進撃する綾小路   作:もと将軍

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今回は結構短めです

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〇.5話

帰宅中…

みんなは前で、オレとクリスタの今後について話している。随分と賑やかである…その後ろで、オレが一人で歩いていると、ユミルとクリスタがやってきた。

クリスタは、申し訳なさそうに、されど若干の苦笑いを混ぜて謝ってきた。今までのクリスタとはどこか雰囲気が違う。どうやら、もう大丈夫なようだ。

 

「ごめんね、私のせいでみんなから怒られちゃったね…」

 

「はぁ全くだ。オレは悪くないと言うのに…クリスタ一人で受けてくれてもいいんだぞ?」

 

「冗談を言うなら、もう少し表情を変えたらどうだ?冗談言ってるようにはみえねぇな」

 

「悪いな、これでも精一杯頑張っているんだ」

 

「あははは…ねぇ…二人とも」

 

「「ん?」」

 

「私の本名は、ヒストリア・レイスと言うの」

 

「そうか、いつか本名で名乗れる日が来たらいいな」

 

「うん…私は一人じゃなかったんだね…よかった…」

 

心底ホッとした顔つきのヒストリア

 

「当たり前だ…私と言う人がいながら…全く」

 

「そうだな、今回も11人の奴らが命がけでお前を捜索しに来たんだ。誰もがお前を必要としていると言うことだろう」

 

「…うん…そうだね…ありがとう」

 

そんなことを話していると目的地に着いた。

そして、教官たちにド叱られえたが、オレとヒストリア以外はもっと怒られた。どうやら無許可で出てきたらしい。

やめてくれ…エレン達を怒らないでくれ、怒れば起こるほど奴らの仕打ちが酷くなるんだ。

ようやく教官たちから解放されオレ達は休憩所に向かった。

 

「よし、どうしてくれようか。このくそごみ野郎」

 

ライナーが息巻いている。

ミカサに掴まれたオレはもう逃げることなんて不可能だ…従うか…

ミカサは二つ並べられた椅子の片方にオレを座らせ、ロープでぐるぐる巻きにした。そのついでにオレはミカサから拳骨を食らうことになった。

 

「いてっ」

 

「表情が変わってないじゃない、痛くなかったのかしら?キヨン?」

 

ミカサは詰まんなさそうにオレに問う。いやものすごく痛い

 

「痛いに決まっているだろう。馬鹿になったらどうしてくれるんだ?」

 

そう答えるが、ミカサは無視し空いている椅子に手を置き、ヒストリアに目を向ける。ヒストリアは意味を理解したのか、ものすごい勢いで座った。

 

「さて…尋問を始めま「集まれ!訓令兵!」」

 

神の声が聞こえた。みんなは舌打ちをしながらもロープをほどいてくれた。

 

「え〜もう休憩おわりですか!?」

 

「訓練ではない。先程のことでの話だ。ダズを呼べ」

 

そんなこんなで、オレは助かった。

訓練が終わった夜、オレはヒストリアの元に赴いた。

 

「クリスタ、少しいいか?」

 

「ん?どうしたの?」

 

「クリスタのことだが、まだみんなには秘密にしておこう。もちろん名前もな…もう少し整理する時間と情報がいる。」

 

「…うん、分かった。」

 

「一つ聞いておきたいのだが、クリスタは父親をどう思っている?さっきの話だけを聞けば、クリスタを助けようとしていたと聞こえるが…悪いがオレには、父親がクリスタを利用しようとしているようにしか思えない。」

 

「どうしてよ…?」

 

助けてくれた父親を疑われるのは嫌だったか、顔を顰めた。

 

「オレは話を聞いてからここに来るまでに考えを整理していた。何の根拠もなく言っているわけではない。

まず、歴史書のことから王、若しくはそれに近い人物が巨人の秘密を隠している。

また、壁が破壊されたその日の夜にクリスタを迎えに行ったことについてだが、クリスタがいた地域はウォール・シーナだ。これ以上どこに逃げるところがあると言うのだ?

まだ、情報が少なすぎるから判断できないが、疑うべきだろう。」

 

「王家が、巨人のことを知っているってこと?だとしたら、なぜそれを周知させないの?調査兵団はそれを知るために外へ出てるというのに」

 

「なぜ、黙っているのかはまだ分からない。だが、歴史書と言うのは、断定しないものだ。現にその事以外は、かもしれないと客観的に書かれている。」

 

「それだけで?」

 

「それだけではないが、まだ話せない。言っただろう、情報が少なすぎると…今回クリスタにこのことを話したのは、オレがお前を守ると約束したからな。今後お前の父が接触してくる可能性がある。その時、お前がどう行動するか予想することが難しかったから、布石を打って置くことにしただけだ」

 

「そう…分かった。気を付けるわ…

ところで、みんなにはなんて言えばいいかな…?雪山でのこと」

 

「…」

 

そうだな、本当になんて話そうか…

とりあえずは、[一度クリスタとも離れ離れになり、クリスタが一度危機的状況になっていたところをオレが見つけた…]で、一時は凌げるか。サシャに飯を渡しながら話せば、後はあの馬鹿がなんとかするだろう

オレはクリスタにそう伝え、みんなで集まったときに実行した。案の定、サシャが全く関係のない話をしだしたりして、なんなく逃れることに成功した。

 

その後、オレは一人で夜風に当たっていた。

今回は、本当にらしくないことをした。ヒストリアを守ると言う約束…確実に大きな勢力が動いているだろう。今は巨人との戦いもある。いつ、また超大型巨人が出現してもおかしくない。それなのにクリスタとの約束は自分の足に枷を嵌めるようなもの。前世のオレならもっと見極めたはずだ。エレン達と長くいすぎたからだろうか。これは甘さなのか…優しさなのか…そしてこれは、成長なのか退化なのか…

何にしてもオレも少しずつ変わり始めている。そんなことを考えながら、夜の風に吹かれていた。

 

 

 

sideヒストリア

 私は、今日ここに来て良かったと思った。初めて人に自分のことを話した。私の家庭は表での領主よりも大きな勢力が後ろにいると思う。なのに、キヨンの瞳に魅かれて全て知っていることを話してしまった。瞳を見た。イヤ…見てしまっただけで安心ししてしまった。多分、他の人なら恐怖に感じるかもしれないが、私には心地よかった。若干の不安はあるけれど、キヨンにを信じることにした。キヨンは一体どのような人生を送れば、あの目ができるのだろうか…一体何者なのか…少しでも時間ができればそのことを考えてしまう…

 

そして、今日は人前で子供のように泣いてしまった。でも、気持ちがすっきりした。前より落ち着いて周りを見えるようになったからか、みんなの視線や表情がよく分かる。本当にキヨンの言う通りだ。自分に余裕が無かったのだろう。これも結局キヨンのおかげだ…って…また考えてた…一度頭を振り頭の中をクリアにする。

私は仲間を見ながら、生まれてきても良かったんだと感じ、一筋の涙が零れた。そして、一息吐き目を閉じて目を開ける。

なんだろう…この感覚は…心が落ち着き視野が広くなったのだろうか、イヤ…少し違う。今までと見えている景色が変わったとでも言えばいいのだろうか…視点が違う。見え方が違う。そう言えば、ユミルも私と同じで過去に色々とあったみたいだ。私と似ているとはどういうことだろう…ユミルのお家も貴族家なんだろうか…見えないな…今はまだ分からない。でも、寄り添って行こう。今私にできることを…やるべきことやるんだ。私はそう決意し、明日の朝の訓練に備えるべく寝床に着いた。

 

 

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