進撃する綾小路   作:もと将軍

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原作には無いところを妄想の赴くままに書いてます。


◯.5

 

 

オレたちは、久しぶりの休暇を貰えた。

多くの仲間が巨人に食われ死んでいった。落ち込み悲しんでいたオレたちだが、久し振りの休暇であったため、皆ソワソワしている。

 

「な…なあ!どこへ行く!?ナニする!?ほんとに何すればいいんだ!?」

 

と、コニーが

 

「むふふふふふ、馬鹿ですね…コニー

そんなもの決まっているじゃないですか!美味しいものを食べて食べて、食べまくるしかないですよ!」

 

と、馬鹿まるだしのサシャ

 

「キヨポン!!行きましょう!」

 

「いや!キヨポンはオレが連れてくぜ!!」

 

と、なぜかオレを誘う馬鹿二人…

 

「なんで、オレなんだよ…」

 

そこへ、一人の少女がくる

 

「キヨン…一緒に街を回ろう!」

 

「あ…ああ、まあ良いが、この二人もいるぞ?」

 

「…ふ~ん」

 

「お、サシャ!あっちでなんかいい匂いが…!」

 

「そ、そそそそうですね!行きましょう」

 

ヒストリアの威圧に二人は尻尾を巻いて逃げた。

 

「行こう!」

 

「ああ…そうだな…」

 

オレたちは二人で街をプラプラとしていた。ヒストリアは目をキラキラさせて、色んな店を見ている

 

「クリスタ…こう言うのは初めてか?」

 

「え…あ…うん…ごめん…はしゃいじゃって」

 

「いや、謝る必要はない。今日は思う存分に楽しむといいさ」

 

「うん!ありがとう。あ、あの店見たい」

 

前世のような見ていて面白いものはない…だが、偶にの休みに仲間と街を歩くのは悪くないな…

 

「ねぇ…あれ…あの店にいる人」

 

「あれは…ジャンか?」

 

「隣りにいるのは…お母さん?」

 

「そうみたいだな…行ってみるか?」

 

「ううん、止めとこう。家族の時間は必要だよ…」

 

「そうだな…悪いことを言ったな」

 

「大丈夫だよ!今はユミルにキヨンがいるから…

絶対いなくならないでね?」

 

「ああ、約束したからな。お前を守るって」

 

オレはヒストリアの目を見て言う。ヒストリアは満足したのか、嬉しそうに頷いた。

 

「守ってくれなくても、一緒にいてくれたらいいよ…」

 

小さい声だったので、何を言っているのかは余り聞こえなかった。

 

「ジャンボ!今日の私は調子がいいんだよ!ほら、次の店行くよ!」

 

と、母親の声がよく聞こえ、ヒストリアは小さく笑った。

 

「ふ…ジャンボって…でも、体の調子悪いのかな?」

 

「そうみたいだな…まあ…病気のことをオレらができることはない…祈ることしかできないな」

 

「うん…そうだね」

 

そこからも、オレたちは街を逍遥してから河原の近くの草原に腰掛けた。

しばらく無言で川を眺めていたが、ヒストリアから話しかけてきた。

 

「ねぇ、キヨン…ちょっと聞いても良い?」

 

「何だ?」

 

「キヨンはどこで、そんな力をつけたの?」

 

「力?それならミカサだってそうだろ?」

 

「違うよ!!あなたの雰囲気や目は明らかに異質…普通の暮らしをして、そんな風になるなのはおかしいよ!」

 

「酷い言い方だな」

 

「ごめん…だって、気になるんだもん…キヨンは何も教えてくれないし、表情が変わらないから聞くしか無いでしょ?」

 

「 そう言うヒストリアは、よく笑うようになったな」

 

「ヒ…は、話を逸らさないで!キヨンは私に教えてくれないの?」

 

「…そうだな、全てが終われば話てもいい」

 

「それまで、待たなければ駄目なの?いつ死ぬか分からないのに…」

 

「オレにも心の整理が必要なこともある。それにオレ自身まだ理解出来ていないこともあるからな。

後、お前は死なないさ…オレとユミルがついてるからな」

 

「守られてばっかりだね…私は……

でも、今のキヨンは人間らしかったよ。意外な一面を見ちゃった」

 

「ヒストリア…オレからも質問する。」

 

「なに?」

 

「親と会いたいか?」

 

「…分からない。キヨンに言われてから考えた…キヨンの言う通りだと思う自分とそんなことはないハズだと思う自分がいる…後者は、多分…自分がそう信じたいだけ…」

 

「そうか…今こんなことを話すことは申し訳ないが、ヒストリアの父が、この壁の謎を握っているのは既に確信している。今後、王家とも戦うことになるだろう…

ヒストリアの父とは敵対関係になる。その時にヒストリアはどうする?」

 

「……」

 

ヒストリアは俯き考えている。

オレは、ヒストリアの言葉を待つことにした。

 

「一度暗い話を…ううん…その時はその時だ!親を失ってるのはキヨンもユミルも一緒!私だけわがままを通すわけにはいかないよ!」

 

「そうか、答えてくれてありがとう」

 

少し迷いを見せたヒストリアだったが、その後、覚悟を決めた。

なら、オレは何も気にしない。

これで、何も気にすることなく行動することができる。

 

「そろそろ帰ろうか、日が暮れる」

 

「今日はありがとね!楽しかった」

 

「また来よう」

 

 

帰ってから、みんなに根掘り葉掘り聞かれた。

そして、その日の夜にずっとこちらを凝視していた人物と落ち合った。

 

「何かあったか?」

 

「いや…別に…本当に私を守る気あるのかなと思ってさ」

 

「あるぞ」

 

ここにアニの敵はいないと思うが…

 

そう…短く返す。

 

「ねぇ…あの場所に行きたい...行こうって言ったよね?」

 

「え…今からか?かなり遠いぞ…?」

 

「馬で走れば、問題ない」

 

「夜に出発するのは危険だが…大丈夫か?」

 

「うん」

 

かなり堅い意志のようだ

 

「なら…行くか」

 

オレたちは夜の森を馬で走った。

行く場所は、訓練兵のときに見た湖。

アニに取って、思い出の場所なんだろうな…オレもだが…

 

「見てよ、訓練所…明かりついてる」

 

「まあ…次の訓練兵がいるからな」

 

オレたちは目的の場所に着き、木をかき分けながら進む。そして、湖が見える場所に着き、切株に腰を下ろす。

しばらく無言の時間があったが、アニが話し始めた。

 

「あの頃は…本当に…辛かった」

 

「…」

 

オレは何も言わず、目だけを向ける

 

「あんたが居なければ…ほんと…どうなってたことか…逆にあんたが居なければ、そんなことを考えずに戦士としての責務を全うしていたかもね」

 

自嘲気味に話すアニの言葉を否定する。

 

「そんな事はない。アニは根が優しいからな…オレが居なくとも考えを改めていたさ」

 

オレはそう言ったが

 

「それはない!…私はあんたがいたから…」

 

いつもより強い口調になったが、そこまで言って止まった。

オレは何も言わずアニが座っている横に腰を下ろし、肩に手を回しこちらに寄せる。肩を寄せ合うと、アニの呼吸がよく聞こえる。

オレたちは黙ってこの鏡花水月のような景色を見続けた。

オレは、このキレイな星空と月明かりに照らされた湖を見ることが好きなんだと感じた。

アニもきっとそう感じているのだろう。

 

湖を見るその目は微かに揺れ、いつもよりもキレイな目へと化している。

 

「そろそろ帰らないとな…最後にあれ…やっとくか?」

 

「ふ…そうだね…」

 

アニはオレの前に出て、大きく息を吸い

 

「あーーーーーーーーーーーー!!」

 

前回よりも大きな声を出す。

 

「 どうだ?」

 

「ふぅ…帰ろっか」

 

叫んだ感想は無いものの、その顔は曇りのない顔になっている。

 

「なあ、アニ…今後もオレたちは戦わなければならない。生き残るために、自由を取り戻すために…」

 

「…」

 

アニは黙ってオレの次の言葉を待つ

 

「何度も戦うことになるかもしれない…その度に何人もの仲間を失う。だが…オレたちは必ず生き延びよう。そして、戦いが終わるたびに、この景色を見に来よう」

 

アニは右目から一筋の涙を零しながら、頷いた。

 

「うん」

 

そして、オレたちは帰った。

宿に帰ると、さすがに明かりが消えていた。

オレは静かに扉を開いて…

と、その時に一斉に蝋燭の灯が着く。

 

Oh と my と god

 

なぜ、皆起きていやがる…

オレ達の脱獄は完璧だったはずだ

 

「キヨン…あなた…」

 

「お前と言う奴は、本当にどうしよもねぇな!」

 

「「「「キヨン…」」」」」

 

全員の視線がオレに刺さる

オレが言い出した事じゃないのに…

皆は口々にオレを責め立てるがそこで止まる。

なぜなら…

氷のように冷たい瞳をした少女がいるからだ。

誰も発せない。その少女が言葉を発するまで…

 

「ぷっひゃひゃひゃひゃ!さすがキヨン様だ!!次々に女を侍らせる」

 

この場で、唯一ふざけられる人物ユミルだが…今回は不味いぞ…

 

「ユミル…次々って?」

 

ヒストリアが聞く。

不味いと思ったのか…この場を離れようとする一人の少女

 

「今日の昼はクリスタ、夜はアニ…昨日の夜はミーナだったな!」

 

待て、それもミーナからで…しかも、なぜこいつがそれを…?気配は感じなかったが…

 

「しっかり、サシャから聞いたからな」

 

ああ…そう言うことか…この女は意外にも隠密に長けている。オレたちがいないのもこいつが気づいたんだな

ミーナは逃げ切れず、捕まってしまった。

 

「本当に何もしていないんだが…」

 

「そうよ!何にもしてない!話をしていただけよ!」

 

オレとミーナで反論をするが、これで止められるわけ無い

 

「キヨン…あなたには、お仕置きが必要だと思うの

そう言えば...以前、エレンを使って私を騙したことあったわね?」

 

「いや…あれは、お前のために」

 

駄目だこれは…何を言っても皆の目が冷たくなって行く。

 

しかし、この状況を打破する奴が現れた。

 

「お前よぉ!ホントに女を何人も侍らせやがって!クソ羨ましい!!」

 

「うるさいぞ…ジャンボ」

 

「「「「ジャンボ…?」」」」

 

「なっ…」

 

「今日の昼にな、店に入ったらジャンと母親がいたんだ。そこでな、母親からジャンボ!って言われていたんだよ。

ジャンボはいつも憎まれ口叩くが母親には甘いやつだったんだな…ジャンボ」

 

「ほほぅ…ジャン…いや…ジャンボ色々聞こうじゃないか?」

 

「お…おい!今はオレじゃなく…あれ…キヨンは?」

 

オレはこの隙に逃げ出していた。明日は兵団を決める日でもあるからな、早く寝よう。しかし…腕を掴まれた。

 

「キヨン…話を聞かせてくれるよね?」

 

「今日は、寝たほうがいいんじゃ…はい」

 

こうして長い長い夜が始まった。

 

 

 

 

おまけ

 

一日前…

 

キヨンたちが部屋を出て行き、部屋の中は静まり返っていた。そんな空気を打ち破ったのは、ハンジさんだった

 

「まさか...こんなことになっていたとは…彼は一体何者なんだ?たった一人でここまで調べるなんて…」

 

「ああ…本当にすごいな…先のトロスト区襲撃は完全に彼の掌の上だったな」

 

「しかし…あーーもう!すごいことになったよ⁉人類が滅びてないって⁉敵の一人をこちらにつけたって⁉どうなってんの??」

 

さっきまでは抑えていたハンジさんだったが、遂に爆発した

 

「落ち着けハンジ…おい、エレン...何一人でしょぼくれてんだ?」

 

「あ…いえ…オレ…キヨンのこと何も知らなかったんだと思いまして…」

 

「まぁ…知らなかったのかもしれないけど、随分と君たちを頼りにしているんだと思ったよ?」

 

落ち着きを取り戻したハンジさんがそう言ってくれた

 

「え…頼りに…ですか?」

 

「うん!彼はかなり先を見て行動してる…その先の未来に君たちが必要だから、君たちの成長を最優先したんだろう。なっ!頼りにされてるだろ?」

 

「あ…はい…そうですね」

 

まだ、不満はあるが...今回はそれで許してやろう...

 

「それで…どうするんだ?エルヴィン」

 

「今後どう行動するかは明日考える。今は先ほど得た情報を分析していく」

 

エルヴィン団長がそう言い、みんなで話し合っていく

 

 

▽▽▽

 

 

トロスト区襲撃後のアニとの会話

 

 

オレはアニの話を聞いていた。アニは途中、つまりつまりになりながらも全てを話してくれた

 

「なるほど…お前たちがここへ来た理由はよく分かった。だが、今知りたいことは他にある。ライナー達はマーレに帰ったと思うか?」

 

「いや…帰ってないと思う。迎えの船は望月の日に来る。ここから、急いで移動したとしても間に合わない。ライナーやベルトルトの巨人は移動には向かない…ウォール・マリアの壁まで行くことすらできていないかも知れない…それに、始祖の巨人を回収できていない上に、エレンが始祖の巨人とも限らない。ライナーが何の成果も得られていないのに、帰るはずがない...マリアかローゼの中にいる可能性は高いと思う...と、言うか...あんたもそう考えたからあの時追いかけなかったんでしょ?」

 

「ああ...まぁ、一応確認だ。

そう言えば...クリスタが始祖と何か関係があるんだったな?」

 

「うん…でも…私もまだ分からないことが多い」

 

「それは仕方ない…アニは憲兵団に入って情報をこちらに流してほしい」

 

「だけど...あの男が…」

 

「中央憲兵だろ?そこまで行かなくていい」

 

「…分かった」

 

「無理はしなくて良いからな?憲兵に行くのはアニだけだからな…無理に憲兵に行く必要もない」

 

実際、憲兵に行こうと、調査兵団に行こうとどちらでも良い

 

「…大丈夫…憲兵に行くよ」

 

「そうか…なら頼む。

今日はもう寝よう...疲れただろう」

 

オレはそう言って、立ち上がり帰ろうとしたが、アニが引き留める

 

「もう少しだけ…良い?…寝れ無さそう」

 

「…分かった。」

 

オレはもう一度アニの隣に座り、雑談をしていた。

しばらくしてから、話すことがなくなり無言になったが、アニはここから動こうとしなかった。

 

ふと、横を見ると...アニは眠っていたので、オレはアニを担いで宿に運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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