を感じ、直ぐさま上空へ飛び退く。大きな爆発音が下から響く。下を見るとさっきまで立っていた場所を抉る様にビルが破壊されていた。
勇生「一体、何が…」
?「チッ、避けられたか。ありがとよ、市街地で戦ってくれて。お陰でバレることなく降りてこられたぜ。」
ガシャンガシャンと聴き慣れた音と共に声がする方を見ると、
勇生「…マジかよ…」
ビルとビルの間から現れたのは、カメラアイやセンサー類はそのままに、装甲板は灰色一色。色は違えど見間違えることの無いそのシルエット。
勇生「ガンダム…」
RX-78だった。