モンスターと仲良くなろう!   作:ポケモンにわか

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プロローグ

 

 ―――()()()()()

 

 齢7歳にして、千歳凛(ちとせりん)は唐突に現実と夢幻の違いを認識した。

 

 

 

「きみたちは、なに?」

 

《 《 《………》 》 》

 

「ポケモンじゃ、なかったの?」

 

《 《 《……………》 》 》

 

「だって、小学校のともだちは、ポケモンはゲームだから、さわれないし、話してもくれないっていうんだ」

 

 

 

「こたえて――きみたちは、なに?」

 

 

 

 

「同級生ぃ?」

「そっ、一般家系からスカウトされた子でね。中学まではシン・陰流の一派が面倒見てたらしいよ」

「……それ、五条先生も最近知ったことなんですか?」

「いや、前から知ってたよ〜。ていうか、僕もちょくちょく教えに行ってたし」

 

 じゃあ何で今言ったんだよ、という言葉をぐっと飲み込む。

 

 理解しているのだ、伏黒は。五条悟(この男)は測れないというとこを。だから余計な口は出さない。これが長年迷惑をかけ続けられた伏黒のできる唯一の自己防衛である。

 

「恵も驚くと思うよ――ってことで入ってぇ〜」

「失礼します」

 

 まず、伏黒が注目したのは体格だった。入ってきた人物は、筋肉ゴリラで目つきの悪いドレッドヘアをした上半身裸の裸族―――ではなく、中性的な顔立ちをした小柄な少年だった。

 

「君が恵くん? あっ、自己紹介もまだなのに、名前で呼んじゃ無礼だよね! 僕は千歳凛です。静岡から来ました、趣味はゲームとスポーツ観戦! これからよろしくね!」

 

 ―――え、こいつが呪術師なるのか? あの人が連れてくるんだから、イカれた奴だとばかり思ってたが………マジか。

 

「え、えーと……そんなにジロジロ見られると恥ずかしいな」

「ッ、あぁすまん………………伏黒恵だ。よろしく」

「うんっ! よろしくね、恵!」

 

 長考した末に、伏黒は名前しか言えなかった。

 

 決して、伏黒という少年はコミュ障だとか人見知りではない。ただ、明らかな“陽”を纏った千歳の雰囲気に当てられて、珍しく狼狽しただけなのだ。

 

 それはつまり、コミュ障なのでは? そうとも言う。

 

「いやー、凛は素直でいい子だね〜。恵とは真逆だよ」

「アンタは黙ってろ」

「あはははっ! 先生と恵は仲良しなんだね!」

「それはない」

 

 ばっさりと千歳の意見を否定する伏黒。

 

 しかしその姿が逆に、やっぱり気安い関係なんだと千歳に思われ、2人は超☆仲良し判定を受けた。可哀想な伏黒。

 

「ここでさらに重大発表ッ!! ななななんと、君たち2人は遠縁にあたるんです! つまり〜、千歳は遠いけど()()()()()だったんだよね」

「「マジ(本当)!?」」

 

「? なんで千歳も驚いてるんだ?」

「え、僕も今初めて聞いたから……」

 

 伏黒のこめかみに青筋が浮かぶ。また大事なことを報告しなかった五条、彼の言動は変わることはない。この先一生。

 

「……それって、結構ヤバいんじゃないですか。もし、千歳が相伝の術式持ってたら、禪院家に狙われますよ」

「それは大丈夫。千歳は相伝の術式じゃないよ」

「それなら安心、とは言えませんよね。五条先生がわざわざ面倒をみる。これだけでなんとなく察します……千歳には何かあるんでしょう?」

「……くくっ、流石だね。僕の行動原理をしっかり理解してるよー恵は。それじゃ、いよいよお互いの術式発表タイムといこっか」

 

 

 

 

「――それで、千歳と俺の術式を見せ合うだけなのに、何でわざわざ着替えなきゃならないんですか」

「そりゃ、今から戦ってもらうからね」

「……理由、ちゃんと話してください」

「そっちの方が面白そうだから♡」

 

 マジうざい、伏黒は心の中で愚痴った。

 

 しかし、戦うとなれば仕方がない。諦めて伏黒は相手を観察する。

 

 ―――木刀、持ってるな。アレで戦うのか。五条先生が『シン・陰流が面倒みてた』って言ってたし、そりゃそうか。となると、千歳の間合いは近距離、なら俺は……。

 

 一気に決めるか……。

 

「始めッッ!」

 

 伏黒は掌印を結ぶ。

 

「来い、“鵺”!」

「え、うわわっ」

 

 千歳は自身に迫った式神が危険であると感じ、すぐに離脱する。

 

 ごろごろと転がる上を通り過ぎ、“鵺”は伏黒の側に戻る。

 

「避けたか……正直、これで決まるって思ったんだけどな」

「いや、結構危なかったよ? これでも内心バクバクしてるし」

 

 伏黒は追撃をしなかった。

 何故なら、これは別に勝敗を競うものではないと考えていたから。初手で終わるならそれでいいし、終わらないなら相手の術式をゆっくり見よう。そんな無自覚な、若さ故の傲慢からくるものだった。

 

 入学すると同時に二級術師となった天才ならば然もありなん。

 

「ンー……いや、もうちょっと頑張れるかな」

「? まだやるのか」

「ははっ、まだまだやるよ!」

 

 千歳の突撃。

 

 伏黒は警戒して、まず“鵺”を先にいかせた。

 

 千歳は、“鵺”の下を小さい身体を駆使して潜り抜けた。

 その瞬間、千歳は少しだけ油断した。『自分の術式』と似た相手なこともあり、一体しか出せないだろうと考えてそれを出し抜けてしまった。それ故の、一瞬の油断。

 

 一種しか出せない? 否。

 

「“蝦蟇”」

 

 十種影法術は、一度に二種の式神を顕現させられる。

 

 油断した千歳の足下はガラ空きで、簡単に舌で捉えられ、“鵺”に向かって放り投げられる。

 

「嘘ぉっ!?」

「やれ、“鵺”」

 

 バチンッ! と千歳に攻撃がヒットした。“鵺”の攻撃を浴びたものは、しばらくスタンする。

 

「あいたたたた……」

「勝負ありでしょう、五条先生」

「んー、そうだね……じゃあ、一回戦は恵の勝ちッ!」

「……一回戦?」

 

 伏黒の疑問の声には答えず、五条はスタンした千歳に近づくと手を取り立たせる。

 

「凛……なんで術式使わなかったの?」

「す、すみません。日下部(師匠)から、『お前はまだまだ術式と呪力に頼りすぎだ。もっと呪力操作を磨け』……って、言われてたので」

「だから術式を使わず、しかも呪力も制限して戦ったの?」

「はい……反省してます。あの、もう一度だけやらせて下さい!」

 

 ―――術式はまだ分かるとして、呪力を制限?

 

「いいけど、次は全力でやってね」

「はい! “殺さない程度”に、全力を出します!」

「――ぷはっ、そっか〜。そうだね、殺さない程度に抑えなきゃね!」

「? はい、これは試合ですから」

 

 

 

「――さっさとやりましょうよ。二回戦」

「あれ? 恵ぃ、もしかしてキレてる?」

「キレてません」

「くくっ、じゃあ二回戦――始めッッ!」

 

 正直、伏黒は少し頭に来ていた。度重なる五条の問題行為でストレスを抱え、そこに同級生に無自覚な煽りを受けた。

 

 ―――少しやりすぎても、家入さんが治してくれるだろう。

 

 伏黒は使わないようにしていた式神を使う決断をする―――

 

「――ッ!!」

「あ、驚かしてごめんね恵。僕の呪力量って人よりも多いみたいだから、全開にすると驚かれるんだ」

 

 ―――人より多い? そんなレベルじゃねぇ! 五条先生と同じぐらいとか、乙骨先輩以外で初めて見たぞッ!

 

 そして伏黒は納得する。これが、五条の気に入ったところだろう、と。

 

 確かに呪力量は凄まじい、だがそれだけだ。それだけならば、自分に手加減をする必要などなかった。それを伏黒は不服に思った。

 

 だから、調子に乗っているコイツを今叩こうと思った。

 

「“大蛇”」

「わぁ!」

 

 ―――さらに、“鵺”。このコンボで決める………呪力量なんて、所詮は勝敗を分ける一つの要因(ファクター)に過ぎねぇんだよ。

 

 

 

 無自覚な、若さ故の傲慢。

 

 それは、千歳にこそ当てはまる言葉だった。

 

「“カメ”、助けて」

 

 

 

「―――――は?」

 

 それは、巨大だった。一軒の民家ほどのデカさを持つ、カメのような何かだった。

 

 二種の式神は、カメが優しく、壊さないように地面へ押さえつけていた。

 

「じゃあ改めまして――千歳凛です。術式は、『三種之神宝(みくさのかんだから)』。3匹のモンスターの中から、1匹だけを召喚できます。五条先生から、禪院家の相伝と似ているって言われてたけど、確かに僕たちの術式は似てるね」

 

 

 

 戦闘は、モンスターが召喚された瞬間―――()()()()()()()()

 

 

 

「これからよろしくね、恵!」

 





 プロフィール

 名前:千歳凛
 年齢:15歳
 誕生日:3月3日
 身長:164cm
 体重:62kg
 等級:一級呪術師
 出身地:静岡県
 趣味:ゲーム、スポーツ観戦(特にスタジアムで盛り上がれるサッカーや野球が好き)
 好きな食べ物:ドーナツ、カレー
 嫌いな食べ物:カレーに入ってるにんじん
 ストレス:情けない自分
 生得術式:三種之神宝
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