モンスターと仲良くなろう! 作:ポケモンにわか
―――
齢7歳にして、
「きみたちは、なに?」
《 《 《………》 》 》
「ポケモンじゃ、なかったの?」
《 《 《……………》 》 》
「だって、小学校のともだちは、ポケモンはゲームだから、さわれないし、話してもくれないっていうんだ」
「こたえて――きみたちは、なに?」
*
「同級生ぃ?」
「そっ、一般家系からスカウトされた子でね。中学まではシン・陰流の一派が面倒見てたらしいよ」
「……それ、五条先生も最近知ったことなんですか?」
「いや、前から知ってたよ〜。ていうか、僕もちょくちょく教えに行ってたし」
じゃあ何で今言ったんだよ、という言葉をぐっと飲み込む。
理解しているのだ、伏黒は。
「恵も驚くと思うよ――ってことで入ってぇ〜」
「失礼します」
まず、伏黒が注目したのは体格だった。入ってきた人物は、筋肉ゴリラで目つきの悪いドレッドヘアをした上半身裸の裸族―――ではなく、中性的な顔立ちをした小柄な少年だった。
「君が恵くん? あっ、自己紹介もまだなのに、名前で呼んじゃ無礼だよね! 僕は千歳凛です。静岡から来ました、趣味はゲームとスポーツ観戦! これからよろしくね!」
―――え、こいつが呪術師なるのか? あの人が連れてくるんだから、イカれた奴だとばかり思ってたが………マジか。
「え、えーと……そんなにジロジロ見られると恥ずかしいな」
「ッ、あぁすまん………………伏黒恵だ。よろしく」
「うんっ! よろしくね、恵!」
長考した末に、伏黒は名前しか言えなかった。
決して、伏黒という少年はコミュ障だとか人見知りではない。ただ、明らかな“陽”を纏った千歳の雰囲気に当てられて、珍しく狼狽しただけなのだ。
それはつまり、コミュ障なのでは? そうとも言う。
「いやー、凛は素直でいい子だね〜。恵とは真逆だよ」
「アンタは黙ってろ」
「あはははっ! 先生と恵は仲良しなんだね!」
「それはない」
ばっさりと千歳の意見を否定する伏黒。
しかしその姿が逆に、やっぱり気安い関係なんだと千歳に思われ、2人は超☆仲良し判定を受けた。可哀想な伏黒。
「ここでさらに重大発表ッ!! ななななんと、君たち2人は遠縁にあたるんです! つまり〜、千歳は遠いけど
「「マジ(本当)!?」」
「? なんで千歳も驚いてるんだ?」
「え、僕も今初めて聞いたから……」
伏黒のこめかみに青筋が浮かぶ。また大事なことを報告しなかった五条、彼の言動は変わることはない。この先一生。
「……それって、結構ヤバいんじゃないですか。もし、千歳が相伝の術式持ってたら、禪院家に狙われますよ」
「それは大丈夫。千歳は相伝の術式じゃないよ」
「それなら安心、とは言えませんよね。五条先生がわざわざ面倒をみる。これだけでなんとなく察します……千歳には何かあるんでしょう?」
「……くくっ、流石だね。僕の行動原理をしっかり理解してるよー恵は。それじゃ、いよいよお互いの術式発表タイムといこっか」
*
「――それで、千歳と俺の術式を見せ合うだけなのに、何でわざわざ着替えなきゃならないんですか」
「そりゃ、今から戦ってもらうからね」
「……理由、ちゃんと話してください」
「そっちの方が面白そうだから♡」
マジうざい、伏黒は心の中で愚痴った。
しかし、戦うとなれば仕方がない。諦めて伏黒は相手を観察する。
―――木刀、持ってるな。アレで戦うのか。五条先生が『シン・陰流が面倒みてた』って言ってたし、そりゃそうか。となると、千歳の間合いは近距離、なら俺は……。
一気に決めるか……。
「始めッッ!」
伏黒は掌印を結ぶ。
「来い、“鵺”!」
「え、うわわっ」
千歳は自身に迫った式神が危険であると感じ、すぐに離脱する。
ごろごろと転がる上を通り過ぎ、“鵺”は伏黒の側に戻る。
「避けたか……正直、これで決まるって思ったんだけどな」
「いや、結構危なかったよ? これでも内心バクバクしてるし」
伏黒は追撃をしなかった。
何故なら、これは別に勝敗を競うものではないと考えていたから。初手で終わるならそれでいいし、終わらないなら相手の術式をゆっくり見よう。そんな無自覚な、若さ故の傲慢からくるものだった。
入学すると同時に二級術師となった天才ならば然もありなん。
「ンー……いや、もうちょっと頑張れるかな」
「? まだやるのか」
「ははっ、まだまだやるよ!」
千歳の突撃。
伏黒は警戒して、まず“鵺”を先にいかせた。
千歳は、“鵺”の下を小さい身体を駆使して潜り抜けた。
その瞬間、千歳は少しだけ油断した。『自分の術式』と似た相手なこともあり、一体しか出せないだろうと考えてそれを出し抜けてしまった。それ故の、一瞬の油断。
一種しか出せない? 否。
「“蝦蟇”」
十種影法術は、一度に二種の式神を顕現させられる。
油断した千歳の足下はガラ空きで、簡単に舌で捉えられ、“鵺”に向かって放り投げられる。
「嘘ぉっ!?」
「やれ、“鵺”」
バチンッ! と千歳に攻撃がヒットした。“鵺”の攻撃を浴びたものは、しばらくスタンする。
「あいたたたた……」
「勝負ありでしょう、五条先生」
「んー、そうだね……じゃあ、一回戦は恵の勝ちッ!」
「……一回戦?」
伏黒の疑問の声には答えず、五条はスタンした千歳に近づくと手を取り立たせる。
「凛……なんで術式使わなかったの?」
「す、すみません。
「だから術式を使わず、しかも呪力も制限して戦ったの?」
「はい……反省してます。あの、もう一度だけやらせて下さい!」
―――術式はまだ分かるとして、呪力を制限?
「いいけど、次は全力でやってね」
「はい! “殺さない程度”に、全力を出します!」
「――ぷはっ、そっか〜。そうだね、殺さない程度に抑えなきゃね!」
「? はい、これは試合ですから」
「――さっさとやりましょうよ。二回戦」
「あれ? 恵ぃ、もしかしてキレてる?」
「キレてません」
「くくっ、じゃあ二回戦――始めッッ!」
正直、伏黒は少し頭に来ていた。度重なる五条の問題行為でストレスを抱え、そこに同級生に無自覚な煽りを受けた。
―――少しやりすぎても、家入さんが治してくれるだろう。
伏黒は使わないようにしていた式神を使う決断をする―――
「――ッ!!」
「あ、驚かしてごめんね恵。僕の呪力量って人よりも多いみたいだから、全開にすると驚かれるんだ」
―――人より多い? そんなレベルじゃねぇ! 五条先生と同じぐらいとか、乙骨先輩以外で初めて見たぞッ!
そして伏黒は納得する。これが、五条の気に入ったところだろう、と。
確かに呪力量は凄まじい、だがそれだけだ。それだけならば、自分に手加減をする必要などなかった。それを伏黒は不服に思った。
だから、調子に乗っているコイツを今叩こうと思った。
「“大蛇”」
「わぁ!」
―――さらに、“鵺”。このコンボで決める………呪力量なんて、所詮は勝敗を分ける一つの
無自覚な、若さ故の傲慢。
それは、千歳にこそ当てはまる言葉だった。
「“カメ”、助けて」
「―――――は?」
それは、巨大だった。一軒の民家ほどのデカさを持つ、カメのような何かだった。
二種の式神は、カメが優しく、壊さないように地面へ押さえつけていた。
「じゃあ改めまして――千歳凛です。術式は、『
戦闘は、モンスターが召喚された瞬間―――
「これからよろしくね、恵!」
プロフィール
名前:千歳凛
年齢:15歳
誕生日:3月3日
身長:164cm
体重:62kg
等級:一級呪術師
出身地:静岡県
趣味:ゲーム、スポーツ観戦(特にスタジアムで盛り上がれるサッカーや野球が好き)
好きな食べ物:ドーナツ、カレー
嫌いな食べ物:カレーに入ってるにんじん
ストレス:情けない自分
生得術式:三種之神宝