「……やることがない」
楽園を作ろうにも人手は足りず、誰かに協力を求めたいがどうしょうもない。
「この間ぶりですね、神様」
「ティータ」
私の巫女にして、私の良き配下である彼女がゴッドイーターと共に現れた。
「そこに居るのは……そうか、愛する者と出会えたか、イロハ」
「久し振り、元気そうで」
「ゴッドイーターになったか……その為に助けたつもりはないんだが」
「……ねぇ、貴方の名前は」
「私の名は……ノヴァ、しかし……こうして話しているのなら名前も欲しいかもしれんな。ティータ、イロハ、名を考えてはくれないか?」
「私が神様の名を!良いのですか!」
「ティータ隊長?」
「お前達だからだ、それに……面白いかもしれない。神が、人となる。知っているか?神はな、人に憧れる」
私は、つい本音を言ってしまった。
人が好きだから、人を愛しているからこうして、救い、導こうとしている存在が
「ノヴァ、ノヴァ・デウス」
「ラテン語で神……そうか、良い名だな」
「うん、良いと思う!ノヴァ・デウス!」
「……ありがとう、では」
「待って!」
「イロハ、何を…神様は」
「ノヴァもゴッドイーターになれば良いんじゃない?人として過ごせば」
「イロハ、良いわね!私は神様をお世話出来るし、神様は人間の生活を」
「………難しいだろう、きっと時は来る。だがそれまでは私のことは公にはするな。私は、あくまでもこの世界で人間を救うために動いているのだから」
「行くのですか?」
「どうせまた会う、お前たちは人でいろ。もし、アラガミとなるなら、私がどうにかしてでも戻してやろう」
翼をだし、飛び立つ。
私のやることは人間の救済、アラガミとの共存。
ソレを成し、新たな世界を創り出す。
それが
『我が使命」
イロハside
「ふぅ、疲れた」
「神様は相変わらずですね、さてイロハ。折角ですしシャワーいきましょう」
「判りました!」
と言ったものの……
「凄いですね、隊長の……」
私としても、隊長の肉付きと言えばいいのかその肉体に羨ましさを覚えてしまう。
「なんです?」
「いえ、引き締まってるなぁって」
「私の肉体は神様に捧げるために、聞きましたよ?貴女は弟に欲じ」
「何処でその話を?!」
「いえいえ、夜な夜な新人区画で二人で」
「してません!」
「可愛いですね、イロハ」
くぅ…ティータ隊長め……何時か必ず弱み握ってやるからな!覚悟してろよ!
レンカside
「なぁユウさ」
「馴れないだろ、ユウで良い。コウタも何時もそう呼ぶし」
「あっ、ありがとうございます」
俺達は神薙ユウ曹長の指揮の下でミッションに挑んでいた。
内容はコンゴウの討伐、しかし俺もコウタもやることはない。
「本来なら君達に任せるべきだけど、今回は動きを見ててほしい」
そう言われてしまった。
リンドウさん、ソーマ、サクヤさんた違うベテランの動き、俺達はそれに見入ってしまった。
オウガテイル、ザイゴート、雑魚は即座に切り捨て、銃形態のアサルトで牽制し、コンゴウが下がった瞬間、踏み込み捕食する。
「…終わらせない」
『コンゴウ、結合崩ら……え?』
尻尾、胴体、頭が瞬時に結合崩落していく。
オペレーターのヒバリも言葉を失っている。
「Умереть」
何処の言葉か判らないしかし、ユウはコンゴウの頭にアサルトを押し付けると引金を引いた。
無表情で、コウタも引き攣っている。
「こんな感じだよ、コウタ。アサルトでも接近してゼロ距離でぶち抜けば死ぬんだ」
アラガミは頭を失っても死なないとペイラーから言われたが、あれで生きてたら狂ってるな。
「んで捕食、レンカはブラストだったね。僕は一通り武器は使えるから後で教えるよ」
「なぁ、ユウって元々何使って」
「スナイパー使ってたよ、こう見えて衛生兵だったんだ」
「えっ?」
「ロシア支部でアラガミ単独討伐数No.1とか、鷹の目とか、色々言われてたけどね」
「階級は?」
さり気なく、階級章をユウは見せてくれた。
すると、コウタが驚きの声を上げる。
「曹長って……衛生兵曹長?!サクヤさんと同じだ!全然」
「そこまで言わなくても……まぁ、近いうちに少尉にならないかって、僕を新しい部隊長にしたいらしい。第4部隊もたった二人なのに先鋭だし、あそこに入るかな?でも、第4のティータ、目が据わってるんだよね」
「わかります、ティータさんと任務でた時アラガミを見た瞬間、「死になさい」っ言ってビュッて消えて、気付いたら捕食してるんですもん」
「イロハさんも呆れてて」
「……イロハ」
「そう言えば、血の繋がらない姉弟だったね。いっそ結婚したら?」
「何を?!」
「あ~ソレ、俺も気になる!」
『皆さん、お話中すみません。ヘリが到着しますよ!あと、私にもその話詳しく』
「ヒバリ!」
「うん、後で教えるよ」
「ユウ、止めてくれ!」
俺も、こんな友人ができるなんて思わなかった。
イロハも生きてる、父さん、母さん、俺は、この地獄で新しい日常を手に入れたよ。
ー神薙ユウ
僕は、コンソールを開いて、メールを見た瞬間驚いてしまった。
『オレーシャ・ユーリエヴナ・バザロヴァ
件名:止められなかった
本文:ごめんなさい、ユウの気持ちは判る。 でも、あの娘の事も理解してあげて。
だから、許して!あと、極東の教えてよ!
どんな女性がいるのか!』
『リディア・ユーリエヴナ・バザロヴァ
件名:久しぶりね
本文:近いうちに極東支部に赴任する事が決まったわ。妹達も、ユウに会いたいって思ってる。表面では言わないだけだから。
左腕の調子はどう?サプライズもあるの、後は極東でね』
「あの二人が来るのかよ」
頭が痛い、心機一転したつもりだったんだけどなぁ。と、少し疲れる。
「よぉ、どうしたんだよ。ユウ」
「幼馴染みがこっちに赴任するらしくて……左腕食われてから疎遠だったんでどうしたものかと」
「……そいつは」
「リンドウ、これはそっとしておくべきよ。いくら貴方でもプライベートまで」
「でもなぁ、正直な話するぞ?レンカはオウガテイル、お前はヴァジュラ種、危ないんだわ」
「……わかってます、それに殺したいアラガミがいる。黒いヴァジュラ、僕の両親を殺したアラガミです。懐かしいですね、僕はリンドウさん、ツバキ教官、ソーマに救われた」
「あん時の……」
「それに、ヴァジュラに左腕食われて……何とも、ってね」
僕は暗い顔をするリンドウさんの肩に手を乗せる。
「気にしないでくださいよ、それよりも……実は面倒なミッションが来てて……付き合ってくれませんか?」
「何だよ、デートの誘いか?」
「えぇ、サクヤさんもどうです?」
「まったく、ごめんなさい。これから新人達の指導なの」
「なら、私が行きますよ、《特務》でしょう?神様の邪魔をするアラガミを狩る良い機会だ。それに、支部長に顔を売るチャンスです」
「何処から出てきた!まぁ、ティータなら問題ねぇ。てか、そろそろお前にもデートのお誘いは行くぞ」
「あはは………ソーマは誘ってますよ、今回はマジできつい」
そして、僕達は4人で来たわけなんだけど……
「聞いてないって………」
『すみません、まさか合流していたなんて』
「すべこべ言うな、お前が誘ったデートだぞ?やるしかないだろ」
「ちっ…疫病神か?」
「あらあら、でも、できますよね?」
「やるしか無いか」
「俺とティータで右をやる、ユウとソーマは」
「左ですね、ソーマ!任せるよ」
「少しは手伝え」
僕達は支部長から依頼された特務を行っていた。
討伐対象アラガミは「ウロヴォロス」、なのに何故か、接触禁忌種の「アマテラス」が2体も居るんだから。
「ソーマ、死なないでよ」
「お前がだ」
アマテラスの触手をソーマのバスターブレードが斬り落とす。
僕は即座にアサルトに切り替えて、奴の真下に入り込む。
「この距離なら、回避はできないな!」
『結合崩落確認!アラガミ、活性化します!』
銃口から神属性の爆発弾が何発も発射される。
奴の女神像が結合崩落を起こし、活性化が入る。
「ユウ!」
「まっず!」
プレス攻撃だ、寝っ転がる僕は即座に走り出して回避しようとする。
前転し、ギリギリの所で避けれはした。
「奴の背中を破壊できるか!銃でやるからさ!
ソーマ、跳べる?!」
「角はやってやる!」
「グレネード投げるから!」
僕はアマテラスの前に飛び出してスタングレネードを投げた。活性化が収まっても、その前の僕に触手が飛んでくる。
『ユウさん、バイタル低下!気をつけて下さいって……何してるんですか!』
アマテラスの触手を腕で掴んで捕まえる。
「ソーマ!!!」
「任せろ」
角が折れた、なら僕もだ。
ソーマが砕いた瞬間、アマテラスがダウンした。
即座に捕食し、バーストする。
「死ねぇぇぇぇ!!!」
背中に神属性爆発弾を撃ち込み破壊する。
そして、最後はソーマの一撃でアマテラスは倒れた。
『アラガミ、反応消滅、コアの回収はお忘れなく。あと、ユウさんは榊博士からのメディカルチェックを受けてくださいね!』
「あはは………もう、二度とやりたくない」
「くそ……」
流石のソーマも接触禁忌種は疲れたようでコアを捕食し終えて、一旦休憩。
「リンドウさんの」
「よぉ、お前等も終わったのか?」
「リンドウさん、このデートは地獄ですね」
「まったくだ」
リンドウさんとティータさんもあからさまに疲れてる。
『回収のヘリが向かいます、今回のミッションはコチラの落ち度ですだ本当にごめんなさい』
「大丈夫です、ただ……二度とやりたくないです」
「俺もだ」
「同じく」
「私もです」
全員が全員満身創痍、ここで新たなアラガミが来たりでもしたら……
『オラクル反応を確認!これは……ヴァジュラ種です!!』
「ちっとは休ませてくれよ」
「冗談じゃない」
「……神様の供物にするだけだ」
「…クソっ」
『アラガミ、侵入しま』
そして見た、僕は点を飛び2体のヴァジュラを貫く天使を。
「……」
スピアを振るいながら、人間にはあり得ない翼を持っている。空を舞いながら、アラガミを喰らう。
それは、ヴァジュラのコアを捕食した。
間違いなく、アラガミだった。
それは、一匹のヴァジュラを捕食し終えるとまるで餞別だとでも言わんばかりに、もう一匹を指さす。
「くれるのか」
アラガミはそのまま空を泳ぐように消えた。
「……神様ねぇ、マジで居るもんだな。
ティータ……おーい」
「………」
ティータさんは結局ヘリの到着まで自分の十字架を大切そうに持っていた。
「はぁ……とりあえず、任務完了かな」
アナグラに戻ればボロボロで疲れ果てた僕達とサクヤさん率いる新人チームが遭遇する。
「あら、早かったのね。お疲れ様」
「疲れましたよ」
「デートの相手としては今までよりもな」
「ティータさんに、ユウとソーマまで!くぅ…リンドウさん!俺にも女の子を紹か」
『業務連絡、本日第七部隊がアマテラスのコアの剥離に成功。技術部員は……繰り返します』
「嘘だろ、アマテラスって接触禁忌種だろ?しかも、コアの剥離まで!」
「いかれてるぜ!何だよそれ!」
「また第七部隊か!」
第七部隊、前回はウロヴォロスだったけどアレはリンドウさんだな。今回はアマテラス、しかも2体だし。
「アマテラスって」
「ウロヴォロスの接触禁忌種だ。今の俺達ならサクヤさんの以外全滅する」
「そんな……」
コウタは顔を青くしてレンカはイロハさんに小突かれてる。
「ユウさん、貴方とのデートは非常に疲れました。が、機会があればまた」
「俺もだ、ユウ。また誘ってくれよ」
「俺は止めろ」
「なになに?!ユウが誘ったの!!」
「あはは………何時か誘うよ。じゃあね」
うん、死ぬね。当分は誘えないや。