進撃する綾小路   作:もと将軍

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よろしくです。


アニ・レオンハート

 

巨人の身体から出てくるエレンに真っ先に向かったのは、ミカサだ。エレンが生きていると言うことを聞いても心配だったのだろう…

エレンを抱き、大泣きしている。アルミンも寄って行き、エレンの手を握り、涙を流した。

 

「これをエレンがやったってのか…?」

 

ジャンが何体も倒れ消滅し始めている巨人を見て言った

オレたちは一度本部に帰ろうとしたが、先程のことを見ていた先輩が駐屯兵団の隊長に連絡したため、応援が来てしまった

そのため、銃を構えた兵士がオレ達を取り囲み、何やら騒いでいる

 

「その男を今すぐ殺せ!!」

 

「巨人からでてきたらしいじゃないか!」

 

「危険だ!殺せ!!」

 

その言葉にミカサが前に立つ。

ただ近くで見ていたジャン達は先輩に守秘義務を課せられ本部に戻らされた。

先輩達は物凄く怯えた表情で捲し立てる

オレらが答える隙がないな…

そこで、エレンが起きた

 

「殺シテヤル…」

 

全く...何てタイミングで何てことを言うんだ

 

「おい…聞いたか」

 

「殺してやるって言ったんだ…」

 

「アイツはオレ達を食い殺す気だ」

 

エレンの表情から察するに、記憶がないのか…

 

「イェーガー訓練兵!意識が戻ったようだな!今、貴様らがやっている行為は人類に対する反逆行為だ!!貴様らの命の処遇をとわせてもらう!!下手に誤魔化したりそこから動こうとした場合はそこに榴弾をぶち込む!躊躇うつもりも無い!率直に問う、貴様の正体は何だ?人か?巨人か?」

 

そう喚き立てたのは、駐屯兵団の隊長だ。こんな怯えた人が隊長とは…

 

「し…質問の意味が分かりません!」

 

エレンは理解できず、正直に答えるが、当然…

 

「シラを切る気か⁉化け物め!!もう一度やってみろ!!貴様を粉々にしてやる!!一瞬だ!!正体を現す暇など与えん!!大勢の者が見たんだ!!お前が巨人の体内から姿を現した瞬間をな!!分かったか⁉これ以上貴様相手に兵力も時間も割くわけにはいかん!」

 

「今なら簡単です!!」

 

「奴が人に化けてる内にバラしちまえば!」

 

隊長の言葉に兵士が促す。兵士に後押しされ、隊長は手を挙げようとした。しかし、ミカサが一歩前に出れば静まり返る

 

「私の特技は肉を…削ぎ落すことです。必要に迫られればいつでも披露します。私の特技を体験したい方がいれば…どうぞ一番先に近付いて来てください」

 

「隊長…ミカサ・アッカーマンは私達精鋭と共に後衛に就きました。彼女の動きは並の兵士100と等価です。そして、横にいるのが例の...キヨン・ジェイルーンです。彼の活躍により訓令兵の半分以上が生き残ることができました。そして、彼自身の強さもミカサ・アッカーマンと同レベルです。失えば、人類にとっての大損害です」

 

そのような会話が聞こえた

 

「ミカサ…人と戦ってどうするんだ?話し合うんだよ!誰にも…なんにも状況が分からないから恐怖だけが伝染してるんだ…そうだ、キヨン!何か策は無いのか?」

 

「あるぞ…アルミンに任せることになるが」

 

「え…?」

 

「アルミンがここでエレンを脅威じゃないと駐屯兵団に説得する。オレやミカサ、エレンの言葉では誰の心にも響かない…駐屯兵団を説得できるのはアルミンだけだ」

 

オレはそう言ってすべてをアルミンに託す。オレ達3人ともがアルミンに力強く頷いた。

アルミンは、決心し立体起動を外した

 

「必ず説得してみせる!!」

 

そう言って、前へ出る

 

「貴様!そこで止まれ!」

 

「彼は人類の敵ではありません。私達は知り得た情報をすべて開示する意思があります!!」

 

「命乞いに貸す耳は無い!ヤツが巨人ではないと言うのなら証拠を出せ!!それができなければ危険を排除するまでだ!!」

 

「証拠は必要ありません!」

 

「そもそも我々が彼をどう認識するかは問題ではないのです!」

 

「何だと⁉」

 

「大勢の者が見たと聞きました!ならば彼と巨人が戦う姿も見たはずです!!つまり巨人は彼のことを我々と同じ捕食対象として認識しました!!我々がいくら知恵を絞ろうともこの事実だけは動きません!」

 

周囲の兵士もそのことに気付き、場の空気が変わり始めた。

 

「確かにそうだ…」

 

だが…

 

「迎撃態勢をとれ!!ヤツらの巧妙な罠に惑わされるな!!ヤツらの行動は常に我々の理解を超える!!人間に化けることも可能というわけだ!!これ以上ヤツらの好きにさせてはならん!」

 

アルミンが後ろを向き助けを求める。だが、オレたちは目で[大丈夫だと]と語る

 

「私は、とうに人類復興の為なら心臓を捧げると誓った兵士!!その信念に従った末に命が果てるのなら本望!!彼の持つ巨人の力と残存する兵力が組み合わされば!!この街の奪還も不可能ではありません!人類の栄光を願い!!これから死に行くせめてもの間に!!彼の戦術価値を説きます!!」

 

すごいな…アルミンは…素直に感心した

しかし、考えることを放棄した男にはこの言葉すら聞こえなかったようだ。腕を上げる。

 

「これは何かあったのか?」

 

現れたのは、調査兵団団長、エルヴィン・スミス

 

「エルヴィン団長…これは…」

 

隊長がしどろもどろ答えようとする。しかし、代わりに後ろにいた兵士が状況を説明した

それを聞いたエルヴィン団長は

 

「駐屯兵団…この訓練兵たちを借りたいのですがよろしいですか?」

 

了承を得た団長はこちらに向き直り

 

「話は聞いた 君たちは私について来てくれ」

 

「わ…分かりました!」

 

「ワシもその話を聞いても良いかな?」

 

遅れて現れたのはピクシス指令だ。

 

「ピクシス指令!!」

 

「今着いたところだが、状況は早馬でつたわっておる。お前は増援の指揮に就け」

 

と、隊長に指示をする。

 

「かまいません」

 

エルヴィン団長が了承したことで、団長達は移動し始めた。

 

「アルミン…オレは少し確認したいことがあるから本部に戻る。そっちは頼んだぞ」

 

「え…⁉わ…分かった」

 

そう言って、アルミン達とオレは別れた

オレが本部に帰ると、訓練兵が詰め寄ってきた。主に先ほどエレンのことを見ていた奴らだった。

 

「エレンはどうなった?」

 

こいつら…守秘義務はどこいった…

 

「エレン達は調査兵団団長達と話をしている…オレは訓練兵の指揮を任されているから抜けてきた」

 

尤もらしいことを言って誤魔化しておく。

 

「ユミル…あいつらはまだ何も動いてないか?」

 

オレはユミルに近付き、頼んでいたことを聞いた

 

「ああ…特に変わりはないな…三人で動いているところをまだ見てねぇ」

 

「そうか…なら、いいんだ」

 

「あいつらが何なんだよ…偶に他の奴らも見張れと言うが…」

 

「それは、この戦いが終わってからだ」

 

「ああ、そうかよ...分かったよ」

 

「キヨン…?何の話をしてるの?」

 

ヒストリアもこちらに来た。

 

「クリスタにも後で話す...今は話せない」

 

「うん…分かった…」

 

自分のことを頼ってくれないのか、と思ったのだろう。ショックが見て取れた。

 

「クリスタ…今はまだ戦いは終わっていない。他の事に気を散らして死ぬなんて事はやめてくれよ…お前はオレ達にとって掛け替えのない存在だからな」

 

そう言うと、急激に顔が赤くなった

 

「あ…う…うん」

 

「なんだ…?こんなとこで大胆に告白するんじゃねぇよ」

 

「オレ達って言っただろう…」

 

「良かったなぁ…クリスタぁ!」

 

固まったヒストリアに更なる追い打ちをかける

 

「おい…話を聞け」

 

「キヨン様風の愛の告白だな…こりゃ」

 

もういいです…

 

この場には訓練兵が揃っている。かなり巨人に喰われたが、半分以上が残った。しかし、巨人が人を喰うところを初めて見た訓練兵は皆、青ざめている。

巨人を順調に倒していった、コニーやミリウス、ニーナでさえ表情が暗い。馬鹿夫婦も今は静かだ。

オレはまず…ニーナに近付いて行き声を掛けた

 

「ニーナ…大丈夫か?」

 

「う…うん、仲間がどんどん食べられているのを、見ていることしか出来なかったから…エレン達と何体かは倒したのに、一人では足が竦んじゃった」

 

「それは仕方ないだろう...一人で戦える相手ではないだろう...」

 

「でもキヨンは…」

 

「人と比べるな…自分のやるべきことをやって、生き残れたらいい。」

 

「うぅ…でも仲間が…」

 

「それは、もう…どうにもならないことだ…なら、今できることを考えて一人でも多くの仲間を失わないようにするべきじゃないか?

過去ばかり振り返っていても何も始まらないぞ」

 

「ぐすっ…うん、そうだね」

 

「分かったら、みんなと話してこい…あの雰囲気では次の戦いに生き残れないだろう」

 

「分かった」

 

そう短く答え前へ進んでいく。

続いて、オレはこちらをチラチラ見ている相手に向かった

 

「アニ…お前も無事だったか」

 

「なんとかね…キヨンもケガは?」

 

「大丈夫だ」

 

「随分と落ち込んでいるように見えるが、大丈夫か?」

 

「…仲間が死んでるからね」

 

「そうか…まあケガがないならいい…なあ、アニ…」

 

「なに…?」

 

「生き残っていたら…またあの夜景を見に行こう」

 

オレは真っすぐアニの目を見て話した

 

「う……うん、そうだね…」

 

オレはそう伝えて移動しようとしたが…

 

「参謀を呼ぼう!!作戦を立てようぞ!!」

 

と、壁の上からピクシスが参謀を呼んだことにより

 

「トロスト区奪還作戦だと⁉」

 

「嘘だろ⁉扉に穴を塞ぐ技術なんかないのに?」

 

周りが騒然としだした。

 

「また…あの地獄に?…いやだ!!死にたくねぇ!!家族に会わせてくれ!!」

 

「ダズ!!声が大きいぞ!!」

 

マルコが必死でダズを止める

ダズ…まだ生きてたか...

 

「そこのお前!!聞こえたぞ!!任務を放棄する気か⁉お前…」

 

先輩兵団に見つかった…

 

「ええ、そうです!!この無意味な集団自殺には何の価値も成果もありません」

 

ダズは先輩に楯突いた

 

「お前…人類を…規律を何だと思っている…私にはこの場で死刑を下す権限があるのだぞ」

 

「…いいですよ…巨人に食い殺されるより100倍いい…」

 

この会話を聞いた周りも徐々に飲まれていく。その空気を打ち破るかのように

 

「ちゅうもーーーーーーーーーーーーーーく!!!!!!!!」

 

壁の上からピクシス指令の叫ぶ声がここまで良く聞こえた

 

「これよりトロスト区奪還作戦について説明する!!この作戦の成功目標は破壊された扉の穴を塞ぐことである!!」

 

周りが慌ただしくなるがピクシスは話を続ける

 

「穴を塞ぐ手段じゃが、まず彼から紹介しよう!訓練兵所属エレン・イェーガーじゃ」

 

エレンはピクシスの隣で敬礼をして待機している

訓練兵の同期はエレンの存在に驚いていた

 

「彼は我々が極秘に研究してきた巨人化生体実験の成功者である!!

彼は巨人の身体を精製し意のままに操ることが可能である!!

巨人と化した彼は前門付近にある例の大岩を持ち上げ、破壊された扉まで運び穴を塞ぐ!!」

 

「諸君らの任務は彼を他の巨人から守ることである」

 

しかし、この場にいる兵士は先ほどの戦闘ですでに絶望しきっているため、任務を放棄して逃げていく。それを止めるため、隊長達が刃を抜き、斬りかかろうとするが…

 

「ワシが命ずる!!今この場から去る者の罪を免除する!!一度巨人の恐怖に屈服した者は二度と巨人に立ち向かえん!巨人の恐ろしさを知ったものはここから去るがいい!そして、その巨人の恐ろしさを自分の親や兄弟、愛する者にも味わわせたいものも!!ここから去るがいい!!」

 

その言葉を聞き皆一様に戻ってきた。そしてピクシスの激励はまだ続き

 

「我々はこれより奥の壁で死んではならん!!どうかここでーーーーここで死んでくれ!!!」

 

その言葉を最後に皆が配置につく。オレたちは壁の上に待機をし、巨人をおびき寄せることが目的である

 

しかし...作戦が開始され、数分が経って、赤の信煙弾が送られてきた。つまり、失敗したと言うことだ

それを見たアルミンは飛び出していった。オレは付いて行かず、三人から目を離さなかった。

オレ達の近くにいた巨人は、エレンが出現したからかエレンの方へ流れて行った。

作戦失敗の合図が送られてきても撤退の合図は送られてきていない…つまり、巨人を止めろと言うことだな

 

「撤退の合図は送られてきていない!!巨人を止めるんだ!!」

 

と、そう言って真っ先に飛び出すマルコ。

 

「全員続け!!エレンを死守するんだ!!」

 

それにジャンが続く。その後にコニー、サシャ、ヒストリアなどオレ達訓練兵が続き、駐屯兵団が後からついて来た

皆、巨人目掛けて飛んでいくが、主に後からついて来た駐屯兵団が捕まり食べられている。そして、訓練兵も次々に食われる。巨人に怯え、恐怖し足が竦んだものほど食われていく。

マルコやコニー、ヒストリアなどが班を組み、巨人を倒していくのを確認しオレはこの場を離れる。

 

 

 

 

「あれで穴を塞ぐなんて…無茶な作戦だ…エレンが食われるかもしれない。もしそうなれば何も分からないままだ」

 

「あぁ…いざとなったら俺の巨人で何とかするしか無さそうだ」

 

「でも…作戦が成功したらせっかく空けた穴が塞がれてしまう」

 

「構わねぇさ…俺達がこの5年間ずっと探してた手掛かりをようやく見つけることができた」

 

『ガッシャーーーーーン!』

 

「「っ⁉」」

 

「っ…しくったな...少し油断してしまったようだ」

 

「キヨンか…おい…大丈夫か?肩から血が出てるぞ」

 

「ああ、まあ大丈夫だ」

 

「そうか…らしくねぇな…お前がケガをするなんて」

 

「オレも人間だ。失敗だってするさ…ところで、二人とも…「せっかく空けた穴」って言わなかったか…?」

 

「...キヨン…気のせいだろ…そんな話はしてねぇぞ…」

 

二人とも神妙な面持ちだ

 

「そうか…まぁ巨人との戦闘中だったからな聞き間違いをしてしまったんだろう。

そんな事よりも二人とも巨人が一体迫ってきている。行くぞ。」

 

オレは立体起動で飛び出す…

すると空からライナーが降ってきた。そして、そのままタックルをし、屋根に叩きつけられる

 

「おい…ライナー何を…?」

 

「キヨン…お前だけは駄目だ…ダメなんだよ。ベルトルト!手伝え!」

 

そこへ、もう一人の兵士が来た

 

「アニ…」

 

「どう言うこと…?」

 

「俺達の会話を聞かれた。もう生かしておけない」

 

「ふざけるな!!くそ野郎!」

 

「ライナー巨人だ!こっちに来る!」

 

ベルトルトが後ろから注意喚起をする

 

「アニ!!キヨンの立体起動装置を外せ!!キヨンがケガをして弱っている今しかないんだよ!!」

 

「な…何で私が…!」

 

「いいや…お前がやれ!!お前さっきコニーを命張って助けてたよな⁉最近ではキヨンとも仲良いよな?この悪の民族に情が移っちまったからか⁉違うってんなら今ここで証明してみせろよ!!お前と!!お前の帰りを待つ親父が!!穢れた民族と違うって言ううんなら!!今すぐ証明しろ!!」

 

「う…」

 

一度アニはオレの立体起動を外そうと試みたが…

 

「で…できない…私はキヨンを殺したくない…壁の中の人達が悪魔だと思えない…」

 

「お前!何言ってんのか分かってんだよな⁉ああ⁉」

 

「分かってる...祖国を裏切ることになってもキヨンが死ぬのは...嫌だ!」

 

「良く言えたな…アニ」

 

「「「え?」」」

 

オレはライナーの拘束を解き殴り蹴って、屋根の上から落とした。そして、アニを抱えて少し離れた屋根の上に移動する。

三人とも驚き呆然としていたが、ライナーとベルトルトに近付く巨人に気付き、ハッと我に返り近くの屋根にあがった。巨人はオレの方に来たため、すぐにうなじを削ぎ倒した。

 

「どういうことだ…キヨン…お前ケガを…!」

 

「ああ、これか?これはそこら中に転がっている兵士の死体の血を塗り付けただけだ」

 

「は?」

 

「オレはお前たちの密会を聞いて今日トロスト区の壁が破壊されることを知っていた」

 

「なら…なぜ、俺達のことを話さなかった…」

 

「お前たちの密会を聞いたとき、アニはそれを否定するような事を言っていた。オレ自身…お前たちが敵とは言え、2年ほど苦楽を共にした仲間だ。殺したいとは思わない。お前たちのことを言えば、アニは捕まるか殺されることになるからな…」

 

「アニのために住民が死んでもいいと…」

 

「今後のことを考えるとな…アニは必要なんだ。人類は滅びてなんかないんだろ?」

 

「っ…!?そこまで、掴んでやがったか…

ベルトルト…今ここでやるぞ!」

 

「ダメだ!ライナー!こんなところで巨人化しても調査兵団もいる!僕が巨人になれば、ライナーもアニも巻き込んでしまう!今は逃げたほうが良い!アニも…頼む!一緒に帰ろう!!」

 

そうベルトルトはアニを必死で説得するが、アニは俯いて何も言わず、動かない。

 

「なぁ…ライナー…お前もオレらのことを悪魔だと見れてないんじゃないか?」

 

「あぁ!?んなわけねぇだろ!?」

 

「お前たちがここに来たときは10歳くらいだろう…そんな子供が戦士としてここに潜入するなんて、狂っているとしか思えない。

お前たちのそのオレたちに向ける[エルディアの悪魔]と言う強い憎しみは、殆どそちら側の洗脳のようなものだ。ここに来て、その事に疑問を持ち始めている。そうだろう?今もまだクリスタのことを想っているもんな…悪魔に恋心など抱かないだろう…」

 

「ち…ちが…俺は戦士として、ここに来ている!それが俺の役目だ!おい!アニ!!お前も戦士としての役目を果たせ!!」

 

「……わ…私は…戦士になりそこねた…だから行けない…」

 

「アニ、お前がそう思うのならオレと一緒にいるといい…オレが必ずお前を守る。」

 

「っ…クソがぁ!行くぞ!ベルトルト!!」

 

「あ、ああ…アニ…」

 

ベルトルトは最後までアニを気にしていたが、ライナーと共に横側の壁から外へ向かった。オレは追わずに下を向き涙を流すアニに声をかける。

 

「アニ…お前がここにいる選択をしてくれて良かった。お前のことはオレが守る。お前が父親に会いたいのなら、オレが送り届ける。」

 

「何で…そこまでする?私を騙してたのに…」

 

「お前を仲間だと思っているからだ。後…騙してたのはお互い様だろ?」

 

「そうね…」

 

「さて…アニ…泣き止んだら、ここを移動しよう。これが終わったら、聞きたいことが山程あるしな…」

 

「本当にいいの?私はこの壁の中にいる人類を殺してきたのに…そんな私を信用できる?」

 

真っ赤に腫れ上がった目でこちらを見る。

 

「できる。オレは信用できないやつを側におかない」

 

オレはそう断言し、アニの目を見返す。

 

「いつものキヨンと違うように見える…そっちが本性?」

 

「さあな…まあ今はやるべきことをやるか…」

 

と、思ったが…

緑の信煙弾が上がり、人類初の勝利となった。

 

「取り敢えず…これからどうすればいい?」

 

「そうだな…アニには調査兵団団長に会ってもらう。」

 

「は!?なんで…」

 

「その方が後々、動きやすくなる。それに安心していい…住民の避難より、巨人の正体を掴むことを優先した人だ。お前のことを話せば理解してくれる。監視は着くかもしれんが…」

 

「まぁ…それは仕方ないね…でも、それ以外の人達には…」

 

「そのためにオレがいる。例え相手がリヴァイ兵長だろうと守るさ…」

 

「…ありがとう」

 

オレ達は本部に帰ることにした。

そこでは、生き残った奴らが集まっていた

 

「キヨン!無事だったか!なあ…ライナーとベルトルトがまだ帰ってきていないんだ!知らないか?」

 

コニーが焦りながら言う

 

「なに!?まさか…食われたのか?」

 

それに反応したジャンも心配する

 

「…分からない…まだ待とう」

 

「あ、ああ」

 

ヒストリアやユミル、マルコ、ニーナ、ミリウス達の生存を確認した。その後、全員で生存確認を行い、先輩に一先ず解散していいと言われたオレたちは宿に帰った。

ミカサとアルミン…特にミカサはかなり不機嫌な様子で帰ってきた。

エレンが調査兵団団長の元に預かられたらしい…

 

「キヨン…あなたどこで何をしていたの!?あなたがいれば、もっと助かったはずだし、あの後エレンが連れて行かれることはなかった。あなたは家族なのにーーーーーーーーーーーーーーーー」

 

と、普段あまり話さないミカサだが、オレに延々と八つ当たりをしてくる。もう煩くて仕方ない…

 

「…」

 

「…」

 

オレはアルミンに目で助けを求め、アルミンは目で拒否する。

それにしても皆の表情が暗いな…

その後、オレたちは遺体を燃やすため、外に出て広場に集まり、火葬場を皆で囲んでいた。

 

「なぁ…やっぱり、ライナーとベルトルトも死んだのかな…」

 

コニーが泣きながら聞いてくる

 

「さあな…だが、今回お前は生き残れた。なら、死んだ者の為にも自分にできることをやるだけだ。お前は天才だからできるよな?コニー」

 

「うぐ…ぐす…当たり前だろ。やってやるさ」

 

コニーは泣き止み、そう決意した

 

「ジャン…お前はどうするんだ?」

 

「そうだな...オレは…決めた…決めたぞ!!オレは調査兵団になる!!」

 

ジャンのその震えた声は周りの訓練兵にもよく聞こえた。

 

「そうか…なら…先ずはウォール・マリアを奪還しないとな…」

 

「ああ!やってやるさ」

 

「サシャ…お前はいつもオレに借りがあるよな?お前は調査兵団な」

 

「え…え~…い…いえ!きよぽんに言われなくても…私は自分で調査兵団になってましたよ!!」

 

「そうか…」

 

火が消えるのを見続けた後、宿に帰り疲れていたがアニと夜遅くまで話をした。

 

次の日…オレ、ミカサ、アルミンの三人は審議所に呼び出された。

 

 

 

 

 

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