人類が住んでいるところは、三つの壁で覆われている。一番外側からウォール・マリア、ウォール・ローゼ、ウォール・シーナであり、オレが住んでいる場所は一番外のウォール・マリアから飛び出しているシガンシナ区である。
そしてその日、門は突如現れた超大型巨人によって破壊された。
100年無事だったオレの街は今から巨人に埋めつくされる。
だから、逃げなければならない。
あんな化け物に真っ向から勝てないのだから…
街の人達は、一斉に我さきへと走り出した。ウォール・マリアへと…
しかし、エレンは逃げなっかた。そしてオレもだ。
「逃げるぞ!!三人とも!!」
アルミンが叫びながら、マリアの方へ駆け出す。しかし、オレとエレンは、逆の方へ走り出した。
「エレン!キヨン⁉」
「壁の破片が飛んでった先に家が!!母さんが!!」
それを聞いてか、ミカサもオレたちの後に続くが、アルミンは怖気ついてこちらにはこれないようだった。後ろで何か叫んでいたが、もうオレ達には聞こえない。
オレ達三人はただ全力で走る。家の方へと…
そして、次の曲がり角を曲がれば、家がある。大丈夫であってほしかったが、現実は非情である。門の破片が家に直撃していた。
エレンは一気に顔が蒼白になり、残り数メートルの距離を全力で走った。
そこには、エレンの母が下敷きになっていた。オレは母を探すため家の周りから中を調べ始めた。そして、母を見つけたが、家の瓦礫で腹を貫かれていて、もうすでに遅かった。
オレは母を諦め、苦戦しているエレンの方へ行く。
「お前の母さんは⁉」
「…」
と聞いてきたが、オレは何も言わなかった。
カルラの上に載っている瓦礫をどうにかできないかと、梃子の原理を利用したりしたがどうにもならなかった。駄目だ完全に瓦礫と瓦礫が絡まっていて、人間の力では動かない。
そんなオレの様子を見て、エレン、ミカサは察したようで何も言わず、カルラの救出に専念した。
そこへ、一匹のにやけ顔の巨人が近づいてきた。
「母さんの足は瓦礫に潰されてここから出られたとしても走れない…わかるだろ?」
「オレが担いで走るよ!」
「どうしていつも母さんの言うこと聞かないの!最後くらい言うこと聞いてよ!!キヨン!!ミカサ!!」
オレたちの名前を呼ぶ、エレンを説得しろということだろう
だが、
「ヤダ…」
と、いつもは従順なミカサだが、今回は言うことを聞かなかった。
オレは助けるのは不可能だと判断したが説得できるわけないと思い、周囲をみる。
そこへ、知っている顔が空を飛び回っているのが見えた。その人物に向かって、石を投げ自分はここにいると主張した。それに気づきこちらへやってきた。
「おい!キヨン、何してんだ⁉」
「応援を呼んだ」
そこにやってきたのは、ハンネスだった。
正直全く頼りにならない。
巨人に勝てるとも思えない。
カルラを救出できたとしても、オレたちが置いてけぼりになる。だから、カルラのことはもう諦めている。
この人に求めるのは、オレたちを無理やりでも、逃がすことと、そのアンカーを飛ばして壁に刺しガスで飛び回る立体起動装置を使用して巨人とどう戦うのかを少しでも見せてもらえれば良いと思った。
「ハンネスさん!!」
エレン達は兵士が来たことで、少しほっとしている
「駄目よ!子供を連れて逃げて!」
「見くびってもらっちゃ困るぜカルラ!オレはこの巨人をぶっ殺してきっちり四人とも助ける」
そうかっこよく飛び出していくハンネスだったが
「恩人の家族を救ってようやく恩返しを…」
と、言葉だけでなく、行動もとまっていた。巨人の顔を見て恐怖しているのだろう。本当に役に立たないな…
「もういい…ハンネス、オレたちを逃がせ」
オレがそういうと
「はぁ⁉何言ってやがんだ!」
エレンは驚愕し、オレに怒鳴ったが
「あいつが巨人を倒すことなど不可能だ、カルラさんを助け出すことはできない。
ならもう逃げるしかない」
「キヨン…ありがとう」
オレはそう淡々と答え、カルラは泣きながらお礼を言う
「カルラさん…今までお世話になりました。さようなら」
「えぇ…さようなら…エレンとミカサをお願いね」
そして、ハンネスは三人を抱えて逃げ出した。オレたちはカルラの最期をハンネスに抱えられながら見届ける。オレたちがどうやってもどけられなかった瓦礫をあっさりとどけ、カルラを持ち上げそのままカルラの身体をかみ砕いた。
あたりには血しぶきが舞い上がった。
隣のエレンは絶望し、ミカサは顔を背けている。
それから、少しして落ち着いたエレンがハンネスの頭を殴った。
「いっ…!」
「エレン?何を…」
「もう少しで母さんを助けられたのに!!」
「余計な事すんじゃねぇ」
そうさらに殴ろうとしたエレンだったが、ハンネスに地面に投げ飛ばされた
「お前の母さんを助けられなかったのは…お前に力がなかったからだ…」
そう言われ、エレンはぶち切れハンネスに右ストレートを叩き込もうとするが、軽々ハンネスに止められる
「オレが…巨人に立ち向かわなかったのは…オレに勇気がなかったからだ…」
そうハンネスは慨嘆な表情で言った
「すまない」
そういわれてエレンは何も言い返せず、ただ泣いていた
「また…これか…」
オレ達三人はぎゅうぎゅう詰めの船に乗せられた
「これ以上は危険だ!!閉門しろ」
「何言ってんだ
まだ大勢の人が残ってんだろうが」
兵士たちが何やら言い合いしているその時だった。
全身を鎧のようなものでまとった巨人が門を壊した。その門はウォール・マリアのである。これで人類はウォール・ローゼまで後退させられたことになる
しかし、鎧をまとったあの巨人、そして超大型巨人は異様だった、他の巨人とは根本が違う、それはどちらも門を破壊しただけ、人を直接食うことをしない…まるで知性があるようだ…
船は出発し、乗れていない人たちは飛び乗ってきたが、殆どのものが川へ落ちた。
横に座っているエレンは涙を流し色々と後悔しているようだ。大方、最後の最後まで喧嘩しかできなかったことだろう
エレンは覚悟を決め息荒く立ち上がった
「フーーッ、フーーッ…駆逐してやる!!フーーッ、フーーッ…この世から…一匹残らず!!」
なんともすごい覚悟だった。隣でミカサ、近くにいたアルミンはエレンのその様子を見て戦慄していた
そして、逃げた先でオレたちは配膳を貰ってその日を過ごしていた。船で逃げた人たちは皆、食糧庫で過ごしていた。
その日の夜は非常に疲れていた。本当に最悪の日だったが、まだ終わっていなかった。
エレンが夜、おじさんに連れていかれるのを見た。オレはこっそり後をつけたが真夜中の森の中を明かりなしでついていくことが困難であり、見失ってしまった。諦めようとしたその時だった。森の中で丸い雷が光った
[パァァァゴォォォオオオオン]
あれは、超大型巨人が出現したときと同じ…
その時、近くにいた兵士がその光の方へかけていった。
どこかで見たことがある兵士だった。
巨人だったら、オレがいても役には立たないため諦めて帰ることにした。
倉庫に戻り眠りにつこうとしたとき、さっきの兵士がエレンを連れて来た。エレンは眠っており、おじさんの姿はなかったが、代わりにあるカギを首にかけていた。
あの鍵は、おじさんが秘密にしていたカギだ。おじさんはどこへ…
そして、あの兵士は団長だったな…
よくわからないことが多いが、とりあえず思考を巡らした。
・なぜ、エレン達を追いかけて行ったところで超大型巨人が出現した雷が光ったのか
・なぜ、おじさんではなく団長が連れて来たか
・あの異様な知性を持つ巨人はいったい…
・おじさんがなぜ鍵を託したのか
一つ目と二つ目はあの団長に聞けば分かる気がする。もし人間が巨人になれるなら…あの光が巨人になるときに現れるのであれば、エレン若しくはおじさんが巨人と言うことになるな…おじさんは前から怪しく、巨人のことについて知っていたようだ。うん…おじさんが巨人と断定してもいいかもいれない。なら…エレンはどうだ?エレンはそうは見えなかった。しかし、おじさんが巨人だと仮定し、エレンを連れていった先で丸い雷が光った。無関係と考えるほうが難しい。明日色々と動くか…
翌日
「エレン?大丈夫…?うなされてた」
「父さんと会ってた気がする…」
「まさか、夢だよ」
「そうかな…」
「行こう…食料の配給があるって」
オレたちは食料を貰いに行く。その前に昨日気になってたことを聞いとくことにした
「なぁエレン昨日夜どこかに行ってなかったか?」
オレの質問に二人は
「「え??」」
と、同じ反応をした。いつも野良猫のように鋭いミカサも昨日は疲れていてぐっすりだった
「そうなの…?エレン?」
「えっ…いや、なんか父さんとあってた気はするんだけど…」
「それ、さっきも言ってた」
「なぁエレンが首にかけてる鍵っておじさんの地下室の鍵だろ?昨日までは持っていなかったのに、なんで今あるんだ?」
「ッ…なんだったっけ…よく思い出せない…思い出せねぇのに…頭が…破裂しそうだ…」
頭を押さえて蹲るエレンに対して
「エレン!!大丈夫?」
ミカサが駆け寄る
なるほど、記憶の障害か…やっぱりあの夜何かあったんだな。肝心なことは分からないが少しは進んだな。
次は、団長を探そう
そして、ひと悶着あったが、配給を貰うことができた。その後はオレは団長を探すため街場をうろつきながら情報を集めた。どうやら、あの人はもう団長ではないらしい。
翌年
元団長を見つけた。
普段はこの街にいないので、たまにの巡回の時にしか現れない
「少しよろしいですか?」
「なんだ?」
オレが尋ねると、普通に返事をしてくれた。
「去年のウォール・マリアの巨人が侵入した事件のあと、オレ達は食料庫で過ごしていました。オレの横にはオレと同じくらいの少年がいたんですが、その子をあなたが森から抱えてくるのを見ていたのですが、その理由を知りたくてあなたを探しておりました」
単刀直入に聞くことにした。この元団長はあまりすぐれた人物でないのは分かっている。それは、あの時見ていたからな…単刀直入に聞くことで動揺を見せると思った。
案の定、目を見開いて少し固まっていた
「…あぁ…そのことか…エレン・イェーガーという少年だろう…エレンの父とは親しかったからな」
これには少し驚いた。まさか、おじさんが元団長と知りあいだったとはな
「そうでしたか、ですが今はなぜエレンをあなたが森の中から運んで来たのかを知りたいのです。連れて行った父ではなく…あなたがね」
オレは話を逸らさせないためにもう一度同じことを聞き、少し突っ込んだ質問をした。
「っ…そのことを知っていたとは、だが、すまない…
わたしも分からないのだ。
森の中へ入る前は親子で入っていくのを見て声を掛けたのだが、「関わらないでほしい」と突っぱねられてしまった。
そして、森の中で光が見えたので入ってみると、エレンが一人で気を失っていた」
「エレン一人でですか?」
「あぁ、そうだ、それで私が倉庫まで連れて行ったんだ。
もう、いいかな?」
「えぇ、ありがとうございます」
想像以上の収穫だった。その時の雰囲気までもがなんとなくで理解できた。
つまり、エレンの父が何かをしたことは間違いない
オレは歩きながら考える。
巨人の正体が人間だと考えれば、すべてのことに辻褄があう
だが、そうなると敵の強大さに絶望とも感じる。
ここでオレはまだ、確証は得られないが、一つそう結論付けて行動することにした。
【エレンは巨人になった】
となれば、あの二匹の巨人はエレンやおじさんと同じように巨人になれるのだろう
ということは、この壁の中に紛れて生活をしているのだろうか…それとも帰ったのか
とりあえず、オレのすることは決まった。エレンを鍛え上げ、ヤツらに対抗できるようにしなければ、駄目だな。
その次の日
大量の避難民を賄えなく、ウォール・マリア奪還のため、避難民から25万人が駆り出された。つまり死んでくださいと遠回しに言っているようなものだ。その中には、アルミンの祖父も入っていた。
アルミンはその夜ずっと泣いていた。
「全部…あいつらのせいだ…あいつらさえ叩き潰せばオレたちの居場所だって取り戻せる!アルミン…オレは来年訓練兵に志願する」
エレンの言葉にミカサはため息をつく
「僕も…僕も…!!」
「分かった!」
「私も行こう…」
「え…?ミカサはいいんだぞ?生き延びることが大事って言っていただろう!」
「だから…あなたを死なせないために行く…キヨンもよ…エレンを守って」
まじかよ…こいつエレンのためなら悪魔にだってなりそうだ
「…分かった」
少し嫌な雰囲気を出し、答えると
「キヨンはどうせ調査兵団に入るつもりだったんでしょ…」
「まぁ…はい…」
素直に認めておくことにした
「分かった!なら…四人で!!」
「エレン、兵士になるのなら当然強くなくてはならない、奴らを駆逐するというその信念は素直に尊敬する。だが、今のお前はただの無鉄砲な馬鹿だ。
今から入団までかなり時間がある。この時間を無駄にすることはダメだろう、オレが稽古をつけてやる」
「なんだ?キヨンらしくないな、でも…その案…乗った!!」
「なら、さっそくやるか
まずは、何をするべきか理解するために実践形式でやるぞ…?かかってこい」
「しゃぁぁああ」
といいながら、お得意の右ストレートで殴りかかってきたが、左足を軸に身体を回転し躱す。そのまま右手を掴み後ろへ右手を回す、背中を押して地面に叩きつける。
「カハッ…」
受け身も取れなかったエレンはかなりの衝撃に苦しそうだ
それを見たミカサが黙っているはずもなく、襲い掛かってきた
「エレン!!」
ミカサの身体能力は、はっきり言って化け物じみている。だが、技もフェイントもない動きなど対処は簡単だ。
掴みかかってくる手を躱し一本背負いの要領で投げとばす。
「うッ…」
「嘘だろ…ミカサまで…」
「エレン、今おれがやったことはかなり実践で使える技だ。相手が自分より大きかったり、スピードが速くても使える
お前には、これからいろんな技を叩き込む。身体で覚えろ」
「だがよ!オレは巨人と戦うんだ!人間相手の技バッカ習ってもどうしようもないじゃないか」
「身体の動かし方は、いろんなとこで応用が利く。習っておいてそんはない…それに、お前は必ず役に立つ日がくる」
「…?あ、あぁ…まぁ…よくわかんねぇが、わかった」
「キヨンって強かったんだね…ハハハ」
と、アルミンが言う
「そう言えば、アルミンはあの時いなかったもんな、キヨンは駐屯兵団の一人の兵士を再起不能にしたんだぜ!」
とエレンが超話を盛りやがった
「え…再起不能って…なんで」
「いや、再起不能なんてしていない。というか、傷一つつけてない」
「なに言ってやがんだ⁉あのおっさんビビり倒して、精神的にもうやっていけないだろう」
「うん、あれは、精神を完全破壊していた」
「キヨン…」
三人の口撃になにも言い返せなかった…
「キヨン!!僕は頭で戦いたいんだ!なにかいい方法はないかな」
「それなら、そうだな…チェスなんかどうだ?」
「そんなんでいいの?」
「頭で戦うと言うことは、回転の速さ、柔軟さ、常に落ち着いて行動できなければならない。
まずは、頭を使う遊びなんかから始めればいいと思う」
「分かった!」
こうして、三人の修業は始まった。
読んで頂きありがとうございます。まだ、投稿の仕方なども余り理解出来ていませんので、おかしいところがあれば教えてください。