天地無用!~いつまでも少年の物語~。   作:かずき屋

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なにやらまた波乱の予感・・・。




遠くにある樹雷10

「しらないっ!」

水穂さんが、ふくれてそっぽを向いた。天地君が微妙におろおろしていたりする。

 「たぶん大丈夫ですよ。西南君の時も、月の裏で盛大な結婚式だったし。」

右手をパタパタさせながら、結構必死で言い訳するように言う天地君だった。

 「・・・ええ、知ってますわ。簾座のスパイに略奪婚されそうになっていたのよね。結局、今は8人以上お嫁さんがいるんでしょ?」

うわぁ、西南君って、また難儀な・・・。あの人達以上にお嫁さんがいるのね。しかも略奪婚って・・・。なんか前途多難な気がする。

 「・・・う~ん、なるようにしかならないっしょ。それに、そろそろお昼終わるよ。」

腕時計見ると、午後1時まであと3,4分だったりする。3人でバタバタとお昼ご飯を片付けて、またトイレ経由で自分の席に戻った。

 外はかなり暑そうだった。今年はあまり雨が降らないな、と思いながら仕事して、ふと気付くと午後4時過ぎ。外は暗くなってることに気がついた。お、夕立だな。雷もゴロゴロ鳴ってる。しばらくするとバケツをひっくり返したような雨が降ってきた。

 「・・・ねえ、外行ってきて良いかなぁ」

一樹がぼそっと話しかけてくる。そうか皇家の樹だから、雨とか水は好きなんだな。最近一樹に水かけてやってないなと思う。またトイレに行くフリをして、席を立つ。トイレ行って窓から一樹と柚樹さんを出してやった。

 「外のクルマとか気をつけるんだよ。あと、微妙に酸性雨かもしれないからちゃんと身体はナノマシンとかで洗うんだよ。」

元気よく、うん!と言う声と共に外に飛び出していく2本(2人?)の皇家の樹。う~む、樹というかなんというか・・・。まあ、いいか、なんか楽しそうだし。さて、もう一仕事、と。山の方は、白く霧に覆われている。遠くで雷が鳴って、まだ雨は激しく降っていた。

 また電話が掛かってきて、生活保護を受けている高齢の方が、体調が思わしくなく病院に運ばれたらしい。しばらく入院になることをケースワーカーが連絡してくれた。以前から入退院を繰り返していて何度か入院を勧めるが、それを嫌うのか、とにかく拒否していた方だった。家族の方がいらっしゃるようなので地域包括支援センター通じて、連絡をお願いした。それやこれや、ああでもない、こうすればどうかと話をしている間に時間は過ぎていく。いずれ関係各機関を集めてケア会議をしないといけないだろう。そこで、終業のチャイムが鳴った。いつも思うけど、なんかこう、間が抜けた音だなぁ・・・。それでも席を立つ人は少ない。僕ももうちょっとと思って、結局時間は午後6時前。

 「あなた、一樹ちゃんと、柚樹さんは?」

背後から水穂さんの声がした。ハッと思って顔を上げると、ほとんど周りの人はいなくなっている。そうか月曜日か・・・。外の夕立はすでに収まって、西から日が差している。水穂さんが、両手を前で組んで頭を傾けて、立っていた。

 「さっき、雨にあたりたいって、外にいるはずだけど・・・。」

うん、二人とのリンクも途切れていない。今どこにいるの?と聞くと、前の駐車場だそうだ。ちょっと困ったことが起こってる?ふうん。水穂さんとタイムレコーダー押して、外に出た。ちょうど一緒になった、議会事務局の局長に、「おめでとう」と言われ、にんまりした笑顔をされた。微妙に恥ずかしい・・・。二人でありがとうございます、とちょっと小声で返した。西美那魅町町役場の裏口のドアを開けると、水分を含んだ、幾分温度の下がった風が吹き抜けていった。ガソリンエンジンを始動したときの匂いとか、熱いアスファルトに雨があたった時の匂いだとかが鼻をくすぐっていく。

 外の駐車場に出て行くと、不可視フィールドを張った二人の気配がある。あるが、クルマがすでにいなくなった駐車場の真ん中ほどに不思議な気配と一緒に遊んでいる。たぶん誰にも見えないだろうが、僕には、薄く青く光る球体と、同じように赤く光る球体が見えた。柚樹さんも一緒になって遊んでいる。と言うことは、何か悪いモノではない。水穂さんと顔を見合わせる。またなにか引き寄せてしまったのだろうか・・・。

 「一樹、柚樹さん、どうしたの?」

いちおう警戒しつつ声をかけてみた。

 「あのね、僕らが雨にあたってると、この子達が飛んできたの。それで、一緒に遊んでいたの・・・。」

一樹が、ちょっと後ろめたそうな声で言う。そう言えば一樹もまだお子ちゃまだった。凄く微笑ましい。ここのところ、いろいろ続いていて、かまってやれなかったのが申し訳なく思える。

 「・・・この近くで、遙か昔に宇宙船が墜落して時間凍結か、コールドスリープで眠ってるらしい、子ども達だそうだ。墜落した宇宙船のコンピューターとリンクが出来て意識を飛ばせるようになったようだな。自分たちに似た存在を見つけて、ここまで来たようだぞ。子どもの言うことなので、はっきりしたことはわからないが、千年とか2千年とか言うレベルの時間らしいのお。」

柚樹さんが顔を洗うような動作をして、そう言った。なんか最近ネコ化が進んでるような気がする。しかし、千年、2千年も前に墜落して助けを待っていたのか・・・。そりゃまた、気の毒な。そんな長い時間・・・。さびしかったろうに。一樹の後ろに隠れるように、薄く青く光るものと、うすく赤く光るものが浮かんでいる。それに向かって声をかけてみる。

 「一樹や柚樹さんと遊んでくれてありがとうね。僕は田本一樹。一樹と柚樹さんの、・・・そうだな、お友達だよ。この人は、ええっと、僕のお嫁さん。」

最後のところは、耳が熱い。危険な人じゃないよってことはわかって・・・、う~ん、水穂さん、ある意味危険な人だけど・・・。瀬戸様の、扇子で口を隠して笑う、あの表情が脳裏をかすめた。

 「僕は、リルル。この子はメルル。悪い人達につかまったの。でも、その中の一人が僕達を連れて逃げてくれたんだけど、この星に降りるのが精一杯だったの・・・。」

そんなイメージが伝わってきた。結構、この太陽系第三惑星ってわりと銀河連盟系の来訪者って来てるのね、とか思ったりする。今日も天地君ち行くつもりだけど、ちょっとだけこの子達の宇宙船探すのもありだな、とか思う。一樹もいるし、柚樹もいる。

 「そうかぁ。じゃあ、おじさんをその宇宙船があるところまで案内してくれるかな?もしかすると2人を助けられるかも知れないし・・・。」

え?本当に?うれしい!、と言うイメージが伝わってきた。水穂さんに事と次第をかいつまんで説明した。あ~あ、と言った顔をする水穂さん。それじゃさっさと行きましょ。と言ってくれる。大事になれば、籐吾さん達を呼ぶのも良いだろうし。こっちだよ、とふわりと飛び始める、2人の光を今日乗ってきたクルマ(古い軽自動車に擬態した方)に乗って追いかける。二つの光は山の方に向かっている。どっかに埋まってると難しいよなぁ、そうなると鷲羽ちゃん達にも相談だなと考える。う、移動速度が速い。ならば、と。

 「一樹、2人を捕捉しておいてね。ちょっとこっちへ行って、と。」

ちょうど山の方に行ってるので、農道が近い。人目に付かないところで不可視フィールドを張って、探査機に変形し二つの光を追跡する。数分で、わりあい近所の大きな農業用溜め池についた。二つの光は、その池に吸い込まれていく。

 池やその周辺を探査すると、池の直径は200m程度あって、四隅が丸くなった四角い形の池だった。瀬戸内では良くある池である。宇宙船らしきモノは、その底部分に斜めに刺さったような状態だった。ほとんど10m程度の深さに埋もれているようだ。大きさは、結構でかい。元々は二等辺三角形のような宇宙船だろうか、先頭部分と左側が欠損しているようだ。長さは200mを越えるだろう。池の縁を越えて、周辺の道を越え、うわ近所の家の下まで続いている。その下となると、ほとんど20mを越えて深く刺さった状態だった。こりゃ、掘り起こしてどうこう出来るレベルではないな。しかも後部で10m、前端部だと20mも埋もれているのか・・・。

 「あなた、プローブを飛ばしてみてはいかが?」

 「こういう、埋もれたモノに近づけるものがありますか?」

すでにオペレーターモードの水穂さんだった。地中だからなぁ・・・。そういえば、と某英国で放映されていた、結構リアルな人形劇がふと思い出される。日本語でも放送されて映画にもなっていたと思う。クローラーとでっかいドリルの乗り物で、そのドリル部分を地面に突き立て地中に潜っていくものだった。プラモデルを作ったこともある。でもこんなのがあったとして、周辺にもの凄い振動がでるだろうし、掘ったあとが大変だろうなぁとか思う。

 「さすが鷲羽様の探査機ですわ。面白いプローブがあります。これですが、円筒形の先端が触れる部分をちょうど自分が入れるだけの空間を切り取り、転送技術で入れ替え、掘りながら進む地中探査用プローブですわ。でも、鉱脈とか資源探査用のシステムが入ってるようですわね。このままでは、ちょっと厳しいですね・・・。」

やっぱり鷲羽ちゃんに相談かな・・・。そうだ、と思って一樹に聞いてみる。

 「相手が宇宙船だから、もしかして転送とか使える?あと、コンピューターとも通信出来たりはしない?」

 「う~ん、かなり古い物のようだから・・・。それとエネルギーもほとんど尽きかけているみたい。転送は受け側のポートが起動出来ればだけど・・・。かなり難しいね・・・。」

 「数日くらいは持ちそうかな・・・?」

 「生命維持装置がかろうじて動いているくらいね・・・。それくらいは持つでしょうけど。力業でここを掘ることは簡単だけれど、さすがに初期文明の星、かなりまずいわね・・・。」

結構緊迫してしまってるではないですか・・・。う~ん、困った。あ、そうだ!。

 「水穂さん、先週のサルベージ会社、連絡取れますか?さすがに本職だから何か良い方法があるかも知れない。」

即座に水穂さんが通信回線を開き、瀬戸様に報告がてら、サルベージ会社の連絡先を聞き出している。通信のやりとりをしていた水穂さんの表情がパッと明るくなった。

 「あなた、先週の戦いで大破させた惑星規模艦の引き取りで、木星軌道まで来てるようよ。周囲に影響を与えないで、上手く引き上げる方法があるみたいね。20分くらいで地球の衛星軌道上まで来られるって。」

おお、それならちょっと来て状況を見てください、と伝える。一度、一樹を探査機の外に出して、探査機を一樹に収納して、一樹で地球の衛星軌道上にあがる。同時に籐吾さん達にも連絡を取った。しばらく待っていると、先週見たサルベージ船がジャンプアウトしてくる。あまり時間が無いので、通信回線を開くと同時に、埋もれている宇宙船の周辺データを転送した。こちらから、僕らも先方の作業船に転送してもらった。

 「・・・このたびは、いろいろ本当にお世話になりました。社員の家族も皆帰ってきて・・・。」

丁寧に頭を下げる社長だった。頭を上げて、僕の顔を見てちょっと怪訝そうにする。あ、そうだ、天木日亜さんにならないと。

 「こちらこそ、ご協力ありがとうございました。実は、ちょっと急ぎなんですが・・・。そちらにも送っていますが、この状況を見てください。」

農業用溜め池の真下、から近所の家の下まで、斜めに深く突き刺さった形で宇宙船があるのを見せる。

 「う~ん、こりゃ地盤に深く食い込んでますね。もちろん、上から掘ることは・・・。無理でしょうね~。」

僕らの顔を見て、スッと納得する社長。

 「しかも、コールドスリープか、時間凍結か、どちらかで眠っている子ども達がいるようなんです。さらにこの宇宙船のエネルギーは尽きかけています。できれば、十数時間以内に何とかしたいのですが・・・。」

しばらく腕組みをして考える社長。でかいディスプレイを睨むようにじっと見つめている。すぐに技術関連の責任者を呼んだ。二言三言話をして、頷き、こちらを向く。

 「埋没宇宙船のもう少し正確な外形図は、手に入りますかね?。うちの大型転送機を使えば何とかなるかもしれません。正確にフィールドで包んで、転送をかけて、空いた隙間には、この瞬間発泡材を転送し、瞬時に発泡させ充填します。」

そう言って、一種、爆弾にも見える白い円筒形の物を見せてくれる。これを十個ほど、わずかずつ座標をずらして転送し、爆破、発泡させるようだ。

 「正確な外形図ですか・・・。あの探査機なら可能かも・・・。ちなみに、作業料というか代金はいくらですか?」

ここまで来てもらっているのだし、代金は支払わないといけない。

 「それでは見積もりと言うことで・・・。このくらいで。」

実は僕には高いか安いかわからない。金額を見せてもらって、頷き、水穂さんにも見てもらう。

 「正直、安くはないですわ。でも今はそんなことを・・・。」

 「言ってはいられませんね。それではすぐに作業に掛かりましょう。」

いつも持ち歩いている、例のMMDカードを出して、決済する。こちらも言い値で決済してもまったく問題が無い。こちらの世界ではお金に困窮しているわけでもないし。それなりに経済が循環すれば、それで良いと思う。それに先週の聞き取りでは真面目な人に見えたし。

 「水穂さん、探査機で降りましょう。一樹は、原寸大で不可視フィールドを張って、3000m位で待機してくれ。何かあったときのバックアップを頼む。柚樹さんは一緒に来てね。」

また、一樹の格納庫に行き、探査機に乗り込む。するとすでに、籐吾さんや、あやめさん達が乗り込んでいた。

 「一言声をかけてくださいね。ホントにもう・・・。」

やれやれ、と言った表情の4人である。なんか申し訳ないなとか思いながら、頼むよと言って、様々なことを任せた。籐吾さんの鮮やかな操縦桿さばきで格納庫を離れる。不可視フィールドを張って、役場からさほど遠くない溜め池上空に到着する。一樹は直上3000m程度で待機していた。探査機で、詳細なマップを作成する。溜め池の直上20m位で滞空しながらの作業である。下には民家もあり、犬を連れた散歩のおっちゃんや、ウォーキングのおばちゃん、ランニング中のお兄さんも通っている。ほぼ無音で作業しなければならない。これ、地球の技術のジェット推進とか、プロペラとかだと大音量の騒音をまき散らしているんだろうな、とか思う。それでも10分後には必要な精度のマッピングは終わる。さすが、鷲羽ちゃんの探査機。データを作業船に転送した。

 「転送かけたあとの宇宙船はどうします?」

う~ん、考えていなかった。ちょっと待ってもらって、ここで観念して鷲羽ちゃんに連絡を入れる。今までこういうことで電話をかけたことなかったことに気付く。改めて電話をかけることが微妙に怖かったり。とりあえず、携帯端末から白眉鷲羽と書いている番号をタップする。数コールでつながった。

 「もしもし、白眉鷲羽様の携帯でしょうか?」

おずおず、とかしこまって電話する。

 「はいはい、田本殿だろ。いろいろ見せてもらってるよ。引き上げた宇宙船は、うちの亜空間ドックで調査するから。一樹で牽引しておいで。ちゃんと不可視フィールドで包むんだよ。」

はい、はい・・・わかりましたと、電話を切った。すべてお見通しその2と言ったところか。

 「一樹、作業船の転送掛かって、埋もれている宇宙船が現れたら、牽引ビームで保持して鷲羽ちゃんの亜空間ドックに運ぶよ。上空500m位まで下降してきてくれるかな。」

 「それでは作業を開始してください。」

そう連絡すると、作業船が、ゆっくりと下降してくる。僕の探査機と入れ替わりに、上空30m程度で滞空した。転送フィールドが、湯気のように空気を揺らめかせている。そのフィールドがすぐに消える。

 「だめです。今の、うちのエネルギージェネレーターでは無理ですね。想像以上に重い機体のようです。追加ジェネレーターユニットが必要なんですが、今回は持ってきていないし・・・・・・。」

探査機のディスプレイに困った表情の社長が出る。

 「えっと、外部からエネルギーを供給すれば良いんですね?。」

ええそうですが・・・。そう言って怪訝な顔をする社長。

 「今から転送でそちらに行きます。追加ユニット接続部に僕を連れて行ってください。水穂さん、ちょっと行ってくるわ。」

さっきの作業船ブリッジに転送してもらって、困った顔をした社長に追加ユニット接続部に連れて行ってもらった。梅皇さん、この宝玉のリミッターを一時的に外してくれますか?と頼んだ。即座に、熱くなってくる左手。こいつ結構暴走モードを繰り返してたのか、とあきれた。接続部に手の平を置き、力をゆっくりと放出していく。

 「社長っっ!、エネルギーレベル増大。追加ジェネレーターユニット10個分か・・・、いやそれ以上のエネルギーが流れ込んできています。いつでも行けますぜ。」

船内放送で、興奮したクルーの声が響く。びっくりした表情の社長だが、すぐに気を取り直したようで指示を即座に出した。

 「よし、上空500mに待機している、皇家の船の真下に船体を転送。その後瞬間発泡充填材を予定通り転送、爆破、充填しろ。」

さっきの空気の揺らめきのようなモノが再び現れ、次の瞬間それが消える。その後、もう一度その転送フィールドが現れ、また消えた。すぐに溜め池に大きめの波紋が出来た。波は岸にぶつかって、そこそこ大きなしぶきを上げた。それもすぐに収まる。家から人が出てきて周りを見渡している。結構大きな振動があったのだろう。

 「機体のあった場所に発泡および充填、完了。このあたりの地盤と同じ硬さです。これで、崩れて大穴が開くこともないでしょう。」

ホッとした表情の社長がそう言って太鼓判を押してくれる。これで、溜め池の水がなくなったとか、地盤沈下したとかそんなこともないだろう。

 「一樹、機体の保持は出来てる?」

うん、いまから鷲羽様のところに運ぶよ!。と元気よく返ってくる。一緒に遊んだお友達だし。一樹は何となくうれしそうで、リンクしている僕も同じように弾んだ気持ちになる。

 「それじゃあ、あとはよろしくお願いします。お世話になりました。」

一礼して、水穂さん達の待つ探査機に帰ろうとした。

 「お待ちください、ここまでしてもらって、あのお金は、受け取れません。」

必死の形相の社長だった。

 「いえいえ、良いんですよ。みんなでお酒でも飲んで、また良い仕事してください。」

二の句が継げず、そのまま深々と一礼する社長を視界に捉えたと思ったら、探査機のブリッジだった。作業船は、ゆっくりと上昇していく。

 「さて、柾木家に行きましょう。先に一樹が行ったはずだし。」

こちらも、わずかに上昇して、柾木家に向かう。クルマで30分ほどかかる場所でも、空なら数分。5分もすれば、いつもの鷲羽ちゃんの亜空間ドックだった。


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