ノヴァになった   作:影後

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ノヴァとなる

「マジカァ……ナマエ、ドウスル?」

 

大学生として生活していた筈。

親に申し訳ないが確か暑さで倒れて……

多分、それで死んだのだろうか。

なら、電気代とかケチらなければ良かった。

男型で、白い布を纏っている。

物もあるが、髪型は白くそして彼の者を思わせる。

 

「ゴハン…タベル」

 

口が眼の前にいる恐竜型の二足歩行の化物をそう呼ぶ。知っている、オウガテイルだったか…

 

「レンカ…ごめんね」

 

「コロスナ」

 

腕を神機の様にし、横薙ぎに払う。

 

「死ニカケ……今、救ウ」

 

オラクル細胞を回復弾の応用で撃ち出す。

どうやらこの身体は俺が目覚めるまでに神機使いを何人も捕食したようだ。

ペイラーの言っていた人というアラガミ。

そして、ノヴァの因子があるのだろうか。

 

「なん……」

 

「………キマグレダ」

 

足は蛆が湧いている、この際だ。

自分は人型アラガミつまりノヴァ、その因子をこの女に植え付ければ良いだろう。

 

「イタムゾ」

 

蛆の湧いた足を斬り落とし、自身の血を垂らしてやる。再生させるように指示すれば直ぐ様血は収まっていく。

 

「……命ヲ無駄二スルナ」

 

「何で……貴方は何者なの」 

 

「アラガミだ」

 

女を背負い、廃墟を探索する。

何が有るかは判らないが松葉杖の代わりになる物はあるだろう。

しかしだ、何故俺は出来ると思った。

何故、俺は……いや、よそう。

俺はアラガミだ、もう人間じゃない。

 

「……車カ」

 

廃車となっているがまだ動きそうな車がある。

このアラガミが跋扈する世界であの女を連れて歩くには足がいる。

 

「食物ハ……有ルノカ」

 

恐らく、ここを根城にしていただろう人間の物だ。そして、その近くには2体の死体。

死んだ人間を喰いたいとは思わない、食べるならオウガテイルの方がいい。

 

「飯ダ、喰エ」

 

「……ねぇ、お願いがあるの。私を、フェンリルの極東支部まで」

 

「足ガ治ルマデ休メ」

 

「駄目なの……弟を……レンカを」

 

思い出した、そうか……空木レンカだ。

アニメゴッドイーターの主人公であり、復讐者。

アラガミを殺すことを誓った男、ココはアニメの世界線なのか?しかし……いや、どうでもいい。

 

「………睡レ、愛スル者ヨ。オ前ノ願イ、オ前ノ愛スル者ノ為二」

 

苦しかった、辛かった、そんな心からの本音が聞こえてくる。

 

「会いたいよ……レンカ」

 

眠れば、そのまま死んでしまうだろうか。

この少女は啜り泣きながら、生きているかも判らない家族を思っているのだろうか。

俺は知っているから生きていると言えるが、この少女は知らないのだ。

 

それでも、思い続けるのだろうか。

……俺はここまでになれるのか、前世も家族、祖父母が死んでも何も思わなかった。

俺は、心が死んでいる。

 

眠る少女を車に入れる。

そして、荷台に食糧を乗せた。

筋力や力は上がっている、やることは一つだ。

ゴリゴリと動くことのなかった車が走る。

いや、俺が押しているだけだ。

 

歩くよりはマシ程度であるし、俺自身も疲労はする。眠ることも必要だが、ソレは捨て置こう。

寝なくても問題はないんだ、どうせアラガミの身体なんだから。

 

翌朝、俺の周りは血溜まりと化していた。

オウガテイルの群れだ、俺を襲いに来たんだろう。一匹残らず仕留めたが安心はしなかった。

車で寝ている少女が生きているかだけは確認し、

神機モドキを消し去る。

自分の肉体から生えた物だ。消し去るではなく、戻すが正しいか。

 

「起きたのかね」

 

「え……だれ?」

 

「誰とは……ほぉ…姿も変わったか」

 

15くらいだった見た目が20ほどになっている。

身体能力も上がっており、それが進化であると理解させられる。理解できる、俺が何なのか。

理解できる、自身の力を。

 

「恩人というらしいな、愛する者よ。お前達の言葉では」

 

「愛する者って……貴方は」 

 

「お前を救った人型だ。少しまて……進化したのでな……くくっ…悪いが実験体となってもらうぞ」

 

昨日に俺の血を入れてある。

アラガミが再生するように女の脚も再生していく。

 

「これって」

 

「お前はアラガミだ、だが……俺たちの様な純粋なアラガミじゃない。歩けるか」

 

「ごめんなさい……まだ」

 

「仕方なし、走るぞ」

 

女を抱きかかえ、極東支部へと向かう。

途中、見つけた。汚れた服を着た男を。

 

「…貴様は愛する者の血族か」

 

「なっ…お前は」

 

「………レンカ」

 

「…イロハ」

 

「………送ってやる、ニンゲン」

 

「お前は……何なんだ」

 

「アラガミだよ」

 

背中から翼を出せば、男と女を抱えて飛ぶ。

けして落とさず、けして、見捨てず、

 

「さらばだ、ニンゲン」

 

「お前は」

 

「……愛する者よ、気持ちは伝えよ。勇気ある者よ、何れ出逢う事もあるだろう」

 

「レンカだ、俺は…空木レンカだ」

 

「私は空木イロハ」

 

「レンカに、イロハ、覚えたぞ」

 

空を飛ぶ、再びアラガミ達の世界を謳歌する。

俺という存在は既に神である、何かをしても良いかもしれない。

育て、殺し、救う、その力がある。

 

「いや………死にたくない……いや……」

 

腕輪に侵食された女が泣いている。

アラガミ化が始まったのだろうか。

 

「ニンゲン、生きたいか」

 

「生きたい……誰でもいい!助け」

 

「……了承しよう」

 

 

 

 

 

 

ゴッドイーターside

 

その日、私は神を見た。

アラガミなんかじゃない、真の神。

もしかしたら、その御使い様なのかもしれない。

天から、大翼を広げて降り立った。

仲間と逸れ、神機も喪った。

食べるものもなくて、腕輪の制御も効かなくなっていた。

暴走したオラクル細胞に捕食されようとした時、神様は私を助けてくれた。

 

真っ白な肌と白い髪の毛、アルビノじゃない。

本当に作られた様な姿に金色の目、私の侵食された右腕を撫でると腕輪が外れると同時に、何か、私の神機の様な何かが産まれた。

 

私の身体の一部から産まれたそれは、間違いなく神機だ。アラガミを殺すための、私の力だ。

 

「名前は?」

 

「ティータです」

 

「……ティータ、君に祝福を。アラガミからの祝福だが……君がより強く、そして長生きできる力を」

 

「!」

 

アラガミ、神様はそういった。

私の敵、でも敵対する気が起きない。

 

「神様、私を……貴方の巫女に」

 

極東では沢山の神様がいて、それに仕える巫女が居たらしい。

巫女は神聖な存在、私如きがなれるとは思わないけど、それでも………

 

「判った、ティータ。私の血を飲みなさい」

 

神様は自身の手を傷付けるとそこから真紅の血が流れ落ちる。

あり得なかった、この鎮魂の廃寺の血に緑が蘇ったんだから。

雪がつもり、草も生えない筈なのに。

血が一滴落ちるだけで、私の周りに花畑が広がる。

 

「……はい」

 

私は神様に噛みついた。

正確には違う、でも神様の手の平を舐め回す様に神様の傷口を塞ぐように、私は舐め、神様の血をこの身体に受け入れた。

 

「……祝福はなされたよ」

 

神様は私を立たせると空へと飛び立った。

 

「この世界には、真の神様がいる」

 

なら、私は神様の巫女としての役割を果たそう。

神様を穢すアラガミを殺し続け、神様に褒めてもらおう。

 

「神様、私の愛は……貴方のものです」

 

そう、呟くとヴァジュラが唸り声を上げながら私の前に立っている。

 

「………神様を穢す塵、死ぬがいい」

 

今までの私とは思えない程の加速、そしてヴァジュラを一閃し、コアを抜く。

 

「………汚物達め、こい……殺してやる」

 

続々と現れるアラガミ達を殺していると、同僚の姿が見える。

 

「ティータ……お前」

 

「ねぇ、リンドウさん。私、神様に出会えました」

 

 

 

 

ノヴァside

俺は何をしたんだろうか、神の様に振る舞い、一人の少女を救った。のは良い、離れた位置からその少女を見学していたのだが、俺の与えた力で30を超えるアラガミを殲滅せしめたのだ。

ヴァジュラ、シユウ、コンゴウ、オーガテイル、ヴァジュラテイル、理解できない。

それらを殺し、コアを抜き取り……だが……俺が居ればどうなるだろうか。

救えるのなら、救ってやろう。

アラガミではなく、神として。

極東いや、日本で生きている神として。

何時かは、神じゃなく人となりたいが………

 

 

 

 

 




データ

ティータ・ハルキオ 女性 16歳 上等兵
気弱な正確であり、心やさしい少女という印象を受ける。
贖罪の町での任務から帰還中、ザイゴート、サリエルの襲撃を受け、ヘリから落下。
落下地点に多数のアラガミが集まっていたことにより、救助は難航、MIA判定となる。
バイタル反応が発見できず、アラガミから逃れる内に神機も紛失。
腕輪が破損し、アラガミ化寸前の所で『ノヴァ』に救われた。

本人はアラガミではなく、

「私は神様に救われ、生きています」

と、雨宮リンドウ少尉が救出時に性格が変化していた。アラガミ化する兆候もなく、ペイラー榊の支持で秘密裏にオラクル細胞の無い腕輪モドキをつけることとなる。

また、実力も新兵上がりの上等兵から歴戦のゴッドイーター並みとなっており、服装も漆黒のシスター服へと変わった。

「私は神様の巫女、しかし極東の方のものよりもやはりコチラの方がいいので」

と、十字架の付いたピアスを付け任務に挑む。
時折、布教の様な事をしており注意されたし。

「神様、あぁ………私は貴方様の」

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