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エレン
キヨンは物心ついたときから一緒にいた気の許せる奴だった。
親から聞いた話では、2.3歳の時は遊んでいると言うよりは面倒を見て貰っているようだったと聞かされた。
まぁ無表情で何考えているか、分からんけど、頼りになるやつだった。
そして今日、いつも酒飲んでサボっている兵士を倒したときは、少しだけすこ~しだけキヨンにびびってしまった。
いつものキヨンとは、雰囲気が違っていて少し殺気を感じた。周りの奴らも唖然としてその場に留まり、横にいたミカサでさえ少し怖気づいていた気がした。
そんなこともあり、帰り道にミカサがキヨンに「あなたも調査兵団に入りたいの?」と聞いたときは嬉しくなった。オレの周りでは、調査兵団になりたいと言う奴はいないし、それどころかそんなことを言えば馬鹿にされるだけだった。だからこそ、こんな近くに志を一緒に歩んでいける仲間がいたことはオレにとっては、朗報だった。
それから、しばらくしてミカサとアルミンと駄弁っていたら[[[パァァァゴォォォオオオオン]]]と、とてつもなくでかい音が鳴り、オレたちは腰かけていたところから転げ落ちてしまった。何が起きたか分からず、三人で街場の方へ走り出すとそこにはキヨンがいた。
キヨンは壁の方へ指さし、その指した方へ目をやると壁の向こう側から大きな煙が上がっていた。その直後に、壁に手をつき顔を出すヤツが現れた。周囲は騒然としていたが、オレはそこから目が離せなかった。ここから、オレの人生が大きく変わっていくのだろうと、ただ、なんとなくそう思った。
ミカサ
エレンが助けてくれて、おじさんとエレンと一緒にエレンの家に帰ると、そこには無機質な目をした自分と同じくらいの少年がいた。
その少年は私の両親と一緒にいた男の人の息子さんだった。父親の訃報を聞かされた時は、顔を俯かせていたが泣いている様子ではなかった。そして、横で泣き崩れている母を慰めている。
それからは、エレンとキヨンは私の家族になり、よく三人で過ごすようになった。外で遊ぶときはアルミンともよく遊ぶ。連れ去られたときは、こんな夢みたいな日々を過ごせるとは思えなかった。私はこの日常を大切にしたいと思うようになっていた。
私は、よくエレンを特別扱いするが、ほかの二人を特別に扱うことはない。気の許せる友達ではあるんだけど…エレンは私より前から一緒にいるキヨンによく相談を持ち掛ける。落ち着いていて頼れるからだろうか…それが羨ましくてキヨンの真似してどんな時も冷静でいるようにしている。それでも、相談するのは、キヨンだからムカついて生意気なキヨンによく拳骨を食らわせる。キヨンには悪いけれど、無表情のキヨンの顔が少し変わるのが、なんだか優越感に浸れて嬉しい。だから、これだけは辞められない…
そして、今日キヨンがとても強いことを知った。私は皆よりも強いという自負があったが、キヨンに勝てるかはわからない…今日、初めてキヨンの本性を垣間見た気がした。無機質な瞳に闇が広がっている感じがして、怖かった。
こんな人、大人でも見たことがなかった。そしてなぜここで、本性を出したのか気になった。もしかして、エレンと同じ調査兵団だろうか…なんの確証もない、ただの勘だけど嫌なことはよく当たる。そう考えれば考えるほど、それが正しいのではないかと思いこんでしまう。
怖く感じても、大切な家族である。そんな家族が危険な場所に行って欲しくない。そんな気持ちで、キヨンに問うのだった。
アルミン
キヨンは、よく外で遊ぶ友達だ。知り合ったばかりのころは女だと思われていたようで、川で服を脱いだ時とても驚かれた。結構ショックだった…キヨンは常に落ち着いていて表情が変わらない、とても頼れる人だけどたまに抜けている。
でも、落ち着いて物事を判断でき、その知識の豊富さには目を見張るところがある。そんなキヨンを尊敬し僕も以前よりも本をよく読むようになった。
だが…今日門が破壊された。周囲は騒然とし、エレン、ミカサも平常心でない。僕はその衝撃から碌に立っていられなかったし恐怖であまり周りを見られなかったけど、キヨンが笑っているような気がしたのは気のせいだろうか…
エレンの父
キヨン…ただただ不気味な存在だ
一体…誰だろうか、進撃の巨人の力で未来を見てもエレンたちと関わっていないため、キヨンのことを知ることができなかった。
若しくは未来のエレンがキヨンに対しての記憶を見せてくれてないのだろうか…?だとしたらなぜ…
そして今日改めてその不気味さを感じさせられた。巨人の正体に感づいているようだった。本当に一体何者だろうか…エレンを止めてくれる存在であってほしい、そんな思いから、目の前のまだ小さい子供に縋るようにお願いしてしまった。
この子の存在が良い未来へといきますようにと、ただお願いするしかできない自分に腹を立てながら、力なく一歩を踏み出した。